GW杯Vol.4 3位決定戦 kapivara vs KANRININ 観戦記事「電撃戦」
3位決定戦 kapivara(予選1位)vs KANRININ(予選3位)
18弾環境で開催された第4回ガンダムウォー杯、3位決定戦の観戦記事をお送りする。
準決勝に引き続きの紹介となるが、予選ラウンド1位のkapivaraが駆るのは”イアンウィニー”。命名されたデッキ名”イアン・ザビ”の通りに、イアン・グレーデンとギレン・ザビという2種のキャラクターがデッキのキーカードとなっている。
準決勝で白使人に敗れはしたが、彼自身が現行当時に輝かしい実績を残したデッキとともにもう1つの大会最終戦である3位決定戦に臨む。
対する予選ラウンド3位のKANRININが使うのは、同じ緑単ながら採用ユニットが全く異なる"緑単サイクロプス"。18弾で収録された「チーム:サイクロプス隊」のカードが勢ぞろいしたデザイナーズデッキで、ブリッツクリークによる爆発力、チーム効果での回復妨害やオペレーション破壊、そしてデッキの頂点となるケンプファーの高火力で盤面を制圧し本国を一気に削る、当時の環境デッキの1つである。KANRININ自身もまた青スライを使用した前回に続き、2回連続の3位決定戦に回る形となったが、異なるデッキでの2回連続SE進出は本人の実力の高さを示しているだろう。
同じ緑単でありながら、ゲームレンジが全く違う両者の対戦となった3位決定戦。どのような展開となるか。
Game1
KANRININの先攻第一ターンは緑Gのみに対し、Kapivaraは準決勝に続いて、これぞ緑ウィニーといわんばかりの「G・ニューヤーク・ギレン・2点パンチ」で開幕。両者のゲームレンジの違いをくっきりと示す挨拶代わりの一撃となった。
2ターン目もG以外の動きがないKANRININに対し、G、2枚目の「ニューヤーク」、「ザクキャノン(イアン・グレーデン機)」、クイック「ドップ(ガルマ・ザビ機)」と展開を緩めないKapivara。ユニット化した基本Gが宇宙地球の両面攻撃となり、このターンの打点を5点まで伸ばす。
3ターン目、KANRININは18弾環境から追加された特殊効果、ヴァリアブルを宣言して「破壊工作」を国力へ。ウィニー相手であれば2点火力は十分プレイアブルなカードではあるが、「ギレン・ザビ」がコマンド耐性を付与するために現状ではいまいち。手札に基本Gがないことを示唆しつつ、もう1つの役割であるGとして盤面へ送り出した。
この時代以降のガンダムウォーに慣れ親しんだ読者諸君には特筆することもない選択であろうが、まさに言葉通りの”ヴァリアブル”な運用が可能なこれらのカードの強さを物語っている。例えばこの破壊工作ならば「相手によって、もしくは展開によって使いどころのない火力コマンドを抱えたままになる」「Gが止まって・引きすぎて一方的に敗北する」といった状況を未然に防いだとみることができる。この特殊効果の登場でより正当にゲームが展開しやすくなり、ゲーム体験の向上に大きく貢献したといえるだろう。
…だったはずなのだが、しかし。
便利なヴァリアブルにも相応のリスクがある。そう、”特殊”Gなのだ。
KANRININが3国力からサイクロプス隊の専用サポートカード、「特務部隊の派遣」をプレイしターンを返そうとしたところへ、Kapivaraがコマンドのプレイを宣言した。
”では「強行偵察」。”
「強行偵察」はヴァリアブルの登場で、これまで対象が殆どなかった純粋な単色デッキに対しても有効に働き、評価が大きく上がった1枚。今大会から制限入りとなった「制圧作戦」に代わって、緑のG破壊戦略の中核を担っている。
いまだ盤面に戦力らしい戦力を送り出せていないKANRININに、これはきついきつい一撃となった。不運にもこのままGがストップし、2枚となったGとともにターンを返すだけとなる。 対するKapivaraは緑ウィニーの常套手段を決めて見せた後も「ザクI・スナイパータイプ」を盤面に追加しつつ、6点、8点、8点と軽快に打点を刻んでいく。
