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【イベントレポ】群馬ゆかりのみオンラインvol.4/35 みどり市編〜「三方良し」の精神が息づくチャレンジの余白を残すまち~

地元に関わりたいけれどキッカケがない、何をしたらいいかわからない、という想いを抱えている方々(特に若者)を対象に、最もハードルの低い群馬県との関わりとしてオンラインイベント「群馬ゆかりのみ」を開催しました!
群馬県の全35市町村に1つずつ焦点を当てて開催する予定ですが、2021年8月30日(月)に第4弾!みどり市編を開催しましたのでイベントレポートとしてまとめてご紹介します。

群馬ゆかりのみとは?という方はこちら↓↓


今回は、みどり市役所の西原さん、髙野さん、そしてみどり市の観光大使で群馬県住みます芸人アンカンミンカンの富所さんに地元ゲストとして出演いただきました。

2006年に誕生!意外と若い「みどり市」

群馬ゆかりのみでは恒例となりつつある、冒頭の乾杯&参加者みんなの自己紹介を済ませた後は、みどり市役所の髙野さんにみどり市の概要についてお話しいただきました。

実は、みどり市は平成の大合併で2006年に誕生した、群馬県で一番若いまちなんです。ってご存知でしたか?

そんな、みどり市は、東(あずま)村、大間々(おおまま)町、笠懸(かさかけ)町の3つの町村が合併してできたまちです。みどり市ってなにがあるの?と聞かれてぱっと思い浮かぶのは「わたらせ渓谷鐵道」でしょうか?

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景観の美しさから観光列車のトロッコ列車としても有名で、西原さんと髙野さんにご用意していただいた資料にも「わたらせ渓谷鐵道」通称「わ鐵」の美しい写真がたくさん!春夏秋冬どの季節を切り取っても「映え」を狙えるそうです。「わたらせ渓谷鐵道」は、桐生市からみどり市を通って栃木県の日光市までを繋ぐ鉄道で、みどり市民には欠かせない交通手段となっているそうです。残念ながらイベント実施した9月は緊急事態宣言発出の影響でトロッコ列車は運休中ということでした。(10月から再開したみたいです!)

わたらせ渓谷鉄道

こんな美しいトロッコ列車の写真からわかる通り、みどり市は、緑が多く、自然豊かなまち。

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ということは、つまりアウトドアや温泉など観光がとても盛んな町なのかと思いましたが。

実は意外にもみどり市は、観光業から林業、農業、商業と幅広い産業が盛んな町だったんです。そしてそれは合併した3つのまちの歴史と産業との深~い関係がありました。

市町村合併したら「すべて一緒」が正義?

2006年に合併でできたまち「みどり市」ですが、もともとの3町村は全くカラーが違うまちだったそうです。

▽市の北側に位置しみどり市の面積の半分以上を占める東地区は、観光と林業のまち。

▽市の中央に位置する大間々地区は、国道122号・あかがね街道が通る昔ながらの商業と宿場まち。

▽市の南側で岩宿遺跡を有する笠懸地区は、農業と近隣のベットタウンとして賑わうまち。

いくら地域が隣接しているからといって、今まで全く異なる方針だった町村がいきなり手を取り合って協力していこう!というのは難しいことだろうなと容易に想像できます。実際に、「当初は大変だった…」というココだけ話もありました。でも、ざっくばらんなトークの中で、みどり市ゆかりのゲストから発せられた「まとまることが正義ではない」という言葉がとても印象に残っています。

このような全く産業が異なる3町村が合併して約15年。現在は各地域の産業である「林業・商業・農業」+観光業の良いところをみんなでアピールしていこう!と団結して魅力発信に取り組まれているそうです。

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三者三様が◎!互いの違いを認め合う文化へ

合併により、暮らしや産業がいろいろ1つにまとまることは重要だけど、各町村のいいところをそぎ落としてまで1つにこだわることはない。全部が一緒になることが決して正しいわけではなくて、良い「違い」を残しつつ、協力できるところは3町村分の3倍以上のパワーで協力し合う。

合併でできた新しいまちで、1つにまとまることに執拗にこだわらないからこそ、互いの違いを認めあう文化があり、外からの人も入りやすく、新しい挑戦がしやすい風土があるまちなのだろうなと思いました。

そんな背景もあってか、みどり市は現在移住や関係人口の構築に大変力を入れているそうです。地域おこし協力隊は、林業や観光業を中心に現在なんと10名以上が活動中で、今後はさらに募集枠を増やすとか。

地域おこし協力隊を積極募集中

今回は、そんなみどり市の地域おこし協力隊3年目の安西未佳(アンミカ)さんと地域おこし協力隊OBで現在は東町で宿泊もできるものづくり工房「森の中で創る。Lab」を経営されている馬場さんにも、お話を聞くくことができました。実際の移住者のぶっちゃけ話やココだけ話を気軽に聞くことができるのが、ゆかりのみのイイところでもあります!

