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ガンダムウォー18弾→19弾環境変化記事



はじめに

 旧ガンダムウォーオンラインイベント「ガンダムウォー杯」、五回目のイベントを開くことになりました!

 ガンダムウォー第19弾当時の環境でのイベントになりますので、参加者向けに今回も19弾のカードだったり、あるいは評価の変わった過去のカードをまとめて記事にしていきたいと思います。もし興味がありましたらぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
 そして面白そう、やってみたいろとなった方はぜひリンクのイベントへのご参加もよろしくお願いします!

 さて、次回環境は19弾「変革の叛旗」+「エクステンションブースター2」当時の環境!
 この環境では何と言っても「ガンダムエクシア」を始めたダブルオー勢力の収録が環境に大きな影響を与えました。

クイックブロック+ユニット無力化はあまりにも暴力

紫指定国力を持つユニットはどちらかあるいは両方の指定国力で「紫」が指定されているデュアルカードをプレイする場合、紫の指定国力は紫以外の任意の国力で支払う事ができますが、それぞれ異なる種類の国力で支払わなければいけません。

※19弾当時ルール、第五回GW杯では、その当時のルールを採用しています

 紫指定国力にはいわゆる『2色』縛りがされており、実質的なデュアルカードのような使い方にはなりますが、その圧倒的な性能と比べると条件としては緩く、多くのイベントでダブルオーのカードたちを採用したデッキが席巻することになりました。
 しかし、多色化に加えて二種類目の「ヴァリアブルカード」の収録など特殊Gが環境に増えたことで「貴族主義抵抗派」「強行偵察」などの特殊G対策カードが採用される機会が増えたことも相まって、単色を組むことにもメリットは確実に存在し、また、「シャア(CH-180)」や「Sガンダム」などの新規強力カードが収録されたこともあり、単色デッキでも活躍は多くみられる環境でもありました。
  では、ここからはどんなカードが活躍したのか、各色ごとに順番に見ていきます。

1.青勢力

 「変革の叛旗」+「エクステンションブースター2」で青は『Sガン』という新たなデザイナーズデッキを獲得します。
 推されているデザイナーズは強い、というガンダムウォーの定説通り、主要パーツの一部が禁止されるまでの期間『Sガンダム』デッキは環境を席巻しました。
 合体さえスムーズにいけばアンタッチャブル持ちのヘビーサイズが3T目にして高速展開してくるこのデッキは、まさに脅威の一言です。

1.1注目の新カード

 この項目では19弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第19弾変革の叛旗」
①Gコア・Gアタッカー・Gボマー

こいついないと合体できない
ジャンクからパーツ拾える。往復二回使える。
パーツをジャンクに落とす。往復二回使える。

 『Sガンダム』デッキのパーツ。
 「Gコア」を含む上記3体のユニットを揃えることで、後述の「Sガンダム」のコストを踏み倒して場に出すことができます。
 プリベントがあることで「もみ消し」などの軽量カウンターカードへの耐性を持つため、序盤から安心してプレイできるのがポイント。
 この3枚の中でも特に「Gボマー」のテキストが『Sガンダム』デッキを使う上で非常に重要であり、合体するためには本国調整をきちんと行うことが求められます。

②Sガンダム

 Sガンダム本体。
 ハンガーの枚数に応じた2種類のテキストを保有します。
 1つめはアンタッチャブル。ハンガーの枚数以下の敵軍カードの効果の対象にならないので、『4以下の』という縛りのある「マスターガンダム」より堅牢になる可能性があります。なお、セットカードまでは守れないので注意しましょう。
 2つめは焼き効果。「ガンダム試作3号機」のように複数のユニットや配備エリアは対象に取れませんが、1回あたりのダメージ量は上がっているので強襲と合わせて押し込む際には非常に有効です。
 『Sガンダム』デッキは後に禁止カードを出すまでに至るほど、勢力を持ったアーキタイプであり、過去の例から見てもガンダムウォーにおいて合体するユニットはだいたいぶっ壊れといえるでしょう。

③ディジェ

 使ってみると強さがわかる系のテキスト。
 手札か戦闘エリアにいる場合に取り除くことで全ての自軍ユニットへのダメージを無効化することができます。
 焼き効果だけでなく戦闘ダメージの応酬も受けないので、速攻部隊との交戦でも一方を取ることができるのは非常に心強いです。
 自身も早出し効果と速攻を持つため、いざとなったら戦場に出ることも可能なのがgood。

④アムロ・レイ(CH-197)

 3国2/2/2 NTと高いスペックを持ちますが、プレイされたターンは出撃できないデメリットがあります。
 しかし、本国上の4枚を見てその内のユニットを通常のコストを支払って戦闘エリアにリロール状態で出して乗り換えするという能力が出撃制限のデメリットを打ち消し、3ターン目から2倍の速度でどんどん展開していけます。
 テキストを使用した際の本国シャッフルも重要で、スカったときにも不要牌が残ってしまう「Gボマー」のテキストと相性がいいです。

⑤隠蔽工作

 1ターンジャンクヤードを守護するだけのコマンド。
 しかし、『Sガン』デッキや『青緑辣腕』では、その大きな弱点である「ジャンクを除外する」効果を防ぐためにサイドボードに採用された実績があります。
 特に後者ではコマンドであるという点が重視されました。

⑥戦いに戻る理由

 ヴァリアブル版「駆り立てるもの」。

 G枠で採用しながらも「ジ・オ」「転向」「破滅の終幕」「部品ドロボウ」を防ぐことができるのは非常にありがたい効果です。
 ヴァリアブルとしては珍しく、本家では防げない廃棄にも対応しています。

⑦反撃の好機

 「効果にカットインできない」サイクルの青。合計国力3以下のオペレーションを割ることができます。
 青には様々な用途のオペ割が存在しそれぞれ担当するカードが異なりますが、このカードが見るのは 「各機の連携」「一日の長」「捲土重来」「虚偽の報告」あたりです。
 後の環境で大きく出世するカードであり、今は雌伏の時でしょうか。

⑧コア・ブロック・システム

 場にいる自軍ユニットと自軍ジャンクヤードの飛行機ユニットを交換するカード。
 オペ割とジャンク除外さえなければ恒久的にブロッカーを用意できます。『Sガン』デッキの生命線その1です。

⑨協力体制

 単色デッキ相手に影響を及ぼすサイクルのカードで、青はロールインを強要します。
 戦闘配備、換装、PS装甲といったリロールインは無効化され、キャラクターやオペレーションのセット時にもロール効果は適用されます。
 時にはGがロールインすることが重要となる場面もありそうです。
 このカードが場に出れば「ブリッツクリーク」は勢いを失い「ヴォワチュール・リュミエール」はプレイが無駄になるでしょう。

「エクステンションブースター2」
⑩ZプラスC1型

 特殊GをX枚ロールすることで合計国力がX減る(相手の特殊Gも対象に取ることができます。)という扱いやすい代替コストのおかげで、見た目の国力に比べるとかなり序盤から戦闘に参加できます。
 変形前のユニットとしては珍しく宙間戦闘(2)を持ち宇宙での交戦には強いですが、一方で変形後は高機動しか持たず他のZ系の大気圏突入に着いていけないので注意が必要です。
 このカードの真価は特殊Gを廃棄することで行う常時タイミングのコマンドカウンターでしょう。青にとっては貴重な「辣腕」「第7次宇宙戦争」を対策できるカードです。

⑪ガンダムF90ⅡI

 読みはⅡ(2/セカンド)I(インターセプト)。
 場に出たターン中、無敵化と、ダメージを与えると本国10点回復という、防御的に使う効果を2つ持っているため、換装から飛び出していくときに恩恵が大きいユニットです。
 自動テキストのどちらも場に出たターンに起動するのですが、ロールインのため自軍ターン中に使用するには「アストナージ・メドッソ」や「カミーユ・ビダン(CH-147)」などのサポートが不可欠となります。

⑫戦場からの帰投

 特殊G以外の全てのカードをカット中全力で守ります。
 移動の置き換えとありますがつまりは破壊・廃棄・取り除きに対応しており、逆に機能しない効果の方が少ないでしょう。
 「守りにまわると強い」青らしさを体現しています。

1.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①コア・ベース/コア・トップ

 かつて『ZZ』で活躍したユニットです。
 それぞれ本国と捨て山から好きなユニットをジャンクに送ることで今世でも合体をサポートしてくれます。
 クイック、リロールインも重要で、貴重な高機動アタッカー・ブロッカーでもあります。 これも含めて『Sガンダム』の部品だといるかもしれませんね。

