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【年末恒例】ちびまる子ちゃんのキャラソン歌合戦2023開幕!


……だから、蝉の抜け殻はどっちにせよ燃えるゴミだって!

え? あ〜、じゃあ燃えないゴミだわ

……いや、それは「日本昔ばなし」ってだけの話じゃん、蝉の抜け殻に影響はなくない?

違う違うって、そこは綾野剛の窓だから。抜け殻はそしたらプラゴミになっちゃうでしょ。

あーもう分かったって、赤の窓は、どうぶつタワーバトル! ファミコンの!

いいでしょ!? じゃあこれで今年の、県立蝉の抜け殻女子学……

始まってる!? うそ!?

キリッ✧

え〜、第159回、ちびまる子ちゃんのキャラソン歌合戦、今年も、開幕です!!!

(マツケンサンバのイントロ)🎵〜

(ミックスナッツのイントロ)🎵〜

(完全感覚Dreamerのイントロ)🎵〜

紅組司会「さあ始まりました、ちびまる子ちゃんのキャラソン歌合戦2023!」

♪叩けボンゴ 響けサンバ
♪袋に詰められたナッツのような
♪So now my time is up

白組司会「始まりましたね〜。かぐや姫が結婚してくれるまであと42回ということで、今年も張り切って参りましょう!」

紅組司会「そうですね、疲労とマンネリで中だるみ全開の大会、ぜひお楽しみください!!」

1 : 序の部


白司「ホジホジ」

紅司「ホジホジすな」

白司「ユリ熊嵐でも観るか」

紅司「観るな」

白司「ああ〜曲紹介してえ」

紅司「しろよ」

白司「昔は好きなだけ曲紹介できたんだけどな」

紅司「今もできるよ」

白司「俺が、曲紹介禁止グミなんて食っちまったばっかりに……」

紅司「何してんだよ」

白司「文句ばっかうるせえな!!!!!!!!!!!」

紅司「別の変なグミ食ってるだろ」

白司「もーブチギレた、ぜってー曲紹介してやんねー」

紅司「……」

紅司「ンーー!!(目潰し)」

白司「一曲目は、たまちゃんのお父さんで『オレはカメラマン』です。どうぞ」

(イントロ)🎵〜

ステージの幕が開き、ギタリスト、ベーシスト、歌手、ぬりかべ、そして158人のドラマーが姿を現した。

たまちゃんのお父さん「口の中で、リスを飼っています」

観客「Fooooooooo」

沸き立つ会場が、息を吸う音で引き締まる。

 🎶 そうそれはまるで 嘘みたいな

ぬりかべの透き通る美声に、観客は聞き入る。

 🎶 ドラマか映画のような話

バックの特大スクリーンには「秋元康が想像で再現! まゆゆのナイトルーティン」が流れている。

 🎶 同じ顔 名前 声をした 君じゃない君に出会う

ぬりかべはポケットから追加で三体のぬりかべを出し、余っているドラマーも使って漢字の「器」を表現する。

 🎶 突然の出来事 驚いてるのは 僕だけなんだけど

Bメロから急にAI美空ひばりが歌いだし、動揺する会場。
驚きのあまり、ギターはヘブバンの廃課金データを売り、ベースは肖像権と日照権を廃止し、
ボーカルに至っては、アトランチスの謎の最速クリア記録をDDRコンで更新した。

 🎶 目が合った 時間が一瞬止まって 巻き戻された

AIみやぞんが歌い出した瞬間、会場内に「AIじゃなくてもいいのでは」という空気が広がり、全員が正気に戻った。
トイレ休憩と言ってアズールレーンをやっていた白組司会も帰ってきた。

 🎶 常磐線に乗って どこまで行けるのかな

サビに突入すると、会場は水を打ったように静かになった。
アカペラなんじゃないかと思うぐらいに。

 🎶 いつも考えていた なあそうだろ

二行目に入ると、みんな思い出したように演奏とノリを再開し、会場はかつての姿を取り戻した。
ぬりかべもかつての姿を取り戻し、鳥取県境港市の実家でガリガリ君を食べながら、中継で番組に参加する。

