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モテたい男子必見!女の子をうじゃけた顔にするテクニック3選

「五月雨を 集めてはやし 最上川」

最も偉大な俳人・松尾芭蕉の、非常に有名な一句です。

「うじゃけた顔してどしたの」

最も巨大な日本人・V6の、非常に有名な一節です。

我々人類は、その誕生よりずっと、恋愛に悩まされてきました。

どれだけ真剣にアプローチしても、カワイ子ちゃんは振り向いてくれない……。

そんな人々にしびれを切らし、ついに山を下りる決心をした私・恋愛超人が、この記事を通して悩めるメンズたちにチェレンコフ光をもたらします。

題して「モテたい男子必見!女の子をうじゃけた顔にするテクニック3選」。

選りすぐりの三つのテクニックを、実例とともに、とくとご覧あれ。

これを読めば、キミも今日からゆずソフトの主人公さ!😁

Scene-1 : 合唱祭

——2024年、春、市立コンサートホール

🎵お台場冒険王 忘れずに全部言えるかな

課題曲「愛言葉III」の歌詞を何度訂正しても間違え続ける生徒たちを、音楽教師はついに諦め、本番もそっちの歌詞でいくことにした。

??「新しいわね」

客席で頬杖をついて見ているのが、今回のうじゃけガール・吉崎 栗捨金具 (よしざき くりすたるきんぐ) さん。

栗捨金具(くりすたるきんぐ)さんに「新しい」と言われるのだから、よっぽどである。

??「既出やで(ボソッ」

隣の席から土鳩のフンみたいなコメントで水を差したのが、今回のうじゃかしボーイ・相音 蠡摹笯丗 (あいおと りもどせ) くん。

無理やりクリスタルキングの曲名に寄せようとしたせいで、後半の漢字がとんでもないことになっているのがチャームポイントである。

吉崎「そうなの? 他人の借金ぐらいどうでもいいけど」

この程度ではビクともしないのが、うじゃけガールの矜持というもの。

相音「吉崎さんは、合唱祭好き?」

吉崎「結構好きよ」

相音「そうなんだ。俺はどうでもいいかな。こんなのに勝ったところで、昔のドラえもんの映画じゃ通用しないでしょ」

吉崎「武田鉄矢が通用してたんだから、誰でもするわよ」

相音を上回るうじゃかしを見せ、負けん気を煽る吉崎。

これを受け、相音はさらに気合を入れる。

曲の一番いいところで、メガホンを取り出して前のめりになる相音。

相音「おい指揮者!ケツ見えてんぞ!」

吉崎「あれは擬似ケツよ。高田純次がつけてたでしょ」

相音「擬似? それにしちゃリアルすぎるだろ、隙間から見えてるやつとか」

吉崎「だーかーら、あれはマジ金玉よ。擬似の用意が間に合わなかったんじゃないの?」

吉崎「ちょっと、何笑ってんのよ。ダメよ、真剣に演奏してる人のマジ金玉を笑っちゃ」

吉崎「ダメ。メロディーが盛り上がるところでブルンッて跳ねるのとか、注目しちゃダメよ」

吉崎「指揮者がぐっと向きを変えたとき、金玉だけ最後まで元の位置にいるから、3分の1ぐらいの人が金玉に指揮されてる時間があるのとか、気付いちゃダメ」

🎵ほら1を嫌って また2に戻って 3になって愛を繋いでいこう

吉崎「これ、金玉の話じゃないからね。3にはならないから」

相音「知ってるよ」

吉崎「あら、珍しいわね。徳川将軍もまともに言えないあなたが、知ってるだなんて」

相音「なんだとー! 言えるしな、ほんで」

吉崎「じゃあ言ってごらん。まず、初代は?」

相音「え〜……鈴木福」

