タチコマについて考える夜(2024/10/19 日記)

・最近、攻殻機動隊を見ている。
この話ずっとしてる気がする。なぜなら、攻殻機動隊はマジで色々派生がありすぎるから。

・詳細は各自調べてほしいんだけど、ざっくり言うと『攻殻機動隊』という作品を3人の監督がそれぞれ作っている。
『攻殻機動隊』というタイトルは全部同じだけど、監督によって副題が違う感じです。

・結構前にほぼ全部見た気がするんだけど、あまりにも難しすぎて超ざっくりとしか覚えていなかった。
2周目のはずなのに毎話「どうなるんだ…!?」とハラハラしていた。

・全てを忘れていたので、そもそもどれから見ればいいんだろうと調べてみた。
原作は漫画。映像作品1作目の監督は押井守。
そうなんだ。知らなかった。

・だが、その押井守の作品はマジでメチャクチャメチャクチャ激激激ムズらしい。
だから見る順番として、公開順ではなく他監督のもの(押井守作品を基本は準拠している)を見て大枠を掴んでから見た方がいいとのこと。

・トラップだろこんなの

・調べないと分かんないよ

・前回どの順番で見たか忘れたけど、こういうシリーズがたくさんあるもの(化物語とか)は必ず見る順番を調べるようにしているので、同じ順番で見ているはず。多分。

・それにしても難しかった記憶があったので、今回は字幕付きで見ることにした。
前回より格段に理解度が上がった。何度も言うけど、前回の記憶はほぼないです。
字幕、すごい。ありがとう。

・ひとまず、比較的分かりやすいとされてる『攻殻機動隊 S.A.C』シリーズは全部見た。

・総合理解度:60%

・嘘でしょ?

・嘘でしょ?と思うかもしれませんが、本当です。
でもこれが限界だから。みんな見てみてほしい。
文句を言う前に。そんな暇があったら攻殻機動隊を見るか、寝ろ!!!!!!!!!!!!!


・この『攻殻機動隊 S.A.C』シリーズは3作品あって(ややこしいね)、完結編とされる3作品目は映画になっている。
その3作品目がマジで厄介。厄介すぎ。ムズすぎ。
ただでさえ難しいのに、1時間半とかにしないでよ。
ムギュッってしないで。パンクします。脳が。

・とはいえめちゃくちゃ面白い。それがすげぇ。すげぇの。
なんだか小説を読んでいる時と同じ感覚。
小説も、「んだよこれなんて読むんだよ」みたいな漢字とかあるけど私はそのまま読み続けてしまうし、それでも最終的にはストーリーの大枠はちゃんと理解できる。
この「んだよこれ」の割合が多すぎる小説って感じ。

・褒めてます。

・「ゴースト」「電脳化」「義体」「並列化」
こういう言葉が「当たり前ですけど?」みたいな顔して何度も出てくる。
なんとなく雰囲気で意味がわかってくるけど、本の引用がそのままセリフになってることもあったりするので余計難しい。
思想がかなり哲学的だし、ストーリーのラストも
「フフ…どうなんでしょうね(妖艶な笑み)」みたいな感じ。
教えてよ。ハッキリと。ねぇ。ハッキリしてよ。

・まぁ、この有耶無耶感が醍醐味なんだと思います。

・これから私はいよいよ激激激ムズと言われている押井守作品に突入していくわけなんだけど、その前に攻殻機動隊の凄さを語らせてほしい。

・理解度60%だけど。

・60%なりに思ったことを語ります。

・まず、そもそも『攻殻機動隊』ってどんな話か知ってますか?
タイトルだけ聞くとエヴァかガンダム系だと思いません?思わん?私は思った。

・攻殻機動隊は、元軍隊に所属していた人物だけで構成された警察部隊、「公安9課」の少数精鋭メンバーが事件を解決していく話。

・まさか刑事ものだとはね。

・時代は近未来。脳にマイクロチップを埋め込んで「電脳化」したり、体の一部を義体にする「義体化」がかなり普及していて、インターネットやAIの技術がかなり進歩している。

・ちなみに、電脳化している者同士は「こいつ…!脳に直接…!」みたいな方法で会話ができる。便利そ〜

・んで、んでよ。そこで起きる事件の解像度がまぁ高いこと高いことって。話よ。
実際にこういう時代になったらこんな事件が多発するだろうなみたいな、なんつーか、超リアル。
すみません、60%の人間なのでこのくらいしか説明できないです。