アンミカさんは、仕事内容と面接の印象でみどり市に住むことを決めたそうで、現在は観光振興や魅力発信系のお仕事に携わっているとのこと。住環境や仕事内容だけでなく、面接時の印象で地域を決めていたことは意外でしたね!みどり市のウエルカムな雰囲気が面接時に感じられたのかもしれません。

馬場さんは、みどり市5年目で林業や山仕事に携わっていて、現在は「森の中で創る。Lab」を経営されています。ゆかりのみでは、パソコン越しではありましたが、実際に製作された作品も見せていただきました。参加者からも「ワークショップに参加したい!」とのコメントもあり、皆さんみどり市の持つ林業のパワーに魅了されていました。馬場さんのように「好き」の延長が仕事になるってとても素敵です。

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みどり市は、まだまだ林業や商業、観光業などで活躍できる場面がたくさんあるとのことですので、協力隊として町づくりに携わりたい方は、チャレンジの「余白」を多く残すみどり市がとっても狙い目かもしれませんね!

輝く若い力!「関東ローム層」ラバー現る!?

さて、今回のゆかりのみ、元気いっぱい!な若手から、人生の酸いも甘いもよーく知り尽くしている先輩方まで、老若男女問わず多くの方にご参加いただきました。

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今回のみどり市編で一番盛り上がりをみせたのは、みどり市にゆかりのある若者。きらりさんと楓佳さんのトークでした。

「私、岩宿ろーむっていうスイーツを開発しまして…」と恐る恐る大人たちのトークに入ってきてくれたきらりさん。主催者を含め、参加者の皆さんの頭の上に「?」が浮かんだとき、一拍おいてから、きらりさんが「岩宿ろーむ」について超アツく語ってくれました!

岩宿ろーむ製作委員会 @iwajuku_loam より画像お借りしてきました↓↓

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きらりさんは、みどり市出身で群馬県内の大学に通う女子大生。群馬の魅力を女子大生が発信する群馬ガ~ルズ @gunma_girls というSNSを運営されていて、特に史跡や歴史などにアツい想いをお持ちな、女子なのですが。みどり市の魅力をもっと身近に感じてもらうために、「関東ローム層×パンケーキ」という、スイーツ好きにも、歴史好きにも、地層好きにも、群馬好きにも!?どんなマニアにもドストライクにハマるであろう、可愛くも超本格的なスイーツを開発されたというのだから驚きです!

写真映えする何層ものクリームが関東ローム層の地層の数と色を表現してて超本格的。

参加者からも「食べたい!」「どこで買えますか?」などなど、ケーキへの質問に加え、「なんで作ろうと思ったの?」「みどり市で活動の支援はできないのか?」などなど、きらりさん自身に関するたくさんの質問、今後の展望などなど、ついついトークのメモを取るのを忘れるほどに盛り上がってしまいました。

また、同じくみどり市出身の楓佳さん @fuka_okawaは、今は地元を離れていますが、みどり市出身の女優・モデルとして県内外で活躍中の20代!みどり市にある近藤酒造さんのお酒「赤城山」を片手に参加してくれました。

主催メンバーの学生時代がそうだったように、20代って何かと東京や都会にあこがれて上京し、地元のことなんてほとんど考えないのが当たり前の日常なんだろうなと勝手に思い込んでいましたが、楓佳さんのように地元を一度出ても、地元のために何かできないかと考えて、わざわざ時間を取ってゆかりのみに参加してくれるとは…きらりさん同様に、その行動力に感服しました。

私たち主催メンバーも35市町村をめぐる群馬ゆかりのみを実施し始めて今回で4回目を迎えますが、地元のために何かしたいと思いつつも、その思いを「かたち」に起こして、行動を重ねていくことの難しさともどかしさを最近感じています。

