ぐん税ニュースレター vol.28 page05 -介護事業~QOLと入居者との関わり方~-
介護事業を運営する当法人グループのウイステリア株式会社は『みんなの笑顔のために仕事をします』という理念を念頭に、日々業務に従事させていただいております。安全で安心な介護・看護を提供することは基本的なところですが、安全・安心を提供するうえで『自分らしい毎日を送るために』どのような関わりができるのか、というところに着目してみました。
QOL(Quality Of Life)に対する看護ケアの要素としては、傾聴・自己実現・価値観と言われていますが、全てに共通していることは親身な関わり方を持つ、ということが分かります。また、その人が過ごしてきた環境や経験、年齢や性別も人それぞれであることから、バックグラウンドを考慮した対応が重要となってきます。バックグラウンドからアセスメントをする訓練は、看護学生の頃からしていますが、介護の現場でも同様に重要視されると考えられます。
私は看護学生当初、看護師は医師の指示のもとで動いているだけなのだと思っていて、正直なところその当時は看護師に対する憧れというものはあまりなかったのですが、基本的欲求を看護論で挙げていたヴァージニア・ヘンダーソンに出会い、私の看護観は大きく変わりました。マズロー心理学の自己実現理論の欲求5段階と共通しているところがありますが、ヘンダーソンの看護独自の機能としてその人ができるだけ早く自立できるように働きかける関わり方は、まさにその人にとっての個別的な展開でありQOLを重視した関わり方でした。
近年、医療現場だけでなく、介護現場においてもQOLは重視され、その人らしい生活、またその人の生活の質を維持できるような関わり方が大事とされています。介護・看護、それぞれ独自の専門機能がありますので、それぞれの機能を生かして、入居者様一人ひとりに対し、一つひとつ全ての行為に意味のある関わり方で、その人らしい人生を全うできるように携わっていきたいと思っております。
本年も残り1か月を切りました。まだまだコロナウイルスによる影響で落ち着かない状況が続いていますが、皆様健康管理に気を付けて良いお年をお迎えください。来年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いいたします
統括施設長 久保