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デリヘルの闇について皆に伝えたい⑨

まもなく20分が経つころ


ピンポーン


インターホンが鳴った


インターホンのモニターを見ると
画面いっぱいに知らないおじさんの顔


「ちっ」「はっ~」


舌打ちとため息が同時に出る。男じゃねえかよ


デリヘルを頼んでスタッフが来るパターンがあることは知っていたが


この展開で知らないおじさんが来るとは…


無視をしたいが、無視をするわけにはいかない


「はい」

「範馬様のお宅で間違いないですか」

「そうです」

「料金をとりにお伺いします」


渋々オートロックを開けた後、数秒後に玄関のインターホンが鳴り
ドアを少しだけ開ける


「範馬様ですね。24000円になります」


消えた怒りが再びよみがえる


「15000円だろ」

「うちは24000円と聞いております」

「ちょっと店に確認してもらえるかな。来るの遅いし、料金も違うしどうなってんだよ」

「うちは送迎の委託の会社なので、ご依頼先がわからないんです。お客様からお店に電話していただけますか」


怒りよりも困惑の感情が強くなっていた


「もしもし、今ドライバーがうちに来てて金額が24000円っていわれたんだけど、どうなってんの」

「範馬様ですね。大変お待たせしております。合計金額は送料込み24000円となっております」

「最初15000円って言ったよな」

「プレイ料金が15000円、交通費が9000円となりまして、合計が24000円となっております」

「HPに送料込み70分15000円って書いてあるけど」

「いえ、地域によっては送料がかかりますと記載してるのですが、ご確認されてないですか」


耳からスマホを離してホームページを確認する

確かに小さな文字で地域によっては送料がかかると書いてあるが


俺が見たのは目立つ位置にある

OPEN記念70分15000円送料込みのバナーだ


「地域によっては送料がかかるって書いてあるけど、どの範囲のことを言ってるんだよ」

「それは女の子によって違いまして、人気の子でしたら近いエリアでも送料がかかるシステムになっています」

「OPEN記念70分15000円送料込みって書いてあるから電話したんだけどな」

「OPEN記念の割引は一昨日で終了しておりまして、今は通常営業となっております。大変申し訳ありません」

「じゃあ最初にちゃんとそれを伝えろよ。送料がかかるなんて聞いてねえから」

「聞いてないと言われましても、ホームページに記載していますし、そのようなシステムになっておりますので」

「わかったよ」


一方的に電話を切り、ドライバーに24000円を渡す。


感情が渋滞していて、思考力が低下しているせいか頭がボーッとしていた


数時間前よりも西日が強くなったせいか室温が上がったせいかかもしれない


本当の悪夢はここからだった

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