②ベルトーチカ・イルマ

 『Sガン』のサイドとして採用されることが多く、茶デッキが置いてくる「A.W.」の遅延の対策として優秀です。
 「Gコア」「Gアタッカー」「Gボマー」にセットして合体すれば、何度もオペレーションを割れる点も評価ポイント。
 また、ミラーマッチでの「コア・ブロック・システム」「ミリタリーバランス」を破壊することも重要な役割です。

③サウス・バニング(CH-93)

 青では珍しく敵軍ジャンクヤードに干渉できる効果で、『Sガン』の合体を阻止したり『辣腕』のループを止められます。 このカードも「Gコア」等に乗って使い回すことが可能です。

④ミリタリーバランス

 自軍ユニットをたくさんプレイする『Sガン』のお家事情とマッチしています。
 「Gボマー」で見た本国の上の順番をこのカードの回復で調整していくプレイングは重要ですので暗記の練習をしましょう。
 『Sガン』デッキの生命線その2です。

・弱くなったカード
⑤ガンダム(ラストシューティング)

 前環境で獲得した青の矛が早くも折れてしまいました。
 「ガンダムエクシア」で格闘を※にされたり「刹那・F・セイエイ」にテキストを無効にされたりとなすがままです。
 ただ、それにしてもキャラクターをセットする、「アストナージ・メドッソ」で水を付与して地球に出撃する、自分が先に「刹那・F・セイエイ」をプレイする、など反撃の路は残されています。

⑥カミーユ・ビダン(CH-147)

 クイックで「部品ドロボウ」を突破しながら、スペックで負ける白相手と戦闘で渡り合うための青の最強ニュータイプも「ガンダムLOブースター(ロッシェ・ナトゥーノ機)」により、ついに精神崩壊の時を迎えます。
 奪われたセットカードを取り返す手段はかなり限られているため、一度渡った「カミーユ・ビダン」は二度と返ってきません。
 ミラーマッチで先出しされた「カミーユ・ビダン(CH-147)」がいかに脅威であるかはすべての青使人が知るところであるので、ましてや天敵の白がそれを行ってきたらどうなるかは想像に難くないでしょう。(「ガンダムLOブースター(ロッシェ・ナトゥーノ機)」の影響は青にとってすさまじく、サイド後はメインからすべてのキャラクターを抜くプレイヤーもいたほどです。)

1.3まとめ

 強力なダブルオーユニットの登場による多色化の波によってオーソドックスな『青中速』は淘汰されてしまいました。
 その中で『Sガン』という青単体でのガラパゴス的進化が第5回ガンダムウォー杯でも結果を残すことができるのか注目です。 混色の道を迎えて生まれる『青赤』などを史実より一足早く使用してみるのも面白いでしょう。

2.緑勢力

 今環境で緑勢力はなんといってもエクステンションブースター2での「シャア・アズナブル(CH-180)」の収録でしょう。
 近年の環境では有力でありつつも、トップメタという立ち位置になることが少なかった緑単ウィニーデッキですがこの環境の『緑単シャアデッキ』は瞬く間に環境を席巻し、今大会では堂々のトップメタに押し上げるほどの一大勢力になりました。

2.1注目の新カード

 この項目では19弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第19弾変革の叛旗」
①「黒い三連星」
・U-301 ドム(マッシュ機)
・U-302 ドム(ガイア機)
・U-303 ドム(オルテガ機)

・CH-175 ガイア
・CH-176 マッシュ
・CH-177 オルテガ

 ガンダムウォーにて2回目の収録となる「黒い三連星」カード!
 前回収録の際は、一枚のキャラが出たら残りキャラをサーチして来る能力からウィニーの打点強化として活躍した黒い三連星ですが、今回はユニットも織り交ぜて揃えていけるデザインで収録されました。
 キャラクターの「オルテガ」と「マッシュ」が出撃誘発で黒い三連星ユニットをサーチして部隊に組み込むことができる能力を持っていて、ユニットの「ガイア機」はキャラクターをサーチできるチーム効果を持っているため、相互に補完し合って速やかに三連星とそのユニットを揃えられるでしょう。
 また、ユニットの残り二体も自軍効果で破壊されたときにハンデス/Gとユニット以外の敵軍カード破壊という嫌らしいチーム効果を持ってます。
 『黒い三連星』デッキは後述の『シャアデッキ』よりも打点や速さが劣る感じで当時はあまり採用されていませんでしたが、緑にしては珍しい、ハンデス・キャラオペ破壊が出来る組み合わせのデッキタイプです。
 同時収録の「ジェットストリームアタック」をうまく引ければ、高打点が出るところも侮れないデッキと言えるでしょう。

「エクステンションブースター2」
②シャア・アズナブル(CH-180)

 1国力で2/1/2という高スペックと、手札のシャア専用機をコスト無視で場に出し乗換が出来るという、今環境トップカード!
 その強さは、21弾が販売される前に制限カードになってしまうほど。
 ただ、次回開催予定の第五回ガンダムウォー杯では20弾直前環境ということで使用可能となっているので、本大会では「シャア」とその専用機が縦横無尽に駆け抜ける姿が見られそうです。

③シャア専用ザクⅡ(U-311)

 ガンダムウォー初の、移動すら制限する効果を持ったユニットです。
 当時は「速攻」を持ってる環境ユニットカードは少なく、高機動よりも防御されにくい状況が出来上がっていました。
 前述の同時収録の「シャア・アズナブル」と合わせての採用率が高いカードです。

2.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

評価の上がったカード
①ブリッツクリーク

 「ガンダムエクシア」や「ガンダムデュナメス」等の強力なダブルオーユニットが収録されたことにより、緑単色だけでなく緑混色デッキにほぼ投入されるくらいの採用率になったカードです。
 その強さが評価されて21弾が販売される前に制限カードになってしまいました。

 実際当時の2007年のGT決勝でも上位はほぼブリッツクリークデッキとなっていましたが、次回開催のガンダムウォー杯ではどのようなデッキ分布となるのか・・・

②シャア専用機ユニット+赤い彗星のシャア
・U-200 シャア専用ゲルググ
・U-80  シャア専用リック・ドム
・SPC-1 赤い彗星のシャア

 EB2の「シャア・アズナブル」に合わせて使う為に、シャア専用のユニット達は多く採用される形になりました。
 主に上記の3種類はシャアデッキにてほぼ3枚ずつ採用されているカードとなります。
 ユニット2種類はデッキの打点アップを担い、「赤い彗星のシャア」はデッキで安定してシャアを引けるようにする為に採用されました。
 タイプによっては、緑ではないですが「リック・ディアス(クワトロ・バジーナ機)」や「シャア専用ムサイ」が採用されていました。

③強行偵察

 1国力で特殊Gを破壊できるお手軽コマンドカードです。19弾とEB2で新たにヴァリアブルカードの収録が増えたことにより活躍の機会も増えています。
 ただ、そのあまりにお手軽だったのが災いして21弾販売前には禁止カードに…。使うなら今ですよ(笑)

④ボッシュ

 「ガンダム大好き!!」
 真面目に解説すると、ダブルオーシリーズのユニットも収録されたことで、緑単色デッキ以外ならほぼガンダムがいる状況になったことで採用率大幅UP。
 「ガンダムエクシア」の飛び出し防止としても役に立つ為、非常に環境にフィットしたカード言えるのではないかと思います。でもさすがにサイド採用かな?(笑)

評価の下がったカード
 ここでは逆に19弾+EB2環境にて採用率が下がったカードを紹介。
 しかし、カードパワー自体はある為、逆に採用すればデッキの強みになるかも!?

⑤アプサラスII(U-278) 

 18弾環境では、『サイクロプス隊』や各色中速デッキなどに効果的でサイドも含めてよく採用されていたカード。
 しかし、ダブルオーユニットには効果がなく…採用率は極端に下がった印象です。
 でも換装して「アプサラスⅢ」になればダブルオーユニットも破壊できるよ(笑)

⑥気化爆弾

 配備エリアに3ダメージ与えても破壊できるユニットも少なく、『Sガンダム』デッキには「コア・ブロック・システム」で回避されてしまう為、使いどころも難しくなってしまったカードです。
 もう「ガンダムアストレイ・アウトフレーム(バックホーム装備)」 を破壊するしか用途がないのか…(笑)

2.3まとめ

 やはり今環境の緑勢力としてはEB2の「シャア」によって台頭した『シャア専用デッキ』が台風の目となるでしょう。
 そんな『シャアデッキ』に1枚入れておきたいオススメカードは…「ガブリエル・ラミレス・ガルシア(CH-168 )」!