吉崎「バカねぇ、鈴木福に幕府が敷けるわけないじゃない! 敷けるのはせいぜい、山間部のインフラぐらいよ」

すっかり吉崎のペースに飲まれた相音。客席でのうじゃかしには失敗してしまった。

そしてついに、二人の出番になった。

指揮者である相音の指示に合わせ、各パートは順番に声を出す。

バス「う〜〜〜〜〜」

テノール「う〜〜〜〜〜」

アルト「う〜〜〜〜〜」

そして相音は、吉崎がいるソプラノに向かって、PKサンダーを撃ち込んだ。

不意打ちにダウンした吉崎を、さらにPKファイアーで追い詰める。

吉崎「もう、ひどいじゃない! こんな状況、24時間テレビモードの徳光和夫が見てたらどう思うのよっ!」

相音「ハハ、きっとこう思うだろうな。俺が吉崎なら、ひょっこりはんの穴という穴にイースト菌を詰めて発酵させ、ひょっこりパンにして横展開するのに、って」

吉崎「はっ、そんなやり方が……!」

吉崎に電流走る。

相音にも電流走る。

ホール内で売られている、ミラノ風みそきんにも電流走る。

ヒャダル子とスポーツがデキているという噂にも電流走る。

そして流れ出した課題曲の「ultra soul」。

スペシャルゲストの稲葉さん(本人)が、ピアノ横楽譜めくり君を担当してくれている。

しかし、今まで持ち前の歌唱力とギターでステージの先頭に立つことに専念してきた稲葉さんは、思うように楽譜をめくれない。

稲葉の指「ツルツル」

一曲分だけ別紙にコピーすればいいことに誰も気付かなかったせいでそのまま置かれた、クソ分厚い楽譜「80ページ一気にガバッ」

ピアノの女子「あっ、そこは!」

異変を察知した相音と吉崎は、同時にピアノの方を向いた。

テレレテーテッテレッテ♪ テレレテーテッテレッテ♪

相音・吉崎「こ、この曲は……」

相音「ひょっこりはんの曲だ!!」
吉崎「フリーBGMだ!!」

軽快な音楽と共に、特注の発酵マシンに閉じ込められたひょっこりはんが登場する。

テレレテーテッテレッテッテレッテッテ♪

「はい、ひょっこり」

パンッッ!!!!

ソプラノの破裂音が鳴り響き、ひょっこりはんは一斤のパンになった。

稲葉さん「こ、こんなの、横国では教えてくれなかったでヤンス」

凄惨な光景に絶句するスペシャルゲスト。

ちいじゅん (なんか小さくて高い遵法意識を持って生きているやつ)「なんでフリーBGMなんか演奏したんだ」

吉崎「すびばせん……グスン」

著作権法違反を犯した吉崎と相音は、すぐさまデトロイト市警に捕えられ、尋問を受けることになった。

ちいじゅん「すびばせん……グスンで済んだら警察は要らねえんだよ!」

ちいほピ (なんか小さくて星型のピノでしか興奮できないやつ)「け、警部、見てくださいw、これ、オホw、オホホw」

ちいほピはちいじゅんにピノの箱の中身を見せつける。

ちいほピ「こ、これw、星型っスよねw、おれ、おれw、勃っちゃいますw、完全に、これw」

ちいじゅん「違えよ、これはプレバトの浜ちゃん型。どっからどう見ても星型じゃねえじゃん」

ちいほピ「あれェー、ほんとだ。おれ、萎えちまうです」

吉崎「あの、早くしてもらえますか。起訴するならする、しないならしない、はっきりしてください」

相音「そうですよ。はっきりできないなら、こっちはいつでも筋肉ルーレットの準備ができてますからね」

ちいアき (なんか小さくなって帰ってきたけど、一応アメリカに筋肉留学してたやつ)「筋肉ルーレット、スタート!」

この事件……

起訴……

でー

きー

ないっ!

