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車ならお手軽、公共交通だと大変な山梨の2,000m峰
今回は山梨百名山の2座である、甘利山と先頭星山に登ってきましたのでご紹介します。
甘利山は標高1,7421m。登山口の駐車場が約1,650mなので標高差100m弱、1時間あれば戻って来れる超お手軽のお山。しかも、6月に山頂を蔽うのツツジが美しく、秋は唐松の紅葉が綺麗なのでお子さん連れやお年寄りにもお勧めのお山です。
先頭星山は標高2,138m。山頂の景色はイマイチですが、登頂までの笹原の稜線からの景色が素晴らしいお山で、甘利山では物足りない方が足を延ばすのにお勧めです。
そんなお勧めのお山ですが、最寄りのバス停が登山口から13kmと遠く、標高差も1,200mと、アプローチがめちゃめちゃ大変な場所に在ります。今回はタクシーでアプローチして、下りはジョギングで帰るルートでご紹介します。
時期
11月
アクセス
新宿から韮崎駅まで中央線特急あずさで約1時間半
行き
韮崎駅から甘利山登山口までタクシーで約30分、6,300円
帰り
美術館前バス停から韮崎駅まで市民バスで約15分、100円
紹介ルート
総距離:21.0km 登り:795m 下り:2,017m
甘利山登山口~甘利山~奥甘利山~千頭星山~奥甘利山~甘利山~甘利山登山口~椹池~白山温泉
甘利山登山口~甘利山
甘利山登山口にはグリーンロッジという施設があり、キャンプもできます。本当はキャンプ&ハイクで計画していたのですが、諸事情により日帰り行程としました。
登山口からいきなり分岐しています。どっちが楽か?という観点でいえば右ルートですが、景色が良いので左ルートで登ることをお勧めします。
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左ルートを登って行くと、10分も掛からずに東屋のある稜線に出ます。もうこの時点で正面にどーんと富士山の美しい姿を眺めることができました。
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そして、ここから甘利山山頂までは僅か500m。山頂は丸い丘の様な形をしているので、急登が無く登るのも楽々です。
途中の木にぶら下がっている鐘を鳴らしたら、その先はツツジの原です。ツツジのベストシーズンは6月頃なので、この日は花が観られないものの、ツツジの原の真ん中を通る木道からの景色は十分素晴らしかったです。
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あっという間に甘利山へ登頂。富士山はもちろんですが、歩いて来た木道の向こうには日本百名山の瑞牆山・金峰山・国師ヶ岳・大菩薩嶺が見え、先頭星山の左手には日本二百名山の笊ヶ岳や上河内岳を見ることができます。山頂は広く、ランチ休憩にもお勧めです。
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甘利山~奥甘利山
ここで下っても山頂からの景色を十分な堪能した感じですが、登山者としては体力的に物足りないので先に進みましょう!
西の方角、目の前に見えている山が千頭星山なので目的地は分かりやすい。
一旦軽く下った後、登りに転じます。急登というほどでもないのですが、2024年の秋は暑く、手元の気温系では19℃を指していました。すぐに体から汗が噴き出し、結構きつい登りに感じます。
登りが一段落したら奥甘利山への分岐看板が立っています。立ち寄らなくても良いのですが、山頂までは右手に僅かに登るだけなのでちょっと立ち寄っていきましょう。
奥甘利山からは富士山や毛無山方向の展望が開けていて、甘利山ほどではありませんがこちらもとても良い景色でした。
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奥甘利山~千頭星山
奥甘利山から分岐に戻って千頭星山へ向かいます。再びちょっとだけ下ります。
甘利山・先頭星山の斜面は唐松が多く、黄色い山肌が綺麗です。鞍部からは右手奥に八ヶ岳の山塊が見え、こちらも唐松が山肌を蔽っていて良い景色が楽しめました。
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さて、ここからの登り返しは岩も木の根などの障害物もなく、ガレてもザレてもいない歩き易い道でありながら、リアルに急登です。休み休み登って行きます。登るのは大変ですが、そのおかげで左手に見える先頭星山の山頂の高さまはグイグイ近づいて行きます。成果が見やすいので登り甲斐があるでしょう。
一旦平地を挟んで再び急登ですが、2度目の急登は距離が短くあっという間に御所山への分岐に出ます。右の方に行くと御所山があり、その向こうには鳳凰山地蔵岳の登山口である青木鉱泉があります。
本日はそちらにはいかず、左の方、先頭星山へ向かいます。
ここからの稜線は広い笹原の天国ルート、道は非常になだらかで景色を楽しみながら歩けます。左手には富士山~金峰山、右手の方には鳳凰三山をチラチラ見ることができます。途中の木々からぶら下がっている草のようなものはサルオガせという藻の一種で、夜に訪れたらホラーな感じがしそうですが、昼間の明るい稜線では木々をデコレーションしている様で楽し気です。
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30分程稜線を楽しんだら、笹が寝ていて滑りそうな最後の登りをクリアして先頭星山の山頂に出ます。山頂は休憩し易そうなスペースが多めですが、残念ながら展望はありません。ちょっと戻って広い笹原で休憩にします。
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先頭星山~甘利山登山口
先頭星山からは同じルートで甘利山登山口まで戻りました。帰りのルートから見える景色もまた素晴らしく、特に甘利山越しに見える富士山の景色は個人的にお勧め。千頭星山までは大変という方でも、少し先まで足を延ばすことをお勧めします。
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途中から椹池へ抜ける分岐コースもありましたが、今回は登山口から白山温泉までジョギングしながら下りるつもりなので、余計な体力負担を蓄積させない様そのまま登山口まで戻ります。
甘利山登山口~椹池
さて、ここからは登山ではありませんがジョギングしながら麓まで下りていきます。
下り坂だと勝手に足が出るので平地よりは楽な感じですが果たしてどうでしょうか?
