第二回ガンダムウォー杯企画:15弾→16弾時の環境変化まとめ記事
はじめに
前回に引き続き旧ガンダムウォーオンラインイベントを開くことにしました!
前回の第15弾環境が自分のやっていた最後の環境だったのですが、それ以降もガンダムウォーというゲームは遊ばれ続け、たくさんのプレイヤーに支持されてきたということに興味を持ち、自分がやっていなかった期間のガンダムウォーも遊んでみたいと思いました。
なのでこれからも『ガンダムウォー杯』を開催し続け、回を増やすごとに1弾ずつ追加する方針でイベントを開催することで、やっていなかった当時のガンダムウォーを追体験できるイベントにしようかなと思っています。
ぜひいろんなデッキが集まり、遊べる場にできればいいなと思いますのでたくさんの方のご参加お待ちしてます!!
さて、12月10日(日)開催の第二回ガンダムウォー杯は前回15弾から一個進んだ第16弾「覇王の紋章」までの環境!
具体的には16弾「覇王の紋章」・TS2「爆炎の決闘場」、DB7「ガンダム・ザ・ガンダム編」、ジャンボカードダス覇王の紋章EX3が追加になります。
大きな影響ではモビルファイターことMFの参戦、そしてそれによって新ルール「リング」が導入されたことです!
この記事ではこれらのカードやルールが追加され、前回の15弾環境からどのように変化したのかを見ていきたいと思います。
(参考)前回15弾時点の環境デッキ記事
1.青勢力
16弾環境における青は、Tier最上位とは言わないまでも前環境に引き続き上位に残れる立ち位置にあり、前環境でも活躍したウィニーデッキも健在で、中速にも強力なカードが追加され一段とデッキパワーが上がっています。
1.1 注目の新カード
この項目では15弾以降の追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。
「第16弾覇王の紋章」
①ガンダムF90S
自軍G以外のカードをロールすることで戦闘エリアにいる敵ユニットに2ダメージを与える除去能力と、R効果によって与えるダメージをかさ増しする効果を持ったユニットです。
起動が何回でも行える上にコスト条件が緩く、「北極基地」などの拠点ユニットやオペレーションでもロールしてダメージを与えられるため、枚数さえあればキャラが乗ったMFユニットすら落とせる打点が出せます。
さらにこの能力の強みはほかにもあり、相手のエリアを選ばないため反対側から高機動ユニットを叩き落せる、自軍ターンであれば配備エリアからでも相手ユニットを打ち落とせるという射程範囲の広さで、高い火力が出せれば1体で戦場を制圧することすら可能でしょう。
ただし並ばないことにはその強さを活かすことができないためリセット系コマンドには要注意といったところ。
②カタパルト
青い自軍ユニットがリロールインする能力と廃棄することで自軍すべてのユニットをリロールできる能力を持つオペレーション。
先述の「F90S」とすべてがかみ合っており、「後続ユニットを火力にできる」「カタパルト自体をロールして火力にできる」「廃棄するとF90Sの火力が二倍になる」という相方ともいうべきカードとなっています。
この手のカードの欠点である二枚目が腐る、展開し終わった後に引いたら無駄牌になるという点がスマートに解消されているデザインが非常にgood。
③駆り立てるもの
除去対策コマンド。常時で打てるプリベント付きということでかなりの信頼性があり、相手の除去を躱せるアンチ除去カード。
「破滅の終幕」、「転向」、そしてこの環境を代表するリセットカード「恫喝」に対する回答として文句なしの性能で、サイドボードにはもちろんこの時代であればメインにすら採用が検討できるのではないでしょうか。
キャラセットタイミングでの「部品ドロボウ」をよけられるのも好印象です。
「ガンダム・ザ・ガンダム」
④νガンダム
6国と重めだが場に出た瞬間から特級の仕事をする強力ユニット。
リロールインなので出てすぐ動けるというのはもちろんですが、このカードの一番の強みは【自動A】の戦闘フェイズ中の敵ユニットのテキストを全て無効にするという能力。
立ってるだけでありとあらゆる敵のユニットをただのバニラユニットに格下げし、一方的に戦闘面で有利に立てる能力はあまりに強力で、このDB7「ガンダム・ザ・ガンダム」で収録されて以降、最終弾環境付近まで青デッキに採用されうるスペックを持っていました。
出撃していない場合に、ダメージ判定ステップには効果が発揮されない縛りがある点には注意が必要です。
能力目当てに出撃するときは後列から出撃することになりそうですが、その場合にも射撃3で貢献できるのはgood
このカードがいることで評価が変わるユニット、勝敗が変わるマッチもあるほどの強力なユニットです。
⑤アムロ・レイ
交戦中ではない場合にジャンクヤードに一瞬避難し、その後帰還ステップにユニットごと自軍配備エリアにリロール状態で出す事ができる能力を持ったカード。
かなり万能な除去回避能力であり、また4国でキャストできるため「恫喝」対策として優秀です。
ただし、一旦ジャンクヤードに行って戻ってくる都合上、ジャンクヤードに行ったタイミングで取り除かれるなどされたときには戻ってこなくなるため注意が必要です。
ちなみに資源コスト②は必要ですが、この能力をダメ判規定効果後に起動することで出撃後の相手ターンをリロール状態で迎えられ、疑似的な「補給」効果として使用することができます。
⑥シロー・アマダ
-1/0/0コインを乗せる代わりにターン終了まで+4/0/0の修正を得られる能力を持ったキャラクター。
4→3→2→1と起動するごとに減っていくが、青ウィニーといった早期に決着を目指すデッキであれば最後に行く前に決着していることが多く、その強みを最大限生かして活躍できるでしょう。
⑦エースの奮闘
4国使って本国6点回復という控えめなテキストながら、「名称:ガンダム」が交戦というかなり軽い条件でジャンクから回収できることで使いまわすことができるため、最終的にはかなりの回復量を稼ぐことができる最強クラスの回復コマンド。
とにかく回収が容易なためハンデスやカウンターに強く、手札を捨てる「政治特権」や「ガンダム試作3号機」とシナジーを形成します。
ジャンクに落ちている必要があるため「脅迫」はこのカードに対して非常に効果的なカウンターとなります。
1.2 評価の変わったカード
この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。