無事取り調べを終えた二人。

いつもの電車に乗り、通っている高校に向かう。

時間はもうお昼。購買でパンを買い、手頃な席に座って食べる二人。

吉崎「ん? なんかこのパン、変な味しない?」

相音「当たり前だろ、だってここは、ひょっこりはんの母こ……」

ハッ!

相音が言い終えるより先に、吉崎は満面のうじゃけた顔になった。

吉崎「それ以上言わないで!」

 ☆☆NICEうじゃけ!☆☆

いやー、素晴らしいうじゃかしでしたね。

吉崎さんのガードの高さに一時はどうなることかと思いましたが、無事成功しました。

読者のメンズ諸君、感じ取ってくれたかな?

ほいじゃ次。

Scene-2 : トレーニングジム

——都内某所、小さなジム。

🎵考えたって分からないし 生きてるだけでも苦しいし

ここは昨年の「スピーカーの手綱をバカに握らせてる-1グランプリ」で優勝した、世界で唯一ヨルシカと鍛錬が同居する空間である。

??「498、499……!」

入り口の近くで、内省的な歌詞をものともせず、499回のベンチプレスをやり遂げた女性がいた。

彼女こそが、今回のうじゃけガール・石塚 英妃子 (いしづか ひでひこ) さん。

親は名付けてから気がついたらしい。本当に。

??「いや回数、昔のサイゼリヤかよ」

そうキレのあるツッコミを入れたのが、今回のうじゃかしボーイ・難波 世文 (なんば せぶん) くん。

「地縛少年花子くん」のOPと全く同じ名前であることを、本人だけが気にしている。

難波「このジム、穴場だけどいいところだろ?」

石塚「ほんとね。来るまでに、ネプリーグの理科室に出てくる狂ったハゲを倒す必要があるジムなんて、私だけの空間すぎて最高よ」

難波「初見じゃ絶対分かんないよな。今日はどんな問題が出たんだ?」

石塚「書きで『飲食店をイトナむ』が出てきたわ。普通に平手打ちして、鼻の穴にランチパックを詰めて倒したけど」

ジェスチャーでそのときの様子を再現する石塚。

しかしその動作は、どう見てもミニモニ。の「春夏秋冬だいすっき!」をハープで爪弾いている。

難波「ま、いいや。プロテインでも飲んで休憩しよか」

石塚「そうね、ここは週末だけ『カラミざかり』のコラボカフェとして運営してるから、味も確かでしょうし」

二人はプロテインを手に取る。

ゴクゴクゴク……

ぷはーっ!

難波「うん。キャプテンファルコンのおしっこと、お〜んなじ味だっ!」

石塚は近くにあった毒リンゴを手に取り、握力で絞って果汁を飲み干す。

石塚「プロテインの後に毒!?!? 痛すぎる!腸が終わるよこれ!?!」

石塚「これ、ペヤングの新商品だから!!書いて!カップ麺ナタリーの記者ども、書いてぇ!!!」

一連の出来事は実際にナタリーに掲載された。

[アホが飲む ファルコンのpiss]

