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"界 長門"の楽しみ方|風景・食事編
長門湯本で星野旅
この夏の星野旅は長門湯本の温泉街にある「界 長門」。九州を出て少し遠出してきました(8月下旬に訪れた記録です)。
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ロビーの大きな窓の向こうには音信川(おとずれがわ)が流れていて、川沿いを中心に温泉宿が立ち並びます。1時間ほど早く到着したので、駐車場の使用を伝えにロビーへ。窓から差し込む午後の光とラウンジチェアの影が印象的でした。
チェックイン前でしたが、館内を通って川沿いの入口へ案内してもらえたので、そのまましばし温泉街の散策へ。
ご当地風鈴
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途中の通路では、萩焼の風鈴が涼やかな音を奏でていました。初めて聴く焼き物の風鈴の音色は柔らかくて心地よい響き。
ニュースサイトで去年の記事を見つけたのですが、全国の施設で「ご当地風鈴オーケストラ」なるものが登場していたようです。今年の情報はなかったけど、毎年この時期に飾られるなら、ご当地風鈴目当ての夏旅もいいな〜♪
あけぼのカフェ
温泉街を散策…と言っても少し川辺を歩いただけで、トラベルライブラリーでゆっくり休憩することにしました。アラフィフ夫婦なので、体力温存です。
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トラベルライブラリーに行く前に、川に面した「あけぼのカフェ」に立ち寄りました。こちらは界長門に併設されていますが、宿泊者以外も利用できるテイクアウト専門のカフェスタンドです。その右隣は界長門の温泉街側の出入り口、風情があります。
ちなみに、長門湯本は江戸時代に毛利藩の湯治場として栄えた温泉で、その歴史から界長門の宿づくりのテーマは“藩主の御茶屋屋敷”なのだそうです。
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カフェで私が選んだのは、長門の果実 ”ゆずきち”のどら焼きと抹茶ラテ。味も香りも柑橘系のものが好き、そしてご当地のものは食べてみたいので迷わず”ゆずきち”。トラベルライブラリーでくつろぎながらいただきました。
長門五彩の間
チェックインの時間になってロビーへ戻り、スタッフさんと一緒に部屋へ。ご当地部屋「長門五彩の間」は、山口県の伝統工芸 “徳地和紙・萩焼・萩ガラス・大内塗”、そして窓からの風景という5つの特徴(五彩)を盛り込んでいることから名付けられているそうです。
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楽しみにしていたルームキーホルダーは「大内塗(おおうちぬり)」の人形。
大内塗は山口市周辺で作られている漆器です。室町時代、この辺りの守護だった大内氏が、都から漆塗り職人を呼び寄せて漆器を作らせたのが始まりとされています。界長門のルームキーに使われている「大内人形(大内雛)」は特に有名で、にっこり笑顔でおちょぼ口の愛らしい人形は、夫婦円満の象徴なのだそうです。
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インテリアの大内塗。黒いほうは大内家の家紋を模したデザインでしょうか。シンプルで上品な可愛らしさがあります。
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ベッドボードには徳地和紙(とくじわし)が使われています。およそ800年の歴史があると伝わる徳地和紙は、江戸時代には品質の高さが評判となり、「得地紙」と呼ばれて重宝されたそうです。折り染めのデザインも可愛い。 ”かわいい” がたくさん詰まった部屋でした。
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そして、部屋の露天風呂は自然のBGMが素晴らしかった!明るい時間帯は蝉の鳴き声と風鈴の音色、ときどき鳥の声。そして夜は虫の声。それらを聴きながらずっとお湯に浸かっていたいくらい最高の環境でした。
季節の会席
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夕食です。界長門の「ご当地先付け」は”烏賊の二色和え”。烏賊が大好きなのでテンションがあがります。柔らかくねっとりとした食感で甘みのある烏賊と、ウニを一緒に口に入れるとさらにうま味が増して…これを口福というのでしょう。
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宝楽盛り、桶に飾りつけられた和紙も可愛かったです。
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デザートは、さっぱりとした夏みかんあんみつ。特産が夏みかんとか柚子とかゆずきちとか…山口県、よき。(柑橘好き)
ご当地朝食
翌朝のご飯。
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烏賊しゅうまいもある!(烏賊好き)
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珍しいのは「アカモク」のお味噌汁。最近知ったばかりの海藻だったので「お!アカモク!」とつい反応。食物繊維やミネラルなどが豊富で健康によいそうです。
界の風呂敷とお湯印
最後に、界長門の風呂敷とお湯印を。
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アメニティーの風呂敷は施設によって色が違いますが、共通の ”玉がつながるデザイン” は「お客様と界とのご縁がつながりますように」との想いが込められているそうです。また、界長門の風呂敷は「武家屋敷の屋根瓦と長門ゆずきち」をイメージ。渋い鉄紺(てっこん)風の生地に控えめな柑子(こうじ)色の玉。結び方の栞を参考にドロップバッグにしてみました。
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界長門のお湯印は、柑橘(ゆずきち?)と温泉街の川テラス。これまでにいただいた界別府と界雲仙のお湯印と見比べてみると、泉質や水素イオン濃度の違いも興味深い。実際のところ、私にはお湯が ’とろとろ’ か ’さらさら’ か、そんな違いしかわかりませんが(笑)。それぞれの風景を思い出す記憶のお土産です。
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♨︎「体験編」に続きます♨︎