●強くなったカード
①ガンダム試作3号機
前環境までは火力の能力を使って場を制圧する役割を期待して投入されたカードでしたが、16弾環境では「恫喝」と「破滅の終幕」といったリセットに対するコマンド耐性テキストの方で活躍するようになりました。
場に何もいない状態から恫喝が飛んできたときに、
「恫喝」→カットイン「ガンダム試作3号機ステイメン」プレイ→ステイメン場に出る→自動で「ガンダム試作三号機」に換装→「恫喝」解決するも試作3号機は場に残る、というプレイングは重要なので覚えておきましょう。
また、『カウンターΞ』が前環境より減ったことで高機動が止められにくくなったことも評価UPしたポイントです。
②ガンダム(ハイパー・ハンマー装備)
交戦からの生存率が高いこのカードは、前述の「エースの奮闘」との相性が抜群です。
サイズで負けるMFや白のユニットもロールで誤魔化して遅延したり、 「ガンダムF90S」の能力で火力をアップしたあとに換装して4点ダメージといった使い方ができるおかげで盤面制圧能力が一段と上がりました。
R能力が肝となっているため1.1で挙げた「カタパルト」とも好相性です。
「エースの奮闘」、「F90S」、「カタパルト」と新カードによってさらに評価の上がったカードとなりました。
③カミーユ・ビダン(ドラマチックスターター2)
相手コマンドの対象にならないいわゆる「アンタッチャブルカード」。
これも「恫喝」と「破滅の終幕」対策として使われ、環境によって評価の上がったカードです。
なお、「冷凍刑」によって無効化されるので過信はしないようにしましょう。
④コウ・ウラキ(月下の戦塵)
MFを大幅強化できるGFや、緑単に優秀なキャラであるシーマなどが追加されたことにより、ライバルコインの乗せ先が増えて使いやすくなったことで評価アップ。一生キャラ付きMFをリングで足止めすることも可能です。
●弱くなったカード
⑤リック・ディアス(アムロ・レイ機)
対象にとれない「リング」が導入されたこと、また、テキストの条件が「戦闘エリアにいる場合」ですが防御値3で「ケンプファー(試作機)」の射程圏で落とされやすいという理由から採用されることが少なくなりました。
また、名称:ガンダムでないこともマイナスポイント。
⑥Zガンダム(DB6)
貴重なジャンク除去でサイズを上げられますが、5国ロールインなのでリセットやリングハンデスに間に合わない点で評価を落としました。
テキストの使用制限もあるので最速のキャラセットされたMFにサイズで敵わないのもつらいです。
⑦ファ・ユイリィ(DB4)
クイックで敵軍ユニットにセットできる能力を活かし、相手キャラプレイに割り込んで疑似的なキャラカウンターとしての動きが強みの一つでしたが、今環境での中心カードであるMFはGFしか乗れないためセットを止められないのがネックになり評価を落としました。
ただし、ミラーでは先出しキャラのプレイ止められるため、まだ使われることもあります。
④キリマンジャロの嵐
環境から『黒単重速』が少なくなり、ハンデスや直接破壊コマンドに対して過敏にならなくてもよくなったこと、「ガンダムファイト国際条約」が収録されたため、『水ランデス』への対策としてはそちらで用が足りるようになったことにより使用用途が減りました。
この環境では主にミラーの火力テキスト対策用としての役割を期待されてサイドにとられているようです。
1.3 まとめ
16弾環境における色的な立ち位置としては入賞数自体は多くありませんがTier1.5くらいの力はあります。
サイドとあわせてどのデッキにもまんべんなく対応できるのが強み。
青はサイズや除去で他色に遅れを取りますが、そのぶん回避カードに優れるのでいつの時代も上位にはいられます。
この後の収録されていくカードにより強化されていき、環境の中心に存在することになりますが、この頃の時点でも優秀なカードは多く、すでに優遇された中速として下地ができていたことがうかがえます。
2.緑勢力
16弾環境における緑は茶に次いで強化を受け、特に中速デッキはこの環境からメタ上に上がるようになりました。
ただし前環境までの強みであったランデスは「ガンダムファイト国際条約」により使いにくくなってしまい、メタ上の立ち位置を後退させました。
2.1 注目の新カード
この項目では15弾以降の追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。
「第16弾覇王の紋章」
①ゲルググM(シーマ・ガラハウ機)
4国というコストで3/2/3と強襲、攻撃時に+2/+2/+0修正が入る効果を持ち、さらに自軍ユニットをゲームから取り除くことで破壊を無効にすることができる能力を持ったユニットです。
この環境はキャントリップ拠点が強く、破壊無効のテキストを起動しやすいことも相まって、攻めに行くときは鬼の攻撃力です。
半面受けに回ると4国として使うにはいまいちな性能なので状況次第で強さにばらつきがありそうな気がします。
『緑単中速』を環境トップに押し上げた立役者の一人。
②ザクキャノン(イアン・グレーデン機)
専用機のセットが成立してるとき、自軍コマンドの対象にならない地球/宇宙の1/1/1コインを出せる効果を持ったユニット。
チャンプブロックに回せるのはもちろん、射撃力も1持っているため攻撃でも有用なコインユニットが毎ターン出るというのはかなり破格。
また、専用機セットの相方、「イアン・グレーデン」がコインユニット強化テキストを持っているため、時間を少しもらえればかなりの破壊力をたたき出せるでしょう。
また、ユニットバラまけるデッキ御用達の「ギレン・ザビ」との相性も抜群で、一気に相手の本国を溶かすことができそうです。
③シーマ・ガラハウ
打ち消しとドロー能力という緑が欲しかった能力を与えてくれた仕事のできるウーマン。
汚染コインを得ることと引き換えにカードを無効にしたり、ドローができたりします。汚染コインはほとんどの場合、この能力以外の得ることにはならないと思いますので実質的に回数制限のみのデメリットを背負う形です。
『恫喝MF』というリセットカードを中核にしたデッキがトップメタの環境にあって初動の遅い『緑中速』というデッキが活躍できたのはこのカードに打ち消しのバックアップがあったのも大きいでしょう。
バルチャーがあるので最悪戦闘でやられたときにも回収できるのもgood
④ジーク・ジオン
