何よりも、皮肉な歌
正直、皮肉を混じえた歌は沢山あります。ボカロなら尚更です
数え切れないほどの曲数がありますから
その中でも、かなり皮肉を混じえて
今思うと何より気持ちが悪い曲
パラジクロロベンゼン
アンチクロロベンゼン
これらの曲の思い出と、今思うことを語らせてください。
ベンゼンシリーズで初めて聞いたのは
パラジクロロベンゼンでした。
まだVOCALOIDというものを知ったばかりで中学3年、15歳の歳でした
15歳で10年前ですからまだSNSもGREEとかが主流だった頃。
ネット用語(主に2ちゃん)はある程度知ってましたが、自由にネットが使えなかったのもあり『アンチ』というものにかなり疎く
何となく、荒らしたりする人が居るんだなぁくらいに思っていました。
アンチ?と言っていいのか分からないですが荒れた(ある意味伝説)というと
某サッカーゲームの人気投票の件かな
私もこのゲームは好きでアニメも毎週見てて友人と傍から見て気持ち悪い会話を学校でしてました。
私や友人は面白いこと起きてるぞっていうネタとして笑っていたのでそこまで負の感情もありませんでした。現役で腐女子なんですがね……
前置きが長すぎてしまった
つまり単純に『なんか病んでてカッコイイ』という感想だったんです。
中学生の感想なんてそんなもんですよ
その後すぐに『ベンゼンシリーズ』という前二作を知り、それもまた不思議な曲で身内で流行ってました。
探偵弱音ハクの憂鬱とかもちょうどこの辺りに聞いてましたがその話は一旦置いておき。
1年後にアンチクロロベンゼンが投稿され、その時も高一でしたので
「パラジクロロベンゼンのアンサーソング?」
「カラオケで歌いにくい曲だなぁ」
「でもやっぱかっこよくて好き」
っていう小並感。
考察とか見ててもよく分からないし、当時は『パラジクロロベンゼン』に対するアンチソングという印象でした。
そして10年が経ち
作者のガルナ(オワタP)さんがブログで当時のことを綴られているのを先程拝見して、やっと腑に落ちました
http://garunan.sblo.jp/s/article/186573447.html
『パラジクロロベンゼンは当時、何にでも叩いていたアンチの事を書いた曲』
噛み砕くとこういうことで
『アンチクロロベンゼンはアンチに対して正義を振りかざす、正義厨』
『つまりどちらも迷惑なもの』
それを踏まえた上で、数年ぶりにMVを観に行きました
……しっかり動画で伝えてるじゃん。
理解できなかった過去の自分が不思議なくらいにストン、と入っていきました
「何もかもが嫌になって逃げ出した子の歌なのかな」なんて馬鹿なこと。
最初から理解出来てなかったんだな、そりゃガルナさんも複雑な感情を持つのもわかる。
『アンチの考えていることが分からない』からそれを題材に問いかける曲を作ったのに
ある意味表向きな解釈で『神曲だ!』と絶賛する声がとにかく多いんだもの
コメントを見ても、曲の真意に対する感想はほぼなくて未だに昔と変わらない。
そもそも、大半の人はブログまで見ないだろうし気づかないまま消費されていくんだろうな……勿体ない。
『アンチクロロベンゼン』のどちらを選ぶ?という最後の選択肢も、未だに曲の好みはどっち派?と捉えられている。多分。
だからこそ、『トルエン』で『裏解釈』という意味で謎解きをさせようとしたのかな、なんて
そこまで紆余曲折した解釈がひとり歩きするなら、自分の考えていることなんてわからないだろ。謎解きにしたら本当の意味に気づけるか?
もしかしたら、どっちにしろ10周年的な節目で当時の曲の真意を語るつもりだったのかも。
だからこそ、『トルエン』の真意がわかる頃にはもう答えは出ているだろう?というシナリオなのかもしれない。
事実、きりたんAIのカバーで大体の歌詞が判明したり、『阿吽』という曲でヒントを示したり。
おかげで一気に解読が進んでちょっと感動しました。攻略班の方々、何年もお疲れ様です。
話を戻して、最近思うことがありまして。
SNSの普及等で、アンチや正義厨がかなり表立ってきてるこの時代……
昨日、とあるゲームの大会の配信をリアルタイムで見ていました。
コメントが流れているので追いかけてみると
ちょっとミスをしたら叩き、巻き返したと思ったら手のひら返しで。でもまたすぐ叩く。
決勝大会なので勿論、上手い方々で私なんて足元にも及ばないというのに、とにかく挙動ひとつ全てにいちゃもんをつける。
匿名だからバレないとでも思ってイキっている人が沢山いて、見てて気持ち悪かった。
そんな矢先にこの曲の真意を知った時、正にこれだと思いました。ガルナさんが感じた当時の疑問、気持ち悪さ。今とても実感している
10年経っても変わらず、さらに悪化していく世の中にウンザリして。クソリプ溢れるSNSに引っ付いて。あぁ、気持ち悪い。
そんな思いで改めて『パラジクロロベンゼン』をMVと共に聞いて、やっと共感できた気がします。
80%は曲の意味を理解出来たと自負している。
これでも解釈違いが起きていたら申し訳ないですが。
皮肉を混じえた曲は多いけれど、未だに真意が伝わらないまま賞賛されるこの曲が(私の知る中で)一番皮肉だなぁと思って、最近の心境も含めて書き殴ってみました。
トルエンの『絶対に(期間内に)殿堂入りさせない』『最高のシーンで、最低な結果を』というのも、『この歌に意味はあるよ』というのも、全部皮肉からきているんだろうなと、薄々感じてます
違ったら恥ずかしい。。
ベンゼンシリーズは私にとって、一番考えさせられる楽曲達でした。
他のシリーズを全て聞いていないので、改めて聴いたら面白いかもしれないですね。巡回してきます!