連載『オスカルな女たち』
《 大切な・・・・ 》・・・11
「そう。彼女だよ、あたしが好きなのは」
少し興奮気味に上ずった声で答える。
「ホントだったのか…」
「冗談だとでも? なんだよ、こないだはやけに理解ある口ぶりだったくせに」
ちょっと得意げに腕を組む。いつになく佑介をやり込めたい気持ちが湧いてきて、口が止まらないのだ。
「つきあってんのか?」
多少なりとも気分を逆なでされたのか、佑介は続け、
「相手は知ってんのか?」
入り口のドアを振り返る。
「ん、なわけ。てか、お前、ホントにどうかしてるぞ」
後を追われては困る…と、真実(まこと)は言葉で後を追いながらも、振り返る佑介の目が潤んでいるようで、
「なんだよ」
たじろいで後ずさる。
「相手はお前の気持ち、知ってんのか?」
拗ねた目つきで問いかける。
「知ってるよ『好きだ』って言ったもん」
「それで?」
「それだけだよ」
「なんで?」
真実の肩に掴みかかる。
「なんだよ、放せよ」
「それでいいのか?」
肩を掴む手に尚も力が入る佑介。
*初めから読み返したい方はこちらからどうぞ( *´艸`)
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とにかく今は、やり遂げることを目標にしています
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