 🎶 知らない街の景色も怖くない

ここでいう「知らない街」とはもちろん境港市のことであり、中継モニターの映像にビビり散らした観客の平気アピールが実際の歌詞に反映される、たいへんに民主主義的なバンドであることが窺える。
しかし、境港市に通い詰めている水木しげるフリークの観客が「本当に怖くない人もいるんですけど」と激憤し、スタッフら関係者に焼き土下座を強要してsnowで撮影・拡散した。
このことは瞬く間にYahoo!ニュースに掲載され「罪なき者の大火傷は猫耳程度じゃ中和されない」とクレームが入った。
この間、わずか2秒である。

 🎶 地図につけた印は

観客席には、覆面レビューのため、暁美ほむらのコスプレをしたLiLiCoが、自身の新しい顔を小脇に抱えて立っている。
周囲にはバレバレだが、本人は隠し通せているつもりだ。
なお会場内には、この歌合戦に蔓延する違法行為を取り締まるため、大勢のまどマギコスプレ警官が配置されている。
全く無関係の、虚淵玄のゆるキャラ・うーろくんもいる。

 🎶 Jヴィレッジ

曲が終わると、会場は拍手型の積乱雲に包まれた。
白組司会も、ガチャを回す手を止めて雲の一部になる。

白司「たまちゃん扶養ニキ、ありがとうございました」

紅司「素晴らしい演奏でしたね。続いては紅組、野口さんで『野口さんのお笑い音頭』です、どうぞ」

タキシード姿の男「ちょっと待った!!」

紅司「どうぞ」

(イントロ)🎵〜

幕が開いて現れた3台の和太鼓。
鼓面には、画質の悪い柚葉のアイコンがデカデカと印刷されている。

 🎶 もっと遊んで 指おならして

指おならって何ですか
指笛みたいなこと?
知らないこと言わないでください

 🎶 呼んでいる声がするわ

タキシード姿の男が、パソコンを立ち上げて作業を始めた。
ゆるゆりのガチ考察をするバイトで、時給896円らしい。
依頼元が沖縄なのか徳島なのか岩手なのか、彼の周りの論破王たちは活発なレスバを交わしている。

 🎶 ホントも嘘も 興味がないのヨ

舞台の上手から下手へ、V6の面々が流れては消えていく。
三周目の岡田准一だけウンチのワイヤレスイヤホンをしていたことに、一人の観客が気付いた。
すると空中ブランコに乗った伊藤四郎が降臨し、その観客のおでこに「美腸」と書いたのち、痛すぎるだけの足ツボをして帰っていった。

 🎶 指先からすり抜けてく 欲張りな笑い声も

観客たちは、もう一つ重大な違和感に気付いた。
野口さんの衣装の柄が、なにかおかしい。
何がおかしいのか突き止めるために、目を凝らしていると……

 🎶 ごちゃ混ぜにした スープに溶かすから

突如現れた血みどろの女性の顔面。
民放初の現実ブラクラに、観客たちは卒倒し、辛うじて立っていられた観客が、田んぼアートの要領で「克己心」の文字を浮かび上がらせた。
背筋を伸ばしたまま倒れた観客たちは、マイケルジャクソンみたいにそのまま立ち上がった。

 🎶 音にあわせて 靴を鳴らして

バックスクリーンの抜きどころゲージを見れば、そろそろサビなのは一目瞭然である。
観客たちはズボンを脱ぎ、ドラム缶を穿いて、ローションで満たした五右衛門風呂に浸かった。

