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富士箱根トレイルを分割して歩く(3/3)

 富士箱根トレイルは、箱根の金時山から富士山須走口を繋ぐ5合目を繋ぐ43kmのロングトレイルコースです。
 一度に歩くにはハードなコースですが、分割で歩けば普通のハイカーでも日帰りで楽しむことができます。
 なかなか良いコースでしたので、ご紹介させていただきます。


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時期

 11月

アクセス

行き

 東京から東海道線で国府津まで約1時間10分
 国府津から御殿場線で駿河小山駅まで約30分

帰り

 仙谷バス停から箱根登山バスで小田原駅東口まで約40分
 小田原から東海道線で東京まで約1時間30分

紹介ルート

距離:15.4kmkm 登り:1,227m 下り:838m
 駿河小山駅~遊女の滝~足柄峠~金時山~公時神社~仙谷バス停

駿河小山駅~遊女の滝

 まず注意しなければいけないのは駿河小山駅はSUICAが使えませんでした(TALCA専用?)。
 以前はSUICAで入れた気がしたのですが勘違いだった様です。駅員さんが居ないのでとりあえずそのまま出ます。まあロックされてるので帰りに小田原駅で事情を話して解除してもらうことにします。
 駅周辺にはコンビニ等はありませんが、飲料の自動販売機とトイレはあります。ちなみに、御殿場線は電車内にトイレがあるので時間に余裕を持たせる場合は電車内でトイレを済ませておいた方が良いでしょう。
 駅を出ると「遊女の滝」への案内があるので、案内に従って舗装路を歩いて行きます。
 暫く歩いて行くと右に「遊女の滝」への案内が在ります。富士箱根トレイルのカッコいい看板もあるので登り口を間違えることはないでしょう。

富士箱根トレイルはこの看板から入る

 小さな農家の集落を通り抜けてゆっくりと登っていきます。なんと!道路上には沢蟹が歩いていました。近くの沢から歩いて来たのでしょうか?
 道はほとんど舗装路ですが、所々砂利道になっていてえぐれています。一応車でも通れるようですが、車高が低い車だと底をガリガリしそうでした。
 舗装路と侮っていましたが、登りがずっと続くので結構山登り感はあります。
 駅から1時間ほどで遊女の滝の入口看板を見つけました。右手に5分程道を下った場所に在るようです。富士箱根トレイルのルートではありませんが、せっかくなので寄っていきます。
 高さ3~4m程の幅広の滝でした。昨日警報級の大雨が降っていたからなのか、滝は水量が多く迫力が在ります。ただ滝の落ち口付近はどこかから落ちて来た岩や倒木がゴロゴロしていて危なそうなので、ランチ休憩などにはあまりお勧めできない場所でした。
 ちなみにこちらの滝の伝承では、昔、八重桐という遊女が金時山の頂で寝ていた時に赤龍と交わって身籠りました。この子供が金太郎と伝えられている様です。この遊女がお腹の子の健康を願って打たれた滝なので、ここを「遊女の滝」と呼ぶそうです。

遊女の滝

遊女の滝~足柄万葉公園

 富士箱根トレイルに戻ってきたら、再び舗装路を歩いて行きます。
 途中、倒木が折り重なって関のようになっている場所を眺めていたら、「見つかった!」と勘違いしたのか雉が現れて逃げていきました。舗装路とはいえ車通りはほとんどなく、しっかり自然の残っている場所の様です。
 暫く歩いて行くと案内板のある分岐に出ます。舗装路をそのまま真っすぐ歩いて行くと誓いの丘公園に向かい、そちらからでも足柄峠には行けます。ただし、かなり遠回りになってしまいますので左手の足柄峠へ向かう山道に入ります。ここからは未舗装路です。

この看板を足柄峠へ

 山道に入ってすぐ広めの沢の堰堤を渡りますが橋などはなく渡渉になります。通常は浅いので平気なのだと思いますが、この日は前日の雨のせいで結構水量が多く、足首までとはいかないものの、靴のソールより上まで水に浸かる深さでした。大雨の直後は避けた方がよさそうなルートです。

