無理して高いギター買う必要って本当にあるの
【まえがき】
結論から言うと、どうしても欲しいならローンを組んででもさっさと買うべきだと思ってます。
なぜなら、ギタリストにとって最も重要なことはモチベーションの維持だと思うからです。
【高いギターってどの辺からがそうなの?】
高いか安いかは、個人の主観による部分が大きいですが、自分は各ブランド価格帯ごとのラインナップをみて以下のような印象を持ってます。
「5〜10万円」→脱初心者向けでソコソコ使い勝手が良い
「10〜20万円」→実用品としてバランスの良い楽器が多い。音も使い勝手も大して不満はない。
「20万〜40万円」→有名ミュージシャンが使ってる憧れの楽器が多い価格帯。某アニメとか某ドリのキャラの初期装備だったりする
「40万以上」→有名ブランドの高級品が手に入る価格帯。素材や製法にこだわった逸品だったり、ビンテージ品だったりする。
高いギターというのは上記でいう40万円以上のものを指すと主観で思ってます。
【高いギターなら良い音するの?】
ギター歴12年の自分の主観から言うと、
お客さんに良い音を届けたいって目標なら上記の10~20万円の価格帯で売ってるギターで用途は充分すぎるほど満たしてくれます。
熟練したタッチ、ピッキング、リズム感、高いイコライジングの経験値と柔軟性さえあれば何のギターでもお客さんを喜ばせられる良い音を鳴らせると思ってます。
でもギタリストの性ってヤツは、お客さんの意向より自分が気持ちよくなれる音を追求することに喜びを見出してしまうもんです。
沼へようこそ。
例えば、ギブソンのギターが良い例かなと。
レスポールという一つの機種に対して、スタジオ>スタンダード>HP>CSの順に値段が青天井に高騰していきます。
ロックな力強い音が欲しいって動機ならスタジオで良いでしょう。他にもこの価格帯にはSG、フライングV、エクスプローラー、スペシャルなど如何にもギターってカンジのモノが沢山あるので楽しいです。
レスポールが音も見た目も大好きだって話ならトラディショナルが良いでしょう。最近出た50s、60sのスタンダードなんか最高ですよね。余計な機能を詰め込まない昔ながらのレスポールです。互換パーツも豊富なので改造のベースにするのも良いでしょう。
スタジオミュージシャン的なプロを目指してる、精度が高く多機能なギターが欲しいならHPでしょう。快適に弾ける現代的な加工技術をふんだんに取り入れ、タップやフェイズ、ハイパスフィルターなどレコーディング時に便利なスイッチが沢山付いてるのでDTMを使ってる宅録家にも便利でしょう。
ロック黄金期の60~70年代後半の歴史とサウンドを愛してやまない人、余計な機能性を好まずレスポールの素の音をたまらなく愛してる人ならCSでしょう。歴史的に重要な通称「バースト」を考古学的に再現する姿勢、浅く歪ませた際に感じる特有の吠えるようなサウンドなど、音楽通を喜ばせる確かな完成度です。
そんな各種特徴があります。
細かい理由は省きますが、例えばアナタがメタルを弾きたいとすれば、ガッツリ歪ませた際に良い音と感じるのは意外とCSよりスタジオだったりします。
CSは良いレスポールではありますが、敢えて古い設計にこだわっていますので、モダンなメタルサウンドを狙うには不器用です。
ただ普通にロックするだけならCSは極上のサウンドに感じられるでしょう。
でも、邦ロックが好きならレスポールよりSGやスペシャルの方がそれらしい音に感じるでしょうから、無駄に高い買い物をする必要はありません。
以上、つまりは高いギターも用途に合わなければアナタを満足させることはできません。
【なぜ自分は高いギターを買ったのか】
前の記事を読んだ方はご存じかと思いますが、自分はPRSのマッカ―ティ594という45万円のギターを去年買いました。
んでもって買った理由は以下のものです。
・元々アンプとギターくらいしか機材を使わない人間だった。
・今まで使ってたアイバニーズだと素の音が質素すぎて歪みを落とすと精彩に欠けた。
・ピッチ感の優れたギターが欲しかった。
・レスポール+マーシャルが黄金コンビだとは知ってたけどソナーの一件以来ギブソンが嫌い。
・高いギターってどんなものか興味があった。
・機材をアレコレ考えるのは楽しいけど、いい加減そういうのに疲れたので先々も買い替えしないような便利で良い音するギターを1本買って打ち止めにしようと思った。
理由なんてそんなもんです。強いて言えば偶然みつけたPRSのルックスが最高だったってのもあります。
【買ってみてどうだったか】
これからとっても大事なことを言います。
高いギターは弾くのが超楽しい!