 🎶 あたしだけの秘密の場所

ワクワクで待つ観客たちとは対照的に、司会の二人は「いっしょにチョキッと スニッパーズ」の攻略に夢中で、ステージをガン無視している。

 🎶 平野レミの影を 飛び越えるわ

またもサビで、水を打ったような静寂が訪れた。
第159回ともなると、演奏隊が変な遊びを始めるようだ。
アカペラなんじゃないかと思うぐらいに。

 🎶 夏のにおい追いかけて

そしてやはり二行目から、見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込んだように静寂が切り裂かれて幾つもの声が生まれた。
会場の後方から噴射された夏のにおいが充満し、観客の87%が「友達の実家の匂いがする」と回答したため、ニュー人権コマンド「思い出の中でじっとしていてもらう権利」が発動し、観客たちの旧友はもれなく片方の翼を捥がれてしまった。
見てる分にはおもろいけどやな。

 🎶 あぁ 夢はいつまでも覚めない

この歌詞のせいで歌合戦がいつまでも続くことを想像してしまったのか、数名の観客が自己破壊衝動に襲われた。
彼らは自らのコア(?)を破壊し、いやごめんミスったマジでそんなつもりじゃなかったんだって、と言いながら修復するという地獄を味わった。
その数名の中には、小石田純一のそっくりさん・小礫田純一も含まれており、彼の発狂は鳥取県でだけ報道された。

 🎶 サダヲ阿部のように……

曲が終わると、司会の二人は互いの胸ぐらを放して背筋を伸ばした。
会場は握手に包まれる。

紅司「含み笑いネキ、ありがとうございました」

白司「ここまでテンプレ」

紅司「やさいせいかつ」

白司「おもんないノリやめろ」

紅司「乗ってやったのに……;;」

白司「泣くな」

紅司「泣くだろ!」

紅司「5歳の息子にエロゲ買っちゃったんだぞ!?!?!?」

紅司「そりゃ泣くだろうよ!?!?!?!?!?」

紅司「キエエエェェェェェエェエェェェエェェ」

高瀬アナ「フフッ」


2 : 破の部


白司「じゃあオムレツなんじゃない? お前のおふくろの味」

紅司「そうなのかな。あ、でもうちのオカン本妻じゃないから、おめかけの味だわ厳密には」

白司「(トントン)始まってる!」

紅司「ほんとだ! えー、なんだっけ、」

白司「台本どこ??」

紅司「あったあった。えっと、がんこちゃんの神回、放送です!!」

(中継先につながる)

リポ「は〜い、こちら中継先の鳥取県は湯梨浜町です。今回は鳥取特番なんですか〜?」

白司「いやワシやないかい! 言うな! 嫁も見てんねん!」

リポ「見てくださいこの絶景。右側の山は、さっき私が単独で片付けました帝国軍の兵士たちの屍が積み重なったもので〜す」

紅司「すごーい(衰えてないわね……やはりあのときトドメを刺していれば……!)」

リポ「左側には、広大な海が広がっていま〜す。ちょっと思ったより青くなかったんで、群青のペンキを400Lほど流しておきましたけど……どうですか、青いですか〜?」

紅司「やばこいつ」

リポ「え? いや、冗談ですよお。悪意でそんなことするわけないじゃないですか。400Lぐらい、シャレで流しただけですよっ!」

リポを乗せたヨッシー「鼻ヤニ」

白司「じゃあ仮にわたしが曲紹介をしたとして、それで人類が滅ぶとでも言うんですか?」

紅司「行けっ、曲紹介人間!(目潰し)」

白司「白組二曲目は、友蔵で『おいぼれじいさんのテーマ』です、どうぞ」

紅司「そんな卑下するな(どうぞ)」

 🎶 新宿は豪雨

椎名林檎のものまね芸人、椎名冬休みが歌い始める。

 🎶 あなた何処へやら

後ろから本物の椎名林檎が出てきた。
史上最速のご本人登場に会場は湧き、やがてキモい雨雲になってアッツい蝋を降らす。

(キキーーッッ!!)