そう題された記事を、二人はベンチに腰掛けて読む。

いわゆる、ベン腰、というやつだ。

ベン腰という名前は、発祥地であるベトナムに由来する。

カンボジア→かぼちゃ のパターンである。

ベトナム→ ビエトナム→ ビエルタム→ ビエールタム→ ピエールタム→ ピエール瀧→ ベン腰

という具合に訛ったとされている。

石塚「どれどれ……都内のジムで、一人の女性がトレーニングに勤しんでいた」

「今日はトレードマークの耐寒着ぐるみも脱ぎ、筋肉に集中している様子」

「腹筋を重点的に鍛えている。やはり普段の仕事でのエネルギー消費が激しいのだろう」

「……プロテインの後に、毒汁を飲み込んだ。仮にダメージを受けても服を脱ぐだけとたかを括っていたが、リンゴ毒はそんな生やさしいものではなかった」

石塚「ちょっと!」

難波「どうした」

石塚「私、ペンギンマリオだと思われてない!?」

ナタリーをその場に投げ捨てて激昂する石塚。

石塚「しかもこの記者、ペンギンマリオが女子高生であることに何の違和感も抱いてないじゃない! どうせpixivで変なイラストばっか見てるんでしょうね!」

ナタリーをその場ごと投げ捨ててさらに激昂する石塚。

石塚「ドガァ」

難波「ま……迷わず話せよ、話せば分かるさ」

嗜める難波を気にも留めず、石塚は巨大化していく。

人間の範疇をゆうに超えた、恐竜と見紛うほどの巨大化。

石塚の生きる時空が、なんと本当に恐竜と見紛ってしまい、石塚の身体の周囲は白亜紀に飛ばされた。

ジムの休憩スペースに突如現れた、身体の輪郭ピチピチのほそ〜い白亜紀。

難波「今通ったのが……ティラノ?」

せっかくの恐竜も、断片的にしか見ることができない。

石塚「なんか、どーでもよくなってきた」

エネルギーが切れ、シュルシュルと縮んでいく石塚。

石塚「って、ちょっと、なにこれ!」

そのときたまたま通りかかっていたプテラノドンの一部も、現世に連れてきてしまった。

難波「貿易の、なんかそういうやつに引っかからなければいいけど……」

そう言って石塚の正面に移動した難波は、ぎょっとして尻もちをついた。

時空に切り取られたプテラノドンは、前後ともに断面が丸見えになっていたのだ!

難波「グロすぎ! ケロロ軍曹のパロディAVじゃないんだからっもぉ〜〜」

嫌がる難波とは対照的に、石塚は目を輝かせていた。

石塚「かっこいいじゃない! プテラノドンの断面のある生活、最高に違いないわ!」

難波「よく正気でいられるな……」

石塚「あったりまえじゃない。って難波くん、うじゃけた顔してどしたの?」

難波ははっとした。

うじゃかしに来たはずが、逆にうじゃかされてしまったことに、いま気がついたのだ。

最も屈辱的なセリフを投げかけられ、目を覚ました難波。

難波「そうだよな。悩んでばかりじゃ動く歩道は開けない」

石塚「そうと決まれば、やることは一つ」

難波&石塚「路上ライブだっ」

拳をカチ合わせた二人。

難波はピアニカ、石塚は鉄琴を持ち寄り、青梅線・河辺駅のペデストリアンデッキに集合した。

出雲旅行の際に拾った謎の楽譜をそのまま演奏し、初回の集客はまずまずだった。

プテラノドンの断面を傍に携えた鉄琴ボーカル。その話題性は凄まじく、瞬く間にお客さんは増えていった。

現代の人間目線でもグロすぎる恐竜の断面は、年頃の中学生の興味を惹き、各地の中学校では「鉄琴ボーカルとか好きそう」という罵倒が幅広く用いられた。

「あんなものは幼稚園のクリスマスパーティーだ」というヤフコメもあったが、結成三年目にはおひねりにホワイトハウスの合鍵が投げ込まれるまでに成長していた。

そしてついに、レコーディング会社を名乗る謎の男にスカウトされた。

男はどこからどう見ても20世紀少年のともだちだったが、二人は嬉しさでいっぱいだった。

初のクセスゴ出演からトントン拍子でタイアップが決まり、流れるように武道館が決まった。

あまりにも流れるようすぎて、一回全ての新聞の社説の欄が、流し素麺の上を滑っていく石塚と難波を各国の首脳が箸と麺つゆで待ち構えている風刺画で埋め尽くされた日があったほどだ。

割れんばかりの拍手と歓声、ファンファーレと熱狂。

日本中を震撼させた名もなき鉄琴ボーカルは、その最大の特徴から「Officialプテ断dism」としてデビューし、ファンからは「オフィズム」という愛称で呼ばれていた。

