◆９月◆ 楽あれば苦あり
平成18年も残すところ４ヶ月。年の初めに年間収支プラス百万円の目標を立てたときには、まさかこの時期になってマイナス収支を彷徨っているとは思いもしなかったが、こうなった以上はとりあえず年間収支をプラス域に持っていくことが当面の目標となる。
ところが、９月の終わりに来て、その当面の目標達成すら危うくなりそうな一身上の大事件が起きてしまった。何が事件なのかは、今月の家計簿を読み進めればわかります。さてさて…。
【９月１日（金） 雨】
ガイドＭＡＸ10月号の原稿書きが佳境に突入して、このところ数日間は徹夜の連続だったのだが、今日の朝６時をもって自分の担当頁のライティングは全て終了。これでさしあたりは、何の気兼ねもなく思い切りパチスロを打てる。そんなわけで徹夜疲れも何のその、老いた身体にむち打って一睡もせぬままいつものＮ店へと向かった。
昨夜Ｎ店から送られてきた会員メールによると、本日は押忍！番長の新イベントを開催とのこと。その名も『一本いっとけ！』だそうで、このイベントをネーミングした関係者のギャグ・センスははっきり言ってポロリプロと大差ない気もするが、新イベントである以上は過去のイベント以上に高設定を投入するに違いない。ならば、ここはやはり番長を打つのが正解だと思った。
ところが、いざ開店してみると番長のシマに向かう先客はまばら。何だか妙に不安になって、ついつい勝手知ったる『鬼武者３』に逃げてしまった。まぁ、店内に張り出しているイベント案内ポスターを見る限り、今日は「全機種・全パネルにＭＡＸ設定を大量投入」しているらしいので問題はないだろう。
そんなわけで性懲りもなく鬼武者から打ち始めたのだが、設定上げ狙いで座ったカド台は一打目にリールがブルらなかったので即座に台移動。Ｎ店は設定変更後にリールを回すときと回さないときがあり、もちろんこれだけで設定据え置きと断定することはできないのだけれど、移動できる朝イチ台がある内は他の台の動向を探った方が良いと判断したのだ。でもって、移動先の同じく設定上げ狙いの台では、目論見通りに一打目のリールがガックン。しかも、明らかなリセットの挙動（特定役を引かずにフェイク百鬼に突入）が見て取れたので続行すると、ゾーンを抜ける直前に引いたチャンス目から夕方画面にもならぬまま「アンリを奪い返せ！」に発展し、三つ目＋３連続豹柄扉というＳＴ解除確定演出を経由してビッグを放出した。たまたまチャンス目から薄いところを引いて直撃したのか、それとも純ハズレでも引いたのか定かではないが、とりあえず投資７Ｋといつもに比べてカネを使わずに持ちコインが出来たので一安心。そう思って消化していると、何と小役ゲーム中にチェリーが出現した（天国Ｂに移行＋１Ｇ連のビッグがほぼ確定）。
重ねてラッキーである。これでもし千鬼がループすれば連チャン抜けで即ヤメできる。そして、１Ｇ連で放出されたビッグの消化後におそるおそるＢＥＴボタンを叩いたところ、幸か不幸か千鬼に突入してビッグを放出した。まぁ、ありがちと言えばありがちなオチである。てゆーか、この台は設定上げ狙いで選んだわけだから、思いっきり予想をハズしていたというわけだ。
ともあれ、高設定の可能性がほぼ否定されてしまった以上は出来るだけ千鬼がループして欲しいわけで、祈るような気持ちでプレイを続けたところ、これがまた信じられないくらいに天国Ｂが継続する。これまでの千鬼ループの自己記録は「６連」だったのだが、あっさりとその記録を塗り替えて都合９回ループ。さらに天国Ｂから転落した後も天国Ａをループして、トータルでビッグオンリーの12連チャンに発展したから凄い。途中で店員さんが入れ替わり立ち替わり、しつこく「２箱ほど別積みしてよろしいですか？」と聞いてきたけれど、ゾーンを抜けたら即ヤメするからと言って断り続けた。
結局のところ、ゾーンを抜けて流したコインは６８０２枚。わずか３時間かそこらでこれだけの爆発を見せるとはさすがに天国Ｂの破壊力は凄いが、それすなわち「設定１ｏｒ３」が確定。通常時にチェリーとスイカがまるで落ちなかったことから考えると、設定１と判断してほぼ間違いはないと思う。
それにしても、最初に引いたビッグでチェリーを引いていなかったらと考えるとぞっとする。もっとも、設定１で大勝ちするのはこのパターンしかないわけだから、ツイていたのだけは間違いない。おりしも、天国Ｂへの突入契機は確率８１９２分の１のビッグ中チェリー。早い話が一叩き十万円のＧＯＤ絵柄が揃ったようなものである。
