われは…
おそらくご両親と5歳くらいのお子さんとベビーカーに乗ってる話し始めくらいのお子さんの家族連れとすれ違った時、お子さん二人がおそらくお父様に「じゃ〜〜〜〜ね〜〜〜〜!!!!!われわれはこっちいきま〜〜〜〜す!!!!!!!!!」って口々に叫んでてめちゃくちゃニマニマしてしまった。
数歳の頃に「We」を「われわれ」って言うの、周囲の大人の中に自然にそういう言葉遣いをする人がいるってことなんじゃないかなあと思い、良いな〜と思った。
創作物中のキャラクターをモチーフにしている可能性もあるけど、その割には作為というか「真似してふざけてます」的ニュアンスを感じない自然な言い方だったので、どちらかと言えば日常的にその言葉遣いに聞き馴染んでいる子なんじゃないかなと推定している。
アイザック・アシモフ「われはロボット」(1950)面白すぎる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
読む前「『ロボット三原則』をぶちたてた作品」という一点で革新的だという話だけを聞いていて、ストーリーラインの本筋についての評価をぜんぜん知らずにいたので、勝手に「鉄腕アトム」的な、ロボットにも心があるんだぞ、それをモノ扱いしてええんか的な、ロボットの人権どうする的文明社会批判ハードストーリーが展開されるのかと思ってちょっと身構えたりもしていたんですが、全然違いました。
「われはロボット」はほぼ推理小説の短編集です(短編集ってことも知らなかったんだけど「短編集じゃん」って思って表紙見たらちゃんと「アシモフのロボット傑作集」って書いてありました)。
感覚で言えば三角形の合同とか相似を使った問題の与えられた条件ハードモードを解いてるのに近い。「ロボット三原則」は「三角形の合同条件」とか「平行四辺形の定理と定義」みたいなもんです。主人公は与えられたハチャメチャハードモードな条件(意味わからんシチュエーションでロボットに不具合が起きて身体的または社会的に絶体絶命)を把握し、ロボット三原則を応用しながら解いて…解決していくというのが基本的なストーリーの流れです。
ドノヴァン&パウエルのコンビがホームズとワトソンそのまんまじゃんみたいな「推理小説さ」がすごくいいんですよね。SF小説としてかなり有名なので「いかにも」なやつが来るかと思いきや、設定にSF小説の皮をかぶせた推理小説でした。
調べたらアシモフは普通(推理小説のテイ)の推理小説も発表していたんですね。全く知らなかった…。
キャラクター(とくにドノヴァン&パウエル)のセリフの言い回しがオシャレかつちょうどよく汚いところが映画みたいで心地よくて好きです。
あと「有名古典SF」「SF御三家の代表作」みたいな前評判で構えていると拍子抜けしちゃうくらい読みやすい。口語で軽快に書かれたセリフが文章のかなりの割合を占めているという点でかなりサクサク系の小説です。口語率の高さという一点だけで評価すればほぼライトノベルと言ってもいいかもしれない。古典SFとして名高い作品ですが、読書が苦手な人にこそおすすめです。
私は今6割くらい読んだんですが、次の話が大好きなキャルヴィン博士とドノヴァン&パウエルコンビが一緒に出てくるエピソードなので、楽しみすぎて3週間くらい本を開けていません。早く読み終えて「読み終えた!!!!!!」と言いたい!!!!!!!!でも読み終わるの怖い!!!!!!!!!!読み終えてさっさと「銀河帝国興亡史」に入りたいです。