青学で受けたアニメを観る授業
僕の最終学歴は青山学院大学だ。どこで説明しても意外がられる。
最近の母校は駅伝が強いらしい。自分がいたぐらいの頃から強くなりはじめた。
「でも青学って、バキ童がいた大学だもんな」とのツイートが散見された※
しっかりネガキャンになっているんだなと実感する。
※ぐんぴぃは"バキ童"でエゴサをしていることが分かる。嫌なアカウントしか呟いていない。
青山学院大学は一般的にキラキラしたイメージを持たれている。表参道にキャンパスがあるし。
キラキラした人たちは実際に多い。洗練されている、スマートな人たち。陽キャが圧倒的だ。
しかしバキバキ童貞や、幸せならOK兄貴など陰の者たちも輩出している。
そして意外ながら、陰の者向けの授業も存在した。
俺妹!を観る授業
アニメを見て、レポートを書くと単位がもらえる講義があった。楽単ランキングぶっちぎり1位の神授業だ。
当然大人気のため、多数の生徒が押しかける。履修できるかどうかは抽選になる。自分は運よく受講することができた。
当時の僕は「とらドラ!」や「日常」「ハヤテのごとく」「ローゼンメイデン」などを見て、ご飯を食べて寝るだけのオタク虫だった。
日がな一日2ちゃんのアニメキャラスレに常駐。「けいおん!」に出てくる美少女・田井中律が愛用する黄色いシャーペンが実在していることを皆で特定。自分もそれを胸に刺し持ち歩くなどしていた。
これが田井中律ちゃん
律が使ってた黄色いシャーペンを…
特定しましたンゴ…(笑)
◆
アニメ講義の存在を聞いたとき、自分が受けるべき授業がついに見つかったと感じた。
教授は変わった男性だった。学生に自分が最近見たアニメを滔々と語る。
教授「良いアニメあるから紹介させて!」
そう言うと、大スクリーンに『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の第一話を流し始めた。教室は気まずい雰囲気に包まれる。
※俺の妹がこんなに可愛いわけがない
見終わった後 教授は「みんなは甘えてくる妹派?甘えられる姉派?」とウキウキで尋ねていた。先生が一番目がキラキラしていた。アニオタのオフ会のような授業だった。
この講義は2種類の人種が受講していた。アニメ好きの陰キャと、楽単と聞きつけて受講した、特にアニメに興味はない陽キャだ。
陰キャと陽キャ、水と油がせめぎあいながら、毎週「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」を見た。
嫌だったのは「俺妹」を見た後に、生徒同士でディスカッションをしたことだ。
コムドットみたいな集団と一緒だった。彼らは「妹と付き合うとかキモくねw」などと笑いあっていた。
※イメージ図
彼らを尻目に陰キャ勢は、本気の舌戦を繰り広げた。
「俺妹」がツンデレの系譜のなかでいかに新しい作品か。兄嫌いの妹桐乃が、実は兄を想っている描写が、第一話の時点でわずかに醸されていることなど。ここが自分の檜舞台と言わんばかりに。唾を飛ばしながら語り合った。
陽キャ達はオタクの熱量に引くなりせせら笑うなりしていた。地獄だった。
僕はアニメオタクだったが、コムドット達に怖気付いてしまった。彼らに笑われないようにそこまでアニメにあまり詳しくないフリをしてしまった。
アニメの話をすれば何でもよかったので、陽キャも履修済みであろうワンピースの話題を振ったりした。
しかし、陰キャたちは決してワンピの話に乗らなかった。この場所だけは陽キャに譲らないぞ、とでも言わんばかりに。頑なにキルミーベイベーの例え話をやめなかった。軸がブレていない。信念を感じた。
けっきょく僕は陰キャにも陽キャにも馴染めず、その授業に次第に出席しなくなっていった。あんなに楽しそうな授業だったのに。
いちおう、レポートだけ提出したら単位は取れた。
「"日常"のDVDが売れない理由の考察〜それはアニメオタクにお笑いのセンスがないから〜」というテーマだった。
2chに書き込んだら叩かれまくった暴論を、5000字でまとめあげて提出したらAAだった。楽単だったなぁ。
身に覚えのない慰謝料にあてます。