連載『オスカルな女たち』
《 すったもんだで 》・・・10
「なにやってんだ、こいつ。ば~か、あっちいけよ」
手のひらを翻しあしらったつもりの真実(まこと)だったが、
「やだ、入ってくるんじゃない?」
くすりと笑いながら、佑介を目で追う玲(あきら)。
「なんだよ、珍しい顔合わせだな」
呼ばれてもいないのにどっかと玲の隣に座り込んだ。
「なんでくんだよ」
「だって呼んだだろ? 今」
どうやら真実のあしらいを手招きと受け取ったようだった。
「はぁ…」
頭を抱える。
「こういう男よ」
呆れ顔で織瀬(おりせ)に目配せする玲。
「なんだよ、玲。相変わらずいい女だな」
勧められもしないのに、どっかと玲の隣に座り込む。
「殴るわよ」
「そっちも相変わらず…」
大げさにのけぞる振りをする。ついと織瀬に視線を投げ、
「こんにちは、織瀬…さん」
佑介はにっこりと微笑む。
「やめろっ」
当然真実は気に入らない。
「あぁ、えと。こんにちは」
最近、やたらと会うな…と思いながら受け応える織瀬は緊張を隠せない。
「あら、あなたたたち面識あるの?」
玲の問いかけに、
「あぁ、ちょっと前にな~」
まるで気のいいおじさんだ。
*初めから読み返したい方はこちらからどうぞ( *´艸`)
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