余談シリーズ3:ビフテキオムレツEDM
シン・オツベルのラスボス曲がリリカ史上最高難易度を更新したのはモーツァルトのせいである。
指も6本あるし。
オツベルが雑巾ほどもあるオムレツなぞを食べるシーンに黄◯伝説のパロディを仕込んだのは10年前と同じだが、今回はソナチネからホルン協奏曲に変えた。
なんとなく、せっかく大勢で集まる合奏の舞台なら、協奏曲が演(や)れたほうが楽しいのではないかと思ったからだ。
そして問題のフレーズがこちら。
それまでずっとなるべく技術的な難易度を上げないように努めていたのだが、これを見てハッとした。
難しそう、と一瞬思ったが、教本などに入っているクラシックの譜面ってだいたいこんなものだったハズだ。
自分自身も遥か昔に、白っぽいバイオリン教本の3~4巻くらいでこんな譜面に当たった記憶がある。
そしてまあ、少し練習すれば弾けるものなのである。
つまるところ、このくらいの譜例は許容範囲、"弾ける"のである。
だのにあまり難易度を落とす方向に倒すのは、弾き手を侮った振る舞いなのではないか。
負担を強いるのは良くない。しかしわざわざ貴重なリソースを割いて譜面に取り組んで頂くのに、詰め甲斐や手応えのないものを提供してしまうのは、もっと良くないのではないか。
かくして、このセクション以降に手掛けた曲はじわじわと難易度が上がっていき、
最終的に、明らかに上で言ったような"教本のクラシック"の文脈ではない難易度を抱えた魔物が生まれた。
脈略がなさすぎる。
一見真っ白で何のことはない譜面に見えるかもしれないが、諸悪の根源は左上である。
なぜこんなことになったのか。
あろうことかはち切れた音圧の音ゲー曲をリファレンスにしたからである。
なぜリリカの譜面を書くのにそんなものを参考にしたのか。
これの前の3-4に思いのほか筆が乗ってしまい、超えるとなると封印を解くしかなかったのである。
……とはいえこの曲、8分より細かい音符はないので、「実質四分156の黒っぽい譜面と思えば……まあ弾けるだろう」というわけのわからない理由で決行した。
言うまでもないが、16分が飛び交う四分156は、速い。
……。
本当に申し訳ございませんでした。
おわり
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