”彼”の事情~奏詩side
彼女ってなによ?
ガールフレンド?
友だちだろ?
「千堂、次…、あぁそうか」
「なんだよ!?」
気がつくといつも一歩うしろに翔子がいた。
なんだか最近、不自由だ・・・・
「ねぇ、私あなたに一度聞きたかったんだけど」
「あ、俺も」
「なに?」
「なんで俺たちいつも一緒にいないとなんないわけ? お前といるとみんな遠慮すんだよな」
「なんでって…邪魔しちゃ悪いと思って遠慮してるんでしょうよ。当然じゃない? 私たちつきあってるんだから」
「え、俺らってつきあってたの?」
俺らって付き合ってたの?
そもそも付き合うってなんだよ
女と一緒にいなきゃいけない意味ってなんだ?
『やだ、おたおじゃん』
『あいつ、いっつもひとりでいる』
『そりゃそうよ、ぼっちくんだしおたおだもん』
おたお?
「おた…いや、太田クン。君、3月いっぱいで寮出るんだよね?」
「あぁはい。そういうシステムですよね、ここ」
「そうなんだけど…3月いっぱいまで粘られちゃ困るんだよ。新入生が来る前に出てもらわないと…」
「え。あぁ、はい」
へぇ、あいつ、住むとこ探してんだ・・・・
「棚橋、あいつのこと知ってる?」
「あぁ、太田? 同じサークルじゃん。お前ってホント人のことどうでもいいのな」
同じサークル…?
「あぁ…」
あいつか・・・・
『今年の新入生はどうだ?』
『千堂、お前も選べよ。今年は多いから、面白いのがあるぞ』
そうだ、あいつだ・・・・
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