山羊のこと

中辺路町に移住してから、ヤギを飼い始めました。6年前の5月です。

山羊は家畜なんですね。保健所には家畜の保有数を毎年報告しています。
我が家は2頭です。
兄のハル君と妹のレインちゃんです。もう人間ならいい加減、君やちゃんという年齢ではないのかも知れないけど。

最初は和歌山県に移住して、マンション住まいでは飼えなかった犬を飼う予定でした。
しかし、妻の一目ぼれで山羊を飼うことに。これは運命だったのかもしれません。

飼ってみてこれほど我々の生活にあった生き物はいなかったです。
まず、田舎暮らしでは草刈りという重労働があります。
山間部の過疎地では、各家に必ず草刈り機があります。
草刈りをすることで、人間の住む場所を確保しているのです。

しかし、我々は草刈りをすることがほぼありません。数年に一回くらいあるかどうかです。山羊がその分、(我々よりだいぶ貢献する勢いで)草刈りしてくれます。

また、彼らは接客もしてくれます。兄は去勢済みなので気が優しく、二頭とも人懐こいです。人のすることをじっと見ていて、そばに寄り添ってくれます。犬ほど厚かましくなく、猫より距離感が近く。
飼い主の言うこともよく聞いてくれます。(餌があるからですが)

山羊と会いたいから宿泊してくれる人もいます。
近隣の宿と比べた時、ヤギがいるという理由で選んでくれる方もいます。
うちの営業部長です。

草食だからでしょうか、動物の割に臭いも少ないと思います。
無駄吠えもありません。夕食のため離れに向かうお客様に、聞こえるくらいの声で「メメメ」とつぶやきます。
山羊と一緒にヨガをすることでヨガの効果を高める「ヤギヨガ」というのがあるそうです。

熊野古道を歩くお客様をお見送りする前に、ヤギと一緒に写真を撮ります。
動物と一緒に撮影するから見ることができる笑顔があります。
笑顔でお見送りできる事が自然にできる宿なんです。

近所の方との交流にもヤギが活躍します。
間引きした野菜、芋のつるなど人間が食べない部分。
育ちすぎてしまった作物。貰う方も気兼ねなくいただけます。
お孫さんが帰省した時の、ちょっとした観光スポットにもなります。

次はヤギを飼っていて感じることをつらつらと書いてみようと思います。



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