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Free The Tone OVERDRIVELANDを弾いてみた。

本日このFree The Tone社製 Overdrive Land (通常版)というペダルが発売されたのでこれについてレビューを書いてみようと思います。

カスタムショップ製Overdrive Landはすでに発売されていて、プロギタリストの間では結構な人気となっているようです。

さて本題のレビューですが、ざっとこのペダルが開発される元となったギターアンプ、「ダンブル・オーバードライブ・スペシャル」(以下ダンブルODS、)について説明します。

 1970年半ばからアレキサンダー・ダンブルというアメリカのカリフォルニアに住んでいたギタリストがアンプビルダーとして作り始めたのがダンブルアンプです。当時はダイアモンドヘッドなどの名曲で有名なベンチャーズなどにアンプを提供していたらしい。
 80年代半ばになると、ロベンフォードやエリックジョンソン等が使いだし、カリフォルニアのとある場所で行われたアンプ弾き比べ大会にダンブルさんがダンブルODS持ち込んだところ、余裕で優勝したのがこのダンブルODSです、当時決勝まで残った相手のアンプはポール・リベラの改造ブギーアンプだったとかだってないとか(アンプは定かではない)。決勝戦はポール・リベラは真空管の調整で四苦八苦してたらしいですが、ダンブルさんは余裕で「どっからでもどうぞ」って感じの決勝の様子だったらしいです。この大会にラリーカールトンも参加していたようで、以前使っていたブギーのプロトタイプ(ご存じアルバム「夜の彷徨」のRoom335で使っていたアンプです)が壊れてしまったので(壊れたのは修理を頼まれていたポールリベラが電話線にラリーのアンプをひっかけて落としたから。)、当時アンプをコロコロ変えながらツアーを行っていたラリーはこの大会でダンブルを使うと即決したらしいです。
 ラリーカールトンが使い始めたことでプロシーンではダンブルアンプの名前はそこかしこに響いてしまいました。
 現在ダンブルアンプは300台ほど存在するらしいですが、その多くが最近の投資などの影響で値段が高騰してしまい、状態の良いものだと一台(ヘッドのみで)1500~2000万円ほどするそうです。

 ざっとダンブルアンプが有名になった経緯を書きましたが、いい加減ペダルのレビューを書きます。

 ダンブルの肝のサウンドであるオーバードライブですが、ノーマルチャンネルでも「ん?歪んでるよね?歪んでない?どっち?」という感じに聞いてる側はなります。
 というのは、「歪んでるようで歪んでない、歪んでないようで歪んでる。」まさにこれがダンブルアンプのノーマルチャンネルの特徴です。
 このOverdrive Landはその特徴をまさに体現しているペダルと言えると思います。今までいくつもダンブル系ペダルは試してきましたが、ここに辿り着いたペダルは私の経験上Overdrive Landだけです。このサウンドを一つのエフェクターペダルに落とし込めてクリアするには相当な時間とトライ&エラーがあったと思います。まず開発者の林さんには最大の賛辞を贈らねばなりません。

 「それってそんなに凄い事?」って普通の音楽リスナーやギター始めたばっかりの人は思うかもしれません。じゃあ一回ロベンフォードやラリーカールトンのライブ行って観て聴いてきてください、もしその時彼らがダンブルODSを使って演奏してくれていたなら(ラリーは今はブルード・ドライブアンプ使ってますが)、そのダンブルODSのサウンドが会場をうねり駆け巡るサウンドに圧倒されることと思います。その肝がこの「歪んでるようで歪んでない、歪んでないようで歪んでる」サウンドなのだから。

 そしてこのOverdrive Landはピッキングのニュアンスで歪むあの独特のペダルで起こるチリチリ感を上手く中和しているようにも弾いていて感じました。
 発音も高速で、通常のペダルならアタック感があってから発音しますが、アタック感がかなり少ないですね。(ダンブルODSはアタック感はほとんどなく発音までが超高速です。コンボタイプのODSならさらに高速らしい…)
 
 あとダンブルで特筆すべきはEQセクションですね。このOverdrive LandもダンブルのEQセクションを上手くコンパクトにまとめていると思います。EQ/Glassノブは、70年代80年代のダンブルODSを上手く一つの筐体に収めこんだともいえる秀悦のシステムです。Jazz/Rockノブは言わずもながら素晴らしいですよ。Jazzモードの低音の感じがたまりません(笑)

 そして問題のドライブチャンネルです。今までこんなに忠実にダンブルODSのドライブチャンネルを再現したペダルを私は知りません。
 また、ダンブルODSで言う所の「レシオ」つまみと「ドライブ」つまみで、レシオを上手く「プッシュ」とOverdrive Landで表現している事にこれは「分かりやすい!!」って感じがしました。この二つのノブの歪みが緩やかに上がっていく感じ、これは結構「ジャズやフュージョンのあまり歪まさないギター弾きにも合わせてくれてるのかな」って感じでかなり好感が持てました。
 歪みの感じは、「まさに!」と言う感じです。歪み方に関してはもう少し触って上手い落としどころのセッティングを模索したいと思います。

 総評としては、「ジャズフュージョンやブルースやるなら絶対に買っとけ、当分このペタルを超えるオーバードライブ系ペタルは現れない!!」ペダルです!!!

 最後に、色々な方のyoutubeレビューで疑心暗鬼に陥ってしまい、今まで買い渋り続けてきましたが、一番参考になったのはフーチーズさんのOverdrive Landレビュー動画でした。フーチーズさんのレビュー動画はいつも正直で要点をしっかり捉えてレビューしてくださります。ですので今回やっとOverdrive Landを恙無く購入する事が出来ました、ありがとうございました。そして、開発者及びFree The Tone 代表の林さんへは、この度Overdrive Landをこの世に誕生させてくださった最大の賛辞をここで改めて表したいと思います。本当にありがとうございました。

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