石塚「聞いてください」

イントロと共に、会場は湧く。

🎵 珍棒から 溢れ出した声で

ファンA「武道館ライブの一曲目に最低な替え歌を持ってくる度胸!」

ファンB「世間に逆行する、何者にも縛られないオフィズムは最高だぜ!」

大学生なった中学生たちが、あの頃の心のままで涙を流している。

🎵 届け ジュラ紀じゃなくていい

自らのしょうもなさに酔いしれる難波は、サビで石塚にキスをした。

石塚「口クサっ」

 ☆☆NICEうじゃけ!☆☆

素晴らし。

これは”理解ってる”人のうじゃかしですわ。

ここまでホップ、ステップ、と来てますからね。

最後、頼みますよ!

VTR、スタ〜〜ッッッ〜〜〜〜ッ〜〜ト。

Scene-3 : 家庭教師

——20XX年、春、都内某区某輪台5-13-8。

今回のうじゃかしボーイ・林田林田 林田林田林田 (りんだりんだ りんだりんだりんだ) は、大学生活一発目のアルバイトに家庭教師を選んだ。

呼吸を整えてインターホンを押すと、中から絵に描いたような熟女が出迎えてくれた。

色のムラ、ところどころにある塗りつぶし漏れ、なによりその奥行きの無さ、どこからどうみても絵に描いている。

熟女「林田先生、よろしくお願いいたします。それにしてもその肩幅、ネットの広告で見た通りだわ〜」

林田「奥様、あれは漫画の広告です。奥様のスマホにも表示されてるんですね」

他愛もない話をしながら、家の奥に設置されたリズム天国のシーソーに乗って、子供部屋のある四階まで一気に到着した。

熟女「入るわよ〜?」

熟女が扉を開け、林田はしずしずと入室する。

林田「こんにちは。ワシがカテキョの林田や、おんどれの勉強ビシバシ鍛えたるさかい、よろしゅう頼んます」

カンペを棒読みし、林田は深々と土下座する。

??「顔上げなよ」

少女に言われ、林田は顔オブジェクトのy座標を+48した。

少女「あんたが私の先生? なんか頼りなさそ〜だけど、ま、よろしくね」

この少女こそが、今回のうじゃけガール・久遠 十代不足茶乃 (くえん てぃんたらんてぃーの) である。

気は強いがポッ拳は弱い、どこにでもいる普通の女の子だ。

熟女「あとは先生、お願いしますね」

熟女が退室し、いよいよ二人きりになった。やはりこの瞬間の緊張感は計り知れない。

富岳が本気出せば計り知れるらしいが、林田はそんなはずないと信じている。

人間の気持ちが機械なんかに割り出されてたまるか。

誰がなんと言おうと、この気持ちは俺にしか分からないのだ。

技術は悪だ。あと石原良純も悪だ。

久遠「良純が何をしたっていうのよ」

林田「ハッ」

久遠「まったく、分かりやすい男なんだから。ぼーっとしてないで、授業始めて」

林田「ぐう正論」

林田はテキストを開き、授業を始めた。

久遠の理解力の高さもあって授業はスイスイ進み、二位の選手に四秒差をつけてラストの自由形に入った。

久遠「チョー気持ちいい」

知識の海の一部を切り取った、学習指導要領というプールを泳ぐ久遠は、早くもそのセリフを思い浮かべていた。

久遠は泳ぐ。

水をかき分け、前へ前へと泳いでいく。

久遠「なんも言えねえ」

これはただの事実である。息継ぎするだけで大変なのだから。

林田「よし、一位だっ!」

久遠がゴールに触れた瞬間、タイムと共に日本の国旗が表示された。

歓喜に湧く客席。

しかし、ある観客の一言により、その波は突如鎮まった。

ある観客「ちょっと待って、あれ、日本の国旗じゃない!」

一同「な、なんだってー!?」

よく見ると、キレイなはずの日の丸の形が妙に崩れている。

ある観客「あ、あれは……」

バレてしまった。もう逃げられないことを悟り、うつむく久遠。

久遠「キッショ。なんで細かい、そういう……判別とか、つくんだよ」

林田「なんだそれは、白状しろ!」

久遠「お……」

一同「お……?」

久遠「男梅のカリカリうんこですっ!!」

(エコー)

