スティーブン・ユニバース考察「オニオンについて」
こんにちは、ちかるんと申します。
普段はふせったーでチマチマ感想を書いたりしていますが、たまにはこういうのも使ってみようかなと思いnote初挑戦で御座います。
早速ですが本題に入りましょう。
■オニオンとは何か
オニオンとは、アニメ「スティーブン・ユニバース(以下SU)」の舞台であるビーチシティの住人の一人。
この子ですね。
何を隠そう、私ちかるんの最推し人間キャラであります(ジェムの最推しはアメジストです)。
今回はこのオニオンについて考察していきたいと思います。
※全シーズン終了時点での考察ですので、以下の文中にシーズン1〜5、ムービー、及びスティーブン・ユニバース・フューチャー(以下SUF)のネタバレを含みます。あらかじめご了承下さい。
さて、オニオンを一言で表すと
謎多きヤベェ幼児
って感じです。
一人で歩き回ってる点や12歳のコニーが「まだ小さいんだから」と言っている点から考えると、推定4、5歳くらいでしょうか。
見た目は上の画像の通り、キューピー人形の様な可愛らしい子供です。
しかし突拍子もない行動をする事が多く、「完全に犯罪だろ」という行動も少なくありません。
故に「愛に溢れた世界観のSUの中で唯一倫理観が無い」「コイツ一人だけ価値観がGTA(グランド・セフト・オート)」等と言われています。
ここからは、そんなオニオンの特徴について一つ一つ紐解いていきます。
■特徴1:「マママ」しか喋らない
見出しの通り、オニオンは「マママ」しか喋りません。
所謂幼児言葉かと思いきや、父親であるイエローテイルも「マママ」しか喋らないので外国語の類ではないかと思われます。
母親のヴィダリアや、異父兄のサワークリームは普通に喋っているのでイエローテイルの母国語かも知れません(サワークリームが義父であるイエローテイルとの絆を示す様に、自分をぞんざいに扱う実父マーティーにママママ語で捲し立てる85話「レイブナイト」は名エピソードですね)。
因みに原語版ではオニオンをスティーブン役のザック・カリソン氏、イエローテイルをグレッグ役のトム・シャープリング氏が兼役で演じています。
要するにスティーブンとグレッグが裏声でママママ言ってるんですね。
■特徴2:物を食べない
オニオンは基本的に「食べ物が苦手」な様で、物を食べようとしません。
とにかく物を食べず、折角貰ったハンバーガーを海に投げ捨てたり、スパゲティを口に含んで吐き出したりしています。
この設定によってファンの間では「オニオンもジェムと関係あるのでは?」等と囁かれたりしてましたが、ムービーやSUFではまたお菓子を食べていたり、85話ではマーティーが宣伝の為に持ってきて皆には大不評だったグワコーラ(アボカド濃縮還元炭酸飲料)を一人でグビグビ飲んでいます(15話「レンジャーが欲しい!」で「物を食べない」と説明される以前にもお菓子を食べるシーンがあります)。
ひょっとすると、只偏食なだけなのかも知れませんね。
■特徴3:悪行三昧
オニオンといえばイタズラ、イタズラといえばオニオンです(そうか?)
しかしオニオンの場合、一般的なイタズラっ子の次元を遥かに超越している為「悪行」としか形容出来ないレベルになります。
中でも印象深いのが第15話「レンジャーが欲しい!」。
この話のオニオンの行動はというと、こんな感じ。
・折角貰ったハンバーガーを海に投げ捨てる
・ハンバーガーに付いていたケチャップをバラまき、スクーターを乗り回して暴走させ、ケチャップに引火させて爆発炎上させる
・スティーブンの宝物であるレンジャー人形を盗み、それをダシに対価を引き上げ続け、レプリケーター(物を無限にコピペ出来るジェムの道具)を騙し取る
・早速レプリケーターを悪用して無限増殖させたデイブ人形で町を埋め尽くし、止めに来たジェムズに自動車をコピーしてぶつける
…ヤバいですよね。
推定4、5歳のやる事じゃねぇwww
こういう事を殆ど無表情でやってのけるのがオニオンという男なのです(レプリケーター貰う時は悪魔の様な笑顔になってましたが)。
「一般人でも状況次第で恐ろしいヴィランになり得る」というのは47話「Tシャツを作ろう」のバックでもありましたが、バックの悪行が嫌がらせ程度だったのに対してオニオンはガチです。
特に車ぶつけたのなんて、ジェムズだったから良かったものの一緒に居たグレッグに当たってたら大怪我してましたからね(最悪命に関わる)。
他に自分のメイン回以外でもゲーセンの筐体をバールで破壊し小銭を奪ったり、遊園地のジェットコースターに放火未遂したりと枚挙に暇がありません(大体被害被ってるのがスマイリーさんというのが泣ける)。
あと市長の釈明演説中にバットで殴ろうともしてたっけ…
ジェムズもよく物をブッ壊しますが、悪意を持って破壊と暴力に勤しむのはオニオン位でしょう。
■特徴4:実は寂しがり?