これに尽きます。
氷のような冷たく透明なクリーンから情熱的に叫ぶディストーションまでPUセレクタ、コイルタップ、ボリュームノブ、ピッキングの調整具合で自由気ままに音が変わるしマホガニー材の音の主張がしっかりしてるから音色が破綻しない。
テンション、分数コードなど複雑な響きを4音くらいで構成してディストーションで弾いても1弦、2弦の音がつぶれたりせず弾いたままにギターが叫んでくれる。
素の音が魅力的だから脚色するような余計な機材を追加しようという気分にならない。
この人馬一体となれた感覚を味わうと元には戻れません。
購入の目的は全て達成してくれました。
でも、後から色々気付く部分も多かったんです。
そもそも高いギターだから音色が良いというより、マホガニーの鳴りを最大限に生かした音色が好きなだけで、
流石にPRSみたいな反応の良さはないにしても、出来の良い中古のSGを買ってブラスサドルにしたりビグスビーを載せたりヴィンテージ志向のピックアップに変えるだけでも十分満足できたんじゃないかと。
まぁそんなことは後の祭りであって、細かいこと考えずに良い音が鳴るギターが欲しかっただけなので別に良いかと。
【結局、高いギターって本当に必要?】
高いギターに唯一あるもの、それは先に書いた人馬一体感なんじゃないでしょうか?
鳴らした瞬間に音が鳴る応答の速さ、ピッキングの強弱が繊細に描写される再現力、安定したピッチや良い木材から得られる魅力的な素の音など。
インターフェイスとして非常に優れているのはロマンで売ってる特殊な仕様のものを除いて高いギター全てに共通しているのではないでしょうか?
それが自分にとって重要か否かではないでしょうか?
先に書いたようにギタリストにとって最も重要なのはモチベーションの維持です。
弾かなきゃ音が鳴りませんからね。
憧れのギターを手に入れる喜び、高額のローンを組んだことで後に引けなくする覚悟、面倒くさい機材の悩みをショートカットする等、高額ギターを買ってマンネリを脱出できるなら長い目でみれば安いもんでしょう。
しかし、アンプから出力される音色が思い通りになるかどうかは知識と経験に裏付けされるものなので、高いギターを買ったからそれで全て上手くいくというものでもないので、損をしたくないなら購入前に明確なイメージを持つべきです。
先に書いたように、「アレ、これ別に改造SGでも良かったんじゃね?」的なケチなことを思ってしまう自分がいますから。
ギターの世界も色々です。
安い中古のギターをオシャレ感覚で沢山買うのも良いでしょう。
中には、ハードオフとかで激安で中古のギターを買ってガシガシ改造して遊ぶのが好きな人もいますし、自分もそういうのは好きです。
少なくとも、プロが高いギターを使ってるから自分もそうしなきゃプロになれないなんてことは全くありません。
ブライアンメイのギターだってヴァンヘイレンのフランケンシュタインだって出来自体はゴミみたいなもんです。
そのゴミをダイヤに変えたのは天才の腕前ですから。
そう、アナタが飽きずに弾き続けることに価値があり、マンネリが辛くてギターから遠ざかるくらいなら高かろうが即刻買ったほうがいいのです。
どうせ高いっていっても100万超えるようなものじゃなければ数年のローンでカタがつくんですから車買うよりマシな出費ですって。
以上、よきギターライフを!
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