枯れた技術の水平思考

”枯れた技術の水平思考”

現在も色褪せない屈指の名言です
これは任天堂開発第一部部長であった故横井軍平氏の言葉です

ここで言う

”枯れた技術”とは
最新の技術ではなくすでに広く普及しているメリットやデメリットが明確になっている技術のことです
すでにコモディティ化しているのでコストも安いです

”水平思考”とは
これまで使われていた用途から離れ今までなかった新たな使い道を考えることです

つまり
すでに広く普及し安価になった技術を今まで使わなかった用途で別のものに置き換えるイノベーションのことです

最新技術を駆使すれば当然コストも高く、ブルーオーシャンの領域では先駆者がいないので
当たるか外れるか分からなくリスクも高い
そこを低コストでリスク回避しつつチャレンジしていくこと

横井氏はゲーム&ウォッチを開発したことでも有名です
元々電卓で広く使われていたモノクロ液晶を流用して携帯型ゲーム機を思考し成功を収めました

また”十字キー”も横井氏の考案です
部品がひとつで済み、耐久性や操作性が直感的に分かるものとして誕生しました

横井氏はゲーム&ウォッチについて語っています

”ゲーム&ウォッチは5年早く出そうと思ったら10万円の機械になっていた
量産効果でどんどん安くなって、3,800円になった
それでヒットしたわけです”

横井氏は説明書が無くても直感的に理解できるものを大事にしていました
物のアフォーダンスを理解していたのでしょう
AppleのiPhoneも直感的に操作できるようにデザインされていたので通底するものを感じます

その後横井氏はゲームボーイを開発
当時はTVのカラー液晶が主流でモノクロ液晶が安価になったところを狙いました
ライバル会社のSEGAは最先端のカラー液晶のゲームギアを発売しましたが
連続使用時間(当時は電池が主流)で圧倒的にコスパが悪く
ローコストのゲームボーイの勝利となりました

5GやAIなど最先端技術が跋扈する中
今一度コモディティ化したローテクに視点を向けてみるのもいいのではないでしょうか

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たくやぐみかんぱにー
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