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◆5月◆ 自分の甘さを思い知る

 5月になってから、どうにもスロの調子がよくない。GW中はどうせバリバリの回収営業だろうと考えて、プライベートのスロは週明けの月曜日からスタートしたのだけど、最も出玉状況がシブい時期を意識的にスルーしたにもかかわらず、5月20日現在の月間収支は何とマイナス18万3千円。つまるところ、たかだか十日間かそこらで先月までコツコツと積み重ねてきた勝ち金の半分以上を溶かしたのである。

 それだけならば問題はない。いや、問題なくはないけれど、何が原因で勝てないのかがはっきりしていれば対処法は自ずとわかるはずだ。ところが、今回に限っては勝てなくなった原因に全く心当たりがないのである。4月までの自分の立ち回りは、基本的に鬼武者の設定上げ狙いだった。まずはデータロボで数日間の出玉状況をチェックして狙い台を決め、フェイク前兆の発生状況から設定変更を読んで「これなら間違いない」という台でのみ勝負をしてきた。早い話が、押忍!番長における設定上げ狙いを鬼武者にアレンジして行ってきたのだが、不思議とこれが上手くいった。何しろ、番長のような人気機種では朝イチにデータロボをチェックするような余裕はないが、客付きが落ち着いている鬼武者ならじっくりと台を吟味していても間に合うのだ。…で、実際にこれで結果を残せたから今月も同じ立ち回りをしてたのに、何故だか一度も景品交換所に辿り着けないのである。

 そして、思い悩んだ末に必勝ガイド7の高梨プロに相談してみたところ、本当にこっぴどく怒られてしまった。

「そもそも、お店に来てから台選びをするとはどういうことですか。翌日の狙い台は必ず前夜に下見をして、第3候補くらいまで決めておかなくちゃ。私だって今日の夜にキッチリと下見をしておかなければ、明日の朝から打てる台なんてないんですから。それと、思い込みは危険です。同じ立ち回りで勝てなくなったなら、きっと何かが変化してるはずですよ。そんなこともわからないなら、広石さんはパチスロをヤメた方が良いんじゃないですか?」

 ここまで言われてしまうと、さすがに自分にも意地がある。明日はキッチリと下見して闘おうじゃないですか!

【5月22日(火) 曇り/晴れ】

 今日のN店は『押忍!番長』のイベントで、高設定を大量に投入ということである。もちろん、昨夜に下見をした時点でその情報は仕入れているし、狙い台も3台に絞っている。そんなわけで、朝イチはデータロボのお世話になることなく狙い台に向かって猛ダッシュ。第1候補台をゲットすることに成功した。

 この台は数日間ずっとビッグ回数が1桁と低迷しており、設定を上げるならばイベントデーの今日がベストのタイミングだと読んだわけだが、朝イチ3Kで特訓に突入すると、何とそのままビッグを放出した。この台は前日にビッグ後128Gでヤメているから、純ハズレでも引き当てたのでない限り設定変更が濃厚。なるほど、高梨さんは毎日こうやってるんだ…と思ったところでゾーン抜け直後にチェリー解除が炸裂して、そこから天国ループで約3千枚をゲットした。こうなれば、もはや何も迷うことはない。後はひたすらブン回して、終日打ち切るだけだ。

 ところが、そこはやはり打ち手のヒキが勝敗を左右する番長である。ここから先は思うように特定役を引けず、ST解除に結びついたサンプルからの天国移行率は5─1。MAXで3千枚あったコインは瞬く間に呑まれ、買い足しの末に天井バケ単を喰らって心が折れた。出方は明確な奇数設定(多分5だと思う)。残念ながら結果はついてこなかったけど、下見を欠かさなければいつかは結果が出ると信じたい。

本日の収支
マイナス1万4千円

【5月23日(水) 曇り/雨】

 今日のイベント機種は『パチスロ北斗の拳』である。以前の自分からは考えられないが、昨日は一旦家に帰った後、夜になって再びN店に訪れて翌日のイベントと狙い台の候補をチェックした。N店では朝イチにイベント対象機種が一気に埋まるのだが、最初から狙い台が決まっていれば慌てることもない。今日は第2候補の台を取れたので、とりあえずは納得いくまで勝負してみるつもりだ。

