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戦後復興時代の不動産事情はダークサイド

岩田です。はてなブログの過去記事転載です。

土地って買った事ありますか?

私は土地買った事ないので詳しい事は知らないけど、ちょっと取引先の帰りに法務局に寄る用事を色々と話したらとても興味深い大昔の話を教えてくれました。

その取引先さんは不動産屋さんでして社長は高齢、80歳ぐらいだと思います。

そのような年齢にも関わらず未だにお姉さんのいる店に行かれるという精力みなぎるオッサン...いや、おじいちゃんです。(ホントに行ってるかは不明、多分行ってる...)

そんなおじいちゃんから「筆師」(地面師)の話を聞いた時には終戦復興時の闇を感じされられました...

大昔の不動産屋は何でもアリだったみたい

このおじいちゃん、取引先なもんでして色々と話しを聞かされるんです。

私がおじゃまする用事は毎回集金なんですけど、何度お願いしても振込にしてくれません... 振込手数料をこっちもちでイイからと言っても譲ってくれないのです。

しかも支払いは絶対に小切手。

そんな大きな金額じゃないのに私には小切手、他の業者さんがお金を貰いに来たときは現金で100万単位のお金を渡していたくせに... 私は2~3万なのに小切手。

おじいちゃん社長が言うには、昔は支払いの金を渡す時に取引先に文句や愚痴を言って偉ぶってスッキリして相手の会社を探るってのが社長の特権なんだそうです。

このおじちゃん社長と法務局の印紙代ってボロイ商売ですよね~なんて話をしていたところ、不動産屋さんは法務局によく行くらしい。

とくに売買の案件があると法務局の土地区分の線引きがしてある地図を見るために閲覧室という部屋に入るとのこと。

私はその辺の事情はさっぱりですが、よく聞いてみると土地ってのは必ず所有者がいるんですって... ってよく考えれば分かりそうなもんですけど、これがけっこう難しい。

その所有してる土地は地図上で線引きしてあって登記簿謄本と合致するようにきちんと測量されて管理されている... それを見たり写しをもらうのが閲覧室という事...

確かに法務局には小部屋みたいなのがあったような気がするし、スーツを着た役所関係ではない人が出入りしているのを見た事があります。

そして閲覧室はけっこう厳重に職員に見られている部屋ってんですよ... なんで?

そんなの見たりコピーするだけじゃないの?って思うでしょ、それにはきちっとした訳があっての事で、昔は... ってのからおじいちゃんトークが炸裂しました。

分筆・合筆

土地は隣の土地とくっつけたり、分割出来るってのは知っています。

それを分筆、合筆って呼ぶのもどこかで知った知識としてあります。

ただ何故「筆」という文字を使うかまでは考えた事もありませんでしたし、おじちゃんが得意げに語ってくるから聞くしかありません。

土地における筆とは一筆とかっての筆単位なるものが存在し、昔は筆で登記簿謄本を書いていたから筆なんですって。

他にも区分所有も筆で線引きしていて一筆で書けるから分筆...みたいな訳の分からん歴史があるそうです。

 一応ネットでもそれっぽい事が書いてあるのでおじいちゃんの言う事は合ってるのでしょう。

昔はそのような登記関係を筆でやっていたという事は、役所の人が筆で書いていたって事で、中にはお金で動く悪いヤツもいたらしくですね、
そのような事が起きないように分筆も合筆も閲覧も厳重だったそうです。

現在は紙と筆管理ではないからそこまで厳重にする必要はないけど、昔の時代の名残なんだそう。

筆師の存在

ここからが本題ですよね... 筆師。

筆師ってのは閲覧時に原本を改ざんしてしまう、区分の地図も改ざんしてしまうという技を持つ人間との事。

そもそも原本に接触できるって時点でオカシイとは思いますが、そこはコピー機も無い昭和の時代、色々な事情があったんでしょう。

そういった原本に触れるような場面で筆師が監視者の目を盗んで改ざん、あたかも初めからそうなっていたかのように改ざんするんですって。

おじいちゃん社長が筆師の存在を知ったのは土地の売買時になって登記簿謄本が違う、つか所有区分も違う、こんなのおかしいじゃねえか!騙すんじゃねえ!と怒り狂ったところで原本は改ざんされたものであると気が付いたそうです。

しかし改ざんされたと主張しても、それが原本であり、現実の土地区分が間違っている、これは測量しなおしですね... 原本が正しいんですからみたいな事だったようです。

そこから不動産仲間や怖い人などに色々聞いて筆師といった存在を知る事となるわけです... おじいちゃん怖い。

ちなみにネットで筆師と検索してもこのような内容が一切出てこないところを見ると、案外ホントなのかも.... なんて怖さがあります。

ただ昔からの番号(不動産業者の免許の番号)が古い番号の業者で高齢な人だったら知ってる話なんですって。

こういった裏の世界の話、しかも50年ぐらい前の話ってんですからネットに出ないのも頷けます。

それに私が今こうして書いたとしても筆師が仕事をする場面は全くないですから、必要のない情報と言えばそれまでです。

ただ筆師の行為により泣いた人と笑った人がいるってのが現実にあったようなので、不動産、
つまり動産でないもので改ざんによる不正があったとなれば結構な問題.... でも調べようがない... でもおじいちゃんが語った筆師の話は何かを感じられるのも事実です。

いわゆる戦後の焼け野原の土地ってやつで、当事者が他界しているから調べようがありませんが、乗っ取りってな噂話。

こんな風に書くと、噂話に噂話をくっつけて二で割った陰謀論みたいな感じになるでこの辺でやめておきます。

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