 『シャア専用デッキ』は、基本的に「シャア・アズナブル」が一つの「シャア専用機ユニット」に乗り続けないので、空いたユニットには別のキャラを乗せることができます。
 例えばこの「ガルシア」なら「シャア専用ザクⅡ」の能力と相性が良くデメリットが無くなるのでお勧めです。
 環境に『シャア専用デッキ』には「シャア・アズナブル」以外のキャラクターが入る枠が3枚くらいあり、環境に『シャア専用デッキ』が溢れているとしても、多少の構築の妙で色んな遊びができたり差がつけられたりできると思いますので自分の中でコレだ!というカードを入れてみて楽しんでは如何でしょうか?

3.黒勢力

 17弾で登場した「魂の輝き」以降、黒単色でコントロール→黒+αの多色コントロールが今環境においても進んだ結果…茶を凌ぐか?と思える程のサポート色(*ドロー能力だけは勘弁してください)になってしまった感のある黒。
 今回、19弾「変革の叛旗」では、その中においても、新しいデッキパターンが誕生したり珍しく汎用性のあるカードが収録されました。

3.1注目の新カード

 この項目では19弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第19弾変革の叛旗」
①ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー](第2形態・ブースター装備)

 18弾で登場した「ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]」の別形態。
 「ヘイズル・ラー」自体は1枚制限/自軍なので、「フルドド」のテキスト使用回数が増えるのは○


 スペック自体が防御寄りとはいえ、「フルドド」のパンプを絡めれば強襲、高機動を活かせるでしょう。
 自動Bテキストは、指定1・1で出せるという点は大きい反面、相手にも何らかの強力なユニットが出ているという事で、それを踏まえて運用しましょう。

②ギャプランTR-5[ファイバー](MS形態)

 TR-5型デッキのピースの1つ。本国にダメージを通したときにTRユニットの枚数分(上限2)手札か盤面のカードの廃棄を要求できます。
 回避能力を持つ「ギャプランTR-5[ファイバー]」と比べると、打点を通した際のハンデスは強いが…通す手段が必要となるので、「ガンダムTR-1[ヘイズル2号機](高機動仕様)」等の手段を考えましょう。

③ゼク・アイン(ジョッシュ・オフショー機)
 ゼク・アイン(第1種兵装)(19弾)
 キリマンジャロ(19弾)

 えーっと、3弾以来久しぶりに「Sガンダム」もでたのに合わせてか、ニューディサイズの方々も色々強化されて帰ってきました(専用機はなかったですが)。
 ちなみに「キリマンジャロ」も1弾に別名称の拠点(何気に高機動持ち)があったりします。

 「ゼク・アイン(ジョッシュ・オフショー機)」は『ニューディサイズ』デッキのキーの1つで、自身の格闘値よりも低い防御力のユニットを除外できます。
 大きくステータスを上げられる「特攻」なども良いですが、「糾える縄の如く」などでも十分に機能すると思います。
 「ゼク・アイン(第1種兵装)」はバニラユニットということで、ユニットの埋め合わせ役に使われる程度です。
 「キリマンジャロ」は補給役+強襲持ちなので隊列組んで使いましょう。
 格闘値のみとはいえパンプが「ジョッシュ機」のテキストと綺麗に噛み合っているので、枠を使って採用するのはアリ。

④ジャミトフ・ハイマン(19弾)

 「ギレン・ザビ」の黒版というようなキャラクター。
 資源コスト+1は1ターン目からでも機能するが、下のテキストは自軍カード枚数と国力指定がある分、最大限に効果を発揮できるのは時間がかかるという点には注意。運用する際は目的を割り切っていきましょう。

⑤残忍な野獣

発生国力は赤

 キャラ破壊という、メインから採用したいけどそれ専用のカードでは枠がない所に(黒い覇道は対応範囲が広かったから使われた)ヴァリアブルの文字が付けたことで黒の民に大変喜ばれたカード。
 赤黒というデッキパターンはこの環境はもちろん、これから後も出てくるので、あちこちで見ることになるでしょう。

⑥侵入者の排除

 範囲を絞ってのメタカード。
 「シャア専用機」や「Sガンダム」などの踏み倒し系カードの他にも、例えば換装とかにもキッチリ機能しますが、それを掻い潜るカードもあるので過信は禁物です。

⑦ザンネック・キャノン

 「命が砕ける音」+「戦場の彗星ファラ」=汎用性↑↑
 全除去なら「核の衝撃」が初弾からあったりするわりに、色々クセの強いカードしかなかった黒の単体除去界隈にようやく出てきた普通の単体除去カードです。
 使い方なども普通に使ってOKです

「エクステンションブースター2」
⑧ゼク・アイン(トッシュ・クレイ機)

 クイックを持たないゼク・アイン系の貴重な展開要員。手札の名称「ゼク・アイン」を出せるのはかなりありがたい。ロールインの文字がなければなお良かったかなと。
 上段の回復テキストに関しては、ゼク・アインが沢山デッキに入っているという前提をクリアしないといけない都合上、あまり期待はできないので、コマンドをプレイした際にコスト分帰ってくるオマケ、とくらいに考えたらいいかなと。
 何気に相手からのでも反応するのでその辺りはご注意を。

⑨ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ](ギガンティック・アーム・ユニット装備)

 ガンダムウォー内最長カード名称選手権1位。
 テキストとしては手札+1の合計国力以下の同じ戦闘エリア内の全ての敵軍カードを破壊でき、さらに強襲によって打点を無理矢理通せる強力なテキストを持っていますが、今環境までだと肝心の換装元である「ヘイズル・アウスラ」が未収録ですのでご注意を(ナンダッテー!!)

⑩ヤザン・ゲーブル

赤で2回、黒はこれで4回目の収録

 カード化するの何回目だよ。
 強オールドタイプのヤザンさん。今回は攻撃出撃している場合もしくは交戦中の場合に、敵軍プレイヤーのユニット・キャラの起動型テキストを阻害できます。
 何気にサイコミュや範囲兵器等も起動コストがあるので色々刺さってくれるので、使い勝手は○

プロモーションカード
⑪ゼク・アイン(第2種兵装)

 公式大会初の黒ユニットがこれだったかと。
 効果としてはユニット扱いされてる(中立、リフターコインなども含む)ユニットではないカードの破壊できるチームテキストを持ち、射撃値3と隊列を組んでのスペックも悪くないので、『ニューディサイズ』デッキのパーツとして使う場面は出てくるでしょう。

3.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①キャラ破壊系カード(暗殺、公開処刑etc)

 「アストナージ・メドッソ」、「カガリ・ユラ・アスハ(CH-S19)」に加えて今環境トップTierの中核「シャア・アズナブル(CH-180)」と、低コスト強キャラが増えた結果、「残忍な野獣」でも良いが、ヴァリアブルの色が合ってなかったり、そもそも「野獣」でも間に合わない場合は「暗殺」を使って行く形になると思います。

②ウェス・マーフィー

 「ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ](ギガンティック・アーム・ユニット装備)」が出てきた事で、コスト無視で置き換えられるこのキャラを見過ごすことが出来なくなりました。
 何気に28弾までチョイスされるカードだったりします。

③欺瞞の刃

 コスト無視で出てくるカード、換装や「シャア専用機」、「Sガンダム」などを対処できるカードとして、昔からこんなカードもあります。
ただし、使い所はピンポイントになると思うのでご注意を。

3.3まとめ

 18弾環境からTR系にカード追加されたり、『ゼク』デッキ、もとい『ニューディサイズ』デッキという新しいデッキタイプが出てきましたが、黒の立ち位置自体は前環境とそこまで変化はしなかった感じです。
 とはいったものの、使える追加カードの裏では過去弾からの強カードはカードパワーを落とさずに使えている点、それがガンダムウォーの黒なんだと頭の片隅にでも置いてもらえてればと思います。

4.赤勢力

 この19弾環境で赤は、採用できないレベルまで信用が失墜した「コスモ・バビロン」に代わる新たな回復手段として「司令部の移送」を得たことは非常に大きく、再び単色でのコントロールデッキも組めるようになりました。
 他にも新規ヴァリアブルや優秀なサイドボードなど大小さまざまな優秀カードを手に入れた環境ではありましたが、前環境大きく飛躍した『赤単中速』が魅力的な新戦力を得たものの「ガンダムエクシア」という天敵が現れたことにより大きく勢力を落としてしまうことにもなりました。

