ジュディアンドマリー、ヒステリックブルーが繋げた恋
岩田です。はてなブログの過去記事転載です。
私、こう見えてスノボーだけは結構やれるのです。
とは言っても40半ばになろうとしている中年のオッサン、リフト一本につき1休憩1イップクといった厳しい現実もあります。
こんな事を考えると20代前半に行きまくったスノボーを思い出す...そういやジュディアンドマリー・ヒステリックブルーとスノボーで始まった恋があったなぁ...
スノーボードの楽しみ方は人それぞれ
スノーボードの魅力を一言で語ることはとても難しいものがあります。
仲間とワイワイ滑る、グループ交際一歩手前のドキドキ、リフトで彼女とイチャイチャする、モテたいかっこつけたい、人に見られたい、技を極める、修行、プロになりたい...
スノボーを始めるきっかけや楽しみ方は何でもよくて私の場合はモテたいかっこつけたいが主な理由でした。それが徐々に技を極めるといった方向に...ギプスをはめて滑っていたぐらいなのでスノボーによる骨折回数は不明なほどです。
今の時代の若者で考えると親の影響で...ってのがあるのでしょうか、私の少し上の世代(45~55ぐらい)の子供が今の20代前半ぐらいの年齢なのでしょう。
そのような45~55のオッサン・オバサンがかつてスノボーをやりまくっていた20代の頃はドラゴンのゴーグルにバートンの板、車はホンダのワゴン系かスバルのレガシー5ナンバー時代ってやつです。
今の若者さん....あなたのお父さんお母さんがスノボーに夢中になっていた場合はですね、結構無茶な滑りをしていた人が多かったですし遊び人のようなスノーボーダーだった可能性があるって事です。
もしかすると今のお父さんお母さんからは想像も出来ない事かもしれませんね、でもゲレンデにはそんなスノーボーダーが沢山いました。
お父さんやお母さんに聞きても教えてくれないでしょうから私がそっと教えちゃう。
そんなスノーボーダーだったお父さんお母さんが小さい頃に連れて行ってくれたゲレンデ、ある時からお父さんお母さんが全く滑らなくなった、スノボーに行かなくなったってな家庭も多いと思います。
経済的な事情や景気の低迷により...ってなわけもあるでしょう。
でもスノボーの夢中だった若かりし頃のお父さんお母さんが滑らなくなったってのは自分の命よりも大切な存在が出来たから...ってのが大きいと思っています。
そんなお父さんやお母さん、そして後輩である私達が仲間とスノボーに行くとなればそれは祭りであってイベントであってクラブであって恋でした。
ジュディアンドマリー、ヒステリックブルーが繋げた恋(創作短編小説)
「俺、今週のボードはA子に軽く告って付き合うつもりだから車2台に分けてくれ」
変態スノーボーダーのオナ夫はその日、以前から狙いを定めていたA子と付き合うつもりだった。オナ夫の計画はこうだ。
今週末のボードは全部で6人、ステップワゴン一台で間に合う人数
車1台だと高速やガソリン代は安く済むがいつものように仲間とワイワイガヤガヤになってしまう
車を2台に分けて帰りのインターで飯を食ってる時に自分とA子、それ以外を分断するように仲間に頼む。
A子と二人きりになり、帰りの関越道でA子が好きなジュディマリとヒスブルを交互にかけて凄くイイ感じになる。
一人暮らしのA子宅へA子を送り届けてからムフフなひととき
オナ夫はムフフなひとときのためにジュディマリとヒスブルの曲をMDに入れまくる作業に精をだした。
その理由は単純なもの、A子がジュディマリとヒスブルが好きだったからだ。
当時車で音楽を聞くとはCDチェンジャーなる装置に10枚ぐらいのCDを入れて選ぶか、カセットテープに録音しておくかMDに録音しておくかのどれかだったのだ。今のようにスマホに繋げて...のような便利な時代ではない。
このオリジナルな再生リストの作成はそれなりに時間のかかる作業であってジュディマリとヒスブルを交互に入れるとなるとそれは大変な作業、間にドラゴンアッシュやミーシャも少し入れてアレンジを加えたりと下半身を熱くさせながらオナ夫はオリジナル再生リストを作った。
エスパーK子
スノボー当日、終電間際の渋谷にメンバーが集まる。
予定通り車は2台、しかし当日になり一人女性のメンバーK子が増えた。
そしてこのK子が後に重大な行為を行うとはオナ夫も全く予想していなかったのだ。
オナ夫としては最初は皆でワイワイいくつもりだったのだが仲間が気をきかせて初めからオナ夫とA子に分断してくれようとした。
もうこの時点で少しオカシナ状態である、ステップワゴンにオナ夫とA子の二人、レガシーに5人の構成はいくらなんでも無茶だ。
一応ステップワゴンは荷物車のような言い訳もあったがそれでも無茶だった。
そのような異常な構成を見てだろうか、当日参加表明をしたK子がオナ夫のステップに乗ることになったのだ。
そりゃそうだ、K子はオナ夫のムフフ計画や仲間への裏工作を知らないのだ、それに荷物車とはいってもステップのほうが広い。
オナ夫は軽く舌打ちをしながらステップのハンドルを握った。
出発直後にバックミラーで後ろのレガシーを見るとコッチを指さしで爆笑しやがる仲間の姿...「くっそ、K子さえいなければ!」
オナ夫はK子の存在にムカツキながらも明治通り、目白通り、関越道へと車をすすめた。
クソギャル同士の恋バナ
助手席に誰も座らないステップワゴン、後ろの座席ではA子とK子が楽しそうに女子トークを繰り広げる。
しかも最後にやったの何時?みたいなトークを繰り広げる。
そもそもA子もK子もギャルなのだからこうなって当たり前だったのだろう。
そんなクソギャルの女子トークは徐々に恋バナへと発展。
今彼氏とかいるの?