上記15話のオニオンの奇行の数々ですが、終盤で「パパに会えなくて寂しいから」という説明付けが為されています。
そもそもオニオンはその得体の知れないキャラクター性とは裏腹に、詳細な家族構成が判明している数少ないキャラの一人。
父は漁師のイエローテイル、母は画家のヴィダリア、そして異父兄に通称「クールキッズ」の一人・サワークリームが居ます。
両親はそれぞれ仕事で忙しく、兄も恐らくDJやったりバックやジェニーとつるんだりで構ってくれない。
そう、オニオンは所謂「放置っ子」に近い状態です。
まぁヴィダリア達がネグレクトしてる訳ではないというか、あの家は個人主義が強いんでしょうかね。
みんなそれぞれ自由に生きてる感じです。
またビーチシティにはティーンエイジャーはそこそこいますが、オニオンと同世代の子供が居ません。
一番歳が近そうなピーディーも10歳は超えてるだろうし、そもそもピーディーは店番が忙しくて殆ど遊ばない子な上、オニオンともろくに絡んだ事が無い。
大人も子供も、誰もオニオンを構ってくれない。
恐らく何しても「子供のやる事だし」と本気にされない(人一倍正義感の強いコニーでさえ「まだ小さいんだから」と許してしまった)。
それでオニオンは、いつも一人で変な遊びをしてる訳ですね。
遊びの内容がどんどん過激化してるのは、みんなの気を引く為だったりするんでしょうか。
因みに110話「オニオン・ギャング」では同世代の友達が居る事が判明しますが、彼等は夏休みの間だけビーチシティに遊びに来ているので、夏の終わりと共に帰っていくのでした。
毎年来てくれると良いですね。
■特徴5:推しへの巨大感情
そんな中、唯一オニオンを対等に構ってくれる存在が我等が主人公、スティーブン・ユニバース。
物を盗んだりすればちゃんと怒って追い掛けて来るし、間違った事はしっかり諭してくれる。
自分はスティーブンの一番の長所は「対話が出来る事」だと思ってて、要するにオニオンに対しても全力でぶつかって対話してくる訳ですよスティーブンは。
そりゃ大好きになりますよね。
只オニオンは好意の示し方がちょっと独特なので、65話「オニオンは友達」ではまた数々の奇行でスティーブンを困惑させていきます。
簡単にまとめると
・スパゲティでスティーブンの顔を作り、舐めて吐いた後破壊する
・ペットのヘビの餌やり(ネズミの生餌)をさせようとする
・自分の出産ビデオを上映
・隠し部屋に案内し、ガチャガチャのコレクションを一つあげる
・口からネズミを出す
…スティーブンが困惑する気持ちも分かりますwww
しかしこの一連の行動、オニオンの気持ちになって考えると結構理に適ってたりするんですよ。
まずスパゲティの件は母のヴィダリアがアーティストなので、アートで好きな物を表現したかったんだと思います。
「君の事大好きだよ」という気持ちで舐め取ったは良いものの(良いか?)、食べ物が苦手なので吐いてしまった。
最後はアート的に創造と破壊みたいな感じでしょうか。
コレだけでもこう、推し(スティーブン)へのどうしようも無い巨大感情が伝わってきます。
ヘビの餌やりは、恐らくオニオン自身が楽しみにしてる事なんでしょう。
それをスティーブンにやらせてあげようとしたと。
只スティーブンはヘビが苦手な上、「ネズミを食べさせる(命を奪う)」という行為が耐えられなかった。
これはオニオンの作戦ミスですね。
自分の出産ビデオを見せるのは、多分「生い立ちから知ってくれ」という自己紹介なんでしょうね…メッチャ独特だけど。
もしくはヘビの餌やりと同じで、単にオニオンが出産ビデオを見るのが好きなのかも知れません。
そして名誉挽回と挑んだプレゼント作戦。
コレクションの中からレアフィギュアの「冒険女」をプレゼントし、コレは大成功。
まぁ全部盗品っぽいけど。
最後に口からネズミを出したのは「ホラ、君が嫌だって言ったから食べさせてないよ!」って事でしょう。
はい。
つまりこの回のオニオンは
「家に来た推しをもてなしたいけど空回りし続けるスティーブン強火オタク」
なんですね。
「スティーブンに喜んで欲しいけど何したら喜んでくれるか分からない…そうだ!自分が嬉しくなる事をして貰おう!」みたいな。
この辺は自他の境界が薄いというか、友達が居ないから「他人を喜ばせる」って事が分からないんだな…と思うとちょっと可哀想ですね。
そしてSUF6話「A very special episode」では、オニオンにもう一人の推しが現れる事になります。
そう、スティーブンとパールが合体したレインボークォーツ2.0(以下RQ2.0)です。