4.1注目の新カード

 この項目では19弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第19弾変革の叛旗」
①レコードブレイカー

 紫のアイツに隠れていますが強力な 1 枚です。
 サイズは標準程度であるものの高機動、リロールイン、そしてなんといっても手札へ脱出する回避能力が非常に強力。
 相手の除去だけでなく、自らの全体除去からさえもプレイ後にテキストを使うことで生き残ることができます。
 頻繁に出入りすると資源コストがかさむのは欠点ですが、赤が絡む中速以降の多くのデッキで活躍しました。
 高機動を無視してくるおなじみ”武力介入野郎”にはサイズ負けしているものの、カットインで戦線を離脱してしまえば問題ありません。

②予期せぬ遭遇

 カードの持つ指定国力と異なる国力を発生するヴァリアブルのサイクル、赤は緑国力発生とバウンスの組み合わせです。
 前弾の「雲散霧消」以上に慎重なデザインとなっており、配備エリア限定でタイミングもダメージ判定ステップのみと既存のカードと比べると悲しいほど使い勝手は落とされていますが、それでもデッキの G 枠で採用しつつもバウンスが採用できるのは十分に評価できると思います。

③馴れ合いの拒絶

 敵軍手札にあるユニットのテキストを無効化する嫌らしいカードです。
 18弾でひっそり登場していた知名度皆無のオペレーション「ホールドアップ」に比べて、効果が及ぶのは相手だけになっており、さらに「クイック」「換装」以外も対応可能と、色もコストも違うとはいえ、たった1弾の間に一体何があったのかと聞きたくなります。

1国で出せるとはいえ有効範囲がかなり狭い

 この「馴れ合いの拒絶」の用途は幅広く、今環境の筆頭格「ガンダムエクシア」のクイックを消せるのは勿論、青や白が多用する換装、「ケンプファー(U-287)」のようなコスト軽減効果、戦闘中に手札から直接起動してくるタイプのテキストを持った「ディジェ」「ケンプファー(試作機)」「アプサラス II」など多くの戦略を無力化してくれます。
 相手に依存こそするものの、以降メタゲームに合わせ長らく赤デッキに採用されることになる1枚です。

④司令部の移送

 ユニットを除けば、間違いなく今弾のトップレア。場に出たときに本国を全て回復できるオペレーションです。
 ガンダムウォーのインフレもいよいよここまで来ました。
 一回張るとダメージが取り除きになるため、2枚目が機能しにくいデメリットはあるものの「コスモ・バビロン」と比べて”割られても負けない”という、あまりに大きすぎるメリットの前には両者のどちらを採用するかは言うまでもありません。

周辺警護によって18弾にて引退を余儀なくされたバビロン選手

 「コスモ・バビロン」と比べて指定国力も下がり、混色が隆盛を見せる今後の環境で運用が容易になった点も高く評価できます。
 ただし自動能力により「慈愛の眼差し」等で能動的に処理できないため、赤黒における採用は「武力による統制」との取捨選択となります。

「エクステンションブースター2」
⑤クロスボーン・ガンダム X1 パッチワーク

 クロスボーンに期待の新戦力です。マルチプルを持っていませんが、疑似マルチプルのような効果で場に出すことができ、場に出た後も戦闘フェイズ限定のアンタッチャブル能力を持っています。
 4 国力で展開可能である点が強く、これまで「コア・ファイター(U-C38)」を引き込めないとあまりに鈍重だったクロスボーンデッキに新たな風を吹き込みました。
 ただ、今環境のプールではこのカードから換装できる先が乏しいため、自身で直接戦線を支えつつ、コストにしたカード共々後続のマルチプルの弾となるような運用となるでしょう。
 直接このカードから多彩なクロスボーンガンダムへ換装可能となるにはもう少し時代を待つ必要があります。
 また、このタイミングで SP に専用のドローソース「たった6日のクエスト(SPC-27)」も追加されています。

 このように、オーソドックスな赤単は勢いを失いましたが、『クロスボーン』デッキは着実に強化が始まっていったのでした。

⑥コルニグス

 何度も変形を行うことで機能する、変わったアンタッチャブル効果を持つ重量級ユニットです。

 戦闘以外で対処するには
・通常形態のこれにコマンド以外の除去効果を2枚撃ちする
・(コマンド以外の除去効果で1度対象にとるなどして)変形形態になっているこれにコマンドを2枚撃ちする
 といったような手順が必要であり、戦闘以外では相当落とされにくくなっています。
 欠点は言うまでもないその重さですが、それだけのパワーを秘めた 1 枚といえます。

⑦影のカリスト

 相手の手札を見るだけでなく、戦闘を経る必要こそありますが実質ハンデスまで行う、本当に赤で刷られて良かったのかと思えてしまう強力なキャラクターです。
 混色の重コントロールデッキで採用されました。
 フレーバーのとおり「サイキッカー」なため、NT を持っていないことに注意が必要です。

⑧民意の獲得

 赤のお家芸、低国力でデッキを安定させるオペレーションに新入りが来ました。
 「内部調査」に比べデッキを掘り進めることはできず、対象も G 限定ですが、カードアドバンテージを得られるという点では勝っています。
 何よりこれから始まるダブルオー環境で 4ターン目にきっちり各色 2 枚ずつの G を置かねばならないというわがままに応えてくれるタイムリーなカードで、GT を制した『赤緑ダブルオー』をはじめとして、これから長らく続くダブルオー全盛の時代を支えました。

4.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

評価の上がったカード
カロッゾ・ロナ

 今環境 Tier1に躍り出る『Sガンダム』デッキに対してダメージを叩き出すため、「強襲」の重要性が上がりました。
 「カロッゾ」は主に『赤黒ダブルオー』や『カウンターパトゥーリア』での採用でしたが、他に強襲を付与する赤のカードとして「レウルーラ
(U-120)」が「ブリッツクリーク」からの展開を狙う『赤緑ダブルオー』で採用された実績があります。

 また、「カロッゾ」のコイン生成能力は「ビグ・ラング」と相性がよく、5 ターン目の展開時の隙を埋められるため、入賞実績のある『カウンタービグ・ラング』ではセットで採用されました。 

②もみ消し

 前弾での初出から評価は十分高かったのですが、『緑単シャア専用デッキ』の登場により、評価は MAX に。
 「嫉妬」と合わせて、高速なゲーム展開を狙うデッキに有効なカウンター
がこの環境では採用されていました。

③木星圏からの出発

 元々ウィニー対策のド定番カードですが、これも上記と同じ理由で評価 MAX。
 「もみ消し」や「嫉妬」によるカウンターと比べると、直接の解決策とはなりませんが、相手に先攻 1 ターン目で一気に展開されてもちゃんと仕事できるのが強みです。
 環境の高速デッキの代表格である『シャア専用』『赤緑ダブルオー』はどちらも戦闘フェイズをスキップされるとオペレーションに触れる手段がかなり乏しいため、ほぼ確実に 2 ターンの猶予を得ることができます。

評価下がったカード
④赤中~重のユニット達(ギラ・ドーガ(レズン・シュナイダー機)、ドライセン(ラカン・ダカラン機)、サザビー(EB1))ect…
 赤に限りませんが、今回の環境以降「ガンダムエクシア」は常に意識する必要があるユニットとなり、これらに対応できないユニットは軒並み評価を落としました。
 『赤単中速』の主力陣のうち、効果によって破壊できる「ノーティラス」と新戦力の「レコードブレイカー」を除くユニットはキャラクターがないと一切抵抗不能であり、一時隆盛を見せた『赤単中速』というアーキタイプごと大きく数を減らしてしまいました。

4.3まとめ

 この19弾環境では、今まで『赤単中速』『カウンターΞ』といったデッキで鳴らしていた『赤単』としての隆盛が終わり、赤はこの時代以降、”ダブルオーデッキの優秀な1色目”というポジションでの活躍が始まります。
 これ以降、赤単の復権には、史実でいうと2年先の EB3 環境を待たねばなりませんでした。

5.茶勢力

 16弾「覇王の紋章」で参戦したGガンダム系カードは、17弾「不敗の流派」で「マスターガンダム」、18弾「戦慄の兵威」で「キョウジ・カッシュ」や「出土品」を手に入れると大きな戦力が追加され続けていましたが、この19弾「変革の叛旗」のカードはというと、まずまずのMFユニットは追加されてはいるものの、これまでに比べるとおとなしい強化に落ち着くことになりました。

