「ニューリーダーズ 漸進し続ける新人開発リーダー達」参加レポ
概要
澤田史織「受身気質なリーダーの試行錯誤」
自己紹介
ログラスでバックエンドエンジニア
リーダーとして半年ほど経った
今日のお話
前提
場の設計が鍵だった話
チームリーダーが奉仕しすぎた話
まとめ
1.前提:ログラスにおけるリーダーとは
リーダーは「役割」である
組織構造CTO-EM-フィーチャーチーム
ログラスにおけるEMとリーダーの違い
リーダーになりたての頃のチームの状態
心理的安全性が高くコミュニケーションが活発で、「私具体的に何やればいいの?」と思った
2.場の設計が鍵だった話
まず一歩目は「前リーダーがやっていたことを真似てみよう」
1on1を実施
良くも悪くもリーダーに情報が集まってくる
EMは個人のキャリア支援がメイン、リーダーは課題感を引き出すことがメインになる。1on1で課題を深掘り、レトロスペクティブにあげたり
同じことを真似しても同じ結果にはならない。このことはやってみないとわからなかった
本当に必要なのは1on1ではない?
適切な場を作り、チーム内で改善できる方が効率的ではないか?
どう改善したか
レトロスペクティブ外で、話す場を作る
場を設定するに至った経緯
ちょうど開発してきた機能が、リリース2週間前
不安の声がメンバーからレトロスペクティブで上がっていた
不安を言語化しアクションを生み出すような場を作ろう!
不安を言語化する会
チーム目標を声に出して読む
自信度チェック(ファイブフィンガー)
不安グルーピングなどをした
チーム目標を声に出して読むの、意外と良かった
今目指しているものがより明確になり、不安出しの布石になった
最後に再度自信度チェック(ファイブフィンガー)をした
3.チームリーダーが奉仕しすぎた話
チームメンバーが開発に集中できる環境を作るために、障害物=石をどける活動
じゃあ障害物を全部どければいいんだ!
チーム目標外タスクを全て引き受けた
メンバーからは好意的な反応だった
どんなことが起きたか
メンバーの当事者意識が薄くなる
チーム外の活動を全て引き受けると、
伝言ゲーム:メンバーへの共有事項が増える
依頼:ネクストアクションがある場合、お願いする形になる
支持しているように見えてしまう
リーダーはチーム目標の状況がわからなくなる
メンバーにヒアリングしないと進捗がどの程度かわからない
どう改善したのか
リーダー以外でもできることは適切に振り分けて負荷を分散
チーム内イベントのオーナーを決める
チーム外活動はメンバーに参加を促すように変更
改善後のチームの反応
一人で改善するより改善が回り、結果的にいいチームの雰囲気となった
次のリーダーからバトンを渡すときに貰った言葉
「今の動きなら自分もできるイメージが湧いた」と言ってもらえた
本当に必要なときだけ石をどける活動が重要
4.まとめ
場を利用して色んな角度からチームの改善をまわそう
本当に必要なときだけ石をどける!
デイリースクラム、チーム作りの一つだと思っている。
この経験がなければ気付くこともなかった
日々積み重ねたリードする経験がチームの雰囲気を作り、最終的にチームを動かす
興味のある方は、ぜひ元となったブログもみてください!
羽鳥 貴成「どうする新米リーダー 〜チームと成長するために悩んだ2022年〜」
TODO:スライドは公開され次第アップ
自己紹介
株式会社asken 医療事業部 開発リーダー
Sler にてバックエンドエンジニアとしてキャリアをスタート。
2021年にaskenに入社し、医療事業部のバックエンドエンジニアとして開発を担当。
2022年からは新米リーダーとして、プロダクト開発チームとともに絶賛奮闘中!
アプリ
『あすけん』食事生活改善アプリ
医療用『あすけん』こちらを担当している
今日お話しすること
ターゲット
・これからリーダーになる予定で、不安と期待を持つ方
・新米リーダーで、チームの成長に悩んでいる方
何をお話しするか
・リーダーになり私が取り組んだチームの課題、悩み
・チームの課題に対して実践した具体的な内容
メッセージ
・リーダーが成長すれば、チームも成長する
・リーダーは「仕組み」や「場所」を設計していく必要がある
2022年4月のチーム構成、チーム状況の説明
スクラムチーム
タックマンモデルで示すと、形成期から混乱期の最中
チームを別の角度から見つめる
自己組織化したチーム『SCRUM MASTER THE BOOK』より
合計7ポイント以上かどうかが基準になるが、3ポイントだった
いきなり悩んだ
何から解決するか
チームと取り組んだ3つの事柄
メンバー間の情報の非対称性を減らす
チームで改善するためふりかえりを行う
チームの価値観や規範を合わせる
1.メンバー間の情報の非対称性を減らす
色々噛み合っていなかった情報の非対称性があった
①チームが情報蓄積する場をNotionで作った
情報追加のチーム周知を繰り返し行うことで、情報のありかをアピールした
②インセプションデッキの作成
同じゴールを目指せるように
③それぞれの役割や期待値の言語化
暗黙的に感じていた守備範囲を言語化した。役割、期待値、グレーゾーンの言語化
④スクラムイベントの再定義と言語化
スクラムイベントと後にチートシートを作成し、目的、ゴール、アジェンダを明文化。イベントの目的を見失わない、イベントに安定性を持たせる
2.チームで改善するためふりかえりを行う
起きていたチームの課題
チームが定期的に、個人やチームの問題に向き合う場がなかった
①チームがふりかえる場を整備した
手法はKPTベースに。前回のTryを評価。
Tryをチーム合意したアクションとして明文化し、デイリースタントアップで毎回確認
グランドルールを設定し、チームが安心してお互いの問題、意見、アイデアを出し合えるようにした
3.チームの価値観や規範を合わせる
起きていたチームの課題
「混乱期」からなかなか抜け出せないチーム状況だった
小さな衝突
日々の開発を通して培った「価値観」や「メンバー理解」が暗黙的なことに気づいた
①チームでWorking Agreementを作成した
チームで発生している小さな衝突を解決するため、「日々の開発」と「コミュニケーション」の2つについての約束事を決めた
取り組んだ結果の現在のチーム状況
現在のチームは「統一期」から「機能期」を行き来している
そしてチームの自己組織化を再評価した結果
チームに感謝の7ポイント!!
