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10年ひとむかし
世の中の変化が非常に激しいことのたとえ・・・・
でも「昔」というほど記憶が曖昧でもない
子どもの成長には著しい変化があるかもしれない
でも成人した大人の10年はどうだろう
忘れられないものだよ
先月半ばに地震があった時、わたしはすぐには電話を掛けられなかったよ
テレビを見て、福島県って言われたけれど、自分の家の中も結構揺れていたからね、あの日のように電話の向こうで妹がギャン泣きしてたらどうしようって、怖くてすぐには電話ができなかった。自分では平気だと思っていたけれど、これもいわゆるトラウマの一種だよね? びっくりしたよ
しばらくして、私用で出掛けていた旦那さまからのLINEで「大丈夫か」「ばぁちゃんは平気か」と、その言葉で初めて実家に電話した。なんとなく想像してたけれど、案の定話し中で…
(こんな遠いところにいるわたしより、近くの兄弟や友人たちがいの一番に連絡を入れているはずなのだ…薄情な娘よりもいち早く・・・・)
もしかしたらなにか作業をしていて電話どころじゃのないかもしれないとも思い、次に繋がりそうな姪っ子にLINEを送る・・・・「怪我はない?」「落ち着いたら電話して」
そしたらすぐ、部屋の様子の写真が添付されてきた。「余震がすごい」と
写真はキッチンと子ども部屋だった。開きっぱなしの食器棚と、崩れて割れた食器・・・・妹のお気に入りがまた割れてる…まただ、そう思ったら胸がキュっとなった。食器なんかよりも大事なものがあるじゃないかって言われそうだけれど、地震で割れた…なんて心に痕が残るじゃないか! そんなのは思い出じゃない
本棚の中身が散乱して、ベッドの上は泥棒が入ったみたいになっている…子どもはただでさえ部屋の掃除が嫌いなのに、これじゃぁうんざりだ。なぁんて、つくづくとんちんかんなことを考えてるなぁと思うけど、それが本音だ
返信しようと思ったら妹からの着信。落ち着いている。よかった・・・・
夜も遅い時間だというのに、ひとり暮らしの実家には、母を心配した隣近所の方々がかわるがわる様子を見に来てくれているという。あぁだから電話に出れない…ほっとする。あったかいところにいるんだ、お母さんは (*´ω`*)
地震でいいことなんかないけれど、せめて家族が揃っている時間でよかったと思った
そのあと、なんとなく従妹にLINEをしてみた。最近アパートに引っ越したばかりで、しかも2階だからさぞかし揺れただろうと思って。10年前、彼女の母親(わたしの叔母)は少しの間パニック障害になり、食事ができなくなっていたことを思い出したのだ。そうしたら同じようにキッチンの写真が送られてきた。そこにも見慣れた皿があり・・・・
あの頃は父もいた・・・・ほら、10年は昔ではない
なにもかもが鮮明に残っている
従妹とはそれほどやり取りをする間柄でもなかったから、返信はないと思っていたけど「断水した」「水出た」「ちょろちょろ」と、その後の経過が送られてきて、あぁそうだよね怖いよねって、思った
経験があるからこそ怖い
知っているからこそ、安心できないのだ
まして子どもたちは・・・・
ひとりで留守番中の余震に、犬を抱えて飛び出した甥っ子は大学生になり、小学校で体育館に避難していた姪っ子はもう高校生でプライベートルームを持っている。保育園でお昼寝中に周りの景色が一変した甥っ子は中学生で、見たことのある光景に「あれがこれか」と感じているかもしれない
10年経って成長した子どもらは、勝手が解って更なる恐怖を知ったのだ
そんな必要あったのかな
そんな思い出要らないよね
経験があるから学べる…なんて教訓めいたこと、こればっかりはね
知らなくてもいいこともあるよね
忘れちゃいけないことだけど
みんなの10年・・・・
いろんな10年・・・・
わたしの10年・・・・
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