5.1注目の新カード

 この項目では19弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第19弾変革の叛旗」
①ガンダムシュピーゲル

 ジャンクヤードからMFを自軍ターンの間限定で釣ってこれるという、原作の『分身』を再現したような能力を持つカード。
 4~5国で渋滞しやすい茶MFユニットですが、このカードは配備フェイズ限定とはいえクイックを持っているおかげで非常に展開しやすいです。
 また、茶色には「ニュータイプの排除」、「ディアナ帰還」などジャンクヤードを肥やす手段がいくつもあるので、色としては非常に恵まれていると言えるでしょう。

GWの墓地肥やし代表カード

 通常コストを支払う必要があるため、使いすぎると資源が嵩んで、本国が薄くなりすぎる危険がある点には注意ですが、MF限定で毎ターン使い捨てのアタッカーを用意できるのは非常に魅力的だと思います。

②シュバルツ・ブルーダー

 先のシュピーゲル同様、こちらも原作通りに別のMFに自身と同じ性能のGFコイン乗せられるという能力で分身を再現したキャラクターです。
 「ガンダムシュピーゲル」で釣ってきたMFにコインを乗せるも良し、すでに場にいる2体目のMFにコインを乗せるも良しのナイスカード。
 また、ジャンクヤードから場に戻ってくる能力も持っているため、「作戦の看破」などのカウンターや「暗殺」などのキャラ破壊にも実質的な耐性がありつつ、先ほどの例にも挙げた茶の定番カード「ニュータイプの排除」、「ディアナ帰還」など、ジャンクヤードに落としてから場に戻すことでアドバンテージも稼げるのが素晴らしい。

③エネルギー吸収

 茶色2枚目のヴァリアブルコマンド。コインを乗せるカードへの対策カードが茶色にも実装されました。
 カードの上のコインを取り除く手段はかなり珍しい。
 「ガンダム6号機(完成形態)」「木星圏からの出発」「凌駕」などのカードを無力化したり、相手の解体コインなどを取り除くことで展開を遅らせるなど、汎用的な性能というよりもピンポイントで刺さることがある、というようなカードです。
 取り除くことができるのは敵軍カードの上だけなので、自分のユニットの上にあるマイナス修正などのコインは取り除くことはできませんし、また、ヴァリアブル(2)とややGとして計算するには心もとない点には注意。

③孤立無援

 単色デッキ相手に影響を及ぼすサイクルのカードで、茶色はお互いの手札とハンガーにあるカードの資源コストを増やします。
 回復が乏しい緑や、元々プレイするための資源コストの重い白などはこれを張られるとかなりツラいところ。
 資源コスト+2と、緑のサイドの定番である「理想に仇なす者」を思い出すような効果ですが、こっちは更に凶悪で、効果が重複するので2枚で+4 、3枚で+6になり、G以外のカードとほぼ全てのカードに追加コストが課されるため、重ね張ると何もプレイできなくなる可能性もありそうです。

「エクステンションブースター2」
④シャイニングガンダム(スーパーモード)

 リングハンデスするとき、従来のハンデスモードの他に、場のカードを破壊できるようになる効果と、ジャンクヤードが5枚以上ある場合に1枚取り除くことでリロールする能力を持っています。
 破壊モードはG以外なんでもと対象が広く、特に茶の苦手なオペ割りができるのは心強い。
 勿論、ハンデスすることもできるので場に割りたいカードがない場合にはハンデスモードをプレイできるのがgood。
 もう一つのリロールする能力は条件がジャンクヤードに5枚以上カード+1枚追放とやや厳しい条件だが、ここまでのカードの説明の御多分に漏れず
簡単に肥やせる茶としては全然許容範囲内。

⑤風雲再起(モビルホース)

 流派:東方不敗を持つユニットのリングエリアへ移動する能力を持ったユニット。
 リングエリアのユニットの枚数が増やせるため、ハンデス効果を増やすことでできるのが強み。
 もう一つの能力でユニット一枚に速攻をつけることができるので、単純に速攻MFの部隊をつくるのも地味ながら効果的。

⑥ドモン・カッシュ

 4国から5国になりましたが、十分なサイズにアンタッチャブル能力と申し分なしのGFキャラ。
 レアな茶色のアンタッチャブルキャラなので採用されることが多いですが、効果を使うのに5枚以上のジャンクヤードから2枚を取り除く必要があるので、いくらここまで墓地肥やしが得意と説明してきた茶とはいっても、常時効果を使いたときに使えるほど気軽なコストではないことは注意。
 とはいっても、常時タイミングで使用できる効果のため、リロールフェイズに使用することで「転向」や「部品ドロボウ」を避けられ、戦闘フェイズでは「魂の輝き」や「破滅の終幕」にも対応で使用して無敵になれるので、相手としては、場にいるだけでかなりの厄介な存在と言えるでしょう。

⑦風雲再起(キャラクター)

 こちらはキャラクターとして収録された「風雲再起」。
 配備エリアだけでなくリングエリアを含む戦闘エリアにいるユニットにも直接セットできる奇襲性が最大の強みで、コンバットトリックが余り存在しないリングエリアでのユニット強化や、この環境から猛威を振るう「ガンダムエクシア」にも対応してクイックでキャラを乗せることで一方を取って相手の計算を狂わせることができます。
 また、敵軍部隊に戦闘ダメージを与えた場合、4以下の合計国力を持つ敵軍ユニットを本国の下に戻せる能力を持つため「ビルケナウ(U-Z88)」などで拾われないようにジャンクに落としたくないユニットを倒しつつ本国に送ったりできます。
 なお、この効果は自動タイミングなので「ガンダム試作1号機フルバーニアン(U-322)」といった除去回避能力を持ったユニットにも回避能力を無視して本国下に送れます。
 このカードはプリベントがないのがネックで、赤相手にはカウンターされて奇襲が上手くいかない可能性があることには頭に入れておきましょう。

⑧昨日の敵は

 相手にジャンクヤードのユニットを渡して、その代わりに場の敵軍ユニットを奪うカード。
 合計国力か、コストの合計値が同じという条件がありますが、うまく考えて相手に弱いユニットを送り、その後自分に強いユニットを置くことができるので、大きなアドバンテージを狙うことができるのは面白い点だと思います。
 特に、奪うユニットにセットカードがあればかなり有効でしょう。
 奪ったカードが自軍ユニットの一枚制限にかからないようにする点には注意。

⑨怒りのスーパーモード

 MFを持つ自軍ユニット1枚に「スーパー強襲」効果を付与できるオペレーションです。
 敵軍ユニットが交戦中に破壊したときに、相手本国にダメージを通すのでサイズで負けないがチャンプされがちな性質を持つMFユニットと相性がよく、これによってチャンプブロックされようとも、そのままブロックされなかったかのようにユニットを破壊しつつ本国にダメージが入るようになります。
 この効果を得たMFがリングエリアに出撃すると、相手としてはブロックしても全力でダメージが入ってユニットが無駄死にになるためブロックしたくないが、そうするとハンデスを食らう状況となってしまい非常に厄介です。
 さらにこの効果は攻撃ステップなので、相手ターンにも使用でき、効果を得たMFがブロックにきて返り討ちにあったときには本国がダメージを食らうため、相手の攻めは慎重になってくるでしょう。

5.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①A.W.

