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建築家 ザハ・ハディド
皆さんは、「ザハ・ハディド」と聞くと、現在の国立競技場の前のデザインを考えた人というイメージがあると思います。
あの奇抜で、未来的なフォルムは一度見たら忘れられないものです。
そんな彼女だからこそ、ある異名があります。「アンビルドの女王」です。
200年先を行っていると称される彼女のデザインは、3D CAD技術が普及するまで、建築不可能でした。
建てられないけどアイデアは素晴らしいとの意味を込めて「アンビルドの女王」と称されていたのです。
それが、2000年を過ぎたあたりから、3D CAD技術の進歩により現実に建てられるようになりました。
まさしく、彼女の宇宙的なデザインは人々の心を捉え、一躍スター建築家の仲間入りを果たしました。
そんな時に浮上したのが、東京オリンピックにおける国立競技場コンペだったのです。
宇宙的なデザインの負の側面として、地域の場所性や伝統を全く考慮しないというデメリットがあるので、あの案は日本人からは受け入れられませんでしたが、彼女の世界的名声は現在もほぼ揺らいでいません。
四角いキューブ上のビルが乱立した20世紀建築への、アンチテーゼとしての彼女の役割は非常に大きいものがあったと思います。
これからも建築学科の学生は、一度は彼女のデザインを学んでいくであろう、そんな巨匠です。