敵軍ハンガー、敵軍配備エリアにある自分が本来の持ち主であるユニットを配備エリアにリロール状態で取り戻せるカード。
この環境ではリングが導入されたこともあり、ユニット戦に寄った環境になっているため「転向」「ジ・オ」などがかなり強く、そういうコントロール奪取カードに対する対策として有効・・・という使い方ではなく、自軍のハンガーから「開業資金」などで相手に大型ユニットを送り付け、このカードによって違法召喚するという使い方をします。
プレイアブルでない激重国力帯のロマンユニットを並べて勝てるデッキ作れるのはとても楽しそう。
⑤一日の長
自軍ユニットがいない場合に、毎ターン追加でドローできるオペレーション。
「御しえぬ野心」と比べると、わずか1国、しかもランダムディスカードなどの置いておくことによるデメリットがないことはかなり破格といえます。
とはいえ自軍ユニットがいないという縛りはきつく、入れるデッキは選びそうで、コントロールやコンボデッキなどがメインの居場所になりそうです。
『緑単中速』にも採用されることがあり、「ドップ」や「サイド3」といったキャントリップユニットからこちらに切り替えた『一日の長型緑中速』という新しい型の構築も生まれました。
⑤理想に仇なす者
敵軍配備エリアにあるカードの自動でないテキストに資源②の税金を課すオペレーション。
「内部調査」「一日の長」などが一気に使いにくくなり、「ディアナ帰還」に至ってはほぼほぼ起動する意味がなくなるほどのデメリットを与えます。
緑はオペレーションへの対処が苦手だったので、このカードの収録は大変緑にとって大きな意味のあるものでした。
一番効力が発揮されやすいオペレーションを例にあげましたが、この重税はオペレーションに限らず、「月面民間企業」やユニットの解体といったGにもユニットの能力にも、資源コストが課せられます。非常にいやらしい。
「TS爆炎の決闘場」
⑥ケンプファー(試作機)
4国4/0/3と、普通にユニットでも使いやすいスペックを持ちながら手札にあるとき、あるいは交戦中の時に廃棄することで、戦闘エリアの敵ユニットに3点のダメージを与える火力としての役割も持つユニットです。
火力テキストは自動テキストのためカットインされず、特殊シールドやパンプテキストなどによって妨害されにくいのはとても強力です。
このカードと「ドラゴンガンダム」の存在によって、この環境では防御値3のユニットの信頼性が下がることとなりました。
ちなみに交戦中の場合、破壊された状態で廃棄する能力を起動することで防御値7のユニットまでは相打ちが取れるという点は大きいので覚えておきましょう。
「ガンダム・ザ・ガンダム」
⑦滅多打ち
名称:ガンダムと交戦することでジャンクから回収できる「女スパイ潜入」。
サイクルの青カード「エースの奮闘」と違い、自分のユニットでガンダムを出すということがあまりないため回収難易度は少し上がるものの、それを差し引いても相手のガンダムとの交戦によって回収できるという条件は再利用しやすく、効果も強力です。
「女スパイ潜入」と違い自軍ターンには使えないのでカウンターを防ぐ目的での使い方ができない点には要注意。
⑧二ムバス・シュターゼン
戦闘フェイズに自軍カードを廃棄することで敵軍コマンドの効果で移動せずロールしなくなるキャラ。
『緑単中速』は立ち上がりが遅いため、本格的に戦う段階になった瞬間飛んでくる「恫喝」や「破滅の終幕」で全部台無しにされがちですが、前持って二ムバスを強いユニットに張っておくことで牽制ができます。
また、既存の似た役割のカードが「クスコ・アル」がいます。
2.2 評価の変わったカード
この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。
●強くなったカード
①高機動型ギャン(ジョニー・ライデン機)
リロールインする能力と敵軍ターンにダメージ判定ステップ以外ならいつでも手札に戻せる効果を持ったユニット。
手札に戻る能力は除去を避けられるというのはもちろん、リングのハンデス効果を防いだり「1日の長」の効果を使いながら殴るなどの動きができます。
この環境以前でも強いカードであるものの雇用先に恵まれなかったところでしたが、中速ユニットが一気に増え『緑単中速』がアーキタイプとして確立したことにより使われるようになりました。
②逃避行
行った来たりする「転向」。
今までも『緑ウィニー』のサイドなどに使用されていたが、この環境ではユニット戦の重要性が増し、相手のブロッカーを減らしながらアタッカーを増やせるという効果が非常に有効であったため評価がup。
自軍ターンのみ有利になるというデザインのため、攻めるときは有利ですが負けている盤面のときには使いにくさはあります。
ちなみに移動する効果は自軍効果のため敵軍効果で移動しない系のカードにも効きます。
③光る宇宙
こちらも以前から強力だったものの、採用先が見つからずにあまり日の目を浴びなかったカードでしたが、「一日の長」という緑系コントロールの軸となれるカードが出たことによって採用したいデッキが組めるようになり、能力相応の評価がされるようになりました。
特に『カウンターグロムリン』では、自分のフィニッシャーである「グロムリン」を残しつつ相手のユニットを壊せるため非常に相性が良いです。
ただし、同様に除去したい相手のユニットの防御力が高い場合には除去できないことがネックになることも。
④気化爆弾
以前から第一線で使われているカードではあるものの、この環境ではさらに重用されるようになったカード。
『カウンターグロムリン』、『緑中速』などの出現により、その序盤を支えられるカードとして今までより活躍しているというのはもちろん、それらのデッキに採用されているユニットに効果的に刺さる点も見逃せません。
例えば「ゲルググM(シーマ機)」「シーマ・ガラハウ」の除去避け能力、カウンター能力は戦闘フェイズ中限定のため「気化爆弾」のタイミングに対応できませんし、「高機動ギャン(ジョニー機)」も相手ターンに打つことで確実に除去できます。
ほかにもユニット戦が中心になったおかげでキャラの採用枚数が増え、それに対するカットインでユニットを除去できるタイミングで打てる、というのも評価が上がったポイントでしょう。
⑤侵入経路
リングのルールにより攻撃力1.5倍にアップ。
これを使うデッキではおそらくリングは利用しないユニットが中心になると思いますので張ることで攻撃力が3倍になります。
「戦いの駆け引き」を使うことでさらに倍率ドン!
