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◆11月◆ いい夫婦の日に大勝ち!

 いやはや、はっきり言って自分の手には負えないようです。何がって、秘宝伝ですよ秘宝伝。このヒトデ頭の小僧とノコギリ頭の女子ときたら、どうして期待を裏切りまくるんですかね?

 前号の浮草家計簿を脱稿したのが、忘れもしない10月30日の朝8時。この時点では間違いなく10月の月間収支はプラスだったのに、そのまま一睡もせずに某店の秘宝伝イベントに参加した結果がマイナス18Kである。さらに翌31日も、リベンジを果たすべく打った高設定確定札の付いた秘宝伝でまさかまさかのマイナス50K。この2日間で68Kもの負債を抱え、誌面上に掲載した収支と実際の収支が大幅に異なる結果となってしまった。

 この点に関しては〆切りの都合上いたしかたなかったとは言え、まずは読者の皆さんに丁重にお詫びしたい。それにしても、2日間ともビッグ中のハズレ出現率を見る限り少なくとも設定4以上はあったのに、放出されるボーナスのBR比率が1:4なのはどうしたことだろう。これはもう、設定云々ではなく「相性が悪い」としか考えられないではないか。ゲーム性が魅力的なので我慢して打ってきたけど、もう秘宝伝からは卒業しようと思います。

【11月8日(水) 晴れ】

 今日は自分がホームグラウンドにしているN店が「秘宝伝オール設定6」のイベントを行っている。しかし、ヒトデ頭を見るのも嫌になっていたので、朝イチの抽選入場でそこそこ若い番号を引き当てたにもかかわらず、向かった先は例によって鬼武者のシマだった。

 このところN店は日替わりでオール設定6のシマを用意しており、昨日は他ならぬ鬼武者がその対象。そんな激アツの日に限って仕事で打てなかったのはともかく、イベント対象外の日に朝イチから鬼武者に座る酔狂な客は皆無なのでリセットは取り放題である。そんなわけで片っ端から回すつもりだったのだけど、最初に座ったカド台では意外なことにリセットの挙動を確認できず。しかも、のっけからスイカ&チェリーが出現しまくって、投資7Kで引き当てたスイカB解除を皮切りに特定役解除のオンパレードである。

 あらら、もしかして据え置いちゃったのかしら? その後、2度の買い足しで総投資は10Kに膨らんだが、千G消化時点でスイカもチェリーも設定6の内部出現率を上回っているのだ。こうなると何が何でも打ち続けるしかないわけで、気合いを入れてブン回したところ以後も特定役の出現率は極めて良好。3千Gで合算36分の1の出現率をキープしている以上、もはや6であることに疑いの余地はあるまい。

 ところが、わけのわからないことに4千Gを過ぎたあたりから特定役の出現率が急激にダウン。そのままK点を超えたところで、単なる小役の引き強だったと理解した。まぁ一応の日当は出たので文句はないが、言うまでもなくただの運勝ちである。もっとも、それが相性の良さだと言えばそれまでだけど。

本日の収支
プラス6万5千円

【11月11日(土) 雨】

 朝イチにN店から、もの凄くそそられる内容のイベントメールが届いた。

《本日は年に一度の特別な日。月日が揃いしプレミアムイベントを開催!》

 N店は日付に関連したイベントをよく行うのだが、そうした場合にはほぼ例外なく「末尾○番がオール設定6」というパターンだった。前例から察するに、おそらく今日は「末尾1」が全6なのだろう。これを見た瞬間についつい魔が差して、週明けの月曜日にガイド12月号の〆切りを1本抱えているにもかかわらず、朝イチのシャッフル抽選に参加する気になった。どのみち今日はクジ運が全てだから、若い番号の入場券を引けなければ家にUターンして原稿を書けばいいだけの話だ。

 抽選開始は9時01分。普段のイベントでは多くても50人くらいしか並ばないのに、今日に限っては最低でも2百人近い客が今や遅しと抽選順番が来るのを待ちわびている。そんな中、自分の抽選補助券(朝イチの並び順に配る整理券)は99番だったので半ば諦めていたのだが、抽選箱に手を入れて最初に指に触れた紙を引き抜くと、書かれていた番号は「1番」だった。

 さて、どうしよう…。思いもかけずポールポジションを射止めてしまったけれど、この大勝ちの大チャンスに何を打つべきか。開店待ちの列のトップに並び直して思案していると、後ろに並んだ男性客数人が話しかけてきた。

「貴方はどのシマに行かれますか?」

 なるほど、6確の「末尾1」は十数台しかないから、狙い台がバッティングしないように話し合ってるわけだ。これが暗黙のルールというわけね。そして思わず喉から出かかった「僕は鬼武者に…」という言葉を飲み込んで、即座に自分は次のように答えていた。