好きな人とかいるの?
オナ夫の計画も気持ちも知らないK子とA子が楽しそうに禁断の会話を始めてしまう。
オナ夫としてもA子の情報は気になる、とくに好きな人がいるのかどうか?は最重要項目。しかも若いオナ夫は何の根拠もないのに「オレが好きなんだろw」といった自信があったのだ。
しかしA子の口から発せられたイイ感じと思っているの人とはオナ夫の後ろでレガシーのハンドルを握りオレを指さし爆笑したN君だった。
その言葉を聞いたオナ夫は激しく動揺、何もかもがどうでもよくなり予定とは異なるサービスエリアに入った。
オナ夫はSAのトイレでぶっといクソを撒き散らしつつレガシーとステップの運転手交代及び自分一人でレガシーを運転するからお前らみんなで仲良くやれ!クソが!!!と便所からN君に電話をしたのだった。
メンバーチェンジ
車2台~3台で仲間と行くスノボーはメンバーチェンジが基本だ。
やはり固定された男女メンバーでは面白くないしメンバーチェンジを行ったほうが皆が仲良くなれるというもの、合コンにおける席替えのようなものだ。
オナ夫としてはN君に
「A子がお前のことイイ感じだから俺はもうどうでもいいから一人で運転するわ...」
と伝えてある、しかしN君はトンデモナイ野郎。
A子をステップの助手席に座らせてその他のメンバーはレガシーに乗れといったお前マジやりすぎだろうモードを発動。
それを見た回りのメンバーは俺の気持ちを知っていたというか裏工作を知っていたのでN君とA子のラブを阻害すべく荷物ギュウギュのステップに乗り込む。
しかしメンバーは皆半笑いのニヤニヤ状態のクソギャルとクソギャル男、完全にその状況を楽しんでいたのだ。
オナ夫としても「N君ざまぁwww」の気持ちで気分をスッキリしつつレガシーのハンドルを握ると一人で運転するはずのレガシーの助手席に何故か一人のクソギャルが座っていた...K子だ。
恋の始まり
ヤニ臭すぎるレガシーで走り出すオナ夫とK子、二人はショットバーでの面識があったもののよく知らない間柄だ。
オナ夫はK子に特別な感情をもってはいなかったが「胸の大きな子」との認識だけはあった。
そんなK子と二人きりの関越道...
特別な感情のないギャルとはいっても女性と二人キリの車内は緊張する。
会話に困るオナ夫としてはスノボーについて語ったりしつつK子の胸をチラ見し続けていた。
K子はというと見た目相当に激しいギャルなのだが話してみると心はクソギャルではない、見た目だけギャルだが可愛らしい性格の女の子だと分かった。
オナ夫の「何でステップに乗らなかったの?」の質問に対してK子はの回答はこうだ。
「オナ夫が一人で可哀想だったらwwwあとお前K子が好きだったんだろバレてんぞwww慰めてやんよwww」
との全てを見通すエスパーのような回答。
おれがA子のことが好きなのを感じて恋バナを始めやがったのかコイツは...!
と思いながら可愛らしい性格じゃねーやっぱコイツもクソギャルだ!と考え方を改め、オナ夫はK子の胸に集中しながら車を走らせた。
しかしK子との会話は思った以上に面白い。
オナ夫はあまり可愛くはないけどK子もイイかもな、胸も....と考えつつ少しだけK子に好意をよせはじめていた。
ゲレンデで一緒に滑りまくるガチアルペンボーダーK子
その日のゲレンデはパーク(キッカーやパイプ)が無いゲレンデ、滑りがメインなゲレンデだ。
オナ夫と男仲間もわりとガチなボーダー、しかしクソギャルたちはガチではなく楽しく騒ぎたい系のギャルボーダーだ、そんな男達のアグレッシブなカービングターンに付いてこれるギャルはそうそういない....はずだったのだがK子はしっかりと付いてくる。
コイツはガチの女ボーダーだ、よく見たら足とか太そうな感じだしスイッチスタンスでもしっかりと滑る、しまいにはノーリー360をリフト乗り場前で決めてきやがる。
オナ夫も他の男もK子を完全に認めた...が、他のクソギャルはガチなK子に少し引いていた。
そんな引き気味の他クソギャルにN君を中心とする男どもは休憩的に飯にいってしまった。
これはゲレンデにパークが無かったことも影響している、パークがあればそこで皆で遊んだり楽しんだりできるからだ。
「おいオナ夫、テメーまだいけんだろ!」
皆が飯場に行く中、K子がオナ夫にガチ滑りランデブーを要求、オナ夫としてもガチなK子と滑るのが楽しかったのだろう、二人でベリーハードなコースに向かった。
オナ夫としてはガチなK子に勝つというかギャフンと言わせたかったというのがあった。
スノボー向けではないコブの急斜面、スキーの上級者向けのコースをK子一緒に滑った。
しかしK子はコブを難なくこなす、というよりもオレより上手い...