白司「な、なんだあれは?」

会場内に突如現れた、一台のタクシー。
ドアを開けて出てきたのは、長い年月を経て256人にまで増殖したt.A.T.u.の面々だった。

「アタシたちに歌わせな!」

全員が一斉に繰り出した、まさかのドタ逆オファ。
あのドタキャンを徳政令しろと言わんばかりの一撃だったが、声が重なりすぎてるし日本語じゃないしで誰も聞き取れず、会場はクッソ静かになった。

紅司「あんたたちねえ。あのナンチャンだって、右金玉をサマーウォーズのパソコンぐらい冷やしながら頑張ってんのよ」

 🎶 泣きたい気持ちは 連なって冬に〜

全てを放置して歌い出した椎名冬休みに、自宅でずっと放置されていたゴーストオブツシマが激憤して「また同じ過ちを繰り返すんけ」と怒鳴り込んできた。
横で見ていた恐竜たちも頷く。
字幕:ラドンも「10月はたまに34日ある」と言っています。

 🎶 疑わぬあなた 嘘だって好くて〜

今度は小3ぐらいの子供が泣きながら舞台に乱入してきた。
聞けば、マリオワンダーでコインを使って1UPキノコを買っていたところ、それを見た父親が「仮想通貨に手を出した」と勘違いして激怒し、思い出せる限りのスネ夫の入浴シーンをダビングして鳥取県庁に送ったのち、家中のウエットティッシュをパッキパキに固めて玄関前の歩道に突き刺し、それを墓としたらしい。

白司「途中で止めなよ」

子供「どうすることもできなかったんです……。上半身がロロロ、下半身がラララの僕にはどうすることも……」

これには冬休みも歌唱をやめ、子供の足元に匍匐前進で向かう。

冬休み「この床が天井だったら、ボクを祓わないとねえ」

子供はツッコミを押し殺して微笑んだ。

 🎶 何とも思わない振りで笑う

紅司「ちょっと黙ってて」

 🎶 すいません

リポ「スタジオのみなさーん!」

白司「なんすか?」

リポ「待ち時間暇すぎて、近くの哀川翔をおちょくってたら、今日の夕飯から500食先まで昆虫ゼリーしか食べられない呪縛を刻印されちゃったんですけど! 早く次の曲いってくださいよ!」

紅司「黙れやドチャハゲの憐れチンカスリポーターが。続いては藤木くんで『藤木ひきょうのテーマ「ひきょう者」』です、どうぞ」

白司「小学生の時点で確立されていいキャラじゃない(どうぞ)」

(イントロ)🎵〜

藤木くん「パクパクパク(やっぱそう あららヤバそう〜)」

なんと出演前にオソダアメでODしていた藤木くん。
彼の熱唱は618時間後に脳内に間接的に流れてきます。

紅司「う〜む、感動的な歌声なんでしょうねえ、多分」

白司「Can★Do的な歌声なんでしょうね」

紅司「いや安く聞こえちゃうだろ!」

二人「タハハハハ!!」

さっき休憩で食べたデス牡蠣の爆毒に当たっているとも知らず、二人は大口を開けて笑った。


3 : 急の部


プチッ…プチッ…

白司「支払いにPayPayが、使える……使えない……使える……」

紅司「調べたら分かることで花ちぎるなよ」

白司「使え……ない! クソッ、なんで松屋は頑なにキャッシュレス対応しないんだ!!」

紅司「してるよ」

白司「このご時世、夢グループだってキャッシュレス対応してるというのに!」

紅司「してないだろ、知らないけど」

白司「もはや俺に残された道は、曲紹介しかない……」

紅司「なんて脈絡だ」

白司「白組ラストは、さくらひろしで『ヒロシ天涯孤独のテーマ』です、どうぞ」

紅司「景気悪い曲ばっかり(どうぞ)」

(イントロ)🎵〜

観客は実際の太陽光と同じ照度のペンライトを左右に降り、ヒロシを迎え入れる。
登場したヒロシは、歌い出しまで息を吸い続ける。

 🎶 どこかで鐘が鳴って らしくない言葉が浮かんで

歌い出してもなお息を吸い続けるヒロシ。
吸い込まれないように、観客はなんとか踏ん張って耐える。
一人の観客のポンプフューリーが床にめり込み、彼は世界で初めて実寸大のコンサートホールを履いた男になった。