水の中を渡る

 沢を渡った後も広めの道が続きますが、人通りが少ないのか苔むしていてちょっと荒れ気味です。小さな沢の流れと交差しながら登っていくので、道間違えしない様注意しましょう。
 「バイク・自転車通行禁止」の看板があり、沢を渡ったら左の尾根に向かって登っていきます。この辺も踏み跡が少なかったりしますが、ピンクテープが所々巻いてあるので確認しながら登っていきましょう。
 少しだけですが急登区間が在ります。短い急登区間ですので頑張って登りましょう。一段落したら分岐があるので、足柄万葉公園に向かいます。分岐から暫くはなだらかな道を歩けます。

足柄万葉公園~足柄峠

 足柄万葉公園には歌碑がたくさん立っていました。公園の名前の通り万葉集の歌だと思いますが、歌碑の隣にある解説とか読んでると結構面白いです。割と赤裸々な恋愛の歌だったりして、昔の人も恋愛に関しては案外悩んでいたのかなあと感じました。

足柄万葉公園は歌碑の解説を読むと面白い

 富士箱根トレイルは舗装路を足柄峠まで進む様ですが、面白いので公園内を解説を読みながら歩いて行きます。
 公園の最後からは、舗装路を渡って足柄明神への脇道があるのでこちらも寄り道していきましょう!
 この足柄明神に祭られている神様は古くからこの地を納めていた坂東人の様です。昔、東国平定でこの地を訪れた日本武尊に白鹿の姿で襲いかかり、残念ながら返り討ちになってしまったのそうです。以後、この辺りでは日本武尊が祀られるようになりますが、地元の人々が坂東人の意地を見せたこの人を誇りに思いここに祀ったそうです。実際、祠の脇には白鹿の木像が祀られています。日本神話ではヒーローのように語り継がれている日本武尊ですが、東国平定というのは結局武力行使だよねとしみじみ感じます。こういったものが残っているのは中々珍しいのではないでしょうか?

足柄明神には白鹿の姿

 足柄明神から足柄古道に合流して舗装路まで登れば足柄峠です。こちらには綺麗なトイレもあるので必要な方は寄っていきましょう。また、自動販売機もあるので、水が少ない方は補給していきましょう!

足柄峠の関所跡

足柄峠~金時山

 富士箱根トレイルとしては舗装路でそのまま金時山方面へ向かえばよいのですが、ここでもちょっと寄り道します。足柄峠を登ると東屋があり、開けた公園になっています。ここは昔、波留さん主演の「魔法のリノベ」でロケ地になっていた場所で、富士山ビューが綺麗な場所です。しかし、登ってみると残念ながら今日の富士山は雲に覆われてしまいました。駿河小山に向かう御殿場線の電車の中からは綺麗に見えていたのですが、昼近くに綺麗な富士山に巡り合えるのはなかなか難しいです。

あの雲の向こうに富士山が・・・

 さあ、足柄峠を後にして金時さんへ向かいます。ここから暫くはほとんどフラットな舗装路です。一応、この先に駐車場があるので金時山に登りに来る人の車の往来が時々在ります。注意して歩きましょう。
 暫く行くと車止めゲートが在り。ゲート脇を抜けて更に登っていきます。
 この辺りの道は樹林帯です。広葉樹なのでひょっとしたら紅葉が楽しめるかな?と思っていましたが、残念ながら紅葉はもう少し先の様でした。

紅葉は未だみたい

 途中に在る猪鼻砦跡の所だけ右手の富士山方向にぽっかりと展望が広がっています。ベンチもあるので休みながら富士山を眺めるのに良い場所ですが、まだまだ富士山は雲の中。残念ですが今日は富士山ダメそうです。先に進みます。
 右手に青い小屋が見えたら道が階段に変わります。ここからが本格的な登りです。すぐ先の猪鼻神社鳥居を抜けて最後の登りに入ります。

ここから本格的な登り

 金時山は別名猪鼻山と呼ばれる猪の鼻の先の様な山です。頂上が近づくほど登山道は急になっていきますので頑張りましょう。
 以前は途中でルートが二つに分かれていたはずですが、直登ルートがロープで隔絶され通行禁止になっていました。その代わり以前は崩落が酷かった巻き道ルートがかなり綺麗に整備されて安全になっていました。直登が使えないのは残念ですが、これはこれで在りですね。
 最後の方は休み休み登って、木々の隙間から金時娘の茶屋の屋根が見えたらまもなく頂上に到着です。
 富士箱根トレイルのゴールは金時山の山頂になるので、これで富士箱根トレイル完歩となります。

