酔っ払い
たまには酔っ払いにならないとやっていけません。
簡単に言えば憂さ晴らしです。浮世の定めから、ちょいと足を踏み外して、軽く羽目を外してみる。
いいじゃないか、たまには。
人に迷惑をかける訳ではなし。
そうでもしなければ、漱石ではないが「とかくこの世は生き辛い」そんな感じでしょうか。
仕事になれば、仕事の義理、人情がそこにはある。
こうしなければ、ああしてはまずい、あの時こうしておけば良かった。
あれはいささか失敗だった、思うようにならないのがこの世の掟ではないのか?
だから、酒と言う親友に話しかけざるを得ないのだ。
まあ、酒飲みには、酒を飲む言い訳などは無数に湧いて出てくるものですが。
結局は酒を飲んで、この現実世界を遠くに放り投げて、暫しの天国暮らし。
不思議なことにお酒、いや、アルコールには実に不思議なパワーがありますね。
どう言う訳か、飲むと気が楽になってくる。
そして、世の中が楽しいものに見えてきます。
しかも、嫌なこともそんなにたいしたことじゃない、なんて思えてくる。
アルコールが脳のどこにどう働きかけているのかはわからないが、結論、人生が楽になります。
そして、ちょっとしたアイデアが凄いアイデアに感じられてくる。
もしかしたら、私は天才ではないか?なんて平気で思えてしまう。
これが、お酒無しでこう思えたらいいのですが。
やがて、静かな夜明けのように酒も冷めて、あれ?あのアイデアは?
しぼんだ紙風船みたに落ちてきます。
まるで、楽しい夢、いや、実際に楽しい夢だったのでしょう。
でも、こうした繰り返しでなんとか人生をやっていくことができる。
これがほんとのとこではないでしょうか。