 そんなわけで打ち始めると、とにかく無茶苦茶にスイカ&チェリーの落ちが良い。朝イチの高確スタートこそ確認できなかったものの、投資10Kで初BBにヒットした時点での特定役出現率は驚異の35・5分の1。もしかして単なる上ムラかも…と考えたのはネガティブシンキングで生きている自分には仕方のないことだが、そこから先も特定役の出現率は一向にダウンする気配がなく、2500Gを消化した時点でのそれは約37分の1に落ち着いているのである。これならもう設定6であることに疑いの余地はなかろう。

 しかし、どうにも出方がおかしいと感じるのは気のせいか? 推定スイカBからは高確に移行するし、そこで2枚チェリーを引けば当然のことながらBBにヒットする。なのに、BB終了後に全く高確からスタートしないのは何故だろう。ここまで初当りBBを7回引き当てて、終了後に高確スタートを確認出来たのはゼロ。いや、朝イチのリセットを含めると8─0である。たまたま高確を見抜けないままに転落した可能性をさっぴいても、これだけ高確スタートのない北斗を打つのは個人的に初めての経験だ。しかも、設定1を打っているのならまだしも、特定役の出現率は明らかに6。先程から心の中で誰かがしきりに警鐘を鳴らしていることだし、残念だけど今日はこれで退くことにします。おそらくは自分のヒキ弱が原因だとは思うけど、疑心暗鬼に陥ったら勝負にならないのよ。

本日の収支
マイナス3万3千円

【5月27日(土) 雨】

 仕事が立て込んでいて3日間ほどブランクを作ってしまったが、このまま一方的にマイナスを叩いて月を終えるのは気分が悪い。そんなわけで、原稿の〆切りに追われながらも何とか時間を作ってN店へ。

 昨夜下見したところによると、今日のイベントは「全機種・全パネルに金設定を大量投下」。つまり、機種対象のイベントではない。となると、やっぱり足が向くのは勝手知ったる『鬼武者3』のシマとなり、例によって数日間ずっと出ていなかった表カドを押さえた。

 打ち始めると、何だか妙に液晶画面が騒がしい。もしやこれは…と思う間もなく信長との対決に発展し、3G後の逃走画面でBETを叩くと百鬼モードに突入した。鬼武者では、リセットまたはボーナス後の16G以内に百鬼モードに突入すれば本前兆が確定するという特徴があり(特定役を引かずに突入することが条件)、おそるおそる頭上のゲーム数カウンターを見上げたところ、そこに刻まれた数字はギリギリの16G。つまり、この百鬼でボーナスを放出しなければ設定据え置きがほぼ確定。もしも放出すれば、リセット=設定上げの可能性が極めて濃厚になる。そして、祈るような気持ちでプレイしたのが良かったのか、ブレインスタンとの対決に発展してものの見事に明智左馬介が勝利した。

 勝った…と思った。先日打った番長も北斗も、高設定の可能性が高かったことだけは事実だが、それを断言するだけの材料が完璧に揃ってはいなかったのもまた事実である。しかし、鬼武者の前日凹み台がリセットボーナスを放出したとなると、ほぼ確実に設定上げと考えられる。現実に、先月まではそうやってプラスを積み上げて来たのだ。

 はやる気持ちを押し隠してビッグを消化すると、次は連チャンゾーンにこそ引っ掛からなかったものの、7Kの買い足しで特定役解除からビッグ。そして次は天国B確定の千鬼モードからビッグを放出したのである。これで、丸一日勝負の態勢は整ったと言える。

 しかし、この直後に千鬼がループしたとなると大問題だ。1回程度のループであればまだ「ヒキが強かった」の一言で片づけられるけど、5回もループしたとなるとさすがに高設定の可能性はなくなってしまう。おそらく設定1と考えて間違いないのではないか?

 この瞬間に全ての謎が氷解した。N店は今月になって、低設定の打ち直しを行うようになったのだろう。これで先月と同じ立ち回りをしていては勝てないわけである。「同じ立ち回りで勝てなくなったなら、きっと何かが変化しているはず」と言い切った高梨プロの炯眼に感服するとともに、自分自身の甘さを嫌というほど思い知った。

 そんなわけで、連チャン終了即ヤメで店を後にしたのだが、考えれば考えるほど気分が落ち込んでいく。なので無駄な行為と知りつつも、近くの店にあった『梅松ダイナマイトウェーブ』を心ゆくまで未練打ち。結果的にここでは今月の不振の辻褄を合わせるような大連チャンが発生して、3千枚近いコインを獲得することができたのだけど、問題はこの店がパチ屋でもスロ専門店でもなくゲーセンだったことである。

本日の収支
プラス4万3千円

5月のトータル収支
マイナス18万9千5百円


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