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アイスクリームと動物園

心に嵐が吹きすさんだ7月初頭。
ぼくはバックパックを背負い、動物園の中で立っていた。
アイスクリームに500円出すかどうか迷っていたのだ。

ここ最近付き合いで支出が増えており、ぼくの懐具合が悲しい状態。日差しはきつく、湿度はもうもうとしている。アイスクリーム・・・500円。ぼくは食べたつもりになって、アイスクリームをあきらめることにした。。。

たくさんたくさん背負わされているのに、我が暮らし楽にならず。
アイスクリームを買うかどうか躊躇するような人生。
貧しい。

アイスクリームを買うかどうか悩み、さらになぜか、自分が自分がという自己主張は強い割には思考が浅い人が重用される環境で、その尻拭いばかりやってきたという人は、動物園へ行くと良いと思う。

梅雨明け前、ぼくは動物園にいた。
非情で無情な湿度じめじめの蒸し暑さの中、ぼくはコブラなどの蛇が観たいと思い動物園にもぐりこんだのだ。バックパックをかついだおっさんがひとり動物園とは怪しさがMAXであるが、こちらも必要性がある種MAXだったのだ。

動物園に入ると、コアラが木の上でたたずんでいた。ユーカリの葉にまぎれているので、よく見えなかった。じーっとするコアラをしばらくながめ、その後レッサーパンダを観た。うつぶせに大の字になって室内で寝ていた。けむくじゃらだからだろうか、暑いのだ。その日、めちゃくちゃ暑かったのか、ハイエナは仰向けに寝転がり、シンリンオオカミも寝転がっていたし、ケープラハイラックスたちも動きが少なかった。

そんな動物たちを観ているだけでも、なぜか心が洗われるような気分になるのだから、殺伐としたこの世知辛い世の中を傷つきながらはい進んでいるような人は動物園にいくと良いんじゃあないかな? 
トカゲとか亀とかよくわからない魅力あったし。

クレオパトラはコブラの毒で死んだっていう説があって、なのでぼくは動物園に行っても良いよね〜っていったわけですが、実際のところですね、ぼくは単に動物園に行きたかったんですよ。本音は、ぽ〜っとしている動物が木々の間を歩いているとか観ていたかったんです。
コブラも見たかったけど、
だって、動物園にはコブラがいなかったから・・・。いると思ったんですけどね・・・。


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