こうなってはKANRININは挽回が見込めないと判断、ここで1ゲーム目は投了となった。
Kapivara 1-0 KANRININ
Game2
先攻のKANRININ、今度は1国力の解体ユニット、「ザクII改」をプレイしてターンエンド。
後攻のKapivaraは、「G、ニューヤーク、ギレン、ザクIスナイパータイプ、攻撃ステップユニット化2点、ザクIリロールエンド1ドロー」。これ以上文句のつけようがないベストムーブを炸裂させる。
2ターン目はKANRININがGを置くだけで終了に対し、KapivaraはGを伸ばして2体目の「ザクI・スナイパータイプ」、さらに「侵入経路」と動く。これで防御2以下のユニットは盤面に定着するのも困難となった。
KapivaraはこのターンこそKANRININ側の「ザクII改」との相打ちを嫌って攻撃を仕掛けずにターンエンドとなったが、3ターン目、KANRININはここもGを置くだけにとどまると、Kapivaraは「スナイパータイプ」2体がアクティブになった瞬間即座に相手の「ザクII改」を焼き払う。KANRININのデッキには「ザクII改」「ドラッツェ」と2種類の解体ユニットが採用されているが、もやはこれらはGとしてカウントできなくなってしまった。
KANRININは「スナイパータイプ」2体がいったんロールしたこのタイミングでならと「ドップ(ガルマ・ザビ機)」をクイックでプレイし防御に送り出す。しかし格闘力を持つユニットが落ちてしまったことで、チャンプブロックによる打点軽減とキャントリップを得るだけにとどまった。
低国力帯のカードの採用こそあるが、KANRININのデッキの本領は「ケンプファー」「ゲルググM(シーマ・ガラハウ機)」「ブリッツクリーク」といった4~5国力の面々。これらにつなげるまでに必要なターンを何とかしのぎたい状況だ。しかし、無情にも4枚目のGとして出した「破壊工作」はGame1に続いて「強行偵察」に狙い撃たれてしまう。
解体することなく盤面を去った「ザクII改」に続いて、便利な効果であるはずの「解体」「ヴァリアブル」の急所を、悉く突かれてしまった格好だ。
全ての根源となる国力に不自由し展開が鈍いKANRININに対し、Kapivaraはここで3枚目のGを設置。これは「侵入経路」によって部隊の先頭を担う重要な戦力となり、「地球」と「地球」と「地球」の三面に分散した地球侵攻部隊が攻撃を加えていく。KANRININは「ドップ(ガルマ・ザビ機)」を再度プレイしてチャンプブロックに送り出すも、本来地球片適性のユニット達が横に散らばっているために打点の低減さえ最大限に得ることができない。
相手の2体の狙撃手に睨まれて展開できるユニットに制約があるKANRININは、次の自ターンで何とか圏外の防御力を持つズゴックE(ハーディ・シュタイナー機)」を出してターンエンド。
しかしKapivaraは攻撃の手を一切緩めない。再度の三面攻撃を通すと、「スナイパータイプ」のリロールテキストを起動しつつ配備されたズゴックEを複数回狙撃。やっとのことで相手が展開できたユニットも、最初のリロールフェイズを迎えることさえ許さずに葬り去った。
何とか希望を見つけたいKANRININだが、トップドローも切望するものではなかった。安全に展開できる基本Gが尽き、手札に抱えた大逆転の一手「ブリッツクリーク」が相手「ギレン・ザビ」の自動A能力も相まってプレイできる見込みが立たなくなってしまったことで、万事休す。ここで3位決定戦の決着となった。
Kapivara 2-0 KANRININ
感想戦では「普通にぶつかり合っては勝てないマッチアップ。強行偵察でターンを稼げたのが勝因。」と語る。中速帯以降に強力なカードがひしめく環境で、相手のデッキを機能させる前に仕留めきる様はまさに”電撃戦”。
この環境を緑ウィニーで戦い抜く方法を熟知したKapivaraが、3位の栄誉を手にした!
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