・事件は政府や警察内部の闇だったりが絡んでたりしてて、だから余計に難しい。国際問題とか。
実際、現実のそれ系の問題もよく分かってないのに。
分かるわけない。近未来のそんな話。
だから60%なんです。

・そんな私でも、こりゃあ…!スッゲ…!と思った回がある。

・公安9課は、「タチコマ」という戦闘用ロボットを何機も有している。
戦闘用ロボットという言い方だとそれこそエヴァ的なものを想像されそうなんだけど、見た目は割と小さめ。
丸い機体に4つの足と車輪がついていて、背面には人が入れる四角いポッドもついている。
手先(手先?)から銃撃もできる。
もう、ちょっと、説明むずいから今すぐ調べてきて。
お願い。貼れないし。著作権的なアレがあるから。
頼む、調べてくれ。

・高性能AIが搭載されていて、めちゃくちゃお喋り。
タチコマ同士のお喋りがマジで可愛い。ぜひうちにもほしい。

・ある日の待機中、とある一機のタチコマが何かの拍子で外に出てしまう。
普段待機中は外に出られないっぽいんだけど、まぁなんか出られちゃったってわけ。
そういうこともある。

・タチコマは学習するのが好きなので、「たくさん情報を取り入れられるぞ〜!!」と大喜び。可愛い。
そんな時、逃げてしまった飼い犬を探しているという少女と出会う。

・一緒に探していると、それらしい犬を見つけたタチコマがその犬を鷲掴みにして「この犬?」と聞く。
違うと判明すると、掴んでいた犬をポイッと投げ捨てる。
犬は「キャインキャイン」と鳴きながら逃げていく。

・それを見た少女に、「そんなことしちゃだめ!」と怒られてしまうも、「どうして?違ったんだから要らない犬でしょ?」と平然と答えるタチコマ。
「それでもいじめちゃだめなの!」となおも怒る少女に、タチコマは「いじめてないよ!ただ要らなかっただけ!」と答える。

・まずここ。ここ。スッゲ!ポイントです。

・前述した通り、AIやインターネットが今よりもっと身近になっている時代。
そんな中、AIと人間の決定的な違いは「ゴースト」と呼ばれるものがあるかどうか。
「ゴースト」とは、“第六感”とか“本能”的な意味なんだけど、AIにはそれがない。
そこをとてもリアルに描かれていて、鳥肌が立った。

・タチコマは本当に、ただ、『要らない(必要ない)』から放しただけ。そこに悪意はない。結果的に犬が怯えようが関係ない。
だってタチコマはAIで、ゴーストがないから。
人間の、「いやまぁ法律で禁止されてるとかじゃないけどそれやっちゃダメっしょ」みたいな、倫理観や常識みたいなものが皆無。
タチコマってすげ〜可愛いけど、そのやり取りだけで「あ、AIだわ」と思わされる。スッゲ……

・その後(数話後)、タチコマはラボ送り、つまり公安9課から降ろされてしまう。
原因はタチコマの「好奇心」。

・高性能AIが故に、学習をして情報を増やしたがる。
次第にその好奇心が増していき、ついにはゴーストのようなものまで生まれてしまう。
それが捜査に影響すると判断され、タチコマたちは公安9課を去っていった。

・そして物語終盤。なんやかんやあって9課が大ピンチになってしまう。誰かが、というより、9課の存在自体がなくなりそうなヤバピンチ。
ラボ送りになったあと老人ホームで介護ロボットとして働いていた一機のタチコマが、偶然そのニュースを見てしまう。
「みんな大丈夫かなぁ…」と心配するタチコマ。可愛い。

・次の日、老人ホームの屋上で洗濯物を干しているタチコマ(可愛い)に、とある老人が「戦況は悪化している」と言い放つ。
その老人はおそらく現代で言うところの認知症で、「戦況は悪化している」としか言わないが、タチコマはその老人に「そうなんだじいちゃん…」と自分の心の内を話す。

・すると老人は、「戦況は悪化している」と言いながら
割と大きめの“弾”を渡す。ミサイルみたいな形のやつ。
なんで持ってんの?????という疑問は一旦置いておいてほしい。そんなの私も知りてぇ。

・それに背を押されたタチコマは、「行ってくるよ!」と老人ホームを抜け出し9課の元に向かう。
現場に到着すると、同じことを考えていた二機のタチコマと再会する。

・そこでラボ送りになった他のタチコマたちがどうなったかを問うと、建設現場で働く者もいれば、好奇心が強すぎた者や学習しすぎてしまった者は解体されてしまったらしいことを知る。
そこで放ったタチコマのセリフ。
「そっかぁ…。じゃあちゃんと“死”を体験できたんだね」

・スッゲくね…?

