GW杯Vol.4 準決勝 kapivara vs 白使人 観戦記事 「破壊要塞」
準決勝 kapivara(予選1位)vs 白使人(予選4位)
第4回を迎えたガンダムウォー杯の準決勝のカバレージをお届けする。
予選ラウンド全勝、文句なしの1位で勝ち上がってきたKapivaraは強豪のウィニー使いとして名を馳せる。彼が今回使用するのは「イアン・グレーデン」の採用が特徴の通称”イアン・ウィニー”。本人も思い出のデッキだと語るこのデッキこそ、ガンダムウォーの現行当時にKapivara自ら使用して公式の大型大会を制覇したあまりに輝かしい実績を持つ。専用機効果で打点を伸ばし続ける動きが強力で、まさに彼にとって熟練の”専用機”デッキといえるだろう。
相対する白使人もまた、このガンダムウォー杯では過去3回全てで決勝進出の圧倒的実力者。今回は薄氷を踏む4位での通過ながら4回連続のシングルエリミネーション進出となった。使用デッキの白中速は今回最有力と見されたアーキタイプであり、強力な布陣を支える「ガンダムアストレイ・アウトフレーム(バックホーム装備)」や「ヴォワチュール・リュミエール」といった飛び道具を得て大幅に強化。タッチ茶を含め6名の使用者と過去にないほどの占有率を見せたが、決勝トーナメントへの進出を果たしたのは白使人ただ1人。当然ほかの参加者からも完全に意識されており、白包囲網でもあったメタゲーム下で本命デッキとともに正面突破してみせる手腕にはただ敬服するばかりである。
Game1
先攻の白使人はGセット、「L-3 X18999コロニー」のみでエンドと静かな第1ターンに対し、後攻Kapivaraは一気に動く。緑G、「ニューヤーク」セット「ギレン・ザビ」、さらに「ザクI・スナイパータイプ」まで送り出してそのまま2点を刻むオープニング・ムーブ。マリガン前の初手が6枚すべてGという珍事に見舞われたが、一枚少ない初手でも「ギレン・ザビ」から入る好スタートに成功した。
白使人は2ターン目もGを置くだけでターンを返したのに対し、KapivaraはGは止まるものの「ドップ」を追加しユニット化した基本G、「スナイパータイプ」とともに隊列を形成して5点を与える。
続くターン、「ギレン・ザビ」の自動Aにより「中東国の支援」が打てないことを嘆きながら、白使人はここも3枚目のGセットのみでエンド。
相手の初動を締め上げたことを確認しつつ、そのまま次のターンも攻撃に移ったKapivaraだったが、この出撃後に白使人が動きを見せる。
ギレン・ザビ込みで3国力を支払って手札の「ヴォワチュール・リュミエール」から現れたのはー
これまた今回の新戦力「デストロイガンダム」!!
相性の良さから通称「ヴォワチュデストロイ」と称されるこの新顔同士のコンビネーション。一般に語られるのは攻撃時に突然相手の手札をすべて吹き飛す動きだが、対緑ウィニーにおいてはこれを防御で使うのが強力となる。白だけを使い続けて数多くの環境デッキと渡り合ってきた白使人は、幾度となく繰り返してきたであろう最高の応手をここでも決めて見せた。
これにより設定された国力より4コストも早く降臨した機体が「範囲兵器(3)」によりKapivaraの戦力を無慈悲に燃やし尽くし、まさに”破壊者”の名にふさわしい戦果を挙げた。Kapivaraはユニット化していた唯一の基本G含めて全て地球へ出撃していた状況だったため、盤面に残ったのは拠点とギレン・ザビのみ。緑国力すらも失ってしまった。
この後はお互い数ターンにわたり打点が無いまましばらくドローとG展開だけの静かな動きとなるが、先に白使人が「フリーダムガンダム(ハイマットモード)」を盤面に送り出したのを見ると、いまだ1国力さえも復旧できていないKapivaraがここで投了した。
Kapivara 0-1 白使人
Game2
Kapivaraは不運にも初戦に続いてのマリガンに見舞われ、4枚の初手でスタートとなってしまう。立ち上がりはGと「サイド3」のみとなるが、2マリガン後ならば何とか合格といえただろう。後手白使人も第1ターンは「L-3 X1899 コロニー」を展開して終了。
2ターン目、1ゲーム目でたどり着けなかった2枚目のGを今度は順調に引き込んだKapivaraは愛機「ザクキャノン(イアン・グレーデン機) 」を展開、さらにクイック・リロールインの「ザクI(フェンリル隊仕様)」も展開して攻撃を開始する。
返すターン、白使人はGから即座に「ハッキング」と動く。
3ターン目以降が本格始動となる白中速においては、このカードは通常2ターン目で撃たずに次の規定のドローを見てからプレイする方がより最適な選択を取ることができる。「でもこの対戦でだけはハッキングは2ターン目」とこれも相手に合わせたプレイであることを述懐。ギレン・ザビの裏目をケアしながら早いゲームレンジに対応していった。ただ、解決後に以降の動きはなくこれでターンを終了。
