キモシェアハウス解散します 後編
キモシェアハウス解散します 前編
(離脱組の住人がそれぞれ精神崩壊し、奇声をあげるなど)
前編から4日後に投稿する予定だったのに、4週間経ってしまいました…すみません。
部屋がないものたちの苦悩
このままの環境で契約更新して、2年シェアハウスをおかわりをするのは無理だと悟っていました。3LDKに5人で住むのは部屋なしの民が限界でした。
部屋のキレイさと心の平静さは比例する、と聞いたことがあります。散らかった部屋で生活している人は心が荒れているとか。
じゃあ、部屋が無い人はどうなんだ。心をロストしてしまっているのか。そうかもしれない。
今はほぼ全ての荷物をリビングに置いてます。リビングはゴミが散乱し荒れ果てており、定期的に物を紛失します。モノを買っても無駄なので物欲がなくなりました。
居間がどれくらい散らかってて紛失しやすい環境かというと、同居人が食べていたシュウマイをポロッと落とした時、どんなに探しても見つからなかったことがあります。マジックみたいだった。
部屋がない状態があと2年も続くのは、どう楽観的に考えても心が持ちません。
人生のうち通算4年間 部屋が無いというのはしんどい。4年間って長いですよ。大学生のあいだ全部だし、オリンピック1回分だし、犬なら32歳くらいだし、日暮熟睡男の睡眠時間だし。
部屋がほしい。部屋がほしい!
部屋がほしい!
子供部屋をねだる小学生のようですが、私は31歳です。縄文時代なら平均寿命で死んでる歳です。
一度、木田さんに小学生みたく「僕も部屋がほしいよ~!」とねだったら「はいはい、部屋は童貞を捨ててからでしょ」とママ風に流されました。無茶苦茶なこと言われてる。
あと、部屋あり勢はシコるのに困ったことが無いと言ってたのも大きい。
部屋なしはオ〇ニーのチャンスも滅多にないのです。ならたがリビングに寝ていた頃、こたつ横の布団の中で全神経を集中してシコっていたのを思い出します。ノブナガの円くらい周りの動きや音を察知してましたね。
引越しという希望
「引越し考えたらええやん。探したら同じ家賃で部屋数も多いとこあるで」
キモシェアハウスの友達、赤もみじの阪田ベーカリーさんの助言が光りました。
(赤もみじ・阪田さん 趣味のパン作りが指原&フワちゃんに褒められてバズりそうなタイミングに、パンに飽きてパチンコにハマった人。ABC決勝がんばってくれ…!)
調べてみると、今住んでいる場所と同程度、むしろ安いくらいの家賃で4部屋以上ある物件が、次々と見つかりました。家の中に「引越しをしてキモシェを継続しよう」という気運が高まりました。
近隣トラブル
引越しをしたかったもう一つの理由は、近隣トラブルです。
キモシェアハウスは閑静な住宅街に位置するマンションの一室にありますが、近隣住民たちに嫌われています。
原因は騒音(現在は気を付けているつもり)と、異様なベランダです。
ベランダは前記事にも書いたように、古川さんの呪われた布団が散乱しています。他にも信じがたいことですが、おびただしい数のオナホールが天日干しされています。木田さんがオナホのレビューのバイトをやっており、評価済みの品物を干しているのです。
筒状のホールならまだしも、下腹部ごと形どったエグい玩具が、洗濯バサミに挟んで靴下のごとく干されてます。べったりした肌色のオナホが物干し竿に留められており、何も知らない人は肉屋の倉庫と見間違えるかもしれません。
ベランダは外から見えます。さぞ不気味なことでしょう。
そしてシンプルに、気持ち悪い男たちが複数人いて、出入りしている。得体が知れない。
お隣さんは家族づれです。篠原さんが鉢合ったときに、お母さんは子供の目を隠したそうです。
決定的な出来事がありました。
古川さんが外に出ようとドアを開けたら、ちょうど隣のお父さんと息子さんがいたらしく、扉がぶつかりそうになりました。
お隣のお父さんが「危ねえよ…」と漏らしました。「す、すみません!」と古川さんが勢いよくドアを開けたことを謝罪していると