 元々メインからでもサイドからでもよく見るカードですが、今回も強化されたMFを軸として戦うデッキにするのであれば、序盤から強烈な攻めを繰り出して来るウィニーやスライを止められるこのカードは、序盤にユニットを並べにくいMFデッキにとっては時間稼ぎにはもってこいのカードです。
 特にこの環境では『緑単シャアデッキ』という超強力な速攻デッキがあるため、このカードを採用するデッキは多くなったのではないでしょうか。

②出土品

 こちらも前環境より茶の定番となったカードですので、すでに利用されている方も多いでしょう。
 しかし、この19弾環境からはジャンクヤードから高速で場に出てくる『Sガンダム』や『アストレイ・アウトフレーム(ランチャーストライカー装備)』という強力なバルチャー付きのユニットが登場し、勿論以前より第一線で活躍し続けているスーパーメカニック「アストナージ」も健在で、バルチャーを付与からのユニット回収からの無限ブロックなど、ジャンクヤードのカードのユニットを利用するカードが目立つようになりました。

 これらのユニットを回収を妨害することができる「出土品」は以前の環境よりさらに評価が上がったといえるでしょう。
 回収されて嫌なユニットは、ぜひこの「出土品」で対象に取ってこちらのハンガーに置くようにしましょう。

③パトゥーリア

 『シャア専用』デッキが登場し、Teir1として君臨するようになったことでこのカードを軸とした『カウンターパトゥーリア』は立ち位置を大きく上げることになりました。
 『シャア専用』デッキは「シャア・アズナブル(CH-180)」にかなり依存しているデッキなので、「パトゥーリア」を4国でプレイすることがかなり期待でき、しかも要の「シャア」を奪いつつ相手の盤面を壊滅させることのできるこのカードはまさに天敵ともいえるでしょう。

 また、その他の有力候補のデッキである『Sガンダム』には「アムロ」が、『赤黒コントロール』には「カロッゾ」と、NTがあるデッキが多く、『カウンターパトゥーリア』以外の茶デッキでもサイドに投入すればかなりの活躍が見込めるのではないでしょうか。

評価の下がったカード
ドラゴンガンダム

 今までは、希少なクイックを持つMFということでよく茶系デッキに採用されていましたが、どんどん4国のリロールで出てくるユニットが登場するようになり、さらに白のユニットに標準装備されるようになった特殊シールドの前に焼きテキストも効かず、しまいにはこの19弾から登場の「ガンダムエクシア」には格闘が※にされて一方的に返り討ちにされてしまうなど良いところがなくなり出番が激減してしまいました。

5.3まとめ

 茶系デッキは序盤を支えられるような低国力ユニットが少ないこともあり、『シャア専用』デッキのようなかなり早い速度で本国を攻めてくるデッキが上位にいるこの環境は、向かい風ともいえるでしょう。
 また、「ガンダムエクシア」という直接戦闘に滅法強いユニットが参戦したこともあり、愚直に殴り合いする茶単色のデッキよりは鳴りを潜め、前環境で完成した『輝きマスター』のような多色デッキの下支えをする色、という立ち位置になりました。

6.白勢力

 19弾は、G-UNITから「LOブースター」「グリーブ」、STARGAZERから「ケルベロスバクゥ」「シビリアンアストレイ」、アストレイから「バリー・ホー機」「バックホーム (ランチャー装備)」、ジュール隊の「イザーク」「ディアッカ」「シホ」と各機体、TV本編から素体の「アカツキ」と、様々な作品からユニットが収録された結果、PS装甲ユニットが1枚も収録されなかった珍しいエキスパンションです。
 このため、主流である白中/白重デッキだけでなく、白単ザクデッキのような非PS装甲デッキも使われた環境でした。

6.1注目の新カード

 この項目では19弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第19弾変革の叛旗」
①ガンダムLOブースター(ロッシェ・ナトゥーノ機)

 戦闘力は4国力の「ウイングガンダム (U-1)」と同じですが、クイックと、プレイされて場に出た場合に相手のキャラクターを奪う能力を持ちます。
 クイックによる奇襲性だけでなく、すぐに再プレイされるためバウンスの効果が薄く、奪われたカードは場に残るため2枚目がプレイできないなど、対処が難しいカードです。
 キャラクターが奪われる効果は、青・緑・茶・白など、キャラクターを活用するデッキに対しては致命傷に成り得ます。
 さらに「カミーユ・ビダン (CH-147)」や「シーマ・ガラハウ (CH-151)」など、テキストに起動コストを持たないキャラクターは相手に効果を使用されるため、その被害は計り知れません。
 白デッキも白デッキ以外も、このカードを念頭に置いて構築およびサイドチェンジを考える必要があるほど、強力なカードです。

②ガンダムアストレイ・アウトフレーム(ランチャーストライカー装備)

 自分をロールすると、戦闘エリア1つにいる全ての敵軍ユニットの防御力を下げる能力を持ちます。
 自軍ユニットには影響がなく、範囲兵器と違って撃墜しきれない相手にも有効で、回避・回復・耐性・破壊無効が難しい防御力のマイナス修正を敵部隊全体に与える、強力な効果です。
 また、「配備エリアから安全に-2修正を与える」「戦闘エリアに出て撃墜されるリスクを覚悟で-3修正を与える」が使い分けられる上に、仮に戦闘エリアで撃墜されてもバルチャーで回収できる、隙のないデザインです。

③ブレイズザクウォーリア(シホ・ハーネンフース機)
 グフイグナイテッド(イザーク・ジュール機)
 ブレイズザクファントム(ディアッカ・エルスマン機)

 ジュール隊のユニットで、それぞれ「ダメージ耐性」「パンプアップ」「捨て山またはジャンクヤードの除外」といったチーム効果を持ちます。
 戦闘力の面でもテキストの面でも単体で使用することは少ないですが、クイックやリロールインによる展開力の向上と、テキストや射撃力によって部隊戦闘力を底上げできることから、白単ザクデッキのフィニッシャーとして活躍が期待できます。

④ニュートロンジャマーキャンセラー

 白2枚目のヴァリアブルカードは、自軍ユニット1枚をリロールする効果です。
 他色と同じくヴァリアブル(2)なので、Gとしての働きに過度な期待は禁物です。ヴァリアブル効果は保険程度に考えて、リロールコマンドとして運用することを前提に構築した方が良いと思います。

⑤正義の行方

 「自軍ユニット1枚に+4/+4/+4を与える」「そのユニットをターン終了時に相手に渡す」というメリットとデメリットをを持ちます。
 カード単体として見た場合、メリットがデメリットに見合っているとは決して言えないのですが、これが白という色で使う場合は話が変わってきます。
 単純に4国PS装甲ユニットに使っても、戦闘力が9/6/9と9国ユニット並のサイズになる上に、ターン終了時にはPS装甲の効果で本来の持ち主の手札に戻るためにデメリットがデメリットたり得ません。
 PS装甲(X)ユニットに使っても同様で、相手が白単デッキ以外なら手札に戻るでしょうし、それ以外のユニットでも次ターンに「部品ドロボウ (C-8)」で手札に戻したり、「サイ・アーガイル (CH-S38)」や「身勝手な懇願 (C-6)」を使って自分の場に取り返すことが可能です。
 つまり、デメリットの回避は比較的容易だと言えます。
 さらに、この効果を「相手にユニットを奪われる」ではなく「相手にユニットを押し付ける」という使い方をすれば、相手がユニットを出していないのに「デストロイガンダム (U-S165)」の効果を起動したり、相手の場に「カガリ・ユラ・アスハ (CH-S19)」を送り込んでハンデスしたりと、様々な悪さができます。
 特に最後の例は、相手の同意を得ずにフリプレで使うと、最悪の場合は友達を無くすので気をつけましょう。

⑥凶弾の犠牲者

 各色に収録された「 (自動B):このカードが、カット中で最初にプレイされた効果である場合、全てのプレイヤーは、この効果にカットインできない」を持つコマンド。
 白は「全てのプレイヤーは、G以外の自軍カード1枚を選んでゲームから取り除く」という、このサイクルで唯一、自分にも被害が及ぶ効果です。
 自軍カードを取り除く必要がある上に、この効果で取り除かれる敵軍カードも相手プレイヤーが選ぶという、どう考えても他色に比べて一段も二段も劣るデザインです。

 しかし、それでも尚このカードは『強い』と言えます。

 そもそも白には、
 ・「部品ドロボウ (C-8)」という優秀なユニットバウンス
 ・「デュオ・マックスウェル (CH-30)」に代表されるオペレーション破壊
 ・「フリーダムガンダム (ミーティア装備) (U-S151)」によるエリア不問のユニット除去
 ・「デストロイガンダム (U-S165)」の代替コストによる拠点の一掃
 ・「誇りある決闘 (C-67)」で敵軍カードを手札に戻す
 など、相手プレイヤーが不要なカードを選択できないように場を整える手段には事欠きません。

 また、取り除く自軍カードについても、
 ・ゲーム中盤以降は不要となった「L-3 X18999 コロニー (U-28)」
 ・「インフィニットジャスティスガンダム (U-S138)」で出したリフターコイン
 ・「ムルタ・アズラエル (CH-S121)」で奪った敵軍ユニット
 など、自軍の主力カード以外を対象とする方法も複数用意できます。

 このような下準備の後にプレイすることで、このカードは『プレイにカットインできず 、破壊ではないので破壊→廃棄のカットも発生しないカード除去』という効果を発揮します。
 一見すると手間に見合うほど強い効果には思えないかもしれませんが、そこまで複雑な手順を踏まなくとも、場に不要な自軍カードが1枚あるだけで、19弾のトップレアとして収録された「ガンダムエクシア (U-00-1)」ですら防御に飛び出した直後にゲームから除外される…と言えば、どれほど強力な効果なのか理解していただけると思います。

