ノリで入籍しようとしていた年下イケメン彼氏が私の部屋で突然死していた話
■本件の概要(出会い~死亡前日)
タイトルのとおりである。かねてより(というには些か短期間すぎるが)交際していた彼氏が急逝した。
※以下、身バレ防止のためフェイクの情報を含みます※
登場人物
・筆者……30代半ば、メーカー勤務。技術職(役職有)。某アイドル事務所のタレントを応援しているド面食い。
・彼氏……20代後半、飲食店勤務。とてもイケメン。
私たちは彼の職場で出会った。
ある冬の日、私は友人と適当に飲める店を探して、彼が勤務していた飲食店を訪れていた。我々が注文したお酒をつくるためにバックヤードから出てきた彼の顔を見た瞬間、私は非常に驚いた。私が好きな某アイドル事務所の某タレント(顔がとてもイケメン)にそっくりだったのである。しかしいくらイケメンに似ているとはいえ、初対面の相手に直接それを告げるのは失礼だと思い、その場では何も言わなかった。彼が接客で私たちの席を離れていくと、友人が「○○(タレントの名前)に似てる!」と興奮気味に耳打ちしてきた。「やっぱり自分の好きな顔なんだなあ」という確信を得て、友人とはひとしきりその話で盛り上がったが、その日彼とはそれ以上何もなく、店を後にした。
それからしばらく彼と私の関係に進展はなかったが、私が一人で店を訪れて彼と数時間会話したことをきっかけに、急速に親密な仲となっていった。
そこからなりゆきで連絡先を交換し、休日のデートを経て交際がスタートした。
交際を始めてからあまり時間は経っていなかったものの、私の年齢のこともあり、仕事や住まいなどの諸条件が整ったら結婚しようと話し合っていた。
そんな矢先、とてもではないが予想できない死であった。
■最後の会話(当日朝~昼)
彼はその日いつも通り飲食店での深夜営業を終え、朝6時頃私の家にやってきた。特に変わった様子はなく、他愛もない会話をした。7時頃には雑談も一区切りついて、彼が「そろそろ寝ようかな」と言ってソファーで横になった記憶がある。
ここまでが、私が彼を"生きている"と確実に認識できていた最後の記憶である。
私は観劇に向かうため8時過ぎに起床し、寝ている彼を起こさないよう洗面所で身支度をして9時半過ぎには自宅を出発した。なお彼の様子をしっかり確認したわけではなく、いってきますと声をかけたわけでもないため、結果論ではあるが、この時点ではまだ生きていたことが別の人間の証言により後から確認できている。
■発見(当日夜)
この後私は舞台をはしごしたため、夜まで自宅に戻らなかった。舞台好きな友人が以前名前を挙げていた熱海殺人事件【注1】を初めて観に行っていたのである。私が観劇したのはStandard版であったが、木村伝兵衛役を演じていた荒井敦史さんの熱演に胸を打たれ、煙草を吸う姿に魅了された。やはり名作が名作たる所以をひしひしと感じる観劇であった。
良質な観劇体験で満足感を抱きながら上機嫌で帰宅したのは20時過ぎだった。
帰宅すると、本来ならとっくに仕事に行っているはずの彼の靴があって驚いた。爆音アラームでも起きられず寝坊が多いことは知っていたが、流石に度を超しているので起こしてあげなければと慌てて居室の戸を開けた。彼が寝ているソファーの傍に置かれたスマホには大量の通知が表示されていた。当然である。「これは怒られるんだろうな」と思いながら彼を起こそうとした。
※発見時の描写が含まれます。 苦手な方はお控えください※
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