 🎶 寒さが心地よくて あれなんで恋なんてしてんだろう

ヒロシの後ろでは、ケツメイシの6人が、Vineで鬼バズりしたあのダンスを踊っている。
「やっぱりISSAがいないと物足りないな」と感じた観客が口の中からISSAを取り出して壇上に放り投げたことで、会場は大いに盛り上がった。
まだAメロなのに、とヒロシは迷惑そうにため息をついた。

 🎶 聖夜がなんだと繰り返す歌と

今日のTVerでは、嘘すぎる政治垢presents「追及!財界に蔓延るルイージの実効支配」が配信されている。
内容がよくよく見ればイカゲームと全く同じであることを、ヒロシは歌の中でそれとなく伝え、イカゲーム未視聴の観客たちは心から感謝した。
感謝のしるしにと送られた鯨肉を、ヒロシは叩いて叩いて鯨肉+に強化し、回復とスキル強化を上昇させた。
しかし鳥取県には戦いという概念が無いので、なんの役にも立たない。

 🎶 わざとらしくきらめく街のせいかな

もうサビに突入するというのに、白組司会はまだ花占いをしている。
彼の摘んできた花によれば、デカキンは実在するが、セイキンは実在しないらしい。
これは信憑性アリ。

 🎶 会いたいと思う回数が 会えないと痛いこの胸が

サビで無音にならず、楽器隊がちゃんと音を出したことに観客は狂喜乱舞した。
歓声が会場内に渦巻き、やがて乱気流を生成して観客たちを浮かび上がらせた。
大勢の観客たちは乱気流によって背の順にソートされ、会場の屋根を突き破る頃には、最前列が赤ちゃんで固められていた。

 🎶 君のことどう思うか教えようとしてる

送電塔と同じ高さまで上昇し、気が大きくなった赤ちゃん。
ビールジョッキ一杯分を一気に飲み干し、テーブルにガン!!!!!!と置いた。
その衝撃で夜空にヒビが入り、つるの剛士が封印していた黒歴史が滔々と溢れ出した。
特にお父ちゃん(商標)と絡んでいるときの骨無し具合は、地上で昆虫ゼリーを貪り食っているリポーターのアナルに深く突き刺さった。

 🎶 いいよ そんなこと自分で分かってるよ

赤ちゃんは送電塔にしがみつき、全局にマリオカート8のオープニングムービーを流した。
インド人を右に!のところで、日本中の身体も傾いちゃうタイプの人が一斉に動き、圧された恭一郎の横幅が2cmぐらいになった。
そのシーンはめちゃくちゃ切り抜かれたが、佐村河内守のセルフ屈葬配信と時期が被ってしまったために伸び悩んだ。

 🎶 サンタとやらに頼んでも仕方ないよな

夜空に浮かぶバブちゃん絨毯が少しずつ変形し、スザンヌの宣材写真を模った。

リポ「見てください! あれは!!」

白司「あ、あれは……スザンヌや。わが村を焼き尽くした恐怖の業火を、ファブリーズ1吹きで一掃した、消臭液の女神・スザンヌたそやぁっ!」

 🎶 できれば横にいて欲しくて どこにも行ってほしくなくて

スザンヌのスイミー「お前に、ウンチのParaviを授けましょう」

白司「いえ、私が落としたのはもっと安っぽい、木でできたやつです」

白組司会の正直さにスザンヌのスイミーは瓦解し、大勢の赤ちゃんが空中に一列に並んだ。
No chaos, No order.(混沌なくして秩序なし)
スーツを着てゆっくり歩く赤ちゃん、それを撮影して微博に拡散する人々。
それをまとめるはちま起稿、つべのコメントに溢れる「楽しめる側の人間でよかった!」という謎のアピール。
その全てが、ルイージの思惑通りだった。