金時山~公時神社

 金時山頂でも残念ながら富士山は雲の中でした。でも、景色が悪いかというとそうでもなく、芦ノ湖や湯けむりが立ち上る大涌谷は綺麗に眺めることができ、なかなか絶景です。お約束の鉞を担いだら(動画でご確認ください)、ここでランチにしましょう。

富士山は雲の中で残念

 本日はホットサンド準備してきましたが、思ったより早く登頂出来て未だ混雑していなかったので、前々から食べてみたかった金太郎茶屋の「まさカリーうどん」を食べていくことにします。

手前が金太郎茶屋、奥が金時娘の茶屋

 「金時娘の茶屋」の名物「なめこ汁」は前に頂いたことがありましたが、「金太郎茶屋」の名物「まさカリーうどん」は初めて。オーダーするとスペシャルがあるらしいのでスペシャルにしてみました!「マサカリーうどん」は「マサラ(スパイス)」&カレーを金太郎の鉞にもじったダジャレメニューです。なので必ずカレーにかけるマサラが付きます。スペシャルの場合は、うどんの下にハムとご飯が入っていました。カレーうどんとカレーライスが一度に味わえるスペシャルメニューですね。絶景の芦ノ湖を見下ろしながら美味しく頂きました。スペシャルは結構お腹がいっぱいになるので小食の人は要注意です!ちなみに山頂の屋外テーブルは茶屋の持ち物ですので座る場合はオーダー必須です。勝手に座って休憩しない様ご注意ください。

マサラとカリーでマサカリー、旨旨

 さて、富士箱根トレイルは終了しているので下山路はどれでも選べます。本日は余裕もあるので、これまで立ち寄ったことのない奥の院に足を延ばすべく、公時神社ルートを下ることにします。こちら側も紅葉にはまだ早い様でしたが秋の草花であるリンドウが綺麗に咲いていました。

金時やどり石は植物がもさもさ

 パワースポットの「金時やどり石」を過ぎたら奥の院分岐を入っていきます。分岐から遠いと思い込んでいたので立ち寄るのを避けていましたが、奥の院は分岐からすぐでした。神聖な雰囲気の中、丸い苔むした岩が鎮座していてなかなかパワーを感じます。こんなに近くならいつも立ち寄っておけばよかったと今更ながらに後悔しました。

奥の院は意外と近いので立ち寄りおすすめ

 公時神社まで下ったら本殿で健康を祈願し、すぐ側の登山安全祈願所で登山の安全に感謝します。いつも放し飼いになっている鶏にご挨拶して下山します。もう昼過ぎだというのに鶏が急に鬨の声を上げたのでびっくりしました。

公時神社は健康にご利益あり

公時神社~仙谷バス停

 エヴァトイレに立ち寄ってからゴルフ練習場を抜けて通りを歩いて行きます。私は既に下山済みですが、金時山は登りやすい山なので、まだまだこれから登る人と多くすれ違いました。
 すぐ近くに在る金時神社入口のバス停は強羅駅に行く便は多数ありますが、箱根湯本方面に行くバスは1日2本しかなく、とてもではないけど待てません。もう少し先まで歩きます。
 途中で1号線渋滞注意の看板があったのでよく読んでみると、どうも本日は「大名行列」のイベント日の様で箱根湯本駅前は混雑している様です。本当は箱根湯本で温泉に入っていくつもりでしたが、混雑嫌いの私としてはちょっと悩みます。
 仙谷バス停まで歩くと箱根湯本駅方面のバスが一気に増え、1時間に3~4本になります。次のバスを調べるとどうやら丁度小田原駅まで直行できるバスの様です。悩んだ末、小田原までこのままバスで帰ることにします。
 バスは10分程遅れて到着、車内は混雑していて並んでいた人が多いバス停では乗車お断り(次のバスに乗る様お願い)されていたほどでした。バス停に並ぶ際は乗れない可能性もあるので時間にはご注意を!
 それでは、本日もお疲れ山でした!

動画


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