まとめ
この1年を経て私学んだ大切なこと
「チームは鏡」である
リーダーが悩み成長すれば、チームも悩み成長してくれる。
そのためリーダーは、チームが悩みに向き合い解決するために、「仕組み」や「場所」を設計していく
そして、チームの成長を自分の成長のように喜び、チームの成長に感謝することが大切である。
Q&A
(最初の質問は書きそびれた)
リーダーに任命されたとき、どう思った?
羽鳥さん:整っている状態ではなかったので悩みながらだが、決意した
澤田さん:そもそも一生リーダーやらないと思っていたが、人を支援するのは面白そう。苦手意識あるが頑張ってみようと思えた。前任のリーダーが期待を言葉にしてくれた「澤田さんなら素敵なチームを作ってくれると思います」期待に答えられるように頑張りたいと思った
羽鳥さん:確かにそのような言葉は勇気になる
テーマミーティング、どのように決めていった?
澤田さん:チームの雰囲気が「ん?」となったタイミングで、何かに悩んでいるメンバーがいるはず
なかったとしても目標のふりかえりなどを月1でやると案外なにか出てきたり
塩原さん:ふりかえりは時間を気にして飛ばしてしまうこともあるがやらないとと思った
(参加者限定の質問)
「役割を期待値を合わせる」場の話を詳しく
澤田さん:クォーターに一回、期待値を言語化した上で議論する。EMとリーダーの期待値を握るのは、リーダーになってから三ヶ月後にやった。CTOから「EMとリーダーのやること被ってない?」責務の明確化をした
羽鳥さん:1on1を通して役割や期待値の話をしていった
「成果を出す」→「成果を出させる」みたいなマインドシフト、心掛けていることある?
羽鳥さん:アンラーニング、自分を変えていくマインドが求められると感じた
澤田さん:あまり成果を出させるところは意識していなかった。サポートをすることで本人の能力を引き出せるかは常に意識していた。メンバーを見るのはリーダーにならないとやらないこと。状態を見てフォロー方法を模索すると、成果は自然に出てくる。そこを示せる動き方を意識している
お互いの話を聞いて
澤田さん:共感するところが多かった。KPTかっこよくて真似してみたい
羽鳥さん:石を退けすぎた。アクションを変えた結果の話を詳しく聞きたい
澤田さん:同じチームに前リーダーがいた。リーダー経験がある人は無意識にフォローしてくれる。ログラスはチーム全員がリーダーを経験したことがある状態を作りたい。そうなればもっと面白くなる。
「経験することが何よりも資産である」という面がある。本人がやりきった!と思ったら次のメンバーにバトンを渡していっている
やってみた施策でうまくいかなかったもの、メンバーのパーソナリティなどが要因でネガティブな反応
澤田さん:単に伝書鳩になってしまったりした
羽鳥さん:業務委託メンバーもいる。デイリースタンドアップのファシリテーションをずっと自分だけでやっていることに問題意識があった。ローテーションしようという話をしたらハレーションが起きた。目的、課題意識を事前に伝えずに方法論だけ伝えてしまった。
感想
澤田さんのお話
まずは前任のリーダーの真似をし、そこから分かったことや感じたことをもとに考えて次の行動につなげていた。PDCA回していてすごい。
「不安の声がメンバーからレトロスペクティブで上がっていた
不安を言語化しアクションを生み出すような場を作ろう!」
↑ここ、特にすごくいいと思った。
最近、「予兆・違和感をどう捕まえるか」「捕まえてからどうすれば何かを予防できるか」「予防できた/できなかったことをどう可視化するか」に関心がある。
予兆は割と定性的なものも多いのではと感じている。「なんとなく不安」というのを言語化することで何かの予防に繋がることもあるのかも知れないと思った。
羽鳥さんのお話
まずチームの状態を計測するためのアクションから始めて現状を捉え、いま何が課題なのか、どうすればもっと良くなるのかを考え、考えたことを実行し、その結果チームの状態が当初からどう変化したを計測していた。
あすけんは「現状を計測」「日々の食事を計測」「計測内容をもとにしたアドバイス」「アドバイスをもとに改善」という流れがある気がする。
実際にあすけんの開発チームの現場も、自分たちのチームの健康状態を計測しながらより良い状態を探っているというのは興味深かった。