 🎶 僕のことだけをずっと考えていてほしい

ルイージはゲームパッドを操作して赤ちゃんを集め、泡で包んで一人ずつお道具箱に詰め込んだ。
これでやっと来年のおせちが完成する。
そう思った矢先、白組司会がロフトから乱入してきた。

白司「ヒロシさんの歌を、聴いてあげてください」

 🎶 でもそんなこと伝えたらカッコ悪いし

ヒロシはこの間、健気にも歌い続けていたのだ。

 🎶 長くなるだけだからまとめるよ

全然聴いてなかったので、まとめてくれたら普通に助かる。

 🎶 豚は鳥だ

結局、ウソすぎ新学説じゃないか。
小保方・ザ・サイエンティストは落胆し、丸腰のまま記者会見に向かった。
百戦錬磨の記者たちをステゴロで引き摺り回す姿は、まさに伝説だった。
この年の「今年の一字」は、小保方の似顔絵だったという……。

白司「ヒロシ、ありがとうございました」

紅司「ありがとうで済んだら修道士は要らねえんだよ」

白司「そこはありがとうじゃないよね」

リポ「あえて、ピュレグミだけでお菓子の家を作ります」

紅司「勝手にしてください。さあ、今年も残すところ一曲となりました」

白司「はよしてくれや。菊門あんねん俺ら」

紅司「紅組ラストは、佐々木のじいさんで『佐々木のじいさんの木の生命力をたたえる歌』です、どうぞ」

白司「キャラソン自体は全部実在します(どうぞ)」

(イントロ)🎵〜

幕が上がり、スクリーンの光が会場全体を包み込み、中継先とスタジオの境目がなくなった。
リポーターが中継先の米子市から手を振ると、歓声が湧き上がった。
今回ばかりは、ガチのガチのガチで本人たちが歌唱するらしい。

 🎶 君とのラブストーリー それは予想通り

本人たちが口を開けると、さっき海苔弁を食べたばっかりなのが分かってかなり汚い。
佐々木の口の中には、まだおにぎりがミチミチに詰まっている。
具はもちろん、めちゃイケメンバーの左眼だ。

 🎶 いざ始まれば一人芝居だ

最後に残った左眼を奪われて思念体になってしまったメンバーが、空気をフヨフヨさせながら取り返しに来た。
佐々木はおにぎりを飲み込むと、中から出てきた宝多六花のエロフィギュアに舌をつけ、舐めずにじんわり溶かした。
メンバーは負けじとBB弾を一粒拾ってペンペン草に包み、じんわりとゴキブリを生成した。
こんな日常の一コマにさえ、ミスチルは曲をつけてくれる。

 🎶 ずっとそばに居たって 結局ただの観客だ

ミスチルの曲は即座にモールス信号に変換され、鳥取市内のイオンに送信された。
「お待ちしておりました」
店員がバックヤードの奥深くに入り、神妙な面持ちで宝箱を持って帰ってきた。
中に収納されていたのは、アクアビーズで作った井森美幸レオタードダンスのパラパラ漫画。

 🎶 感情のないアイムソーリー それはいつも通り

いざめくってみると、なぜか「CHA-LA HEAD-CHA-LA」に合わせて踊ったことになっていて、
しかもジャズアレンジverなので全くリズムが合わない。
頑張ってめくってみても、芸人から画家に転身した三ツ目の鬼・魑魅ー大西がギタギタ笑うだけだ。
シッコも垂れ流している。
あーあ。

 🎶 慣れてしまえば 悪くはないけど

そうとは知らず米子市を訪れた面長の女が、メンバーにオパーイと面倒なタスク(洗濯、新しい靴の開封、確定申告などといった)を押し付けた。
メンバーは思念体なので何一つできなかったが、クリオネみたいで可愛いという意味不明な理由で女に引き取られた。
女は渋谷区のタワマンの壁に張りついて生活する生粋のヤモリストであり、初心者のメンバーに炭酸マグネシウムの粉を貸してくれた。
しかしメンバーは思念体なので

