曲レポ:「王道引き継ぎオンコード進行」編
こちらの続き。「曲レポ」とは、「食レポ」のように楽曲を味わい、その良さを言語化する試みです。
今回は引き継ぎオンコードを書きます。
王道引き継ぎオンコード進行とは
まずはいくつか例を出します。
Mr.Children『HANABI』のサビ、1:44-1:53
平井堅『瞳をとじて』のサビ、1:59-2:06
スキマスイッチ『全力少年』のサビ、1:16〜1:24
王道引き継ぎオンコード進行は、IV | V / IV | IIIm | VImのこと
いずれの曲もキーは違いますが、
ディグリーだとIV | V / IV | IIIm | VIm
CメジャーならF | G/F | Em | Am
という進行になっていて、この進行を「王道引き継ぎオンコード進行」と個人的に呼んでいます。
J-POPのいわゆる王道進行(4536進行)が
ディグリーだとIV | V | IIIm | VIm
CメジャーならF | G | Em | Am
ですから、この王道進行の一種で、2つ目のコードがオンコードになっているのがポイントです。
引き継ぎオンコード
引き継ぎオンコードとは、F→G/F、C→Dm/C、Em→Bm(b5)/E、のように、直前のルート音を分母とするオンコードに移行する進行全般のことです。
とはいえ、この王道引き継ぎオンコード進行以外だと、あまり印象に残っているものはないです。
サビ2回し目でIV | V/IV | V#dim | VImというパッシングディミニッシュがあったり、IV | V/IV | VIIm(b5) | VImなんて展開はありそうです。両方4536のバリエーションの範疇かなという印象ですが。
王道進行は前半の明るいドミナントの響きから、後半の暗いトニックの響きという絶妙な曖昧さに深みを感じる進行ですが、V/IVという浮遊感のあるオンコードになることでより曖昧さが強調されている気がします。
ベースを継続するという意味では短いベースペダルポイントと考えられるかもしれません。ベースペダルポイントの進行を聴くと私はワクワク感、期待感、始まるぞという感じがします。
これが王道進行の曖昧さと相まって浮足立った青春的・全能感的・エモさを感じます。これはいままさに青春を謳歌しているようにも、それを懐古しているようにも聴こえるのが不思議なところ。
他の王道引き継ぎオンコード曲
他の例を書きなぐって終わりにする。
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↑落ちサビ
↑落ちサビ
↑ラスサビの途中