美術展「フィロスコレクション ロートレック展 時をつかむ線」
先日、東京都新宿の「SOMPO美術館」で開催中の展覧会「フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線」に行ってきました。
展覧会情報:
フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線
2024年6月22日(土)〜2024年9月23日(月)
会場情報:
SOMPO美術館
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
ロートレックといえば、リトグラフやポスターで、19世紀末のパリの生活を鮮やかに描いた画家として有名です。今回の展覧会では、フィロス・コレクションから選りすぐりの約240点が展示されており、彼の作品を通じてパリの大衆文化や彼自身の人生を深く感じ取ることができました。
SOMPO美術館に近づくと、入口に掲げられた大きなロートレック展のポスターが目に飛び込んできます。それを見た瞬間、期待が一気に高まりました。真夏の暑さの中、地下道をできる限り利用して美術館へ向かいました。少し迷うかもしれませんが、そういった冒険も含めて、訪れる楽しみが増しますね。入口すぐのロッカーはコイン不要で使えるため、身軽に展示を楽しめるのもありがたいところです。
オンラインで事前にチケットを購入していたので、入館はスムーズ。受付で紙の半券を頼むといただけました。
展示は2階から4階までと広範囲にわたるので、まずエレベーターで4階まで上がり、ゆっくり下りながら作品を鑑賞する流れです。ロートレックの作品は一部のみ撮影が許可されていました。
展覧会は5つのテーマで構成されており、それぞれがロートレックの芸術の多面性を存分に感じさせる内容になっています。
第1章:素描
鉛筆を用いた動物や人物の素描が展示されており、特に馬を描いた作品の躍動感が圧巻でした。単なる写実ではなく、まるでその瞬間を捉えたかのような生き生きとした表現に、ロートレックの卓越した観察力が感じられます。人物画に関しても、その人間らしい滑稽さや特徴を見事に捉えています。
第2章:ロートレックの世界-カフェ・コンセール、ダンスボール、キャバレー・・・・・・
この章では、リトグラフで描かれたパリのカフェやキャバレーの様子が展示されています。アリスティド・ブリュアンのような実在の人物を描いた作品が特に目を引き、当時のパリの空気感が作品を通して強く伝わってきます。
第3章:出版ー書籍のための挿絵、雑誌、歌曲集
ロートレックが手がけた書籍の挿絵や表紙が並び、色彩が一段と豊かになっていく過程を目にすることができます。リトグラフの石版が展示されている点も興味深く、彼がどのように作品を生み出していたのかを垣間見ることができます。
第4章:ポスター
ロートレックの代表的なポスターが多数展示され、色彩の力強さや独自のデザインセンスが際立ちます。ここでは撮影が許可された作品がいくつかあり、特に「エルドラド」や「ジャヌ・アヴリル」のポスターは一見の価値ありです。
第5章:私的生活と晩年
家族との手紙や晩年の作品が展示されており、ロートレックの人間的な側面が見えてくるコーナーです。彼は36歳の若さでこの世を去りましたが、その短い生涯において多くの傑作を残したことを思うと、改めてその才能の深さに驚かされます。
SOMPO美術館に何度か訪れたことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、階段を使って各階を移動する際、壁に貼られた展示に関連するポップに注目してみてください。展示そのものとは別に、遊び心あるディテールにちょっとした楽しみを感じられます。
この展覧会は、ロートレックの作品を通して当時のパリの街並みや文化を体感できるだけでなく、彼の独自の視点やアプローチを深く知る機会を提供してくれます。アートに興味がある方はもちろん、少しでもパリやその時代に魅力を感じる方にはぜひ足を運んでいただきたい内容です。
次回は、「カナレットとヴェネツィアの輝き」が2024年10月12日(土)より開催されます。ヴェドゥータ(景観画)の巨匠カナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会とのことです。次回も気になりますね。
展覧会情報
「フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線」
2024年6月22日(土)〜2024年9月23日(月)
会場情報
SOMPO美術館
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
次回展示
「カナレットとヴェネツィアの輝き」
2024年10月12日(土)〜2024年12月28日(土)