3万円で退職代行できて,1万足らずで休職手続きができてしまう時代
退職代行なんて使うことはないと思っていた。
実際まだ使ったことはないが,ここ最近で結構追い詰められていたときは『最悪使ってもいいか』くらいの気持ちになっていた。
なんとか退職は踏みとどまったが,それでも『休職できないか』の交渉は上司と行った。
今の職場は転職して1年程度。
それなりに上手くやっていたが,ここ3カ月,ある案件の対応で心をすり減らしていた。
もう逃げるしかないと思い転職活動も並行していたことも相まって,余計疲労が蓄積していた。
この前の3連休で限界を迎え,とりあえず病院に行く口実で仕事を休もうと思っていた。
病院に通ったのは大学生時代が最後かもしれない。
調べて初めて知ったのだが,どこも心療内科は予約でいっぱいだった。
新規の予約は最短で2週間とのこと,再診のお客様でどこもスケジュールが埋まっているらしい。
途方に暮れながらいろいろ調べていたら,『ファストドクター』に出会った。
ファストドクターとはオンライン診療サービスであり,心療内科だけでなく,幅広く診察してもらうことができる。
時間も23:00までなら予約でき,処方箋は郵送で受け取れる。
診察後は数日で診断書を受け取れる(私は翌日にメールで受領した)。
22時までは初診の診察料が3,000円,診断書(フォーマットに変更しない場合)が4,400円,らしい。
保険も適用される。
まだ請求が来ていないから,金額は間違っているかもしれないけど。
とりあえず現状を変えることにはつながると思い,心療内科を22:00に予約した。
診断の少し前の時間になると,担当医師の方の性別・年代がアプリで確認できるので,配慮されているなと思った。
担当医師の方は,優しく話を聞いてくださる方だった。
15分の面談で淡々と自分の状況を話した。
適応障害と診断され,『1カ月仕事を離れるか』『投薬しながら仕事を続けるか』を選んでよいと言っていただいた。
薬を飲むことに抵抗があったので,前者を選んだ。
そして,『明日の仕事は休んでいい』と伝えてもらった。
第三者にそう言ってもらえると,罪悪感が消えた。
翌日は体調不良で仕事を休む連絡とともに,適応障害と診断されたことを上司に伝えた。
その翌日,仕事のためPCを起動してチャットを確認するのが怖かったが,特に仕事の連絡は来ていなかった。
上司が根回ししてくれたのだとわかった。
その後Web会議の場で,私をストレスの原因となっている仕事から外してくれたことを伝えてもらった。
ありがたい気持ちを感じつつ,抜けて問題ないなら,途中からでもそうしてほしかったとも感じてしまった。
そして,休職 or 仕事をセーブして勤務 の2択となり,私は後者を選んだ。
ここまでやっておいてなんだが,休職するともう正社員として働く道が閉ざされると思った。
もう一つの理由は,まだ転職活動に成果がなかったことでもある。
そろそろ地元に帰りたかった。
ただ,色々探してみても,地元にはあまり求人がなかった。
年収が下がるのは覚悟の上だが,それにしても… といった労働条件。
第一志望の地元大企業の求人も面接で話を聞いてみると,なんか違うな とは感づいてしまった。
求人自体は出しているものの,別に本気で採用しようと思っていないのが,伝わってくる。
まだ合否の連絡は来ていないけど,翌日に何も連絡がない時点で温度感はわかる。
それもあって,とりあえずは仕事を続けることにした。
仕事の配慮をしてもらえるくらいには,大事にしてもらえる職場は貴重だと思う。
ただ,適応障害で仕事を抜けた時点でキャリアとしては終わった。
上司は自分を出世させようと難しい仕事を任せてくれたのだろうが,私のメンタルは脆弱だった。
別に出世したかった訳ではないが,信用は失ったのは間違いないし,私としても「傷病による休職」という最後の手段として切れるカード を使ってしまったのだ(しかも転職して1年で)。
次に精神的に追い込まれたときは,退職しかない。
とりあえず,これからもずっとここで働くことはできないにしても,もうしばらくは頑張ってみるしかないのかな,と思った。
同じように悩んでいる方も,とりあえず退職の前に休職という考え方を持っておくのはよいことかもしれない。
ただ,簡単に休職はできるけれど,安直に使うのはお勧めしたくない(特に長く勤めたいと希望する方には)。
休職したことのデメリットは,年齢を重ねた後にボディブローのように効いてくるだろうから。