 「凶弾の犠牲者」は、ガンダムウォーの初期からカウンターに苦しめられてきた白待望の『カウンター耐性を持った除去コマンド』です。
 このカードを使いこなせるか否かが、白プレイヤーの力量を計る1つの試金石となると言っても、過言ではないかもしれません。

「エクステンションブースター2」
⑦トールギスIII

 マルチプル型トールギスというデッキタイプを確立させたカード。
 マルチプルの効果は、キャラクターのセットされていない全てのユニットを破壊するというものです。
 これは「死の加速 (C-80)」と相性が良い効果で、死の加速を使って場のキャラクターを破壊→廃棄してからマルチプルを使うと、場の全ユニットを破壊しつつジャンクヤードから死の加速を回収できます。
 これだけでも十分に強い効果ですが、「ヒイロ・ユイ (CH-29)」を死の加速で破壊→テキストで「トールギスⅢ」にセットしてからマルチプルを使うと、「トールギスⅢ」だけ破壊せずに場に残すといったプレイングが可能です。
 また、破壊したくない自軍ユニットを「部品ドロボウ」してからマルチプルを使う、リングエリアにはマルチプルの効果が及ばないことを利用して「トールギスII (U-107)」を守る、マルチプルを使った後にクイックで「トールギス (SP60)」を場に出す、「ヴォワチュール・リュミエール (C-S87)」で場に出した場合にマルチプルで自分自身を破壊してゲーム除外を回避するなど、自由度の高いプレイングが可能です。

⑧インパルスガンダム

 手札1枚を捨てることで
(1)自身の破壊無効
(2)交戦相手に4ダメージ
(3)敵軍ユニット1枚に-2/-2/-2修正
 の三つのモードから1つを選んで解決するユニット。
 1ターン中に同じモードの効果は使えませんが、3枚の手札を捨てれば3種類の効果を1回ずつ使用できます。
 例えば、(2)と(3)を組み合わせて防御ステップ中に防御6以下のブロッカーを除去したり、交戦しつつ敵軍配備エリアの小ユニットを(3)で破壊したり、その交戦で破壊されても(1)で破壊無効にしたりと、TV本編さながらの多彩な戦闘が可能です。
 廃棄する手札も、ユニットを廃棄して「カトル・ラバーバ・ウィナー (CH-12)」で回収する、同じくユニットを廃棄してマルチプルのコストに使用する、「デュートリオンビーム (C-S78)」を廃棄して自動回収するなど、被害を軽減する手段は幾つもあります。
 戦闘要員・兼・場の制圧という立ち位置は「ストライクノワール (U-S140)」と共通する部分があるので、ユニットやテキストの国力・効果・タイミングを見比べて、環境に応じた使い分けをしましょう。

⑨ムルタ・アズラエル

 手札1枚を捨てることで「敵軍ユニットの中で最強ではないユニット1枚」を奪うキャラクター。
 奪ったユニットはターン終了時に返却しなければなりませんが、それまでにブロッカーに使って破壊したり「慈愛の眼差し (C-9)」で除外するといった方法で除去できます。
 特に慈愛の眼差しとのコンボは凶悪かつ強力で、EB2当時も『ムルタ慈愛』と呼ばれるデッキが人気を博しました。

⑩青き清浄なる世界

 ひさしぶりに収録された白の大規模回復コマンドで、敵味方ともに捨て山の半分のダメージを回復します。
 敵軍本国も回復してしまうこと、自軍捨て山の半分をゲームから除外してしまうこと、なにより「フリーダムガンダム (ハイマットモード) (U-S101)」による回復で十分であったことから、EB2当時はあまり使われることのないカードでした。
 それでも「各機の連携 (O-105)」が場にある状態でも回復できる、敵軍本国にダメージが通らない状況でも回復できる、常時というプレイタイミングの広さを生かして回復できる(例:デストロイガンダムで敵軍捨て山を廃棄した後に自分だけ回復する)、「宝物投棄 (C-6)」にカットインして捨て山の廃棄を阻むことができるなど、他のカードではできない仕事も少なからずあります。
 回復のバリエーションを増やしたり、他のカードとのシナジーを構成したりと、デッキ投入に足るだけのポテンシャルを秘めたカードです。

6.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①ガンダムアストレイ・アウトフレーム (バックホーム装備) (U-S168)

 出撃する毎にハンガーへ最大2ドローという効果は強力ですが、3ターン目にプレイして4ターン目に出撃&ドローしても、引いたカードをプレイできるのは大抵5ターン目と、ドローカードとしての安定性・信頼性には欠けるという評価でした。
 しかし、「ニュートロンジャマーキャンセラー」が収録されたことで、最速で3ターン目にプレイ→リロール→出撃&ドローという使い方も可能になりました。
 ドローが1ターン早くなったことにより、デッキの安定性が大きく向上したと言えるでしょう。
 19弾以前の環境でも「駆り立てるもの (C-S68)」を使えば同じことが可能でしたが、そんな構築をするのは余程の変わり者だけでしたし、なによりヴァリアブルを使うことでデッキを圧迫せずとも実現可能になったことは大きな意味を持ちます。
 また、「ガンダムアストレイ・アウトフレーム (ランチャーストライカー装備)」の換装元として使用できることから、このカードが場にあるだけで相手が攻撃を躊躇するという副次的な効果も生まれました。
 ドローに、PS装甲ユニットの補給に、相手の牽制にと、一人三役の働きが期待できます。

②カガリ・ユラ・アスハ (CH-S19)

 正義の行方が収録されてしまったことで、最強かつ最恐かつ最凶かつ最狂の白デッキ『カガリ行方』が解禁されました。
 以下に『カガリ行方』の動きを説明します。

 「カガリ」は本来「場に出た時に自分が2ドロー」「場から離れたら自分が2ハンデス&相手が1ドロー」というメリットとデメリットを持つカードです。
 これをセットしたPS装甲ユニットに正義の行方を使うことで、ターン終了時にPS装甲ユニット&「カガリ」が相手の場に移動したあと、PS装甲の効果で本来の持ち主の手札に戻ります。
 「カガリ」が相手の場から離れたことで、本来の「自分が2ハンデス&相手が1ドロー」が「相手が2ハンデス&自分が1ドロー」に変わります。
 これは自軍効果によるハンデスのため「キリマンジャロの嵐 (O-53)」でも防ぐことができません。
 さらに自分の手札にはPS装甲ユニットとカガリが戻っているため、次ターンに再び「場に出た時に自分が2ドロー」を解決することが可能です。
 これで再び正義の行方を引けば、前ターンの悪夢が繰り返されます…

 2回目の正義の行方を引けなくても、上記説明だけで「自分は5ドロー」「相手は2ハンデス&本国ダメージ+4点」という、尋常ではないアドバンテージを得ます。
 また、適切なPS装甲ユニットがなくとも、例えば「メビウス (U-S4)」のような低国力のリロールインユニットで攻撃を行い、次ターンに「部品ドロボウ」で手札に戻すという方法でも実現可能です。
 これが単色で、しかも最速2ターン目に実行できることは、さすがにカードデザインに疑問を抱かざるを得ません。
 とはいえ、19弾+EB2環境において『カガリ行方』に合いそうなPS装甲ユニットは「インパルスガンダム (ルナマリア・ホーク機) (U-S13)」「ザク量産試作型 (U-S156)」だけですし、それらの脇を固めるサイドアタッカーもいないので、デッキとして警戒するレベルには至っていないかと思います。
 今後に期待しましょう。

・弱くなったカード
①部品ドロボウ (C-8)

 緑黒・緑赤・黒赤など、00ユニット収録後は混色デッキが流行しました。
 その中でもコントロールデッキが多い環境なのですが、「部品ドロボウ」のカードパワーは低下傾向にあります。
 理由として、緑は「シャア・アズナブル (CH-180)」によるスピード展開か「ブリッツクリーク (C-118)」による大量展開を狙い、黒は「ハンブラビ (ヤザン・ゲーブル機) (U-93)」「ジ・オ (U-129)」など場に出た時点で仕事を終えるユニットを、赤は「レコードブレイカー (U-C93)」というクイック持ちかつ、任意に手札に戻せるユニットを採用した上で、どのデッキにもクイック持ちの「ガンダムエクシア (U-00-1)」が使われました。
 こうして配備フェイズにユニット1枚を手札に戻しても大勢に影響を与えない環境となり、相対的に部品ドロボウの効果が弱まったと言えます。