 🎶 君とのロマンスは人生柄 続きはしないことを知った

一週間もしないうちに、女は大阪に引っ越すことになった。
あずまんが大王のではない。
なおみでもない。もちろん。
引越し先は、ヤモリストの聖地ともいえる此花区。
米子に近くなるから聞きやすくなって嬉しい、とメンバーもウキウキでついていく。

 🎶 もっと違う設定で もっと違う関係で

女はコンテナに張りつき、鉄を貪って過ごした。
朝昼一口、夜二口。
そんな生活に嫌気がさしたメンバーは、なけなしの胴体にガスを注入して海に潜り、フグマンネンとして生きていくことを決意した。
NewマリWiiの9-2(こっちでいう鳥取県琴浦町)を目指して、泳ぐ泳ぐ泳ぐ。
プランクトンのうんこを、浴びる浴びる浴びる。

 🎶 出会える世界線 選べたらよかった

しかし現実は非情だった。
メンバー扮するフグマンネンは日本の海を泳ぎ切るにはあまりにも珍しく、まんまと捕獲されてABEMA出演が決定した。

フグマ:「好きになっちゃダメな人」って、やくみつるのことですか?
オーイシ:違います

ちまちま炎上することはあったが、芸能界は炎上する方が偉いのでどんどん出演が増えた。
ビキニのチャンネー100人とWii Sports Resortをする番組に出演した瞬間、フグマンネンは思い出した。
おれ、元めちゃイケメンバーじゃん……!!

 🎶 もっと違う性格で もっと違う価値観で

だからどうという話ではないのだが、なんだかやる気が湧いてきて、途中だったマリンバイクを放棄して鳥取に走った。
腰から下を◎と省略されるぐらい走った。
モチモチの木ぐらい走った。
中国のSASUKEの最速クリアのやつぐらい走った。

 🎶 愛を伝えられたらいいな そう願っても無駄だから

そうして辿り着いた琴浦町の海面には、数多のフグマンネンが蠢いていた。
自分の無力さを痛感するメンバー。
「本当にめちゃ^2イケてるのは、お前らだよ……」
フグマンネンたちは「What a cool we are!」のリズムで飛び跳ねた。
そろそろサビが近い。

 🎶 グッバイ 君の運命の人は僕じゃない

サビで無音になり、客席が沸いた。
クッパ城に囚われていたピーチも、このままじゃいけないと一念発起して清楚系演歌歌手のオーディションに応募した。
布袋寅泰はプロゴルファーになり、入れ替わるようにプロゴルファー全員がCOMPLEXに加入した。
吉川晃司はギチギチのタクシーで移動する。

 🎶 辛いけど否めない でも離れ難いのさ

まきびしを避けながら、吉川はテレビ局にぬるっと入っていく。
残りのメンバーも、細い廊下をヌメヌメと渡り、スタジオのドアを開けてヌチャっと入った。
しかしそこにはカメラもスタッフの姿もなく、どこでもドア1号がどどんと置いてあるだけ。
開けてみると、しずかちゃん1号が、叫び声.mp1をあげ、源泉をかけてきた。
全身のネバリを洗い流す新生COMPLEXたち。

 🎶 その髪に触れただけで痛いや いや でも甘いな いやいや

乾涸びた吉川の両頬から、違法に入手した「ポケットモンスター 栗田貫一/ゆうちゃみ」のソフトがボロボロとこぼれ落ちる。
その上を近藤真彦がポケバイで走り抜けると、ぐちゃぐちゃになったソフトたちの回路が奇跡的に繋がった。

白司「これはもしかしたら……もしかするかもしれませんよ!」

吉川はその回路の先をハードに繋ぐ。

タイトル画面:毛糸のゼノブレイド2

 🎶 グッバイ それじゃ僕にとって君は何?