⑥アナベル・ガトー
セットグループが緑以外の、コマンドでない敵軍カードの効果の対象にならなくなるキャラ。
この手のカードで一番当たりたくない除去コマンドに当たること、今までウィニー系のデッキが中心でこのカードを乗せたいユニットを扱うデッキがなかったためそこまで評価が高くなかったですが、『緑単中速』が浮上したこと「F90S」や「ガンダム(ハイパー・ハンマー装備)」、「ドラゴンガンダム」のような強い効果のカードが多くいること、「転向」や「カミーユ・ビダン」のロール能力を避けられるといった点が今環境では強くなり使われるようになりました。
2.3 まとめ
今までは「緑単ウィニー」「水ランデス」といった速度の速めな前のめりなデッキが多かった緑勢力ですが、この環境で中速、コントロール向きなカードが加入し、デッキ選択の幅が大きく広がりました。
また、既存のカードも16弾環境に向いたカードが多く、緑勢力は茶に並んでTier上位の存在といえるでしょう。
3.黒勢力
前15弾環境ではトップメタの一角だった『黒単重速』、『黒単中速』に代表される黒単は、エラッタや禁止などの弱体化は受けなかったものの新規の強力なカードがあまりなく、相対的に地位を落としました。
3.1 注目の新カード
この項目では15弾以降の追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。
「第16弾覇王の紋章」
①ジャバコ(ドゥカー・イク機)
タイヤを持つユニットの数だけ+1/+1/±0を得るというテキストと、タイヤを廃棄することで「黒い覇道」を打てるタイヤデッキの中核となれるユニット。
自動Aの効果は自分も参照するため実質5/3/4のユニットであり、タイヤの数次第ではかなりの攻撃力になり、それが強襲付きで殴ってくるので破壊力はすさまじいものがあります。
単純にタイヤ以外のデッキで使っても強いスペックを持っているため、普通の『黒単中速』などにも採用されていました。
②サイコ・ガンダムMk-Ⅲ
9/5/10とガンダムウォーでも最大級のサイズを誇る超大型ユニット。
露払いというには大きすぎる範囲兵器(4)と、本国にダメージを与えたときに補給(1)を使用して帰ってくる自動テキストによる隙のなさ、そして7国以上必要ではあるがダメージを受けるごとに敵軍カードを破壊するという破格すぎるテキストを備えた9国という重さに見合ったリターンを兼ね備えています。
とはいえまともに出すのは現実的ではないので国力ブースト手段や「ジーク・ジオン」のコンボなどによって場に出しましょう。
③無差別攻撃
黒を代表する全体除去コマンド「核の衝撃」の上位種。
1回り重くなってしまったのは難点だが、プリベントとすべてのユニットを「廃棄」する、というテキストになっているおかげで確実性はかなり上がったverとなっています。
「シャイニングガンダム」など破壊されないカードを対処できるというのは大きな違いだが6国では速攻デッキ相手には厳しいかもしれません。
「ガンダム・ザ・ガンダム」
④ガンダムMk-II(1号機)
1国3/1/2という破格の性能をしていて、さらに解体まで持っているユニット。
ウィニーデッキはもちろん中速から重速まで採用されうる性能となっております。一枚制限はありますが解体によって解消できますし、ユニット以外のカードと交戦になったときに戦闘力がなくなるデメリットがありますがユニット以外と交戦したとき(=キャラ乗り)は大体負けてるのでこちらも大きなデメリットではないでしょう。
3.2 評価の変わったカード
この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。
●強くなったカード
①恫喝
16弾環境を語る上で外せないカードの代表「恫喝」。
カードの対象にならない戦闘エリアとして「リング」が実装されたことにより自軍のMF出撃→攻撃ステップ「恫喝」自軍のユニットを残しすべてを手札に変えすことができるスーパーお手軽カードとして強化され、この環境を席巻したコマンドカード。
まさに環境を定義した強力なコンボですが、遊んでみると対策手段は多数あり、トップメタでありつつも一強にならない点がこのカードゲームの面白さですね。
②シャクティの祈り
「刻の末裔」のハンデス対策を兼ねたコマンドカードシリーズの黒。
全ての敵軍オペレーションを割れる有用さからこの環境以前でも使われましたが、『恫喝MF』がトップメタという16弾環境においては
①リングハンデスによって逆に手札が補充できる
②恫喝MFのメインが茶色であるため優秀なオペレーションカードが多数積まれる
という二点からサイドボードフル投入はもとよりメインにも積まれることがあるほどの採用率となりました。
③ジ・オ
相手のカードを奪えるこの「ジ・オ」は前環境でも勿論強かったですが、16弾環境ではさらに一段強さを増しています。
というのも16弾環境はユニット戦が中心となっておりユニット、あるいは優位に立つためにユニット&キャラで殴り合うというの頻繁に見られ、そこをセットされたキャラごとコントロールを奪えると一気に有利に戦うことができるため、コントロール奪取カードは重要なカードとなっています。
「シャイニングガンダム」や「ドモン・カッシュ」は除去・ロール耐性はあるものの、コントロール奪取耐性がないのでその対処しにくい強力セットを奪えるというのは強みですね。
④手に余る力
4国以上のユニットに合計国力コストを満たしいていない場合、自動的に廃棄されるデメリットを付与するオペレーションです。
16弾環境から出現した「ジーク・ジオン」による大型ユニットをコストに踏み倒すデッキに非常に効果的に刺さります。
また、「クロスボーン・ガンダムX3(ムラマサブラスター装備)」を手に入れて強化された『クロスボーン・ガンダムデッキ』の対策として採用されたり、『恫喝MF』デッキにとっての天敵である「ガンダム試作三号機」への対策としてサイドボードにとることがあります。
●弱くなったカード
⑤ガンダム(ティターンズ仕様)
場に出ただけで相手ユニットを破壊でき、しかも4国3/1/3と「ガンダム基本スペック」を備えた戦闘でも活躍できるアドバンテージ獲得能力を備えた優秀カード・・・だったのですが、この16弾環境ではかなり使いにくいユニットになってしまいました。
その理由で一番大きいのは場に出たときにユニットを破壊できたとしてもロールインのユニットということで返しのターンにリングハンデスをもらい、せっかくのアドバンテージを手放してしまうところにあります。
また、この環境でよく使われているユニットたちを見ても、あまり使われない理由がわかります。
「シャイニングガンダム」は破壊耐性がついていたり、「高機動型ギャン(ジョニー・ライデン機)」は手札に戻ってしまったりとなかなか思う様に破壊できないカードが多く、また拠点ユニットも多く使われていて、これらを破壊しても仕方ない&殴りにいったとき防御値4を突破できず、ユニットとしての価値が低いと感じます。