「ドアじゃねえよ…。お前ら全員危ねえんだよ…。危ねえ…、なんなんだよ…。」と険しい顔のお父さんにボヤかれたそうです。
その日の夜、古川さんは一連の出来事を報告してくれました。
古川「この家の終焉が近づいています…」
(古川さん。ならた退去後はならたの布団をもらえることが内定している)
隣人トラブルが一番怖いです。殺害理由が「となりのピアノがうるさかったら」という事件もあるのです。
1年そこらで憎しみ満タンの呪詛を吐かれたわけです。あと2年以上住んだら何が起きてもおかしくないと思っています。
騒音に関しても僕の笑い声がデカ過ぎるというのがあり、反省しています。しかし、篠原さん古川さんの奇声も相当です。
リーダーの反対
引越しムードが霧散してしまったのは、木田さんが強烈に拒否したからでした。断固として拒絶しました。曰く、引越しにかかる労力をもう味わいたくないとのことです。
実際は、木田さんの彼女さんの家からアクセスがよいので、移動しがたい事情もあったのでしょう。
赤もみじ阪田さんの意見も伝えましたが、
「阪田め、知恵をつけさせやがって…」と言っていました。
一応、木田さんなりに折衷案を考えてくれました。
「一人部屋がほしいんでしょ?じゃあ部屋を布で遮ればいいじゃん。保健室のシャーッて引くやつみたいにさ。どう?笑」
部屋を持つヒト特有の机上の空論でした。
布一枚で遮られた空間にプライバシーなどないのです。木田さんの「バキドッテ♪」も空調も遮る事ができない。
そんなわけで、引越しの線は無くなりました。この家の契約者は木田さんになるので、彼を説得できないのであれば引越しは実現し得ません。
最後の家族会議
5月中旬に、キモシェアハウスを継続するか否か、決議の時間がとられました。時刻は深夜11時半。
僕は遅れて集まったのですが、すでに篠原さんとならたは離脱の意を表明していました。僕も、引越しがない時点で離脱を決意。
木田さんはあらためて引越しはしないと宣言しました。
残る気だった古川さんですが、3名が抜けると知って驚き、浮かない表情をした後「お、俺も抜けようかな、、抜けたほうが気持ちがいいというか、そう思うんですけど…」と心許なげに呟きました。
すかさず木田さんがニラんで
「おい、コジキ…引越す金あんのか?ねえだろうが。てめぇが審査降りると思うか??」と凄むと
すぐに「そうですね…残ります…はい」と撤回していました。
(文字だとこわいですが、木田さんと古川さんの極道風のくだりは日常茶飯事です)
あっさりとキモシェアハウスの解散が決まりました。
思えば蛙亭さんやオズワルドさんの家のように、シェアハウスがテレビの仕事に繫がったり
ブチかましさんのようなYoutubeでの成功があれば、どんな条件であれ継続だったのかもしれません。
売れなければ解散というのは、お笑いコンビに似ています。
ぼくたちもAbemaの番組に特集されたことがあります。ひろゆきさんとZOOMで直接話しました。2chねらーの我々はめちゃくちゃ感動でした。
しかしメンバーの様子がおかしく、なぜかギャグを披露する流れになり壊滅的にスベってしまい、以降メディアから声がかかることはありませんでした。
ひろゆきさん「きみたち面白くないんでしょ?だってテレビで全然見ないじゃん?」
めちゃくちゃ煽られました。ゆたぼんパパぐらい。でもうれしかったなぁ。
【キモシェアハウス】バキバキ童貞の人&レンタルブサイクが住人!?バズった芸人×バズりたい芸人が住むシェアハウスの実態
ちょうど、ならたが実家からお酒を持ってきてくれていたので、皆で飲みました。こういう機会は久しぶりでした。
そういえばキモシェアハウスの2年間は、ほとんどコロナ禍と被っています。
「寂しくなるな」
酔って頬が紅い木田さんがポツリと漏らしました。
あんたのせいだろう、と全員心の中で思ったらしいんですが、寂しくなりそうなのは本当だったので場はしんみりとセンチに包まれました。