きらりさんや楓佳さんのように、地域に貢献できる何かを自力で探し出して、それを「かたち」に起こしたり実際に行動したりすることは、ただアツい想いを持っているだけでは成し遂げられないことです。私たち主催メンバーはもちろんですが、参加している皆さんも、きっと若いお二人に勇気と元気をもらい、そして自分たちももっと頑張ろうという前向きな気持ちになれた瞬間だったのではないかと思います。

三方良しの精神で先代に続け!第4回 みどり市編を終えて

話は変わってイベントの最後に富所さんからみどり市に伝わる非常に興味深いストーリー、「三方良しの精神」についてお話しいただきました。富所さんは、群馬県住みます芸人として、さまざまなイベントに参加したり、みどり市や群馬県の魅力発信、町おこしに尽力されいます。

その昔、あかがね街道が通る大間々町で大きな火事があったそうです。その際に、町で醬油を作っていた「日本一しょうゆ」の岡直三郎商店は、丹精込めて造った醤油を使って町の火消しを行ったそうです。せっかく作った製品で火を消すなんてもったいないことだと思いますが、岡商店は、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の近江商人の心である三方良しの精神で、「売り手良し」だけではだめだということで、まちのために製品を差し出したとのことでした。その後、岡商店は、周囲の人も使えるようにと塀の外に井戸を掘り、現在は災害時に使えるよう整備されている「三方良しの井戸」として受け継がれているそうです。

とても素敵なストーリーですが、今回このお話を聞きながら、みどり市編の開催全体を通して思ったことは、この三方良しの精神がみどり市のまちづくりの根本にあるな、ということでした。

平成の大合併にできた新しいまちで3つの地区がそれぞれ「良し」と思える1つにまとまることにこだわらないところ。

自分たちののことだけではなく、まちの持続を考えて井戸を作った近江商人に始まり、みどり市の50代~60代の皆さんがまちづくりの基礎を構築した次世代のことを考えて行動してくれるところ。

まちの中の人と外の人だけでなく、地域おこし協力隊をはじめとした新しい人材を受け入れる「余白」をきちんと残してくれているところも。

また、今回ご登壇いただいた、西原さん、髙野さん、富所さんをはじめとする地元ゲストの皆さまと、参加いただいた皆様、そして私たち主催メンバーは、きっとそれぞれ考え方も、立場も、今いる場所も違いますが、お互いを尊重しあい、協力し合って、「みどり市」というまちの未来を思って集まったことも、きっと三方良しの精神が引き合わせてくれているんだろうなと実感しています。

今回ご参加いただいた皆様、ゲストの皆様をはじめ、このイベントに関わっていただいたすべての方に感謝しつつ、三方良しの精神を忘れずに。

引き続き第4弾、第5弾と、頑張っていきたいと思います!ご期待ください!

群馬ゆかりのみ・みどり市編で話題になったモノコト

イベント概要

群馬ゆかりのみ まちのひと×出身者たちで地元トーーク!【みどり市編】

吉本の群馬住みます芸人であり、みどり市観光大使も務める 富所 哲平さん(アンカンミンカン)、みどり市職員で観光・地域起こしに携わる 西原 和哉さん、 髙野美乃里 さんご協力のもと開催いたします!
みどり市はなんと言っても「わたらせ渓谷鐵道(by わたらせ渓谷鐵道株式会社)」という最強✨の観光資源を持つ土地。車窓から四季折々の自然を満喫でき、さらに周囲には 岩宿博物館 や 富弘美術館 など良質な観光スポットを有しています。メジャーどころに加え、事前の打ち合わせでは 三方よし井戸の逸話や、無愛想だけど抜群に美味しい地元店などの話が飛び出して、ディープな話題満載になりそうな予感でいっぱいです😊😊😊
さらに、積極的に地域おこし協力隊の制度を活用しているみどり市は観光、林業、木材産業、農業の分野で、11名もの地域おこし協力隊員が活動しています。 みどり市地域おこし協力隊についても、いろいろお話を聞きたいと思います。暮らしや仕事、移住について、参加者と相互コミュニケーションで情報交換できる場にいたします。

<概要>
日時:2021年8月30日(月)
参加費:無料
場所:オンライン開催(Zoomを利用)
主催:株式会社kaettara / 共催:群馬県、みどり市、ぐんま暮らし支援センター
対象:群馬県出身者、群馬県と縁(ゆかり)がある方、群馬県に興味がある方
申込: https://peatix.com/event/2621749





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