いつのまにかなくしていたもの

いつからだろう。
楽しくもないのに、楽しいふりをするようになったのは。

いつからだろう。
世界に迎合するようになったのは。

昔の自分はこんなにつまらない人間だっただろうかと思い返してみる。

高校の頃、ひたすら寝続けていたのではじめはクラスで浮いていた。
大学の頃、サークルには早々に行かなくなり一人でいることが多かった。

あの頃は、誰かと一緒にいないことなんてまるで気にしていなかった。
気を遣うような人と一緒にいるくらいなら、一人で自由を謳歌した方がはるかに有意義な時間を過ごせると考えていた。

それが今ではどうだろう。

いつのまにか、世界の輪から外れることを恐れてしまっていた。
いつのまにか、同調圧力に屈するようになっていた。

それらを、生きるために仕方のないことだと思うようになっていた。
いや、そう思うことすら忘れていた。

それらは果たして本当に必要なことだろうか。

そもそも、なぜ会社を辞めてまで起業しようとしていたのか。
決して世界のためなんかではなかったはずだ。

それは自分たちだけの国をつくるためではなかったか。
それは自分たちの生き方が間違っていないと証明するためではなかったか。

忘れてはいけない。

何に忠を尽くすか。
世界に忠を尽くすか。自分に忠を尽くすか。

思い出せ。

何のために生きるのか。
世界のために生きるのか。自分のために生きるのか。

その答えこそが、情熱だ。

いつのまにかなくしていたものを、ひとつとりもどした気がする。

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