連載『オスカルな女たち』
《 内緒話と捨て台詞 》・・・10
「さすがというべきか…」
並べられた背の高い花かごに次々と名前が掲げられていく。
あぁ…と、つかさはため息をつき、
「そうね、自分を誇示したいのね」
と、お祝いの花かごのひとつに〈高鷲吾郎〉の名を目に留め「素直にお祝いと受け取りましょう」と笑って見せた。
その隣には、皮肉にも〈藤枝圭慈〉の名が連ねていた。
「彼のもちゃんとあるね」
つん…とつかさの肘をつく織瀬(おりせ)。
「くるんでしょ?」
「楽しみだわ」
意外にも玲(あきら)がいちばん心待ちにしているように思えた。
「や~だ。あんまり期待しないでよ」
つかさがそう言ったところで、入り口のドア前でキョロキョロと中を覗いている人影を確認した。
「新しいスタッフ?」
そう言って立ち上がる織瀬。
「早いわね。やる気は充分のようだわ」
ボトルをつかんで玲が続いた。
「さぁ。そろそろ開店準備に取り掛かりましょうか」
最後につかさが立ち上がり、3人は店の入り口に向かった。
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