しかし、これでもう打てる台がなくなってしまった。本日のイベント対象機種である押忍！番長で空いてる台はみな低設定くさいし、北斗ＳＥは客付きが悪すぎて全く読めず。秘宝伝は逆に客付きが良すぎて空き台で仕切り直しても期待できない。時計はまだ午後１時をほんの少し回った程度だが、根拠のない台を打ってせっかくの勝ち金を減らすのもバカみたいなので、今日はおとなしく家に帰ることにしますね。
本日の収支
プラス12万９千円
【９月19日（火） 曇り】
「…てなワケで、ＲＫＢ毎日放送（福岡県を放送対象地域とする民放局）のパチスロ番組に呼ばれてるんだけど、ディレクターが大分県の出身者で広石さんにもぜひ出演して欲しいって言ってるのよ。どう、一緒に行かない？」
ういち君からこの話を持ちかけられたときは正直言ってあまり乗り気ではなかったのだけれど、番組の撮影（ういち君＆自分のペアが先方のスタッフとパチスロでガチンコの出玉勝負）を福岡のホールで行い、終了後は撮影をさせて頂いたホールへのお礼に自分たちがマイクパフォーマンスを行うという話を聞いて何となく出演する気になった。
自分はイベントに有名人を呼ぶホールがあまり好きじゃない。出玉以外で客を集めるのははっきり言って邪道。イベントを打つなら正々堂々と出玉で勝負しろよと常々思ってきたのだが、ういち君に「今までイベントに呼ばれたこともないのに、頭ごなしに決めつけるのは良くない」と言われると、少なくとも一度は自分の目で見た上で判断しなければただの食わず嫌いになると考えたのだ。そう、政治に対して文句を言うなら選挙で投票してからにしろ…というのと同じ理屈である。
でもって、実際にマイクを握って感じたのは、この手のイベントも悪くはないということだった。もちろん、中には客を集めてボッタくる鬼のようなホールもあるだろう。しかし、それらはあくまで氷山の一角であり、大半のホールはこうしたイベントの際は気合いを入れて高設定を投入するようだ。今回のホールは元々が高設定を多投する優良店ではあったが、お陰でマイクパフォーマンスは大盛り上がり。番組の撮影も何のトラブルもなく終了し、久々に本気で楽しい時間を過ごせた。
ただ唯一の難点は、撮影の待ち時間に他のホールで打った秘宝伝でコテンパンにヤラれてしまったことである。
本日の収支
マイナス２万円
【９月28日（木） 曇り】
昨日から妻が娘を連れて実家に里帰りしている。実は妻の両親が今年でめでたく銀婚式を迎えることになり、そのお祝いに二泊三日の中国四国旅行をプレゼントしたのだが、実家には犬を二匹飼っているので両親が不在の間は誰かが世話をしなければならない。ならばそこまで面倒を見ろよというわけで、妻と娘が実家に滞在することになったため、今日からしばらく自分は独身貴族である。
こういうシチュエーションにおいて世の多くの妻子持ちは何かよからぬことをたくらむらしいが、悲しいかな自分が真っ先に考えたのは「これで帰宅時間を気にせずに思う存分パチスロを打てる」ということだった。ただし、今日は夕方５時からガイド12月号の企画会議に出席する予定なので、実際に丸一日打てるのは明日だけである。
この貴重な一日に何を打つべきか、今日は朝からそればかりを考えて注意力散漫になっていたのかも知れない。会議が終了した帰り道、何かのはずみで足がもつれ、あっと思った次の瞬間にはゴロゴロと歩道を転げていた。夜９時半の高田馬場につき、人通りが半端なく多い。恥ずかしさのあまり急いでその場を立ち去ったが、この転び方はどこかで見たような…。そうだ、リンの転び方だ。つまり、明日は初代北斗を打てという天のお告げなのか？
この時はそう信じたのだが、翌朝あまりの激痛に堪えかねて病院に行ったところ、左肘靱帯の重度の損傷と診断されてしまった。結局、天のお告げはパチスロを打つなということらしい。
そして翌日、実家での留守番を無事に終えた妻と娘が帰って来た。怪我の理由を「地球と相撲を取って負けた」と言えばきっと笑ってくれると思っていたのだが、現実はさにあらず。左腕を吊った情けない自分の姿を見て、取り乱した妻の顔が妙に印象的だった。
９月のトータル収支
プラス６万２千円
電子書籍はコチラから