炭酸水が好き
初めて飲んだ炭酸飲料は三ツ矢サイダーだったと思う
我が家にはなぜか、台所の隅にビールのケースではなくサイダーのケースがふたつ重ねて置かれていた。それは父親が下戸でコーラよりサイダー派だったのと、わたしたちのおやつのためだった
今でこそ三ツ矢サイダーは緑色のイメージだが、わたしの中では青。それはルパン三世のジャケットが緑か赤かで論争が繰り広げられるのと同じくらいの価値観
いくつくらいまで飲んでいただろうか。いつの間にか台所にこのケースが重ねられることはなくなったが、子どもの頃は1日1本と決められて、文句を言いながらも守った
子どもは決めつけられると反抗したくなるもので、なんとかして多く飲もうとするのだが、本音は1本でお腹いっぱい。2本目を飲みきれることはなかった
わたしはこの三ツ矢サイダーに、おつまみの「燻製さきいか」をひたして食べるのが好きだった。いかをひたすと炭酸のしゅわしゅわが増す。親には遊んでいると思われ、よくげんこつをもらったものだ。でもひたしてやわらかくなったさきいかを食べるのが好きだった
だけど、それで炭酸が飛んでいるとか、サイダーが不味くなるなんてことは考えもせず、ひたすら冷やしては食べ、濁ったサイダーを飲んでは冷やしをこそこそと繰り返した。子どもって変なことするよね
道行く高級車のマークを見て「三ツ矢サイダーの車」と言っていたのは、車に詳しい友だちができるまで・・・・
初めて炭酸水を求めたのは、旅先のカフェで飲んだ木苺のソーダが美味しかったから。コレなら、ジャムさえあれば自宅でも出来るかもしれないと思ったのがきっかけだった
でも種類が沢山あって、どれを買ったらいいのかわからなかった
最初の子の妊娠中わたしはペーパードライバーで、いつも妹の車で産婦人科に通院していた。当時お嫁さんだったわたしの唯一の外出だったから、いつもふたりで贅沢なランチを楽しんだ
妹の友人に食通がいて、当時ハマって通っていたのはフランス料理。そこで初めて「ペリエ」の言葉を知った。グラス一杯350円だったと思う
これなんですか?
味のない炭酸飲料を飲んだのはその時が初めてで、透明の炭酸飲料は三ツ矢サイダーかキリンレモンと思っていた子ども舌には、結構な衝撃だったと思う
別にどうってことなかったけれど、成人してビールが飲めるようになったような感覚で、それが大人の入り口とでも思ったのか、それから「ペリエ」の文字を見ると注文するようになった
木苺のジャムは手元にはなかったけれど、普通のいちごジャムとかブルーベリーで炭酸ソーダを作った。でも、お店のようにはいかなかった。おそらくしゅわしゅわが足りなかったのだろう
今でこそ微炭酸や強炭酸、それぞれの意図も仕様も解る。だが今のわたしは、しゅわしゅわの強さよりも硬水を求めて炭酸水を選ぶようになった。それは主にダイエットの為である
硬水は硬度が高いと飲みにくいこともあり、しかしながらしゅわしゅわしていれば気にならない不思議、そういう味の炭酸飲料だと騙される。そうするうちに炭酸がなくても硬水が飲めるようになった
ダイエット中の炭酸水はとても重宝する。なにより満腹になるし、炭酸は水よりも浸透率がいいので、がぶがぶ飲んでもトイレが近くなることもなかった ⇐ これは個人差か?
もっといいのは夏の暑い夜。お風呂上りについついビールを飲みたくなるものだが、微炭酸よりちょっと強めの炭酸水は、ビールと似たようなのど越しがあり、ビールを飲まなくても満足できるようになったのだ。おかげでバカみたいに飲んでいたお酒を控えることができるようになった
さらなる効果として、炭酸水に慣れてしまうと味のついている他の炭酸飲料が飲めなくなった。とにかくなにを飲んでも甘さが際立って、さらに水を飲まないことにはおさまらなくなるのだ。これはダイエッターには喜ばしいことで、余計な出費もなくなった
コーラはもっぱらダイエットコーラだっが、あえてペプシを選ぶこともある。でも一番好きなのはクラシック。これは学生時代、なにかの漫画に出てきて、Coca-Colaの隣に小さくCLASSICと書かれているのがカッコいいと思ったからなのだが、なかなか自販機に並んでいることがなく、見つけた時は「売切」ランプが出るまで買い占めたものだった。若さは時に、そういうひとと違うこだわりを求めるものだね
ウィルキンソンやゲロルシュタイナーを飲んでいたのは、ドラマで推しの俳優がいつも持っていたから。でも金額が見合わなくて、結局安く積み重ねられているペットボトルを選ぶようになる。そして現在のお気に入りはコストコに置いてあるサンペレグリノ
夏はだいたい1日平均4本は飲む。だが冬は1本がやっとだ。人間てわがままだよね~