書いてあるテキスト自体は強力なユニットではありますが、これらが流行っている環境では、前環境ほどの強さは感じなくなってしまいました。
⑥核の衝撃
前述の「ガンダム(ティターンズ仕様)」と同様、書いていることは変わらないし強いのに前環境よりも使いにくくなってしまったカードの一つ、になります。
このカードが使いにくくなってしまった要因は「恫喝」の流行。
「恫喝」はメタ上位であるため当然プレイヤーのそれぞれに対策をされています。
その「恫喝」と「核の衝撃」は5国である、攻撃ステップに打つ、全体除去のコマンドである、など多数共通する部分があり「恫喝」対策カードにより、ついでにこちらも対策を受けることが多く、使いにくくなってしまった、ということです。
また、こちらも前項と共通する話ですが、環境で使われているカードに当たりにくいのもマイナスポイントです。
3.3 まとめ
前環境で上位を占めていた『黒単中速』/『重速』は環境が逆風で数を減らしてしまい、代わりに『恫喝MF』のようにサポート色として使われることが多くなってしまいました。
しかし、カード自体に制限やエラッタが入ったわけではなく相対的に立ち位置が悪くなったというものですので、もしかしたら周りの環境や構築次第では黒単中速などにも目はあるかもしれません。
4.赤勢力
「対象にとれない」という特性を持ったリングエリアの導入は赤の代名詞でもあったコントロールデッキにとっては不利な変更でした。
とはいえ新カードの後押しもあり『赤単中速』と姿を変えて赤いデッキは存在しており、やはり打ち消しやドローソースが強いというのは他の色にはない特色で、そこは優位な部分もあったと思います。
4.1 注目の新カード
この項目では15弾以降の追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。
「第16弾覇王の紋章」
①ノーティラス
「ノーティラス」はかなり強力なカードで、『カウンターΞ』の陰に隠れ気味だった『赤単中速』を表舞台に引き上げるほどの活躍をしました。
片適正ではあるものの、リロールイン・格闘・射撃の高スタッツ。重ね引きしても強いという、どう転んでも強い要素の塊でカード自体がかなりハイスペック。
これに加え除去能力も備えており、自軍本国のカードをめくり、めくったカードの合計国力以下の交戦中の敵ユニットを破壊できる能力を持っています。
起動コストも0毎なため、解決するまで宣言してもOK。16弾環境の赤いデッキにとってはリングエリアで活躍できる効果は有効な為、この環境ではかなり頼もしい1枚かと思います。
②クラックス・ドゥガチ
16弾環境では『恫喝MF』がTier1であるため「恫喝」「破滅の終幕」を避けられる自動Aの能力を目的に採用することはワンチャンありそうです。
この自動Aが欲しいマッチアップでは条件である「NT」を持つキャラクターが少なそうですので条件達成も期待できそうなのも評価ポイント。
しかし、「恫喝」「破滅の終幕」がこのカード自体と同じ国力帯な事から、手番によっては先に打たれる可能性も高いため、対策として機能しないままゲームが終わる可能性を考えるとそこまで信頼できるカードとはならなさそうです。
もう一つの火力テキストについては、『恫喝MF』に対して有利であるウィニー系デッキを使う人が増えることも考えると、サイドカードの組み合わせ次第では活躍する可能性もゼロではありません。
例えば、序盤に「木星圏からの出発」や「隠された翻意」などの耐久カードを並べていき、憎悪コインが溜まったタイミングで出撃するという使い方ができれば5国という重さをカバーでき、ウィニー相手には有効な使い方ができるかもしれません。
特に「隠された翻意」の場合、残したままでもユニット除去と本国への効果ダメージを入れられるので、サイドボードの方向性もマッチしていて、サイドコンボとして期待できる点は面白いと思います。
③敵意という名の隣人
場に出たときに本国から合計国力以外のコストを支払いリロールインさせることができる「戦士、再び…」の亜種のようなカードです。
デメリットとして「コスモ・バビロン」と同様、場から離れてしまったときに敗北する効果を持っています。
広く使われたカードではありませんが、『カウンターΞ』が15弾環境までに抱えていた、「ロールインでターンを渡すためゲームのフィニッシュが遅く、出しても巻き返されて負ける」「登場ターン短縮の為に紫Gが数枚必須であるが、都合よく最速で着地させるのが難しい」という弱点を解消しています。
赤・紫の実質混色デッキでもあった『カウンターΞ』にはGの枚数が揃っているのに事故を起こすという、ジレンマも抱えていましたがそうした弱点を、赤色に偏っていても思い通り「Ξガンダム」を出せる、という利点に還元してくれる貴重な1枚です。
この「敵意という名の隣人」は通ったターンから6点高機動の進撃を始められるので、クロックを5ターン目から作れる点が高評価です。
場をコントロール出来ていても、相手の本国を詰められていないのでリカバリーされる、という15弾環境までにあった負け筋に対しダメージレースを仕掛ける、という新たな視点の切り返し方/戦い方を手に入れられた点は面白いと思います。
「ガンダム・ザ・ガンダム」
④手土産
16弾環境およびこれ以降の環境でも広く使われたカードではありませんが、存在は頭にとどめておいた方がいいカードの一枚ではあるでしょう。
例えば、白のデッキに採用されるユニットは「名称:ガンダム」でプリベントも無く、ダメージレースの挽回が期待できる回復効果がある為、白対策のサイドカードとしては面白い1枚かもしれません。
4.2 評価の変わったカード
この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。
●強くなったカード
①転向
16弾環境は環境はMFおよびリングが導入された影響で「ユニット戦」がメインのゲームとなっています。
ユニットで戦うことが主となってる環境での「転向」は相当重要性が増したカードといえるでしょう。
「シーマ・ガラハウ」の乗った敵ユニットを取り、アドバンテージとアタッカーを総取りしたり、GFの乗ったMFを奪って打点と手札破壊を獲得したりと、ユニットを奪う行為自体に特典盛り沢山な環境ではないでしょうか。
また、「シーマ」や「ドモン」、「シャイニングガンダム」など敵軍妨害能力を持ったカードがオペレーションによってコントロールを奪われることに対しては無力な点も転向の強さの要因の一つですね。
赤は《内部調査》《サラサ再臨》《密約》がある事から、どうしてもコントロールなコンセプトになります。
コントロール効果の一部を遮断する新ルール「リングエリア」の登場で、デッキに採用した一部のカードの効力が戦う前から弱まってしまっている事がありますが、相手の行動を見てから使える《転向》はどの対面でも強いかなと思います。
②血の宿命
ユニットのスタッツで順当に殴り合う中速環境なため、ダメージソースとして期待できるようになりました。