思い返せば、この1年半、寂しいと思ったことは一度もありませんでした。
飲みに行ったり人と会うことが制限された時代にルームシェアをしていたのは、ある意味では幸運でした。
家に帰れば必ず人がいて、しかも全員トップクラスに変なやつで面白くて。リビングに集まれば必ず爆笑していました。
シャラ~ペさんを家に招いたときに言われたことがあります。個性的なお笑いライブをたくさん主催されていたザクサスの元主宰です。
「毎日、家で爆笑してるって、おかしいんですよ。変なんです。毎日爆笑している家庭が日本にどれくらいあるのかって話ですよ。
結婚して子供をつくって家族になるのが幸せといわれてるけど、リビングで毎日大爆笑してる家族なんてめったにいないですよ。
独身ならなおのことでね。だからお笑いライブなんてのがあるんでしょ。お笑いライブは日常に笑いがないから存在してるんですよ。
お笑いライブが無い世界は、よっぽど平和なはずなんです。だから、キモシェアハウスを羨ましいと思う人はたくさんいるんですよ実は」
その日は外が明るくなるまで、1年半の短いような長いような歴史をなぞりながら、大笑いしました。
寂しくなり目が潤んでいる木田さんが
「ぐんぴぃ、家賃5000円でいいからさ、籍と荷物を少しおいてさ、ときどき家に寝に来るとかどう?」と打診してきました。
僕もお酒を飲んでてグッときましたが、今までを思い返して冷静になりました。
「でも多分それやっちゃうと、いざ僕が泊まりに来た時、木田さん嫌な顔しますよね?」
木田さんは笑った。
「うん、嫌な顔するなぁ」
キモシェアハウスの今後について
木田さん、古川さんは新メンバーを募集する事に決めたそうです。
キモシェアハウスとして継続するため、キモい芸人をいれたい、と思いましたが都合が合わずナシになりました。
結局、木田さんがよく連れてくる後輩、マセキ芸能社所属のフランツの土岐さんが入居するようです。
フランツはマセキ最若手のなかでは実力派で、めちゃくちゃウケています。
ネタの強い正統派の若手漫才師。そこまでキモいイメージがないです。
木田さんに尋ねると「土岐の髪を長くさせて、キモくしようと思う」とのことでした。
この人と関わると売れないのでは、という気になりました。
他にも様々な芸人が候補にあがりました。
キモ薄めで、お笑いにストイックに取り組む家にしよう、ということになりました。
これが趣旨ズレというものでしょうか。
奇行癖のある春組織の新垣さんや、ルームシェアでリビング住まいをしているにもかかわらず高い家賃を払っている高木払いさんに、その精神力を見込んで声をかけるなどしましたが、すべて「行くわけないでしょ」の一言でした。
現状としては、木田さん、古川さん、土岐さんの3名でマセキハウスになるのでしょう。
ときおり遊びに行こうと思います。嫌な顔をされるでしょうけど。
最後に、ぼくらの家の家族会議の最終回をやろうと思います。
これはキモシェアハウスで時折やってきたイベントですね。開催される折には皆様もふるってご参加ください。
最後はキモシェアハウスらしく、しっかりギクシャクして、なんなら喧嘩して終わりたい、と木田さんが気を吐いていました。
木田「こないだね、ならたの実家にいったんだよ。小道具を借りにね。
ならたの部屋に入ったんだけど、小さめな部屋にベッドがあって、本棚には「うしおととら」とか、「ボーボボ」とかアイツが昔読んでた漫画が並んでて。
ちょうど夕方5時のチャイムが鳴って。学校のチャイム。夕日が部屋に差し込んできて。そのとき思ったんだけど、ならた、実家に帰ってここに住んだらめちゃくちゃ寂しいだろうなって。
キモシェアハウスに帰りたいって思っちゃうかもしれない。それは悪いから、精一杯、嫌な思いをさせたい。なまじ良い思い出だと可哀想だから、どんなに寂しくてもキモシェには戻りたくないとしっかり思い知らせてやるんだ」
木田さんの優しさはいつもズレている。
上等です、やってやりましょう。