優しいスティーブンと世話焼きなパールの合体だからか、或いは魔法のパラソルで遊んでくれるからか。
あのオニオンがRQ2.0の前では凶暴性を無くし、完全に只の幼児になります(マジで)。
この二人の絡みを見ると、オニオンは本当に寂しかったんだなと…甘える相手が欲しかったんですね。
RQ2.0が居なくなったらまた暴れ出しましたけどねwww
■特徴6:ラストで泣かせに来る
そんなお騒がせのオニオンですが、最後にビッグサプライズが待ってました。
それはSUF最終話「The future」での出来事。
人間としての自分を確立する為、ビーチシティから旅立つ事を決めたスティーブンは、家族であるクリスタルジェムズ達に自分の宝物を預けていきます。
ペリドットにTシャツをあげたり、アメジストにゲーム機をあげたり。
グレッグには自分の代わりに家に住んで貰ったり。
そして宝物を全て預けたスティーブンは、車でビーチシティを去っていくのでした。
彼を見送る為にビーチシティ住民が沿道に勢揃いする中、一人駆け出すオニオン。
その背中には…
チーズバーガーリュックサック!!
そう、あのスティーブンの冒険のお供だったチーズバーガーリュックサックは、なんとオニオンに引き継がれたのです。
マジでエモ過ぎるでしょ…!
まさか最後の最後でオニオンに泣かされるとは思いませんでしたよ。
ほんの一瞬の小さい姿でしたが、ずっとオニオン推してて良かったと思えた瞬間でした。
これからはリュックを背負って、オニオンが冒険していくのかなとか思うと感無量です。
僭越ながら、最終話の時に自分が描いた漫画を貼っておきます。
■総評
なんか考察というか、只の推しのプレゼンみたいになってしまいましたが、総評すると
寂しさから非行に走る危な可愛い奴
って感じですね。
■番外編:オニオン驚異の身体能力
オニオンは所謂背景キャラの様な役割も多くこなしており、それがしばしばネタ要素として扱われる事もあります。
特にムービー以降は顕著になり、
・スティーブン達が何処に行ってもオニオンが居る(ワープ能力持ち?)
・暴走した超高速ジェットコースターで何周も回転し、海に投げ出され爆発しても無傷
等人間離れした身体能力が描かれます。
まぁ飽くまでそういうお遊び的なギャグなんだとは思います。
■番外編2:実はジェム?
上記の驚異的な能力や「物を食べない」という設定から、たまにファンの間では「オニオンはジェムなのでは?」と議論が起こる事がありました。
自分もストーリーが進んでない頃はホワイトダイヤモンドとか似た名前のオニキスとか色々考えましたが(ライオンやラースみたいに復活した存在とかも)、遂に最後までそういう設定は出なかった事で
只のヤベェ一般人
であるという事が確定しました。
ある意味一番怖いパターンのやつですねwww
■番外編3:GEM ONION
私事ですが、最近SUのアートブック「End of an era」を購入しまして。
それはもう素敵イラスト満載の素晴らしい本だったのですが、読み進める中で気になるイラストがあったんです。
アートブック持ってる方は183ページの左下をご覧下さい。
このページは元モンスタージェム達のSUF版の姿の画稿なんですが、そこにあるジェム「ウォーターメロントルマリン」のメモ書きに
「GEM ONION」
の文字が。
確かに顔といい首に巻いた上着といい、SUF版ウォーターメロンはオニオンに似てるんですよ。
まさかウォーターメロンとオニオンがフュージョンを…?と思ったんですが、フォロワーさんの検証により両者は別々に存在してる事が判明したので、これもスタッフのお遊びの一環なんでしょうね。
しかしパーソナルデータの友達欄にオニオンが居ないのが謎過ぎる…じゃあ何でこんな似てるんだよ…
でもSUFでオニオンはリトルホームスクールに出入りしてジェム達と一緒に居る場面が多かったので、その内誰かと心を通わせて合体出来たりするかも知れないですね。
誰にも構われずずっと孤独だったオニオンですが、これからはスクールのジェム達が遊び相手になるのかな…?
はい。
そんな訳で長々と語りましたが、サブキャラにスポットを当ててもこんなに語れるのがSUの良い所ですね。
オニオン以外にも、一人のキャラに注目してシリーズをもう一度追ってみるというのも面白いかも知れません。
此処まで読んで下さってありがとうございました!
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