ざわつく会場。

林田「い、今なんて……?」

久遠「男梅が排泄する、硬〜いコロコロウンチですよぉっ!!」

ある観客「数あるクソバカムーブの中でも、コロ便は一級国辱罪に相当する。これはもしかすると……」

林田「もしかするかもしれんな」

連行される久遠。

大きなスクリーンがある、真っ暗な部屋に入れられた。

🥁デン、デン、デン、デン、デンデン

🥁デン、デン、デン、デン、

🎺ファ〜

🎺ボッパッパッ、ボッパッパッ、ボッパッパッ、ボッパッパッ

碇ゲンドウ「十代不足茶乃」

久遠「父さん」

碇ゲンドウ「十代不足茶乃、お前も一流芸能人なら、ABCのうち最も高級だと思う飛行機に乗れえ」

久遠「な、なんだって……?」

まばたきの間に、久遠は六本木のスタジオ内に座っていた。

格付けチェック【飛行機】

浜ちゃん横のアナウンサー「今回の正解は、こちら」

(過剰に光が足されてる座席)

浜横「最高級航空、セレブリティ1周してアナル金箔エアラインの、超超プラチナ激アツ大出世クラス、お値段はお一人様につき全財産(税抜)です」

浜「お前からすればポケットマネーやろ?」

浜横「そして、ワンランク降格となるのが、こちら」

(無加工の普通の座席)

浜横「格安航空、飛ぶだけエアラインの、立ってろっていうのもアレだからクラス、お値段は男5000円、女子は2000円です」

浜「いや、こんなんw」

浜横「そして、絶対アカン! 一発退場となるのが、こちら」

(カメラが切り替わり、陣内ドアップ)

陣内「いやワシやないかい!」

浜「ナハハw 飛べもせえへんやろこんなもんw」

挑戦者が指名され、別室へ移動する。

ここまで一度も間違えていない久遠は、まだ金の甲冑の上下を身につけている。

ナレーション「続いて挑戦するのは、一流芸能人の久遠。果たして、見切り発車で短歌を詠んでしまうのか~!?」

まずはAのシート。

久遠「うーん、まだ分からないですね」

次にBのシート。

久遠「はいはいはい」

最後にCのシート。

久遠「ほお〜、二つ…ま、で、は、絞れた」

既に答えを知っているスタジオ「ケツから出てきて一番面白いものって何ですかね?」「何だろう…考えれば考えるほど、ウンコしかないんだよなあ」「せやせやw」

ナレーション「久遠、どちらを選ぶ〜!?」

久遠「Bに座った時だけ、妙な温もりがあったんですよ。化学の産物ではなく、しっかりと人間の血が通っている感覚」

久遠の考察を聞きながら、相方の林田は全力で祈る。

久遠「それでまあ、普通だったらそれが陣内智則だと思うんですけど……」

林田「普通でいいんだよ!普通で!」

久遠「ビジネスで疲れた身体の癒すのに最適なのは、人肌の温もりじゃないかと思うんですよね。それをもう、最新技術で再現できるところまで来てるんじゃないかという予想で、私の答えは……」

林田「ああっ!」

久遠「Bで!」

林田「キィィアアアアアァァァァァァァァァァ」

浜「うるさいてw」

ボン(消滅)