女はと云えば、ABEMAの番組でひろゆきに振り向きファルコンパンチを当てて勝ち誇っていた。
前代未聞のスマブラバトルにまで絡れ込んだ論破王は、女の「彼女側がレストランごと丸呑みして、そのウンチに金箔を貼って彼氏の家の恵方に飾ってあげるべき」という主張の逆転勝利となった。
それでも女は、どこか満たされない。
アタイはただ「BE MY BABY」と言ってほしかっただけなのに……。

 🎶 答えは分からない 分かりたくもないのさ

吉川晃司がシンとメツをスルスルほどいていると、メンバーがゲーム部屋に駆け込んできた。
しかし、勢いよく開けすぎたドアが一回転してしまい、メンバーは窓から射出された。
メンバーは大手企業のオフィスビルをすり抜け、その際にエグい個人情報を丸暗記して、尿道から採れた石板に書き写した。
やがてその石板は手元を離れ、街の中へ……。

 🎶 たった一つ 確かなことがあるとするのならば

頭蓋骨にめり込んだ石板を取り外し、女はお土産用の551蓬莱を全部食べちゃった。
やばいやばい、食い意地ってレベルじゃねえぞこれ。
あー電車の切符も食べちゃう、車掌ちょぱが来るまで待たなアキマヘンのに!
無理だ、座席も食べちゃう、モグモグ……汗臭っ🤢、美味しい😋、香水臭っ🤢、美味しい😋

白司「女が米子に到着するようです!!」
佐々木「道を塞げ!!!!」

女は米子駅に降り立ち、大きく口を開けた。
いただきま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜す

 🎶 二歩はOKだ

本人たちの革命的な発言により、女はフグマンネンに変えられてしまった。
米子を喰らってウマウマするはずが、水中でマリオをパクパクパク。
「ざまあみろ」のファイヤーボールが投げ込まれ、女のケツからミソが漏れた。

 🎶(それも これも ロマンスの定めなら)悪くないよな

佐々木は嬉しそうに、左手で右足裏を叩いて喜ぶ。
半年育てた観葉植物が今さら特攻の拓を読んでグレてしまった傷心も、ケロリと治ったらしい。
「飾りじゃないのよコワーキングスペースは Oh Oh〜♪」
見たことないCMを懐かしがる彼の姿は、フロントガラス男そっくりだった。
本当に。鼻の、筋の感じとか。

 🎶(永遠も 約束も ないけれど)

観客は急に自分たちの存在を思い出し、えも言われぬ焦燥感に襲われた。
テレビ消したっけ?
エアコン消したっけ?
彼くん監禁ルームの鍵閉めてきたっけ?
まあいいか、集中して見よう。

 🎶 蹴りもOKだ

大嘘を高らかに歌い上げ、本人たちは大喝采の中でアウトロを演奏した。
幕が下がり、司会の二人が映る。

白司「何だったんですか今のは」

紅司「こっちのセリフですよ」

白司「いや紅組でしょ? そっちが知らない顔するの意味分かんないから」

紅司「知らねえもんは知らねえよ!」

白司「知っとけやボケが!」

取っ組み合いを始める二人。
佐々木が仲裁に入る。

佐々木「ちょっ、やめてやめて!」

白司「うるせえなぁ!!!」

白司「……ほんとによお……」

紅司「……そうだぞ、うるせえ……」

白司「うん……」

紅司「ゼエ……ゼエ……」

佐々木「……」

終幕

白司「ついに終わりました、第159回ちびまる子ちゃんのキャラソン歌合戦」

紅司「終わりましたね〜、何やってるんでしょうねこれ」

白司「疑問を捨てて歩こう 涙がこぼれないように」

紅司「じゃあ、バイバ〜イ!」



制作・著作
NHKから””信念””を守り抜く党

※記事の内容は全てフィクションであり、実在の団体等とは一切関係ありません。

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