ゲームプランとして織り込んでダメージレースを制する切り札として使った人もいたのではないでしょうか。
しかしながら、最も本国打点が稼げる、リングを含めた3面攻撃を想定した場合、リングのランダムハンデスの際にこの1枚を失ってしまう場面がありそうな点を考えると「この環境で強いカード」と言い切れるかは難しいところかもしれません。
●弱くなったカード
③ギラ・ドーガ
中速にもコントロールにも使えたグッドデザインでしたが、この16弾環境では使いどころが難しいカードとなりました。
1つは、手番に左右される事。
リロールインのMFユニット「シャイニングガンダム」登場により順当に3ターン目に「ギラ・ドーガ」を置くと4ターン目に手札を失うという事態になります。
特に後手番でのプレイはこの状況に陥りやすく、せっかくのキャントリップも無に帰され、このユニットはバニラに早変わりです。
先攻で出せれば、シャイニング単騎ではリングに出させない、という牽制も出来なくもないですが、では先手番だと有効かと言われるとそうでもなくさせているのが絶賛大活躍中の「ドラゴンガンダム」の存在です。
「ドラゴンガンダム」の3点ダメージに「ギラ・ドーガ」のタフネスがぴったりはまり、先手番で出して一応のリングブロックに使おうにも実質のアンタッチャブルユニットと交戦し、一方的に倒されるため、手番を問わず使い辛さが増える事となりました。
④逆襲のシャア
当時の実際の採用率は分かりませんが、少し疑問が残るようになった1枚です。
特に、ミラーにも強いカウンターでしたが、Tier1が赤くない環境である以上、「ミラーに強い」というこれまでの長所を強調する必要はなくなります。
ユニットも高プリベントなMFが増え、カウンターがし辛いため、15弾環境までは3積みを見かけ続けましたが、少し採用枚数を踏み止まっても良いかなという1枚と言えます。
4.3 まとめ
コントロール出来ない領域「リング」がルールとして追加されたのは赤いコントロールデッキにとって不利な方に動いた環境ではないかと思います。
ただ、エラッタなどの弱体化はなくカードのスペック自体は変わらず強力なままであるため「悪い選択肢とは言い切れない」のではないでしょうか。
また、コントロール以外のデッキについて目を向けるのであれば『赤単中速』というデッキはかなり強化され、一線級になりました。ユニットが中心の環境であるため、ロールコマンドを多く擁する『赤中速』はこの環境で他の色に対して有利である点といえるでしょう。
5.茶勢力
16弾環境で一番恩恵を受けたのは茶でしょう。ルールの恩恵、MF、GF以外にも強力なカードが追加され、特に『黒茶MF恫喝』は環境を代表するデッキとなりました。
5.1 注目の新カード
この項目では15弾以降の追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。
「第16弾覇王の紋章」
①シャイニングガンダム
「リング」ルールのために作られたかのようなテキストの16弾を代表するカード。
リロールインにより即座にリングから殴ってハンデスできる奇襲性があるため、手札になくても相手の3ターン目のアクション(ユニットを出す/出撃する)を抑制できます。
さらに配備エリアにいる間には破壊・ダメージへの耐性→リングに出ればリングによる妨害耐性を得るためにどこにいても除去耐性に死角がないというめちゃくちゃなカードで、環境にいるデッキおよび採用されている除去カードはこのカードの存在によって評価が変えられました。
素の戦闘力は3/0/3とやや物足りないもののキャラが乗れば性能が上がるためほとんどの相手には一方をとれるし、コントロールデッキ相手には十分な戦闘力があります。
なお、MFにはGFしかキャラをセットできない制限があります。
②ドラゴンガンダム
こちらも環境を代表するMFカードで、緑国力で支払えることから『恫喝MF』だけでなく『緑中速』の隆盛に一役買い、見る機会の大変多かったカードとなりました。
なぜかクイックを持っているおかげでリングを通さずとも「恫喝」とコンボになり、リングには「シャイニングガンダム」を出撃、さらに「ドラゴンガンダム」はクイックプレイからのカット「恫喝」とプレイすることで更地にした上で2体残しという絶望的な盤面にすることができました。
また、こちらは素の戦闘能力が高く4/1/2という打点に加え、ダメージ判定ステップに敵ユニットに3ダメージを当たられる能力があったため、小さめのユニットには相打ちをとられないというのも非常に強力でした。
③ドモン・カッシュ
MFユニットは単騎での戦闘力はもう一つなところがあったのを補完するのがこのGFたち。
「ドモン・カッシュ」がシャイニングに乗ることで7/1/7というスペックに戦闘時に+2/+2/+2できることで、タイマンでは絶対負けないユニットになり、さらにもともと持っていた「シャイニングガンダム」の除去耐性にロール体制を加えることで対処がほぼできない最強リングユニットの完成という感じでした。
コントロールを奪われることに対しては無力なので「転向」をセットしてぜひその最強ユニットセットを丸ごと奪いたいところ。
④アルゴ・ガルスキー
自力でリロールできなくなってしまうものの常時でリロールできる能力を付与できるGFです。
実質ユニットをリロールインにできるほか、毎ターン補給状態でさらに「凌駕」に耐性ができるため、やはり「シャイニングガンダム」が無双状態になります。
なんなら常に立っている分「ドモン・カッシュ」よりこちらの方がベスト相棒かもしれません。ぜひ最強セットを「ジ・オ」で奪いたいところ。
⑤冷凍刑
茶デッキ待望のキャラクター対策カード。
「破滅の終幕」を擁する茶のデッキにとって長年頭を悩ませていた「カミーユ・ビダン」のような除去耐性を持つ強カードの能力を無効にできる点が強く、この時代のみならず後々の時代も含め長く使われるようになった良カードです。
また、この16弾環境ではGFをはじめ「シーマ・ガラハウ」など強力なキャラクターが多く存在するためメイン採用すら検討できるでしょう。
⑥突貫作業
ジャンクヤードからのカード回収効果と捨て山からのドロー効果を持ったオペレーション。
効果は強いが条件も相応に厳しくなっており、
①ユニットとキャラを1枚ずつジャンクから取り除く→ジャンクから回収
②コマンドとオペレーションを1枚ずつジャンクから取り除く→捨て山から1枚ハンガーへ
となっています。
②の能力は比較的まだ起動しやすいですが、①の能力はあまり枚数をとらないキャラクターを必要とする分、かなり起動しにくい仕様となっています。
ただ、この環境はGFが強い環境のため、キャラの枚数が多く、①の能力が使いやすくなっているためフルで本領発揮できる環境になっているのではないでしょうか。
5.2 評価の変わったカード
この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。