何かオカシイと思ったオナ夫はK子に色々と聞いてみるとK子は元々アルペンボード、今日は皆に合わせてアルペン持ってくるの止めたとの事...なるほど、そうだったのか、どうりで滑りがハンパないわけだ。
その日、オナ夫とK子は互いに競い合うように滑りまくった。
その他のメンバーは飯場でずっとしゃべっていたようだ。
彼女はエスパー
K子と1日中ガチ滑りをしたオナ夫はもうヘロヘロ、もちろんK子もヘロヘロだ。
帰りの運転はしたくなかったのだが他のメンバーは滑らずにダベって酔っぱらった状態...ありえない、何もかもがありえない。
もう仕方が無い、というより他に方法がない。
オナ夫がレガシーを運転、K子がステップを運転といった状態になる。
オナ夫もクソだが他もみんなクソだ。
おまけに帰りの関越は渋滞、しかもレガシーに乗ってる野郎・野女は酔っぱらって爆睡。そりゃそうだ、全員前日から寝てない。
それはステップとて同じ状況...結局オナ夫とK子が手分けしてメンバーの家々を回る。
つまり最後がN君の家、そこからオナ夫がK子を送るといった方法だ。しかもムカつくというかラブな事にA子がN君の家に泊まってくってんだから酷いもんだろう。
結局オナ夫とK子は酔っ払い爆睡ボーダーを乗せた車を運転し続けることになり、N君のレガシーを駐車場に入れてから今度はオナ夫がステップでK子を家まで送ることになる。
滅茶苦茶疲れて眠かったオナ夫...
しかしオナ夫としてはやっとK子と二人きりになれた事が嬉しかったし、運転はきつかったけどこの展開は正直言って良かった、もっとK子と話たかった...オナ夫はK子が好きになっていた。
「眠すぎんから何か曲かけんぞ」
助手席に座るK子が勝手にMDを弄り始める。
深夜の車内に流れるジュディマリとヒスブル....これはオナ夫がA子のために作ったプレイリスト、それをオナ夫はK子と聞いている、わりと無言で。
ほどなくしてK子は曲を止めた。
「これってA子が好きな曲集めたやつだろwww」
なんでそんな事を知っているのか分からない、コイツはやっぱりエスパーな女...じゃなくて行きのステップ女子トークでそんな話をしていたような気もする、確かそうだ。
そこからだろう、二人の会話は途切れてしまった。
図星状態で黙ってしまうオナ夫、しかもオナ夫はK子が好きになり始めている。
しかしK子はエスパーのように、かつA子とられて可哀想wwwギャハハ!をやった。
Kの家の付近まで無言が鳴り響く車内...
そしてコンビニで下して....と。
しかしK子はすぐに降りない。
再びの無言が鳴り響く...しかしこの無言は今までとは空気が違う。
クソガキのオナ夫とギャルのK子とていい大人だ、この無言の次に発する言葉で何か事が起きるのは分かっている、そんな空気だ。
オナ夫が「もういくしかない!」と気合を入れた頃だろうか、手にじっとりとかいた汗を拭きつつタイミングを見計らっていた時だった。
...
..
.
「あたしじゃダメかな?」
K子がオナ夫にそう告げた。
オナ夫は....
オナ夫「一緒に滑りまくっている時ぐらいから俺もお前が好きになってた」
K子「うん、知ってたwww」
やっぱりK子はエスパーだった。
短編創作小説
「ジュディアンドマリー、ヒステリックブルーが繋げた恋」完
もうすぐスノボーの季節!
早いゲレンデだと12月中旬ぐらいにオープンするのでしょうか、最近の私は交通のアクセスが良くレンタルも安くワイルドなステーキが食べられる軽井沢ばかりになってしまいました。
それもこれも歳のせいでしょう、かつては玉原・川場・丸沼・水上あたりだったのに今は中軽井沢のステーキ後に温泉に入らないと気が済まないオッサンになってしました。
スノーボードの楽しみ方はひとそれぞれ、仲間とワイワイやるもよし、恋をするもよし...この記事を読んで頂いたスノボーに興味がない、やった事がない方....スノボーっていいもんですよ!
くっそ長い記事を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
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