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ヘヴィーなB.I.G.
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「ヘヴィーなB.I.G.」
高校生の頃。ショッピングモールの中のドトールで母親からもらった小銭を握りしめてようやく飲めるようになったコーヒーを注文して適当に席に着いて飲んでた。母親は洋服を見に行ってて30分くらいは戻ってこない気配。俺が座ってた席の隣に40代くらいの男性が2人向かい合いながら座り、2人とも同じカフェオレを飲み、ミルクレープをフォークで突っつきながら終始イライラしている感じだった。
「俺はなあ、許せねえんだよお、こうやってなあ、突き刺したくなる気持ちにさせるとはなあ」
「刺すとなあ、血が出るんだよなあ、そんなのはなあ、分かりきってる事なんだよなあ」
母親が買い物から帰ってきた。隣の席の会話を聞いてビビった俺は高校生にもなって母親にもう1杯コーヒーをおねだりした。1杯目と味が変わらなかった。