②切り開く力 (C-S16)

 新規ヴァリアブルの収録により、「切り開く力」のロック能力は前環境以上に低下しました。
 「カードのプレイを抑制するという使い方」をするためには、これまで以上に目に見えない情報を推察する必要があります。
 とはいえロック能力自体が無くなったわけではありませんし、目に見える情報から判断できる「テキストのプレイに必要なコストを満たせなくするという使い方」は健在です。
 そういう意味では、弱くなったカードというより、使い方が難しくなったカードと言えるかもしれません。

6.3まとめ

  00ユニットの収録により、白は突出したユニットサイズというアドバンテージを失いました。
 『白中/白重』デッキは強化されましたが、これまでのように「最後はユニットサイズで押し勝てる」という状況では無くなったことは事実です。
 ですが、器用貧乏と呼ばれつつも「白に出来ないことは無い」と評された豊富なカードプールは健在です。
 本家より一段も二段も劣ろうとも、効果に何らかのデメリットを抱えていようとも、それを生かして勝ちに行くための構築とプレイングが求められます。

7.紫・デュアルカード

 いつもは添え物のように収録される紫国力のカードたちでしたが、今回は堂々の主役。
 ダブルオーユニットやキャラクター、コマンドたちは非常に強力なものが多く、環境の目玉となっています。

7.1注目の新カード

 この項目では19弾以降に追加されたカードの中から注目すべきカードたちを見ていきます。

「第19弾変革の叛旗」
①ガンダムエクシア

高機動無視して空から降ってくるのはバグ

 突如ガンダムウォーに「武力介入」してきた新番組の主人公機です。
 クイックで防御ステップ中に敵軍部隊の戦闘エリアに直接出ることのできる能力と、交戦中のキャラクターが乗っていない全ての敵軍ユニットの戦闘修正に※/±0/±0を与えるユニット。
 放映前はベーゴマとかビーダマンとか言われていましたが原作の活躍に惚れた視聴者も多く、ガンダムウォー界でもその暴れっぷりで戦争を根絶します。
 手札からいきなり降ってきて6国サイズを一方的に討ち取り後続の攻撃も無力化するその姿は、間違いなくガンダムウォーのユニット史に変革を与えました。撃ち落とせなーい!
※ガンダム00放映から17年経ちました。うそだろ。

②刹那・F・セイエイ

 実は「ガンダムエクシア」より問題のあるダブルオーカード。
 愛機より指定は一回り小さく同様の介入効果を持ち、自動Aで交戦相手のテキストを無効にします。
 キャラクターの効果であることがなかなかに厄介で、水以上に防ぐことが難しいです。残念ながら「名称:ガンダム」ではありません。

③遺志を伝える者たち

 本国全部から基本G以外の好きなカードを探せるという強力な効果を持っています。
 条件も同名カードがデッキに2枚残っていること、とそこまで厳しくなく、特定のカードを引き込むことが勝利に直結するデッキで採用されました。
 今環境とは少しプールが異なりますが、グランドトーナメントを制したかの『赤緑ダブルオー』ではキーカードをサーチするために使用された実績があります。

④野望の毒牙

 非常に汎用性の高い除去カードです。
 「黒い覇道」を元にしたような黒らしい効果を持っており、特殊G限定ながら相手の国力にさえ触ることができるのは、さながらエラッタ前の本家「黒い覇道」を彷彿とさせます。

 相手のデッキやゲーム展開に応じて、Gを 狙うのか、キャラ・オペ割として運用するのか、を正しく見極めることが勝利に直結するスキルフルな 1 枚といえます。

「エクステンションブースター2」
⑤ガンダムデュナメス

 2枚目のソレスタルビーイングユニット。
 「ガンダムエクシア」と異なりクイックは持っていませんが、擬似リロールインを備えます。
 1種類の国力が3以上発生しているという条件ではあるものの、自軍だけでなく敵軍国力も参照にするため、高い頻度で有効となる効果です。
 自動Dの焼きのおかげで見かけの戦闘力は上がっていることがアピールポイント。重複するうえに本国も狙い撃てるので複数並んでも無駄になりません。

⑥ロックオン・ストラトス

 ガンダムマイスター共通のプリベントとクイックを持つ射撃寄りキャラクターです。
 「ガンダムデュナメス」とは思ったほど相性がよくありません。
 焼きテキストを持つ青や緑のユニットに乗ることが多いでしょう。特に「ザクI・スナイパータイプ」にセットすると成層圏の向こう側まで狙い撃つ男になれます。
 『ガンダム00』第一印象で好きな男性キャラは?ランキング1位
https://gundam.info/special-series/gundam-census/special-series_gundam-census_20171016_1956p.html

プロモーションカード
⑦ソレスタルビーイング

 「効果にカットインできない」サイクルのカードでG以外のリロール状態の敵軍カードを破壊します。
 コスト、タイミング、対象は要求が多いですが、「シーブック・アノー(CH-178)」や「ヒイロ・ユイ(CH-67)」のセットグループを処理できるなど、得られるリターンはそれなりにあります。
 リロール状態の、という点がキモで、相手がこのカードを握っていると読んだ場合、換装で「置き換え後にリロールしない」選択をとることも必要になってきます。
 「内憂外患」「コスモ・バビロン」に対するプレッシャーとしては「三段構え」に匹敵するでしょう。
 「カットインできなくなる」という効果を利用すれば、ダメージ判定ステップ規定の効果後のフリータイミングで最初にプレイすることで、両プレイヤーとも戦闘ダメージで破壊されたカードの破壊無効ができなくなります。

⑧武力による戦争の根絶

 プレイ時に2つの効果を選択できるデュアルコマンド。
 1つめは踏み倒しなどの違法プレイ対策。換装にも対応しており、合計国力の低さから「シャア・アズナブル(CH-180)」の早出しにも間に合うのが素晴らしいです。
 2つめはばら撒き火力。デュアルカードでなければ自軍ユニットも巻き込まれてしまいますが、デュアルユニット中心で構築したり防御値4以上を用意すれば問題ありません。
 余談ですがイラストが3種類もあり、特にガンプラ付属版は現在高値で取引されているものの当時のモデラーに価値が伝わっておらず、タダ同然で投げ売りされたり捨てられたりしました。

7.2評価の変わったカード

 この項目では以前の弾からあったものの環境の変化により評価の変わったカードたちをみていきます。

・強くなったカード
①メテオブレイカー

 追加コストがやや重いですが、『Sガン』が跋扈する環境ではジャンクヤード対策が喉から手が出るほどほしい色もあるでしょう。
 『Sガン』自身がミラーマッチを想定してサイドインすることもあります。

7.3まとめ

 「ガンダムエクシア」の介入は環境に大きな影響を及ぼし、中速帯のユニットの多くを環境デッキから脱落させ、また、多くの中速デッキやコントロールデッキを支えるキーカードとして多色化をさせるに至りました。
 今環境では一気に勢力図が書き換わり、これまでのものから一新されたメタ環境となりそうです。

終わりに

  今回もたくさんの方々に記事へのご協力をいただき、本当に感謝しております。おかげ様で大変良い記事になったのではないかと思います。
 この記事を見た人が、今回の私のイベントに参加してくれたり、あるいはイベントに参加せずとも「久しぶりにガンダムウォーやりたくなった」「ちょっと友達と遊んでみる」など、このゲームに関するモチベーションが上がるきっかけになれてたら幸いです。

 余談ですが、この記事を書いている2024年10月には『ガンダムカードゲーム』という新たなガンダム題材カードゲームの情報が出て、期待や活気で満ち溢れています。
 このガンダムウォーのような、時を越えて遊ばれ続け、多くの人に愛されるカードゲームになればいいなと私も期待しています。
 そして、ガンダムカードゲームを遊ぶ人たちの中で、またガンダムウォーというゲームへ郷愁を募らせる人が出てきたら、どのような形でも触れてほしいなと思います。
 ぜひ当時と変わらない、あるいは当時では味わえなかったガンダムウォーの楽しさを共有できる人が増えたら、と願うばかりです。

謝辞
 この記事を作るのにいろんなカードを教えてくれた「しで」さん「kapivara」さん、「永井」さん、「グルール」さん、「オー」さん、「白使人」さん、ありがとうございました!
 今回も良い記事にできたなと思っているので、ご協力くださった皆さんが報われるほどたくさんの人に読んでもらえたら嬉しいなと思います! 


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