しおさんの話
エッセイを書くにあたって、欠かせない人の話その②
しおさんは私の息子7歳
中世的な外見でいつも穏やかニコニコかと思えば突如として大きな声で叫ぶ。
臨界点はどうやら「自分の中で感情が巨大化したとき」らしく、感動・喜び・怒り・驚きすべてに「きやーーー!」と叫ぶ。やめてくれ。
彼はASDと判断されたため、発達センターでテストを受けたことがあり、言語の分野では年齢より高いものの器用さと状況判断・客観性は平均より低い(精神年齢も低い様子)ためトータルの平均値で表す発達テストでは「学業に問題はない」と判断されかえって気を揉んだ。
そらそうなのかもしれないけど友達問題とか集団生活とか大丈夫なのかと日本中に何人の親御さんがこんなこと思うんだろうこういうグレーみの強い御子の親御さんの精神力のカバーとはどうされているのかとかいろんな疑問が頭を駆け巡ったが考えたところでなにかできるわけでもないのであまり考えないようにしている。
トラブルが起こった際、「考えが足りなかった」と猛省することになるのだろうが私の力量不足なのだと割り切るしか手立てがないのだ。
そんな親の悩みに関係なく、しおさんは二人で過ごすと本当に穏やかないい子なのだ。
前述のことやほかのことでも頭がパンクしている状態の私の横にそっと座り頭をそっとなでる。やさしい。
「わい、おかあさんがしてほしいことはなんでもするよ」
一人称が「わい」なのだ。
独特だがやさしい…
なお、わいなのはお文具のアニメからきている。
絵が得意で独特だが味のある絵を描く。
感受性は豊かなようで「これでも表現できないとき、しにたくなる」と言っていたそう。この年齢で希死念慮…?と一瞬考えたが、よくよく聞いてみると「ほんとうにしにたいわけじゃないけど、もー!わー!ってなる」これ芸術家的な考えか。となった。よかった。
ASD特有というより彼特有でかマイクラやゲーム作成するゲームでは完成度の高いものをよく作っている。自慢げである。
マイクラはトロッコを走らせてスイッチを押させることで点滅するシステムを作り上げ、村を改造しゴーストタウンを作り、ドット絵で表現されたような様々キャラクターが闊歩する世界を産み出した。ターボババアの隣にサイレンヘッドがいる。
私も大概たよりない親だと思うが、今のところ寄り添うことができるのは彼のおかげだと思っている。