●強くなったカード
①破滅の終幕
前述の「冷凍刑」の加入により、相手のキャラ付きユニットが邪魔で打てないということが解消され、前以上に隙のないリセットボタンとして使えるようになりました。
ただ、以前のバルチャー型、ウィニー型のように攻めながら状況を見てリセット、というようなタイプのデッキは、破滅より安定して詰められる『恫喝MF』の方に移行していき、「破滅の終幕」については『ジーク・ジオン』や『第7次宇宙戦争』などのハンガーコンボ系コンボデッキの不利盤面をリセットする安全弁として使われるようになりました。
②開業資金
自軍のハンガーのカードをプレゼントすることで5点回復できるオペレーション。
普通に回復オペとして使う前提だと全く対価が釣り合ってないのですが、「ジーク・ジオン」が覇王の紋章に収録されたことでコンボパーツの相方として評価が上がりました。
コンボ達成のための動きが時間稼ぎになっているのがgood
③ガンダムヴァサーゴチェストブレイク&ガンダムアシュタロンハーミットクラブ
強いが6国と重くて使いにくかったところを前述の「開業資金」「ジーク・ジオン」コンボによって出すカードの候補として評価が上昇。
コンボも狙いつつ素出しも圏内なのが他の大型ユニットに比べると優位な点です。
●弱くなったカード
④ガンダムエアマスター
前環境でトップメタの一角だった茶単バルチャーの核だったカードでしたが、第16弾「覇王の紋章」から同じ4国で超優秀な「シャイニングガンダム」「ドラゴンガンダム」などのMFユニットが多数収録され、それらとの競合によって居場所がなくなったためデッキに採用されなくなりました。
5.3 まとめ
16弾環境において茶はまさに中心にいる存在といっていいでしょう。
リングルールにMFをはじめ強力なカードの追い風を受け、単色でも混色でも主要なデッキが生まれてメタ上で存在感を放っていました。
しかし、その分周りからも意識されていたため、様々な対策を受けることになりますが、それを乗り越えられる「地力」もあるため、茶を使うことがこの環境の王道といえるでしょう。
6.白勢力
白勢力は他勢力よりも環境に合ったカードが少なく、やや不遇の状況といえます。ただ、その中でも一芸に秀でたカードが収録され、一芸を伸ばして活躍するデッキもありました。
6.1 注目の新カード
この項目では15弾以降の追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。
「第16弾覇王の紋章」
①ストライクフリーダムガンダム
ストライクフリーダムは、満を持して登場した白のフィニッシャーカードでした。
高い戦闘力に多彩な特殊効果、敵軍本国にダメージを与えたときにG以外の敵軍カードを本国の下に送ることができる能力とかなり制圧能力に優れた能力を兼ねそろえており、これまでの白の5国帯ユニットの上を行くデザインとして収録されました。
「名称:フリーダム」なのでキラ・ヤマト(DB5)でカウンターされることなく場に出すことも出来るというメリットも見逃せません。
そんな強カードでしたが、残念ながら環境に適応できず、そこまで使われるカードにはなりませんでした。
②アカツキ(オオワシ装備)
アカツキ(オオワシ装備)は、5国以下の敵軍カードの効果の対象にならないという効果を持った白待望の実用的アンタッチャブルユニットです。
他の色と比べても遜色ないどころか勝っていると言える破格のアンタッチャブル性能を有し、さらにコマンドを使用するとその合計国力分のダメージを敵軍ユニットに飛ばせるという制圧力を兼ね備えた理想的なカードでした。
この環境では「恫喝」「破滅の終幕」といった、環境柄意識したいリセットカードが5国帯にあったカードを無視できるテキストはまさに天敵的なユニットといえるでしょう。
ただ、対策カードとして使うには素直に5T目に出そうとしてしまうと後手では恫喝が間に合わないため、「切り開く力」で1ターン遅延する、または「オーブ連合首長国」などの2国Gでブーストして出すなどが必要になります。
また、ブーストして出す場合にも手札に戻る「PS装甲」ユニットではない点が助かりますね。
③ロード・ジブリール
敵軍帰還ステップに、このターン、ジャンクヤードにカードが落ちていなかった場合に敵軍本国の上のカードを表にし、その種類と同じ敵軍カードを破壊できるという一風変わった効果のカードです。
相手の場を繰り返し破壊できるというカードは白には無かったので一定数の需要がありました。
「終結の条件」とは相互にシナジーを発揮し、キャラクターやオペレーションを破壊できない色相手であればなかなかの損害を与えらえるコンボになるっでしょう。
「ガンダム・ザ・ガンダム」
④ウイングガンダム0
久々に収録されたウイングガンダム系のフィニッシャーカードで、BB3のウイング0と同名なのがネックですが、火力系のテキストを備えており、ダメージ判定ステップに攻撃に出撃しているか交戦中であればマイナス修正と引き換えに範囲兵器と同じダメージをユニットまたは本国に与えられる飛び道具を持つユニットでした。
大気圏突入があるためダメージを通しやすく、単体で9点と高クロックなのは高評価。
ハイペリオンガンダム(1号機)
戦闘フェイズの任意のステップを指定し、そのターン中指定したステップに戦闘以外のダメージを受けなくなり、さらに相手のコマンドプレイを止めることができる能力を持ったカード。
『攻撃ステップ』指定で「恫喝」「破滅の終幕」といった全体リセットを止められること、『帰還ステップ』指定することで「血のバレンタイン」へのカウンターを防ぎ、確実に通すことができるといった使い方がされます。
素のスペックは白にしては低いものの持っている能力が、替えのないものであるため白以外にも他の色にさえ出張で使われる可能性のある優良なカードです。
6.2 評価の変わったカード
この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。
●強くなったカード
①ブリュッセル大統領府
白に限らずですがリングエリアの導入によって拠点の重要度、採用率は大きく上がりました。
キャントリップの拠点がアドバンテージを失わず、相手のMFを1度以上止められるということで青の「北極基地」や緑の「サイド3」などの拠点はこの環境ではかなり使われましたが、今回取り上げる「ブリュッセル大統領府」はその硬さによる信頼性から評価を上げました。
リングは地形適正に拠らない上に小細工のしにくいタイマンバトルに持ち込まれるため、そこでキャラ乗りMF相手でも一生ブロッカーとして活躍できるのは非常に良さそうです。
戦闘ダメージ以外は無効にできないものの、環境の基準となっている「ケンプファー(試作機)」、「ドラゴンガンダム」の火力テキストも耐えられる防御値4というのが偉いですね。
②血のバレンタイン
『恫喝MF』、『茶単MF』、『緑単中速』、『赤単中速』と4国動き出しのデッキが多い環境のため、国力ブーストを絡めての最速「血のバレンタイン」の威力がさらに上がりました。