甘利山登山口から下り始めてすぐに鮒窪という場所が在りました。丘の上に唐松が並んでてなかなか絵になる綺麗な場所でしたが、あまり訪れる人はいないようです。
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暫く舗装路をそのままジョギングしていきます。この季節は紅葉が綺麗で、舗装路を走っているだけでもなかなか楽しめましたので、暫くは苦になりませんでした。
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途中、ショートカットできそうな山道があったので入ってみました。階段状に整備されていてとても歩き易い・・・と最初思いましたが、途中から大きな折れた枝が道を塞いでいて歩きづらくなり、枯れ葉が階段を蔽って踏み外すと怖い状態だったりとなかなかハードでした。距離はかなり短縮できますが、舗装路をそのまま走っているのと時間的にはあまり変わらないかな?と思います。
走り始めて3kmほどの所にある椹池は、現在は無料?のキャンプ場らしく、整備されたキャンプ場と比べると割とハードな上級者向け喜屋武ぷ譲渡ネット上では紹介されていた場所だったので、結構荒れているのかな?と思い立ち寄ってみました。
現地を直接見てみた感じではこれと言って荒れた感じはせず、個人的には一度キャンプしに来てみたいと思える素敵な場所でした。訪れた日は丁度紅葉が綺麗な時期で、とても良さそうでした。
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椹池~白山温泉
椹池あたりではまだ大体4分の1でしょうか?まだまだ走ってらなければなりません。
暫く走っていると疲れてきたらしく、ちょっと歩こうかという気分になりますが、立ち止まる筋力が疲れているのかスピードを緩める気になれずダラダラと走り続けてしまいます。怠け者の私にはなかなか良いトレーニングになりそうです。
道中はずっとなだらかな下り坂が続き、登り返しは全くないのでハイク&ランにはお勧めな林道ジョグでした。
麓まで下りてくると車止めゲートがあり、その側の沢沿いに休憩所も在りました。この休憩所からはすぐ近くに町が見え、奥の方には茅ヶ岳や金峰山は眺めることができます。
ここで温泉までの残り距離を調べてみるとあと2kmほどの様です。最後のひと走りを頑張ります!
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路地をショートカットしながら白山温泉へと到着したら、中に入る前に靴を脱いで靴と靴下を掃除します。唐松の細い落葉が沢山入っていてなかなか大変でした。ショートのゲイターを着けてくればよかったと、ちょっと後悔。
結局登山口から温泉までは13kmでした。ハイクが8kmで合わせて21km、疲れますがなかなか良いトレーニング山行となりました。
下山温泉
白山温泉は一般利用者700円の地元向け温泉。
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泉質はナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉(低調性弱アルカリ性高温泉)です。簡単に言うとちょっとしょっぱ目の温泉です。源泉温度がちょっと高めの45.5℃で入口の風呂場に入ってすぐの掛湯で源泉を楽しめます。風呂上がりの前に源泉浴びてから出ると温泉効果が高いでしょう。
広めの湯船で内湯と外湯が1つずつ。洗い場は9つくらいと広くシャワー付き、ボディソープやリンスインシャンプーもあります。
湯上り後は休憩所が無料で使えます。本当は併設の「そば処 上小路」で下山飯を食べて帰ろうと思っていましたが、昼の部が14時半でラストオーダーになってしまい、夜の部まで準備中になってしまったのでこの日は食べていくことができませんでした。非常に残念です。
表で地場野菜を売っていたので、バス停に向かう際に銀杏と原木椎茸を買って帰りました。こちらは帰ってから美味しく頂きました。
バス停は温泉と美術館の間の路地を下るとすぐです。市民バスの本数は少ないですが、駅までは100円と激安です。
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