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“Fender American Ultra II”について

みなさま、こんにちは。久々の執筆作業となります。
今回のテーマはフェンダーのフラッグシップラインナップとなる「American Ultra Series」が刷新され「II」となりました。
見た目で分かり易いポジションマーク、ピックガード以外のアップデートも紹介してみたいと思います。
ギターを含めると長文になりすぎますので、例にもれずベースのみの紹介です。
 

まず見た目で分かり易いピックガードです。
モデルチェンジによりピックガードがすべてアノダイズド・ピックガードとなりました。
そもそも「アノダイズド・ピックガードは何か?」ということですが、一言でいうと「金属」です。
アルミニウムの表面を保護する「陽極酸化処理」を施すことで、耐食性を高め腐食しにくくする加工処理になります。
その際に着色することが可能で、一般的には金色が多いので「ゴールド・アノダイズド・ピックガード」と呼ぶこともあります。
American Ultra IIではゴールド、シルバー、ブラックと3色ありますが、すべて「陽極酸化処理」(アノダイズドもしくはアルマイト)を施したアルミニウムとなります。
  

次に指板です。
これまではメイプル指板とローズウッド指板で、ジャズベースにはバインディングが施されてブロックポジションマークでしたが、ドットのポジションマークになったことでオーセンティックな雰囲気になりました。
プレシジョンベースはドット・ポジションマークのみなので変更なしです。
また、ローズウッドが廃止になり、高級材として知られているエボニー(黒檀)に変更されました。昔懐かしいAmerican Elite以来のエボニー指板の復活です。
指板サイドは角を丁寧にロールオフさせて、American Professional IIでも好評なロールド・エッジを施しています。
 

ネック材はメイプルですが、フラッグシップ・ラインとなるカスタムショップや一部のアーティスト・モデルで採用されていた柾目(クォーター・ソウン)のメイプル材をネックに使用しています。
一般的な板目(フラット・ソウン)のメイプル材に比べて強度が高く耐久性に優れているといわれています。
 

指板サイドのドットは暗いステージでも視認性の高い蓄光素材のドットになりました。アメリカ製フェンダーで蓄光素材のサイド・ドット採用は初ではないでしょうか。ライブの多いプレイヤーにはありがたいです。
 

ヘッドトップに輝くロゴは以前に引き続きゴールドに輝いています。ですが、艶を抑えたサテン・フィニッシュになっています。
トラスロッドの調整穴はヘッド側に変更となりました。トラスロッドは順反り、逆反りの両方に対応可能な両利きになりました。
  
ネックシェイプと指板ラジアスは以前からスペックを引き継いでいますが、指板の印象やロールドエッジの処理で演奏性のスムーズさが向上しています。
  

ピックアップはアップデートされたUltra II Noiselessピックアップをマウントしています。これまでのモデルでも評判の高かったパンチの効いた低音とシャープな高音のモダン・サウンド、ウォームでファットな温かみのあるヴィンテージ・サウンドはそのままにノイズレス効果がアップした印象です。
 

ベーシスト的には今回1番大きなアップデートのポイントはプリアンプではないかと思います。
これまでの18ボルト駆動の3バンド・イコライザーにパッシブ・トーン付きも十分すぎるスペックでしたが、ミニスイッチでミドルの周波数を2段階(325Hzと750Hz)で切り替え可能になりました。
これによりアクティブとパッシブの切り替えは?と思った方に朗報です。
ボリュームポットがS-1スイッチとなっていることで、ボリュームポット上部をプッシュすることで切り替えができるようになりました。コントロール部のノブがメタルノブになっている理由が判明しました。
 

ブリッジは従来通りの重厚なHiMassブリッジですが、ついに裏通しに対応しました。
もちろん今まで通り表通しでも使えますし、裏から通してテンションを稼ぐこともできます。
 

フェンダーのラインナップの中でも、フラッグシップモデルに相応しいゴールドのロゴを持つ唯一のモデルは、機能性だけでなくプレミアムなマテリアルを使用し、高い実用性を併せ持っています。American Ultra IIへと進化したことで、これまでの「最高傑作」を自ら更新してきました。
「弾きやすい」、「幅広いサウンド・バリエーション」、「多くの音色の中にプレイヤーの求めるトーンがある」、「汎用性の高さ」
そんな究極を目指したAmerican Ultra IIです。ぜひ一度試してみてください。

ちなみに、スタッフが撮った動画がありますので、よければご覧ください。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございます。次回もお付き合いいただければ幸いです。
 
八坂
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