連載『オスカルな女たち』
《 最初で最後の晩餐 》・・・15
「残念ながらそこは期待外れだったわね…でも、うちだってありえないことじゃないのよねぇ…ランジェリーショップ行こうかしら」
「脱いじまったらそんなのどうでもいいだろ? 煩悩の思うままなんだから」
「マコちゃん、極端。それじゃ勝負パンツも意味ないじゃない…」
「そうか」
「そこまでのやり取りを楽しむほど、余裕も時間もないかもねぇ」
それは年上の旦那に対する言葉なのか、自分のことを言っているのか、どちらとも取れない言い方をする玲(あきら)。
「電気消せばいい」
「や~だ、マコちゃんてば。…でも結局どうしたの…?」
浮気が発覚しただけで傍観を決め込むのか…と、つかさが問う。
「先月いっぱいで異動させたわよ、10月だし。ちょうどいい時期でしょ」
そう言って玲はスパークリングワインを口に運ぶ。
「どこに?」
「隣の支店に」
「え? それって例の浮気相手がいるところ? いいの?」
そんなつかさと玲のやり取りを受け、
「なになに、話が見えないけど…?」
ビールをグラスに注ぎながら聞き返す真実(まこと)。
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