フローティングタンク
初めましてNote
1番初めの記事はセカンドバージンを失ったくらい衝撃的な体験になったフローティングタンクの備忘録
フローティングタンクをご存知ない方はググってみてください
ひとまず60分コースを選択。長いかなーと思ってたけどとんでもない
これから初めて体験される方はぜひ90分コースを選んでみてください
「60分経つと音楽がなります。」
耳栓をして真っ裸でタンクの扉を開ける
片足ずつゆっくり、つつーとタンク内に滑り込んでいく
教えてもらったとおりに浮きながら手足を壁で支える
中は意外と浅くてこれなら余裕ー……
？
こわい！！！
溺れそうな感覚
力を抜けない
70度くらいの斜面にいるみたいな、気を抜いたら滑り落ちるんじゃないか
そんな短篇映画あったよね
肺いっぱいに空気を入れて浮くことに専念する
顔が安定してきたら恐怖感は少し薄れて少し足を離してみよう、と思えた
足をまっすぐ、手も離してみよう
やっと全身で浮ける楽しみが湧いてきた
浮いた！！
……
こわい……
足が地に着きたがってる
首も痛い
首で身体を支えてる
苦しい
何か魂めいた自分のレイヤーが無理やり剥がされている感覚
落ちるーー滑るーー回るーー！
360°全方向からひっぺがされる
皮を剥がされて水に晒される野菜になる！！
それが怖くて足をまた壁につけてしまう
これを60分耐えれるんかな……？？？？？
と思った矢先壁に触れた安心感から次は浮ける……！と確信
脚を離して手も浮きやすい様にパーにして水を押す
あ、浮いた。
浮いたー！
さあ、体のチカラに使ってた分の脳のリソースを思考に全振りするのだ！！！
なんて簡単にはいかず雑念も雑念、今は考えなくていいような事ばかり
そしてまたあの感覚が襲う
剥がされる！！！しかも何かが片手で雑に！
こわいこわいこわい〜
……
…ん
あれ？
無重力ってこんな感じなんかも？？
やっと慣れて流れる感覚が急に心地よくなってくる
まず最初に浮かんだのはイタリアのファビナーニャの海
そこから流れて月まで行った
次は体が網に引っかかってる感覚……
これはブラックホールの''あの''網や……
あのグイーンてなった網の所にいる
目の前は真っ暗で開けてるのか閉じてるのか瞼を閉じても閉じても日めくりカレンダーみたいに瞼が剥がされる
ついに白目の部分も黒目になった目ん玉全体で闇を見ている
体の力を入れなさすぎて体が退化していく、萎んでいく！！頭が大きく膨らんでいく！！！
ここにずっと住むなら適応して体が変化するんだろう
栄養だけ与えられてずっと浮いときたい。
その体で次は頭からボブスレーで谷に一直線
きもちいい……！！
そこからはプチ走馬灯の様に今まで行った色んな所を行った
本当にすごいスピードで世界が変わっていく
ふと、夢っぽい世界にかわって川を流れている
ダークネイビーの透明感がある色水の中
あ、これ三途の川やん
起きてるのに夢の中って死やん
そしてまたあの剥がされる感覚が襲うけど今度は違う
湯むきしたトマトみたいにツルンと脳みその薄皮が剥がれたのだ
このタンクは脳みそをピーリングしてくれるものなのかもしれないな、とふと思う
そこから自分と水の境界が曖昧になっていってこのタンクの水はなんて重い水だろうと質量を感じていたのが消えていく
上澄み液の下で質量の重い水の上の表面張力に挟まれてたのに
角砂糖みたいにどんどん溶けていく
気づいたら砂浜になっていた
父の実家の前の海
脳内帰省
祖母に挨拶をする
聞こえてるかな？
今年こそ帰省するはずだったのになー
〜♪
音楽が聞こえる
もう60分経ったのか
出たくない
やっと境界線があいまいになってきたのに……
でも出なきゃ
60分ぶりのいつもの世界
いつもの感覚
旅行からの帰り道みたい
そして出たあとはシャキシャキ動いて視界レンジが拡がった感覚
眩しい
物のディテールがはっきり見える
ぼー……っと90分コースにしなかった後悔を噛み締めながら
帰り道自販機にドクターペッパーがあるのを見つける
そういえば飲んだことない
初めてついでに飲んでみよう
この澄んだ感覚で飲んだらどうなるんかな
この初めてのフローティングタンクの感覚を忘れないうちに書き留めようと鳩とオッサン×6のいる公園でこれを記した
ドクターペッパー不味いな