連載『オスカルな女たち』
《 胸騒ぎ 》・・・17
「マコちゃん…」
帰り際、つかさは真実(まこと)を呼び止め、両手を前に合わせて「とほほ…」な表情で見据えた。
「どうした…?」
真実がつかさのそんな顔を見るのは、これが2度目だった。1度目は大事なところにできものができた…と悲痛な顔で医院に訪れた時だったが、
「相談があるの…」
「もしかして…? 秋山のことか」
面白がって笑みを浮かべる真実に、
「そうじゃない、こないだの続き」
と、それどころではない様子を訴える。
「続き? またできものでもできた…とか」
「そうじゃないの。ちょっと違う」
どうにも言いにくそうなつかさを訝しむ。
「その…体毛がね、復活しないの」
「体毛? 復活しないって、あそこの…?」
「そう、そうなの。あのあと、治り際におできの周りの皮が剥けたんだけれど、はっきりとは見てないんだけれど、どうもつるつるになっちゃってるみたい…そのまま。片側だけ」
「じゃぁ今、パイ…」
「スト~っプ。それは言わないで、勘弁して…」
両手をかざして真実を制す。
*初めから読み返したい方はこちらからどうぞ( *´艸`)
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