嘘寝 ~たぬきねいり~
幼少当時、あまり言葉を知らないわたしたちは、たぬき寝入りを「嘘寝」と呼んでいた。嘘の眠りからくる子どもの造語だが、簡単でいい
子どもの頃、親戚の家からの帰り道、ほんの15分足らずの距離の中、わたしたちは眠りこけていた。たった15分でも充分にガチ寝できた子どもだったわたしたちは、両親にお姫さま抱っこされてお布団に運ばれることが至福だったのだ
でもそれも、少し大きくなると自宅につくころには目覚めてしまったりして、お姫さま抱っこが叶わなくなってくる。そんな時、たぬき寝入りを決め込むのだが、なぜかバレてしまう。それが不思議で不思議でしょうがなかったのだが、本気で寝ていたら体が重くなるはずなので、大人にはばれていたということをもっと大人になってから知る
たぬき寝入りだとどうして気づかれてしまうのか、わたしはしばらくお姫さま抱っこのために試行錯誤していたが、子どもの頭では結局、答えにはたどり着くことはできなかった
大人になって恋をして、彼の家で寝入ってしまったときも同じような現象が起こった
お姫さま抱っこしてベッドに運んでもらうことが目的ではなかった。終電を逃して仕方なくお泊りになってしまう…とか、彼の行動が知りたくて電話の間に嘘寝して待つ…とか、いろいろ。かわいいことを考えていたものだ。残念ながらそれらは、すべて妄想に過ぎないチ───(´-ω-`)───ン
おあとがよろしいようでʅ( ᷄ω ᷅ )ʃ
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とにかく今は、やり遂げることを目標にしています
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