「せっかくだから銭形を打ちますよ」

 それを聞いた彼らはさも納得したという表情で、2番の男性はおそ松に、3番の男性は秘宝伝に、4番の男性はジャグラーに向かうと確認しあった。

 そして開店時刻。トップ入場の客はそれぞれが目当てのシマへと走り、当然のことながら自分も末尾1の『主役は銭形』に座ったのだけど、何故だか妙に後ろめたさが残る。どうして自分は鬼武者に行くと言わなかったのだろう? 鬼武者が高設定を期待できない時に他機種を打つなら全く問題ないが、今日は6が確実にある状況でしかもそれを打つことが十分に可能だったのである。あれだけ愛した鬼武者を、単に銭形よりも機械割が見劣りするという理由で裏切ったのか? 結局はカネなのか?

 この自問自答は銭形が明らかな設定6の挙動でドル箱を重ねても続き、気がつけば閉店時刻。大きく出玉が跳ねたりせず、ほぼ機械割通りの勝ち金に終わったことが、鬼武者に対するせめてもの罪滅ぼしである。

本日の収支
プラス7万5百円

【11月22日(水) 晴れ】

 このところ、自分は沖ヒカル氏が提唱する「ビクトリーシーズン」に突入しているのかも知れない。銭形の設定6を迷いながら打ったあの日以来ひたすら鬼武者を打ち続け、勝ち金は少ないながらも連戦連勝。お陰さまで年間収支もようやくプラス域に突入した。

 さて、これからが本当の勝負だ…と兜の緒を引き締めたところで、N店から意味深なイベントメールが届いた。

《本日はいい夫婦の日。お楽しみに》

 日本人はこうした語呂合わせが大好きな民族である。例を挙げると、3月3日は「耳の日」、8月7日は「鼻の日」に制定されており、一般には馴染みが薄いが11月22日は「いい夫婦の日」とカレンダーにも書いてある。ともあれ、今日は「いい夫婦」がイベントのキーワードということだから、いつもの末尾系のイベントとは違う。

 結局、あれこれと考えた末に自分が向かったのは、『押忍!番長』のウエディングパネルである(薫先生とマチコ先生はいい夫婦だよね?)。実際、末尾系と踏んでゾロ目の台に走った客もそれなりに居たのだが、そのお陰で入場整理券が26番の自分も全部で7台しかないウエディングパネルを無事に確保することが出来た(しかし最後の1台だった)。さて、どうなることやら?

 ──打ち始め。周囲の台が軒並みリセットフェイクっぽい挙動を示す中で、自分の台は投資4Kの116Gでゲーム数解除のバケからスタート。設定変更後であれば高設定の可能性が高まるゾーンなので、期待感モリモリで続行すると、そのまま天国に上がっていたらしく1Kの追加投資でバケを2発はさんで青7ビッグを放出した(+1G連)。こうなれば後は何も考えずにブン回すだけだ。

 しかし、高設定(おそらくは設定6)を確信したにもかかわらず、初当りのBR比率に泣かされるお約束の展開で買い足しが続く。幸いにして追加投資5Kで一応は喰いついたが、はじまりはいつもバケでは苦戦が強いられる。チャンス目からの特殊前兆でバケ、弁当箱解除でバケ、天国ループもバケ。気がつけばビッグ8回&バケ16回という恥ずかしい履歴を頭上のゲーム数カウンターに刻んでいるではないか!

 ゲーム数解除からも天国に上がり、特定役解除しなければ即落ち…という挙動は明らかに「設定6」だが、果たしてこのまま打ち続けていいものか?

 ところがどっこい、薫先生とマチコ先生は気紛れな「いい夫婦」だった。持ちコインが下皿にさらさらという絶体絶命の状況で奇蹟のステチャン(ステージチェンジ+チャンス目)がズドンとブッ刺さったのを皮切りに、そこから先はBR比率が大逆転。ビッグを引けば赤でも青でもお構いなしに鳴りまくり、REG中にJACハズレが炸裂するというミラクルも重なって、胴上げわっしょいならぬ「ドル箱わっしょい状態」が延々と繰り返される。

 そんなわけで、久々の爆発に酔いしれていたところに妻からメールが…。

《娘をお風呂に入れる時間ですよ。パパもそろそろ帰ってきて下さいネ!》

 そうだね、妻と「いい夫婦」を続けるためにもそろそろ帰りましょうか。

本日の収支
プラス12万8千円

11月のトータル収支
プラス31万1千5百円


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