3ターン目、Kapivaraはこれも彼のリストで採用が特徴的な「侵入経路」を設置。リングエリアのルール追加で挙動が変化した面白い1枚で、地球からの3面パンチが可能となるため地球適性と格闘力に偏りがちな緑ウィニーによくマッチしている。
これで「フェンリル隊仕様」、「ザクキャノン」がそれぞれ「地球」と「地球」という聞き馴染みのない出撃宣言から打点を刻むが、しかし総打点は2。やや寂しい展開だ。
白使人側は返す自ターンに「中東国の支援」、「ガンダムアストレイアウトフレーム(バックホーム装備)」、「カガリ・ユラ・アスハ」、「ハッキング」と一挙に動きアドバンテージを引き離す。一時手札が溢れ白使人のターン中で「ザクキャノン」を「部品ドロボウ」しておく余裕まで見せた。
4ターン目、Kapivaraは「ザクキャノン」を再び展開するのに留まったのに対し、白使人は「バックホーム装備」へ「アンドリュー・バルトフェルド」をセット。砂漠と補給を持つことで、緑ウィニー側が主戦とする地球エリアへ攻防で立ち塞がらんとする構えだ。
ガンダムアストレイの攻撃をKapivaraは「ザクI(フェンリル隊仕様)」で防ぎ、破壊廃棄の1ドローも得て打開策を探しに行く。次ターンに高い射撃値で砂漠に渡り合える「ザクI・スナイパータイプ」を追加し、このまま盤面を盛り返していきたいKapivaraだったが、一方で対する白使人も有利を維持すべく「STARGAZER」によって「侵入経路」を処理。
侵入経路の代わりに得られたドローはあまり芳しくなかったのか、Kapivaraはやや落胆の声色でターンを返す。
そしてそのまま白使人の5ターン目配備フェイズ。彼の普段通りの落ち着いた口調からさらりとそれは宣言された。
「そっちのコロニーとこっちのコロニーを破壊して代替コストにします。」
1ゲーム目に続き、今度は自己の能力で「デストロイガンダム」が戦場に現れる。確かに緑単系は今環境でも構築上拠点を採用せざるを得ないために頻発する友情コンボではあるのだが、そこで議論を終えずににもう少しこの状況を紐解いてみよう。
ー今回白中速を選択したプレイヤーの中では、唯一白使人のみが「L-3 X18999コロニー」をデッキに採用している。拠点シナジーを考えても「ヴォワチュール・リュミエール」という代替手段があるし、「バックホーム装備」の新加入で序盤を支える枠自体が大激戦。白使人はその中で優先度が高いと思われた「プラント最高評議会」を不採用としてまでコロニーが投入されている。(実際、白使人以外の白単4名は全員「プラント最高評議会」が採用されている)
結果論かもしれないが、国力へ直接干渉手段を持つ緑ウィニーに対しては隙を見せれば一気に国力を減らされる可能性もあった中、仕事を終えたはずのコロニーのアシストから明確な勝利条件となる7国力ユニットを無事送り出すことに成功。第1回大会で白使人が採用し驚きを与えた「過ぎ去りし流星」によるコロニー落としに続き、ただのキャントリップ兼ブロッカーにとどめずにリソースを最大限活用してみせる、白使人流の構築が輝いたシーンと言えるだろうー
…さて話は盤面に戻り、デストロイガンダムが出てしまえばこの後何が自らの身に起こるか当然把握しているKapivaraは、「気化爆弾」をバックホーム装備へ打ち込み、クイックで「シャア専用ザクII」もリロールイン。しかしこれ以上のカードはプレイせず、攻撃ステップ規定効果の解決を許可。
これは盤面にある情報以上の抵抗ができないことを認めるのと同義であり、
一体も葬り去ることができない火力コマンドがこのゲームの趨勢を痛々しいほど物語っていた。
そして白使人側が両面からの攻撃出撃を宣言すると、デストロイガンダムの自動D能力でKapivaraの残る手札と捨て山が吹き飛ぶ。
盤面にあるカードだけでは、「デストロイガンダム」はおろか、ダメージを受けている手負いの「バックホーム装備」さえも砂漠能力に守られて一矢報いることすら叶わない状況。ダメージをすべて本国で受け止めたKapivaraは次の既定ドローを確認した後に投了を宣言しこれにて準決勝が決着した。
kapivara 0-2 白使人
「デストロイが来たらあきらめざるを得ないと考えていた」とKapivara本人が試合後述べた通り、2ゲームともまさに一撃必殺。新戦力が原作通りの圧倒的火力で緑ウィニーの軍勢を蹂躙したのだった。
貫禄の4回連続決勝進出を決めたのは、白使人!
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