久遠の考えすぎにより、二人の出番はここで終了となった。

消滅した二人は、知らない森の上空に転送された。

林田「なんだこれ!?」

久遠「どこよここ!?」

困惑する二人だったが、ケツに温もりを感じて正気に戻った。

久遠「そうか、ここは……」

陣内「どこ行くねーん! ワシ、どこ行くねーん!!」

久遠の回答によって、陣内智則の飛行機能が開発された世界線。

人々は「アンアンアン とっても大好き」という人類共通の夢を叶えた陣内の姿に感動し「陣内智則人間コンテスト」を開催した。

第8回となる今回は、応募総数3088機。

レベルが高くなりすぎた今大会では、性能の高さが会場のキャパを大きく上回り、コースアウトしてしまう機体が現れた。

二人が転送されたのは、そんな悲しき陣スターのビジネスクラス。

琵琶湖畔を発ち、いつの間にかオランダはアムステルダム上空を飛び回る陣スターに、地上からも多くのエールが寄せられた。

「がんばってください あなたは陣類のきぼうです」

「久しぶり! このすばの映画見た? あれほんま見た方がええで、めっちゃおもろいw」

「撃ち落とすぞ」

陣内「みんなありがとうな……ワシは負けへんぞ、エンタの神様以外も出たるっ!」

林田「そうだ、その意気だ!」

久遠「飛びなさい陣内! まだ誰も見たことない、笑いの飛行機雲クリエイターになるのよ!」

腕をぶん回す陣内。

機体は物凄いスピードで日本に近づいていく。

久遠「もう最っ高。……ん? どうしたの、林田?」

林田「や、やばい……。映す価値なしになったら、すぐトイレ休憩があると思ってたから……」

久遠「嘘でしょ……。我慢しなさい! 何があっても絶対に!」

陣内「やめろよ! ほんまにやめろよ! フリちゃうからな!」

林田「うっ……ううっ……」

陣内「アカン! 兄さんこれホンマにアカンやつですって!」

林田「うああああああああ」

久遠「やめてえええええええ」

🎵 空に 憧れて

相音「おい吉崎、空見てみろよ」

吉崎「見てるわよ。変な雲ね、まるで空が埋葬されていくみたい」

🎵 空を かけてゆく

難波「世界の始まりって、きっとこんな景色だったのかもな」

石塚「もう、大袈裟なんだから」

🎵 あの子の 命は

久遠「何してるの、早く止めてよ! 今すぐに!」

林田「止めてで止まるならとっくに止めてるっつーの!!」

🎵 ひこうき雲〜

大会の司会「飛び立ったまま行方をくらました機体が今、130時間ぶりにこの琵琶湖に戻ってきました! みなさま、盛大な拍手でお迎えください!」

林田「ゼェゼェ……」

久遠「なんとか……なんとかなったわね……」

陣内「もうええわ! やめさしてもらうわ!」

大会の結果はぶっちぎりの一位。

表彰台でトロフィーを受け取る陣内は、笑っているようでも、泣いているようでもあった。

林田「はぁ……久遠……」

久遠「なによ」

林田「うじゃけた顔してどしたの?」


 ☆☆NICEうじゃけ!☆☆

もう、泣かせるやいっ!

素晴らしいっ、素晴らしいうじゃかしだよっ!

びえええええええええええんんん!

グスン……。

スッ

こんなもんでいいすか?

あ、もうちょっと、尺。

分かりました。じゃ、泣くところからで、はい。

ふぅ……。

びええええええええええええええええええええんんん!

ひぃんっ……ひぃんっ……

グスッ……スッ……

ひぃぃぃあああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

さいごに

うじゃかしテクは習得できたかな?

これでキミも今日からモテモテ間違いなし!

また次回の記事でお会いしましょう!

何、時間の無駄?

おい、言ったな

来いよ

来れんのかよ

来てどうすんだよ

おう、来て、そんで?

膝の、裏を……

あ〜くすぐったい!やべ!こちょばい!こちょばゆです〜っ!!

は?

なに見てんだよ

いや、なに見てんだって

昔のレッドカーペット?

あ〜、いま見ると結構面白いよな

うわ、バナナマン若いな~

※記事の内容は全てフィクションであり、実在の団体等とは一切関係ありません。

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