・ラボ送りになる前の時点で、タチコマたちの様子がおかしいことは分かっていたけど、
AIである自分には“死”という概念がないこと、それがどんな感覚なのか知りたいという欲求が芽生えていること、そこまで「ゴースト」の存在が強固になっていることを、その一言だけで描写してしまっている。

・これは、スッゲです。マジで。

・公安9課の中で、バトーという男は特にタチコマを可愛がっていた。
自分が使うタチコマを決めていたり、こっそり天然オイルをあげたりしていた。
多分猫で言うところのチュール的なものだと思う。
かわいいね。

・タチコマ達もバトーを慕っており、そんなバトーが危うく殺されそうになっていたところに三機のタチコマが現れた。激アツ。

・バトーが戦っていた相手は、なんかちっちゃいエヴァみたいなやつ。んもう、いちいち説明がむずいって。
確かアームスーツとか呼ばれていたと思う。
中に人間が入って操作しているんだけど、装甲の硬さや攻撃力など全てにおいてタチコマより強い。

・でも、バトーを助けるため懸命に三機で戦うタチコマ。健気やね……
一機は撃たれてそのまま動かなくなってしまい、残った二機でなんとか倒そうとする。
一機が引き付けている間に、老人ホームで働いていたタチコマが老人からもらった弾を装填し、撃つ。

・が、不発。
もらったそれは不発弾で撃ち込むことができなかった。
もうヤバい。本気でヤバい。勝てるわけない。
そんな時、タチコマは遠くから唖然とこちらを眺めているバトーを見て、目のような部分からオイルを流しながら、「さよなら…」と呟き、自分ごと敵に突っ込んで弾を爆発させた。

・ここ、泣きました。

・大泣き。ちなみに。大泣きよ。

・「要らないでしょ?」と犬を投げ捨てていたタチコマが、自己犠牲を学び、それを実践した。
自分を可愛がってくれた人を守るため。

・そんなん、もう、人間ですやん…………………

・高性能AIの学習力の高さはもちろん、ゴーストを得たAIと人間は何が違うのか、境目はどこにあるのかという問題提起までしている。

・実際、AIの技術が進むと人間を超えてしまうという話が現代で既に問題視されている。
言ってることは分かるけどどこか他人事というか、
ふ〜ん大変そ〜くらいにしか思えてなかったのに、タチコマの自己犠牲という描写だけで「“ある”のかも…」と思える。

・これってスッゲくないですか?

・スッゲ…スッゲ……………

・起こる事件もそうだけど、タチコマなどの周りのAIやアンドロイドの立ち振る舞いが、マジで、マジなの。
リアルすぎる。え?これ予言?  予言かも。

・その描写の緻密さとリアリティの高さにめちゃくちゃ感動した。
60%の人間がこんだけ感動できたんだから、100%の人間はどうなっちゃうんだろう。
現実との区別がつかなくなるかも。だとしたら、かなり危ない。危ないです。これ。気をつけて。マジでよ。

・マジだからね!?!?!?!?!?!?

・クソ〜…60%の人間だからあんま伝えられね〜…
悔し〜っ…… 俺、悔しいっす。

・悔しいっす……………………………


・ちなみに、セリフとか一部違うかも。
ていうか絶対違うところある。ごめん。それは。
でも一語一句覚えてないし。調べるのはだりーし。

・私は、とにかくリアルすぎてスッゲーしコッエーってことを伝えたかったんです。

・今回は私がタチコマをめちゃくちゃ好きなのでそこにフィーチャーして話したから、ここまで約5000文字書いてるのに一度も主人公の名前が出てきてない。


・5000文字!?!?!?!?!?!?!?!?!?

・え!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!??

・まさか60%しか理解してないのに5000文字も書けると思わなかった。

・ちなみに主人公の名前は『草薙 素子(くさなぎ もとこ)』です。

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群青
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