前述の「ウイングガンダム0」、「ハイペリオンガンダム(1号機)」といった新カードも「血のバレンタイン」向きの新戦力だったこともあり、前環境以上に強くなったカードといえるでしょう。
③終結の条件
このカードがプレイされて場に出た場合、全てのジャンクヤードにある、全てのカードをゲームから取り除くというでジャンクを一掃し、さらに場以外からジャンクに移動したカードはすべて取り除かれるという効果を持った強烈なジャンク対策カード。
このカードの評価が上がったのは環境がジャンクを多用するデッキが増えたわけではなく新録カードの「ロード・ジブリール」とのコンボ。
ジャンクにカードが落ちなくなるのでどちらかを対処できなければ毎ターン相手のカードを破壊し、最速で7ターン後には「自動A」のテキストによって相手を敗北させることができるでしょう。
余談ですがこのカードは「エースの奮闘」をはじめとした墓地回収サイクルを止めるのに有効な手段となります。
6.3 まとめ
16弾環境における色的な立ち位置としては白はトップメタという感じではありませんでしたが、黒茶MFと同様の先撃ち系のコンセプトであるブースト「血のバレンタイン」デッキは活躍していました。
白単中速というとグッドスタッフが強い構築が得意ですが、この16弾環境時点ではまだ強いカードが少なく、そういったカードは17弾から強化されていっていたため、まだこの時点では不遇の時代を過ごしていました。
7.紫勢力
紫勢力はこの時代にはあくまでどの色でも使えるがメインは張れない補助色的な立ち位置のものだったため、新規収録カードも少なめです。
しかし、その中でも目を引くものがあったため紹介していきます。
7.1 注目の新カード
「第16弾覇王の紋章」
①ガンダムファイト国際条約
自軍G1枚を廃棄する追加コストを支払い、本国10枚から基本Gを場に出すことができ、もしその廃棄したGが敵軍効果で破壊されていた場合、さらにもう一枚基本Gを場に出すことができる効果を持つコマンド。
普通に使うと弱すぎるGサーチカードですが、ランデスされているカードを廃棄すると相手のランデスカードを無効にしてかつGを追加できるため、その条件で打つことができれば、かなり有利になれる対ランデスのスペシャル対策カードです。
ランデスに対応可能な1国で使え、どの色にも採用できるためこの環境であればサイドボードによく見るカードになっています。
前環境ではトップメタだったランデスが数を減らしましたが原因はこれ。
②宇宙引越公社
配備フェイズ中、基本G以外が発生する紫国力を無効にする自動Aを持ったGです。国力を発生しない妨害専用のGですが、他のGに加えて追加置きが可能なので展開を阻害しないのがいいですね。
この16弾環境時点で使われている紫国力Gは「2色でるG」「中立地区防衛部隊」「モルゲンレーテ」といったところ。
この「宇宙引越公社」は、前環境で特にこれらのカードを活用していたメタ上位デッキ『茶単破滅の終幕』『カウンターΞ』対策として作られたのかもしれません。
中でも『カウンターΞ』に対しては
①Gであるためカウンターすることができずに対策できる
②どの色でも採用できる上に、採用されているかは出されるまでわからない奇襲性がある
③切り札である「Ξガンダム」の着地が非常に困難になる。
といった点から非常にクリティカルに刺さります。
とはいえ、このカードの自動Aは配備フェイズ中にしか発生しないという穴もありますので、「破滅の終幕」や「エアマスター・バースト」への換装は邪魔できなかったり、戦闘中のコマンド、あるいは帰還ステップの「ドラゴンガンダム」がクイックで飛び出してきたときに対応したカウンターなどは妨害できませんので注意しましょう。
7.2 評価の変わったカード
この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。
●強くなったカード
①凌駕
もともと中速以降のデッキには採用されないことがないほど強いカードでしたが、この環境だとさらに重要性があがりました。
16弾環境はリングの導入の影響もあり、ユニット戦が中心の環境となっており、さらにキャラクターで強いカードが多数収録されたこと、MFというキャラセットにより戦闘力が倍増するユニットが出たことによりキャラ+ユニットで戦っていくデッキが増え、1体をロールするということの価値が非常に上がっています。
それこそ1体ロールすることで10点近くの本国を守れることも多いので、3回も使えることを踏まえれば、割られても負けない「コスモ・バビロン」と言っていいほどの強さになっているのではないでしょうか。
また、この環境でトップメタとなっている『恫喝MF』デッキとの相性も見逃せません。
「恫喝」を打った際にこの「凌駕」が戻らないメリットはもちろん、「事情聴取」などの厄介なカードをロールして対策を貫通するなどの使い方もできることは覚えておいた方がいいでしょう。
7.3 まとめ
今回新録されたカードは前環境のトップメタを抑えたい、というような対策カードに見えました。
実際それが功を奏したのか、想定通り勢いを落としたデッキは多数見られますが、今度は有限な10枚というサイドボードの枠にどこまでメタから落ちたデッキへの対策カードをどれだけ採用するか、というジレンマが発生しそうです。
何せ元は一線級のデッキたちでどれも復権の機会を待っていると思いますので。
終わりに
この記事を書くにあたりたくさんの人から意見を聞き、記事にさせていただきました!
当時の強かったカード、そのエピソード、環境の話、小さいテクニック、どれも聞いてると本当にワクワクしてデッキを作って回したくなりました。
この記事を読んでいる人にその自分が話を聞いたときのワクワク感が少しでも伝わればいいなと思っています。
そして、できれば自分と同じように「リング」ってルールでめっちゃつまらなくなったじゃん、って思ってガンダムウォーから離れた人にも、もっかい触わってみようかな、っていう機会を作ることができたらうれしいです。
この環境でもいろんなデッキがあったり、試行錯誤してオリジナルなデッキを作ってる人がいたり、Tier中位のデッキで上位に勝つには、って研鑽してる人がいたり、そういう「カードゲームとしての楽しさ」はこの環境後も変わらずに続いていると感じました。
久々にガンダムウォー、やってみませんか?
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前回イベントでは17人参加のスイス5回戦+シングルエリミ2回戦!
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謝辞
この記事を作るのにいろんなカードを教えてくれた
しでさん、トシさん、鴉さん、キビヤック,さん、永井さん、みかさん、ぼぶさん、白使人さん
ありがとうございました!!大変楽しく記事がかけました!!